「らしさ」を出せず、格上相手に惨敗

男子ホッケー

 厳しい日差しが照りつける中、阿須運動公園ホッケー場で全日本大学王座決定戦の準決勝が行われた。相手はこの大会で5度の優勝、そしておととしから2連覇中の強豪・立命大だ。試合は終始、相手に主導権を握られるワセダにとっては歯がゆいものとなり、結果は0-7で惨敗。次戦は山梨学院大と3位決定戦で雌雄を決する。

 前半、開始直後から王者・立命大の素早いオフェンスに苦しい展開を強いられた。開始9分、ハーフライン付近でのミスによりボールは立命大へ。そこから細かい連携のとれたパス回しに翻弄(ほんろう)され痛恨の先制点を許してしまう。この1点をきっかけに10分間に合わせて4点を献上し、力の差を見せつけられた。しかしそのあとは前半34分のFB木村浩一郎主将(スポ4=栃木・今市)の身を挺(てい)する必死のディフェンスなどもあり、さらなる追加点は許さない。それに対して攻撃面では、「早い段階で失点してしまったのでそこで相手のペースにのまれてしまった」というFW佐藤良(政経4=東京・早大学院)の言葉通り、ボールを奪いチャンスをつくるも肝心の得点には結びつかなかった。そのまま4点ビハインドの劣勢で前半を終える。

必死の守りを見せる守備陣

 全員で円陣を組み気合いを入れ直したワセダだったが、開始早々にペナルティーストロークにより5点目を失う。後半に入ってからは疲れの色が見え始め、パスがつながらずにミスを重ねた。守備面では相手の巧みなスティックさばきに「足が止まってしまって最後の一歩が出なかった」とFB渡部大輔(スポ1=島根・横田)が反省するようにプレー全体に粗さが目立ち、後半7分、18分と立て続けに2点取られる展開に。最終的に7−0というワンサイドゲームで決勝進出を逃すかたちとなった。

相手のペナルティーコーナーにも苦しめられた

 選手たちが「格上」と意識するチームとの対戦。結果的にその実力差が如実に現れた試合になってしまったが、実際に同じフィールドでプレーをしたことで相手から学ぶ部分もあったはずだ。「この春の試合はすべて悪かった訳ではないので、しっかり自信を持って前半最後の一戦を良いかたちで締めくくりたい」。松本剛毅監督(平6卒)のその言葉を胸に、あすの山梨学院大との3位決定戦に闘志を燃やす。

(記事 加藤耀、写真 中村ちひろ)

全日本大学王座決定戦
早大 0-4
0-3
立命大
関連記事

激戦制し初戦を突破/全日本大学王座決定戦(7/11)

明大に敗北、リーグ制覇とはならず/春季関東学生リーグ(4/14)

強敵を激戦の末撃破!リーグ制覇まであと1勝/春季関東学生リーグ(5/20)

コメント

松本剛毅監督(平6卒)

――きょうの戦略は

格上の相手でしたが、あえて対処する訳ではなくいつも通りの我々のホッケーを突き通そうと挑みました。でも緊張等もあってなかなかそれが表現できなくて、そこが残念なところです。

――試合内容はそこまで悪い印象は受けませんでしたが

そうですね。でも自滅が多かったので、思い切ったプレーができなかったらこういう結果になってしまうのかな、と。実力通りの差だと思います。

――実際に試合を振り返って

やっぱり足りないところはよく見えたと思います。戦術云々よりメンタルのところが相手よりはるかに弱いことが分かりました。そこは夏合宿で修正したいと思います。

――ベンチからはどのような指示を出していたのですか

受け身になっていていつも通り大きく開けと言っていたのですが、ミスを恐れてどうしても中によってしまっていました。指示してはいたのですが伝えきれなかったことは反省しています。

――きょうの課題は

(ワセダは)メンタルが足りず相手の方が我々より勝とうという気持ちがはるかに強いので、そこをもう一度考え直して修正したいと思います。あしたまた大事な一戦が残っているので、なるべくきょう中に切り替えていこうと思います。

――あすの3位決定戦に向けて意気込みをお願いします

きょうの結果はこのように惨敗に終わりましたが、この春の試合はすべて悪かった訳ではないのでしっかり自信を持って前半の最後の一戦をよいかたちで締めくくりたいと思います。

FB木村浩一郎主将(スポ4=栃木・今市)

――立命大との準決勝となりましたがどのような意気込みで臨みましたか

とりあえず勝つという、みんなで勝ちに行こうという気持ちで挑みました。

――きょうの試合を振り返って

やはり基本的なスキルの差があって、こっちはミスが出てそこからカウンターになる場面も多かったです。基本的なスキルの差が一番ですね。

――前半の早い段階から失点が重なってしまいましたね

最初の立ち上がりで点数を取られないようにというかたちで挑んだのですが、点数を取られてしまってそこからリズムに乗れずという感じはありました。

――防戦が続く試合となりましたが、守備陣として意識したことはありますか

守備陣としては、相手がサークル内にボールをすごく入れてくるので、準備という面を意識して取り組んでいました。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

後半の最初の方でミスをしてしまってそこから点数を取られてしまって、そこで少しチームの雰囲気を悪くしてしまって、それは申し訳なかったと思っています。自分がそこでかっとなってしまったらダメだと思ったので、とりあえず頑張ろうと思いました。

――体を張ったプレーも見られましたね

やはり技術的な面で僕は引っ張ることができないので、体を張って守る意識をしていました。

――立命大の主将が同じ高校の出身ということでしたが

悔しいというのはありますね。悔しいの一言です。

――この試合で見つかった課題はありますか

基本的な打つ、止めるというところをインカレ(全日本学生選手権)までにやっていきたいと思います。

――3位決定戦が控えていると思いますが、意気込みをお願いします

ここであしたも負けてしまったら、ワセダはただ組み合わせが良かったという風になってしまうので。そういうのだけは嫌なので、しっかりあした(山梨学院大は)1回勝っている相手ですし、相手も勝つ気でくると思うのですが、勝てるようにきょうはケアに励みたいと思います。

FB鵜飼慎之介(スポ4=福井・丹生)

――どのような意気込みでこの試合に臨みましたか

3年前に(立命大に)勝ってはいるのでノーチャンスではないなというのはあったのですが、前半から緩く入ったところをつかれてボロボロやられてしまいましたね。

――試合を振り返って

やはり前半を緩く入りすぎたかなと思います。少し勝てるのではないかというのを言い過ぎていましたね。3年前は死ぬ気でやらなきゃ勝てないぞ、という気持ちだったので、やはり甘かったなというのはありますね。

――立命大の印象は

高校時代からずっとチームから出た人と全国大会などでやっていて、主力の選手はみんなほとんど知っているので、その中で大学4年間の差が少し見られたかなというか、出てしまったかなというのは正直あります。

――防戦が続く中で、守備陣として意識していたことは

僕自身日本リーグに出ているので、(相手の)選手個人個人の特徴はわかってつもりだったのですが、組織として守れたかといえば守れなかったですね。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

もっともっと自分が上がらなければ、組織としても上がらないのかなと思います。夏はまだありますし戦える環境になるまでに時間はあるので、インカレ(全日本学生選手権)などに向けて改善していきたいと思います。

――つぎの3位決定戦への意気込みをお願いします

どっちが来てもきょうみたいな試合はしないように、ワセダとして恥ずかしくないように試合をしたいと思います。

FW佐藤良(政経4=東京・早大学院)

――きょうの立命大戦への意気込みは

格上の相手だったので難しい試合になると思っていたのですが、勝てる可能性は絶対にあると思っていたのでそこは気持ちで負けないようにということは意識して入りました。

――実際に戦ってみていかがでしたか

前半の入りをしっかりしようとみんなで心がけていたのですが、早い段階で失点してしまったのでそこで相手のペースにのまれてしまったのかなと思います。

――攻められる試合展開が予想されていましたが、FWとしてどのような意識を持ってゴールに迫ろうと思っていましたか

普通だったら引いて守るのですがこれまでずっと春リーグも前でプレッシャーをかけて戦ってきたので、そのスタイルは最初から変えずにいったのですが少し難しいところはあったのかなと思います。

――FWというポジションながらもきょうは守備にも徹していましたね

そうですね。すごく疲れました。

――0ー7という結果についてはどのように受け止めていますか

これが現実だと思うので秋に向けてこの差を埋められるようただひたすら頑張りたいと思います。

――あすは3位決定戦に臨みますが、あすに生きる収穫などあれば教えてください

特にはありませんが、しっかりこの試合(山梨学院大と天理大の準決勝)を見てあしたのイメージを持って取り組みたいと思います。

――あすに向けての意気込みをお願いします

勝ったら全国3位に入れるので絶対に勝ちたいと思います。

FB渡部大輔(スポ1=島根・横田)

――格上の立命大が相手でしたが、どのような意気込みでしたか

格上なのでチャレンジする気持ちで、いろいろなことを楽しみながらプレーしようと思っていました。

――きょうの試合を振り返って

格上で、試合展開が早くてきつい展開になってしまって自分たちのチームのプレースタイルが発揮できなかったことが悔しいです。

――相手の攻撃がしっかりと失点につながってしまった原因は

足が止まってしまって最後の一歩が出なかったことが原因かな、と思います。

――暑い中での試合でしたが、それはプレーになにか影響がありましたか

最近、雨が続いていたのに急に暑くなって大変でした。

――あすの3位決定戦に向けっての意気込みは

チームの目標が全日本に出ることなので、あすの結果も重要になってきます。全力で今後につながるような試合ができればいいな、と思います。