ベスト4には程遠い、悔しい初戦敗退

男子ホッケー

 盆地特有の蒸し暑さに包まれた親里ホッケー場で、全日本大学王座決定戦(王座)が開催された。早大は関東第5代表として1回戦に登場。ベスト4を目標とし、気合十分で臨んだ。相手は去年の同大会で辛勝した福井工大。試合は前半、早大のペースで圧倒し、有利に進めた。しかし前半終了間際から、状況は一変する。得点を挙げるごとに勢いを増す福井工大に翻弄(ほんろう)され、得点が遠のいた。展開を変える一撃が出ないまま失点を重ね、2-6で敗戦。ベスト4には遠く及ばない、悔しい敗戦を喫した。

 立ち上がりは絶好調。FW宮崎俊哉(スポ4=福井・丹生)が持ち味の華麗なドリブルで早くも相手ゴールを脅かす。開始3分でペナルティコーナー(PC)を獲得すると、DF中嶋鍊(スポ1=島根・横田)のシュートが相手ネットを揺らし、先制点を獲得。失点に焦る福井工大の反撃をDF糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)がしのぐ。10分には再びPCを奪取。MF岸本昌樹(教4=鳥取・八頭)のパスにDF是澤勇志(文3=東京・早大学院)が合わせ、鋭いシュートから2点目を追加する。開始からわずかな時間で2得点を挙げ、幸先のいいスタートを切った。とはいえ相手は北信越代表。持ち味であるサイドからの厳しい攻撃を受け何度もピンチを迎えるが、GK戸田翼(社4=島根・横田)が好セーブを連発し守り切った。相手PCも切り抜け、このまま2点リードで前半を終える。誰もがそう思った。しかし、現実は厳しいものだった。終了間際に隙を突かれ、33分、34分と立て続けに失点。まさかの同点で試合を折り返した。

攻守両方で早大を支えた糸賀

 変わって後半、形成が逆転する。開始直後から何度もピンチに見舞われる早大。DF陣の活躍でどうにかしのいでいたが、7分にわずかな隙を狙われ失点。小さなミスがチームの崩壊を招いた。直後の11分にはPCから点を失う。前半からの疲労で動きが鈍る中、思うようにパスが通らなくなった。さらに怒涛の攻撃を浴び、辛うじてしのぐ苦しい展開。猛攻の合間にFW関修平(商2=東京・早大学院)やFW大野誠弥(政経1=東京・早大学院)が必死でチャンスをつかみ、反撃ののろしを上げようと奔走するも決めきれない。ボールを奪えないまま迎えた30分、さらには33分に立て続けに点を奪われた。最後まで攻撃の糸口は見つけられず、2-6で試合終了。悔しすぎる初戦敗退となった。

勝利の女神がほほ笑むことはなかった

 少数精鋭で戦う――選手の交代が自由なホッケーという競技で、早大が掲げるプレースタイルは、一般的なプレースタイルとは一線を画している。特に顕著になるのが体力の消耗。今試合は特にその課題が浮き彫りとなった。早大ホッケー部がきたる秋季関東学生リーグ(秋季リーグ)で勝利を収めるために必要なことについて、「1人1人の体力の向上」「それぞれの武器を増やす」と口をそろえる。猛暑が予想される今夏、厳しいトレーニングを乗り越えたエンジの戦士。秋季リーグはさらなる強さで他を圧倒することだろう。

(記事 榎本透子、写真 杉野利恵)

全日本大学王座決定戦
早大 2-2
0-4
福井工大

FW宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)

――今試合の戦術とご自身の役割は

福井工大は前から厳しいプレッシャーがきたり、サイドから激しく攻めてくるチームなので、それに対して消極的にならず、積極的にプランを持ってそれぞれができることをやりきろうという話はしていました。前半のうちはそれができていたのですが、体力が無くなってきたあたりから消極的なプレーや、頭が真っ白になって積極的なプランが持てなくなったので、それが今後の課題だと思います。自分自身としてはチームの主将ということで、1番は得点をとることだったと思うし、チームの精神的支柱になれるようにみんなとコミュニケーションをとりたいと思っていました。ですが、自分も疲れ切ってしまう面があってなかなかうまくできなかったのが反省点です。

――前半終了間際に同点に追いつかれてしまいましたが、その後のハーフタイムでどのような話をしましたか

まずは試合前のミーティングで話したことを忘れずにやろう、ということですね。あとは中盤に入ったときにプレッシャーが厳しくくるので、安易にパスを出さず、しっかり外から攻めようという話をしました。

――関東学生秋季リーグに向けて、この夏の練習をどのように取り組んでいきますか

最初の30分だけ見れば、関西のチームと十分に戦っていけるチームだと思うので、それを前後半の70分持続的にやっていくことが最大の課題だと思います。この夏集中して体力強化に取り組みたいと思います。

GK戸田翼副将(社4=滋賀・伊吹)

――今試合の戦術と自身の役割は

相手は結構プレッシャーが強いチームで、プレスとかも速いので、DFが基盤となって組み立ててかわしていくことを想定して臨みました。僕はまず自分のプレーをするというよりは、声でチームをまとめ、けん引できるように心がけました。

――GKから見たチームの動きは

前半の中盤まではそんなに悪いところもなく、みんな落ち着いてやっていたと思います。でも1つのミスで失点してしまい、そこからチームが崩れていく形になってしまったのかと思います。

――この夏はどのような練習に取り組もうと考えていますか

チームとしては、少ない人数だと分かっているので、体力だとか自分ができることを増やしていかないと絶対チームの勝利はないと思います。個人的にはこんなに失点してしまったので、またもう1度試合に出られるように自分のプレーや人間的な面を見直して取り組みたいです。

DF是澤勇志(文3=東京・早大学院)

――きょうの試合の戦術と、それにおけるご自身の役割は

戦術的には、結構プレスが強いと予想していたので、不用意なパスを減らして後ろで自滅をしないように、外から攻めることを意識してボールを出していました。

――途中からパスが通らなくなったように見えました

パスが通らなくなったときに、シンプルに縦に打つということを前々から話し合ってはいたのですが、そこで変にボールを持ってしまってとられるパターンだったので、前半の2失点は余計だったと思います。

――秋季リーグに向けてこの夏、どのようなことに取り組みますか

人数が少ないのは変わらないので、全員がしっかり意識を統一して、体力を切らさないような試合運びができるようにしていければと思います。

FW関修平(商2=東京・早大学院)

――今回の試合の戦術と自身の役割は

ビデオとかで見ていて、右サイドのDFがボールをもって上がり攻めてきていたので、FWとしてはDFのマークをしっかり見て、ついていくということを意識して臨みました。

――積極的に得点を狙っている姿がみられました

シュートチャンスが何度かあったのですが全部外してしまって、やっぱあの場面で決めるか決めないかがチームの雰囲気にも勝敗にも大きく関わってくるので、決められなかったのはまだまだ自分の欠点だと思います。

――夏の練習にはどのように取り組んでいきますか

最近の練習試合やきょうの試合をみても、前半の最初は勢いがあっていい感じだと思います。ですが後半になっていくにつれて、人数が少ない分1人1人の体力も消耗していくので走る量とかが落ちていってしまい失点してしまう場面が多いです。やっぱり体力を増やすようなラントレとかの練習をもっとしなければいけないと思いました。