明大に敗北、リーグ制覇とはならず

男子ホッケー

 先週の春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)準決勝で強豪・山梨学院大にSO戦の末、勝利を手にしたワセダ。決勝戦は明大との対戦となった。試合は序盤から一進一退の攻防が続く。しかしミスから相手にチャンスをつくられると、徐々に流れは明大に。前半は0点に抑え粘ったものの、後半は猛攻に耐えることができなかった。3点ビハインドの中、1点を返し意地を見せたが、その後さらに2点を奪われ1-5で無念の敗北。目標としていた優勝は達成できなかった。

 主力のケガの影響により、ポジションを変えて臨んだ前半。ペナルティーコーナー(PC)を奪うなど、積極的な攻め上がりを見せる。しかしこの日はミスが目立ち、徐々に明大にペースを握られてしまう展開に。春季リーグ戦を通じて安定感を見せていた守備陣も、この日は精彩を欠いた。前線へのロングパスが通らず、サークル内に切り込むことができない。FW宮崎俊哉(スポ3=福井・丹生)が個人技で打開しようとするも、得点には結びつかず。攻め込まれる時間帯が続いたが、相手のミスにも救われ0-0で前半を折り返す。

積極的な攻撃を見せた宮崎

 迎えた後半2分、ペナルティーストロークを与えてしまいついに失点。先制点を奪われ、ここでワセダの攻撃のスイッチが入る。宮崎やMF宮口和樹(スポ2=滋賀・伊吹)、FW川原悠雅(社4=佐賀・伊万里商)を中心にゴールを狙うも、1点が遠い。PCのチャンスも決められず、好機を生かすことができない時間が続く。すると立て続けに失点し、完全に流れは明大へ。21分、FB鵜飼慎之介(スポ4=福井・丹生)からのパスを宮崎が決め1点を返し巻き返しを狙うが、反撃もここまで。さらに2失点を喫し、点差を広げられてしまう。「気持ちが途切れてしまった」とFB木村浩一郎主将(スポ4=栃木・今市)。部員数の少ないワセダは徐々に疲労の色が見え始め、無念のタイムアップ。早明戦となった決勝は、1-5で完敗という結果となった。

試合終了後、肩を落とす選手たち

 「正直、すごく悔しい」(木村)。「最後の一歩が届かず悔しい」(宮口)。試合後、数多くの選手の口からでた「悔しい」という一言。関東制覇が目の前にあっただけに、悔いが残る準優勝となってしまった。しかし昨季の秋季関東学生リーグで2部との入れ替え戦を経験し、そこからの2位。さらに準決勝では山梨学院大に勝利するなど、今後の戦いを期待させる大会となった。まだ、シーズンは始まったばかりだ。「部員数が少ない分、層の厚いチームづくりをして連帯感を高めたい」(鵜飼)。7月の全日本大学王座決定戦、そして全日本学生選手権、さらには最終目標の全日本選手権出場へ。早大男子ホッケー部は歩みを止めることはない。

(記事 大森葵、写真 難波亮誠)

★大会MVPに鵜飼、敢闘賞に宮崎が選出!

MVPを獲得し笑顔を見せる鵜飼

 今大会を通じ、攻守共々で活躍を見せた鵜飼が大会MVPを受賞。「単純にすごく嬉しいです。この成績に恥じないプレーをできるよう日々努力します。」と語り、今後もワセダのキーマンとしての活躍が期待される。また宮崎も敢闘賞に選ばれ、「これからも継続してやっていきたい」と向上心をのぞかせた。さらにベストイレブンには木村、鵜飼、MF中村拓郎(社4=富山・石動)、宮崎、宮口の5名が選出。ベストイレブンが発表されると、多くの選手が笑顔を見せた。


春季関東学生リーグ
早大 0-0
1-5
明大
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コメント

松本剛毅監督(平6卒)

――きょうの試合を振り返って

決勝戦ということで、独特の雰囲気の中で勝ちにこだわってやりました。それなりにいいゲームはできたのですが、後半力尽きて思わぬ点差に開いてしまって非常に残念だったです。

――リーグ戦を振り返って

新チームが春にスタートして色々課題を見つけて一つ一つ修正してきました。実際にそれができてきて試合で積み重ねてこれたので、非常に満足はしていたのですが、最後、後味の悪い結果となってしまって。

――全日本大学王座決定戦(王座)に向けてどのようなチームをつくっていきますか

きょう新たな課題が また見つかったので、それを修正して行きたいです。王座も何が起こるかわからないですので、それに向けていい結果を残せるように頑張って行きたいと思います。

FB木村浩一郎主将(スポ4=栃木・今市)

――決勝戦となりましたがどのような意気込みで試合に臨みましたか

ここまできたら優勝しよう、と思っていました。それだけですね。全力で自分たちのプレーをやって優勝しようという感じでした。

――1ー5での敗戦となりましたが、今の率直なお気持ちは

正直すごく悔しいです。ですがこれが最終目標ではないので、とりあえず王座(全日本大学王座決定戦)に向けて反省点などを改善して、また王座で良い成績を残せるようにみんなで頑張っていきたいと思います。

――前半から全体的にミスが目立っていた印象がありましたが試合を振り返っていかがですか

そうですね。キーマンの鵜飼(FB慎之介、スポ4=福井・丹生)がケガで、ポジションを変えたりなど色々とやったのですが、仕方ないことでもあるので。後半は戻していつも通りでやろうとしたのですが、やはり難しかったですね。流れというのを僕たちはすごく意識しているので、きょうは勢いで負けましたね。

――後半は失点が重なりましたが何が原因だとお考えですか

やはり一人一人の気持ちの部分ではあると思います。勢いが良いとみんなやるぞという感じなのですが、きょうは少しミスがでてしまったり、気持ちが途切れてしまったりしたことが大きいかなと思います。

――明大の主将の大嶋雄飛選手は高校の同期ということで、何か意識はしましたか

小学校からずっと一緒にプレーをしてきていて家も近所なので、個人的にすごく悔しいですね。全国の舞台では借りを返したいと思います。

――昨年の秋季関東学生リーグの7位という順位から、春は2位という結果となりました

僕たちのジンクスとして、入れ替え戦にいった次の年のリーグ戦は優勝したりしていてすごく良くて。なので、ちょっと失敗したなという感じですが、やはり全日本選手権出場というのが目標なので、それに向けてまたやっていきます。

――王座に向けての意気込みと目標をお願いします

ベスト4以上に入って、インカレにつなげられるように、またみんなで一つ一つ頑張っていきたいと思います。

FB鵜飼慎之介(スポ4=福井・丹生)

――決勝戦を終えられていまのお気持ちは

優勝したかったので、すごくすごく悔しいです。王座(全日本大学王座決定戦)での組み合わせなどを考えると違う見方もできますが、春リーグ(春季関東学生リーグ)の締めくくりとして優勝したかったのですが、ホームで負けてしまいました。

――決勝戦に向けての意気込みは

前回の山梨学院大との試合で手首をケガしてしまったことと、ポジションが変わったことに対して、臨機応変に対応したいと思っていました。

――そのケガの具合は

前半はケガの痛みが強く、自分の得意とする強いボールを打つことができませんでした。

――春季リーグ戦準優勝という結果について満足はしていますか

満足はしていないです。関東リーグでは勝つことが当たり前だというチームにしていきたいです。

――鵜飼選手は今大会最優秀選手に選ばれましたね、お気持ちはいかがですか

今までベストイレブンに選ばれたことはあったのですが、今回のような一番はなかったので単純にすごく嬉しいです。この成績に恥じないプレーをできるよう日々努力します。

――明大のチームの印象は

チームとして連帯感をすごく感じました。集中力を切らさずに最後までプレーできる素晴らしいチームづくりだと思います。

――前半同点で折り返したにも関わらず、後半で4点差をつけられてしまいました。敗因をどうお考えですか。

集中力が切れてしまいました。今季先制点を取ることが多かったのですが、今日は後半で立て続けに失点し、焦りました。この点は調整しなければならないところですね。

――今日の試合を振り返って

今日は全然調子がよくありませんでしたね。100%でプレーできない分、150%声を出してチームを盛り上げようと必死でした。

――7月からの王座についての目標は

まず、優勝ですね。内容としては部員数が少ない分、層の厚いチームづくりをして連帯感を高めたいです。

FW宮崎俊哉(スポ3=福井・丹生)

――この試合の意気込みは

準決勝でいい感じで強豪校を倒してその勢いのまま優勝を目指していたのですが、結果がついてこなかったです。

――試合を振り返って

今までできていた守備であったり、うまくチーム、組織として動けていなかったのが敗因の一つです。ペナルティーコーナーで明大が決めているのに対し、自分は決めることができずそこが敗因の一つだとも思っています。

――感情をあらわにするプレーもありましたが

とりあえず負けていたので点をとらなくてはいけないという状況で、攻めなくてはいけなかったのですが。チームで落ち着いてやっていこうという時に、僕からしてはそんな場合ではないという感じで、チームメイトにもきつく当たってしまいました。

――リーグを振り返って

思っていた以上に進めていくことができて、目標は関東優勝だったのですが。それができなかったのは反省であり課題でもあると思います。決勝まではチームとして戦っていけたので、また王座までに練習し直して王座に向けて頑張って行きたいです。

――敢闘賞を受賞しましたが

僕はただ一生懸命やっていただけなので。賞をいただけるほどのプレーをしていないのですがこれからも継続して頑張っていきたいと思います。

――これからの目標は

王座(全日本大学王座決定戦)でベスト4に入ると、インカレでもいい組み合わせに入るので、とりあえず王座を目標にしてインカレでも好成績を目標に頑張って行きたいと思います。

MF岸本昌樹(教3=鳥取・八頭)

――決勝戦を終えられていまのお気持ちは

すごくすごく悔しいです。この悔しさをバネに次こそは優勝したいです。

――決勝戦に向けての意気込みは

優勝するつもりでいたので、本当に不甲斐無い思いです。

――春季関東学生リーグ2位という結果について

きょねんからだいぶ健闘したと思いますが、やはり優勝したかったのでまだまだ成長しなければいけないなと感じています。

――明大のチームの印象は

スクープを多用する選手がいたので、どうにか抑えたかったです。課題が残りました。

――前半同点で折り返したにも関わらず、後半で4点差をつけられてしまいました。敗因をどうお考えですか。

やはり1点失点した後、明大の流れを(自分たちに)引き戻すことができなかった部分です。

――MFとして相手のDFの印象は

相手がDFを強化していたので、なかなか前にボールを運ぶことが難しかったです。

――相手にペナルティーコーナーを与えてしまう点が多いように感じましたが、その点については

確かに自分たちのミスもあると思いますが、審判の判断について疑問に思った点があったので、きちんと確認するべきでした。

――7月からの全日本大学王座決定戦についての目標は

目標は優勝です。課題としてはディフェンスらオフェンスにいかにボールをつなげるか、そのつなぎの部分を練習していくことです。

MF宮口和樹(スポ2=滋賀・伊吹)

――きょうは決勝となりました

大学初の優勝をかけた試合だったので、やはり優勝したかったですが最後の一歩が届かず悔しいです。

――いまの率直なお気持ちは

結果は結果として受け止めて、次の王座(全日本大学王座決定戦)で良い成績を残せるように頑張っていきたいと思います。

――試合を振り返っていかがですか

先週少し腰を痛めていて少し不安だったのですが、思った以上にしっかりと走れたので、もっと得点を取りたかったなと後悔しています。

――その中で、攻撃参加も何度か見られました

いつもだともう少し前を向けるのですが、もっと前を向いてフォワードにパスをつなげるという役割が、きょうは少しできなかったなと思っています。

――春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)は2位となりましたがこの結果についてはどうお考えですか

一番の目標は優勝だったので、それに関しては後悔しているのですが、この負けた悔しさを次に生かして秋こそは優勝を狙いたいと思います。

――春季リーグ戦を通じて、アシストやゴールも多く決められていましたね

僕もことしは大学に入って2年目として春季リーグ戦を迎えたのですが、1年生の頃に比べて自信を持ってプレーすることができたことが、得点やアシストにつながったのだと思っています。

――ベストイレブンにも選出されましたね

もらえるとは思っていなかったので、嬉しかったです。

――全日本大学王座決定戦(王座)に向けて意気込みと目標をお願いします

昨年度も王座に出たのですが1回戦で負けてしまったので、今回はまずは1勝してとりあえずベスト4には進みたいと思います。

FW糸賀俊哉(スポ1=島根・横田)

――きょうの試合を振り返って

鵜飼さん(FB慎之介、スポ4=福井・丹生)がケガでなかなかチームが回らなくて、それでも前半は持ちこたえたのですが後半は崩れてしまって悔しいです。

――大学と高校時代のホッケーの違いは何か感じていますか

高校の時は一人一人のレベルが同じくらいで、短いパスを細かくつなぐというスタイルだったのですが、早稲田大学の場合はロングボールを使ったり個人技でいく人はいくところがあって、そこで結構戸惑ってしまい馴染めない時もありましたけど、少しずつ慣れてきています。

――春季関東学生リーグの2位という結果について

できれば優勝したかったのですが、準決勝で山梨学院大に勝てたことは大きいと思うので、今後明大戦で見つかった課題というのを克服していきたいと思います。

――全日本大学王座決定戦に向けて意気込みをお願いします

僕にとっても大学での初めての大舞台となると思うので、そこまでに個人のレベルを上げてチームに貢献できるように頑張ります。