4年間の思い、有終の美で飾る

男子ホッケー

前の試合でBプールの明治大を相手に、惜しくも敗北を喫した早大。きょうが4年生にとって最後の舞台、快勝して有終の美を飾りたいところ。学習院大を相手に7・8位決定戦に臨んだ。前半、学習院大ペースで試合が繰り広げられるものの、2-1とリードして後半へ。だが、守備の乱れから同点に追いつかれてしまい、嫌なムードが漂う。しかし終了間際、FB田中智大主将(社4=福井・丹生)が2点連続ペナルティーコーナー(PC)を決め、4-2。勝利を収めた。

相手の勢いを止めるFB横山拓真(商4=岐阜・可児)

 前半開始直後、相手に自陣で突破され、成す術もなくゴールを許す。序盤から追う展開となったが、反撃はすぐに始まる。前半3分、FW佐藤良(政経3=東京・早大学院)のコースを狙った落ち着いたシュートで1-1と同点に。その後もチャンスを作りたいところであったが、ゴール前で決定的なパスを出せず。自陣でのミスから逆に相手にチャンスを与えてしまう場面も。もらったPCも相手キーパーのセーブで得点にはなかなか結びつかない。しかし、前半も終わりに近づくにつれ、相手ゴール前でパスがつながるようになる。そして前半35分、サイドから突破した佐藤が再び決定的な場面を演出。決めたのはFW村上桂英(スポ4=東京・早大学院)。「点を取り返して気持ちを切り替える」と4年生が後半に向けてチームに勢いをつける。

得点を決めた村上

 後半は序盤から、早大の攻めの姿勢が見受けられた。PCを立て続けに得るが決めきれず。一度DFラインで立て直しを図り、前線へフィードをする攻撃で追加点を狙うも、あと一歩のところでカットされ、嫌な時間帯に失点してしまう。このまま同点では終われないと必死に相手ゴールにつけ込み、やっとの思いでPCを獲得。狙うのはきょう数あるPCで相手キーパーにシュートを阻まれてきた田中主将。後半25分、思い切って振りぬいたシュートがゴールに突き刺さる。主将自らの得点で勝ち越し点を挙げる。その2分後にも同じ形で得点を奪い、4-2で勝利した。

歓喜の田中主将(左)とMF田村真彬(スポ4=岩手・沼宮内)

 苦しい闘いが続いた秋季関東学生リーグ。選手たちにとっては、思っている結果が出せずに終わってしまったのかもしれない。しかし、「92年間という歴史ある部の主将ができてよかった」と田中主将。きょうの試合を勝利で飾り、最後の仕事を果せたのではないだろうか。そして着々と成長し続ける下級生に今後の期待が募る。その姿が見られるのは、来週にひかえる東農大との入れ替え戦だ。

(記事 難波亮誠、写真 上田密華)

秋季関東学生リーグ
早大 2-1
2-1
学習院大
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コメント

FB田中智大主将(社4=福井・丹生)

――ワセダでの4年間を振り返っていかがでしょうか

多くのことを学んで、色々なことに感謝した4年間だったと思います。あっという間に感じましたけど、振り返ってみると色々なことがあって人間として、ホッケープレーヤーとして成長できたと思います。

――ワセダのホッケー部で良かったことはありますか

ホッケー部に入って1年生からスタメンで、初戦からレギュラーでして。人数が少ないというのもあるのですが、ワセダのおかげで多くの経験を積めたと思っています。立命館大や天理大とかの強いところに行くと、人数が多くてなかなか試合に出れるものではないのです、がワセダの場合は多くの経験をさせてくれました。また、4年生では92年という伝統ある部活の主将を務めさせていただいて、非常に濃い4年間だったと思っています。

――今後の予定は

この後は、一般の企業に就職するのですが、地元福井の社会人のクラブチームでも続けるつもりですので、まだまだホッケーは続けていきます。

FB横山拓真(商4=岐阜・可児)

――大学4年間を改めて振り返って、いかがでしたか

個人的には、上下の隔たりを無くそうという目標を、また、チームとしては大学日本一を立てました。チームの目標を達成できなかったのは残念なのですが、その一方、変な上下関係がない、仲の良いチームを作ることができたのは大きな成果だと思っています。

――早大というチームに関しては

他大の中には、スポーツ推薦の方々ばかりで固められたチームもありますが、早大はスポーツ推薦がいる一方で、例えば早大学院出身者が居たり、はたまた一般入試で入学してきた人も居たりと、非常に特色あるチームではないかと思います。それをまとめるのは難しかったのですが、面白さも感じていました。

――後輩に向けたメッセージをお願いします

上下関係のないチームは非常に良い雰囲気だと思いますし、これからも一つ一つの目標に向けて努力していって欲しいです。

――今後についてはいかがですか

目標を立てることの大切さはこの4年間で学びました。僕が将来どのような人生を送るのかはまだ分かりませんが、卒業後も、なにか目標に向けて頑張っていきたいと思っています。

MF田村真彬(スポ4=岩手・沼宮内)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

7位8位決定戦ということで、モチベーションが上がらなくてワタワタしてしまったのですが、結果がすべてだと思うので勝ててよかったです。

――相手の攻撃の印象はいかがでしたか

相手も失うものは何もないと思うので勢いがあって、攻めてこられたので少しその勢いに負けてしまったのかなと思います。

――チームとして心がけていたこと

最後の試合なので、楽しくやって終ろうと話していました。ですが、結果このような結果となってしまって、少し不甲斐なかったと思っています。

――4年間を振り返って

調子の波とかもたくさんあったのですが、4年間あっという間でした。先輩後輩に恵まれて楽しく、ワセダで4年間ホッケーができました。

――チームメイトに伝えたいこと

同期には、4年間一緒にホッケーをやってきていいことも悪いことも一緒に経験した仲間なので、「ありがとう」「お疲れ様でした」と伝えたいですね。後輩たちには、来年から勝てるチームを目指してやってほしいし、いい雰囲気で一年間楽しくワセダらしいホッケーをしてもらいたいです。

FW村上桂英(スポ4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは立ち上がりに早めに先制されてしまって、チームの勢いも少しなかったのですが、しっかりと点を取り返して気持ちを切り替えて、最後は勝ち切ることが出来たので4年生最後の試合としては少し課題が多かったのですが、勝てたという点は評価出来ると思います。

――相手の印象はいかがでしたか

相手の攻撃に関しては、組織的にしっかりと攻めてくるチームだなと思いました。あまりテクニックはないんですけど、根性と気合で攻めてくる感じでそれに気合い負けしてしまった部分もいくつかありました。あと、走り負けてしまった部分も何度かあって、そこがやはり失点に繋がったので課題として残ってしまったのだと思います。

――4年間を振り返っていかがでしたか

自分は1年生から3年生までスタメンではなくてベンチスタートのことが多かったのですが、早稲田スポーツさんにはお世話になっていましたし、何度か記事に載せていただいた時もやる気が出て、頑張れたこともありました。ホッケーを始めたのが高校2年生の頃で、周りは小学校、中学校から始めている上手い子たちがいるという状況の中で、早稲田大学は揉まれて成長できた環境で、自分にとってホッケーを続けることができるいい環境でもあったと思います。

――4年間で印象に残っている試合

4年生になってスタメンで出た、春の明大戦です。その時は無我夢中でホッケー人生の中で一番いい試合が出来て、唯一今年明大に勝てた試合になったので、とても印象的です。

――チームメイトに向けて

同期のみんなには、4年間一緒に苦楽を共にして、こうして最後引退できたことはすごく嬉しいので本当に感謝の気持ちでいっぱいです。後輩のみんなには、やはり僕らが達成出来なかった全日本だったりリーグ優勝であったり王座での上位入賞というのを達成してほしいと思うので、自分たちを信じて頑張ってほしいです。