リーグ優勝を目前に完敗も、次につながる試合に

男子ホッケー

 春に続いて決勝の舞台へと駒を進めたワセダ。相手の山梨学院大には、春季関東学生リーグの準決勝でこそ勝利を収めたものの、全日本大学王座決定戦と秋季リーグ戦の予選では共に敗戦を喫している。試合は前半から相手の高い技術に圧倒され、防戦一方となった。必死の戦いの中でつかんだチャンスをものにすることができず完敗。優勝を逃し悔しい幕切れとなった。

 試合は序盤から山梨学院大の猛攻を受ける苦しい展開。前半5分にはペナルティコーナー(PC)から鮮やかなシュートを決められ、先制点を許してしまった。その後は勢いに乗った相手の素早いロングボールと鋭いストロークに翻弄(ほんろう)される。秋季リーグ戦において個人技で活躍をみせているFW宮崎俊哉(スポ3=福井・丹生)は相手守備陣からの厳しいマークに苦しめられた。サークルへとボールを運びチャンスをつくったが決定打に恵まれず、0-2で前半を折り返す。

厳しいマークに苦しめられた

 後半はワセダの反撃から始まった。開始早々、後半2分にPCを連続で獲得。しかしこの決定機を決め切れず、逃してしまう。「自分1人で攻めても点が取れないので他の選手に任せようと思った」と宮崎が語るように、積極的に前線へと攻める場面が見られた。MF中村拓郎(社4=富山・石動)やFB鵜飼慎之介(スポ4=福井・丹生)も好機をうかがう。しかし、相手の堅い守備に阻まれなかなか得点に結びつかない。山梨学院大の猛攻は後半も続いた。14分に混戦の中でゴールを奪われ、その後も立て続けに追加点を許してしまう。終了間際には宮崎のアシストからMF宮口和樹(スポ2=滋賀・伊吹)が押し込み1点を返し、強豪相手に一矢報いた。しかし直後にまたもPCからダメ押しの1点を追加され、試合は1-6で終了。春に続いて悔しい2位となり、優勝にはあと一歩届かなかった。

前線へとボールを運ぶ中村

今試合では強豪・山梨学院大相手に苦戦を強いられたが、リーグ戦で春秋共に決勝へと進出したことは評価できるだろう。またワセダからは敢闘賞に鵜飼、ベストイレブンに宮崎、宮口、中村、鵜飼の4名が選出された。「少ないチャンスを決め切る」(木村)、「ショートコーナーでの失点を防ぐ」(宮口)などこの試合でそれぞれが課題を見つけたようだ。インカレまでに残された時間はわずか。どこまで修正できるかどうかが、目標とする全日本選手権出場への命運を握っている。

(記事 榎本透子、写真 大森葵)

集合写真

秋季関東学生リーグ
早大 0-2
1-4
山梨学院大
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コメント

松本剛毅監督(平6卒)

――きょうの試合を振り返って

やはり彼らの底力というか、良いところがずっと向こうに出てしまって、なす術がないという感じでしたね。守りに入ってしまったところが厳しかったですね。

――これで春秋と連続して2位が続きました

春と秋のどちらかで勝って優勝をしたかったですけど、決勝に出るということは難しいことなので、春秋連続で決勝に行けたという点では満足はしています。

――次週の全日本学生選手権(インカレ)に向けて

インカレは例年になくくじ運が良くて、順当に行けば明大が上がってきて、ベスト8のところで勝てば全日本選手権に行くことができます。そこはこのチームの目標としてきまし、準決勝では明大に勝ちましたし、また良いかたちで勝ち切って目標であるベスト4を達成したいと思います。

FB木村浩一郎主将(スポ4=栃木・今市)

――今の率直なお気持ちを教えてください

本当に悔しいという気持ちなのですが、インカレ(全日本学生選手権)もすぐ始まるので気持ちを切り替えてまた頑張っていこうと思います。

――1ー6ということで試合を振り返っていかがですか

結構PC(ペナルティコーナー)でやられる場面が多かったので、もう一度見直したいです。やはり離された時に気持ちが沈んでしまうところがあるので、精神面も次に向けて修整していきたいです。

――やはり山梨学院大は個人の力も強かったでしょうか

そうですね。前に前にという感じでスピードも速いですしロングボールも強烈でした。やはり先制点を許してしまってそこから流れを持っていかれてしまいました。山梨学院大にリベンジする機会はもうなかなかないと思いますが、次の試合では先制点というのを意識したいです。

――攻守両面でインカレに向けて課題は見つかりましたか

守備面では、インカレは連戦なのでずっと同じようなプレーを継続できるようにしたいです。攻撃面では、勝ち進んでいくうちにチャンスは少なくなってくると思うので、少ないチャンスで決め切るということをしっかりと意識させてやっていきたいと思います。

――インカレに向けて

全日本選手権出場が僕たちの目標なので、しっかりと目標達成できるように頑張っていきたいと思います。

FB鵜飼慎之介(スポ4=福井・丹生)

――今のお気持ちはいかがですか

結果としては悪くもないですけど良くもないですね。関東制覇を目指していたところで、春秋通して2位止まりという結果は悔しいですけど、2回連続で決勝に行けたということはすごいと思うので、そこまでネガティブにならずポジティブに捉えていいと思いますし、プラスに考えています。

――6失点ということでやはり山梨学院大は強かったでしょうか

そうですね。失点はすごく多かったのですが、基本的にここだけやれば失点が減るというポイントがわかりました。今回だったらペナルティコーナーからの失点が多く、改善する点が明確なので次に生かします。

――ロングボールがカットされる場面もありましたね

そうですね、秋はほとんど通っていないですね。これについてはインカレでどうするかというところを改善していきたいです。

――敢闘賞を受賞されましたがお気持ちはいかがですか

頑張ったかいがありました。

――全日本学生選手権(インカレ)に向けて課題は見つかりましたか

自分でもう一回ビデオをしっかりと見て、何が悪かったかというところを確認したいと思います。

――インカレへの意気込みをお願いします

絶対に全日本選手権に行けるように明大を倒すので、応援よろしくお願いします。

FW宮崎俊哉(スポ3=福井・丹生)

――今の率直な気持ちをお聞かせください

山梨学院大とは秋季リーグ戦の予選で良い勝負をしていたのですが結果として負けてしまい、王座(全日本大学王座決定戦)でも大敗したので、その雪辱を果たすためにきのうの準決勝で明大に勝って決勝に意気込んできました。それにも関わらず、また大敗してしまったことについては納得いっていません。ですが、自分がプレーしている時にみんなも一生懸命プレーしているのが伝わってきたので、それは今後の力になると思います。来週1週間しっかり調整してインカレに臨みたいと思います。

――ベストイレブン選出おめでとうございます

春はベストイレブンに加えて敢闘賞もいただいたのですが、今回はベストイレブンだけだったので、自分たちの代になったら、MVPに選出されるように努力していきます。

――相手のディフェンスから厳しくマークされていましたが、やりづらさはありましたか

山梨学院大もとりあえず自分をマークしておけばいいと思っていたと考えられるので、王座や秋リーグの予選に比べてマークも当然厳しくなっていました。それでも自分の持っている力である個人技を出していかないとチームも勝ち上がれないので、自分自身が向上すべきポイントだと思います。

――ロングパスが相手に遮られる場面が多く見られましたが、プレー中はどう考えていましたか

チームの武器がロングボールなのですが、それが通らなくなってしまったときの打開策がないことが今回でよくわかりました。克服するために1週間話し合いを重ねたいと思います。ロングボールがとれなかった時の中盤とディフェンスラインとの連携や中盤とフォワードラインとの連携面をしっかり取れるようミーティングしていきたいと思います。

――最後の最後で1点を返しましたが、アシストシーンを振り返ってみていかがですか

自分1人で攻めても点が取れないので他の人に任せようと思っていました。とりあえずゴール前にボールを打ち込んだら触ってもらえたというかたちです。

MF宮口和樹(スポ2=滋賀・伊吹)

――今の率直な気持ちをお聞かせください

勝てなかったことに対して悔しいです。優勝は4年生としたかったという後悔があります。

――ベストイレブン選出おめでとうございます

まだ2年生なのでもらえるとは思っていませんでした。3年生になってももらえるように日々努力していきたいと思います。

――ケガ明けと聞いていますが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

今季の秋リーグの初戦などはケガで動けなかったのですが、足の調子も良くなり明大戦からは自分のプレーの調子も上がってきたので、自分としてはよくプレーできたのではないかと思います。

――最後の最後で1点を返しましたが、ご自身の得点シーンを振り返ってみていかがですか

大差で負けていたのですが、1点を取りにいくという思いがあったので得点できて良かったと思います。

――今後の課題がありましたらお聞かせください

失点の大半がショートコーナーというセットプレーだったので、それをどう未然に防ぐかというのがチームとしての課題ではないかと思います。この課題を次のインカレに向けて修正していきたいです。