前半の失点が響き、悔しい敗戦

男子ホッケー

 春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)初戦で、昨秋王者・山梨学院大に競り負けた早大。1~4位決定戦に進出するためにも勝ち星が必要な早大は、駿河台大と対戦した。しかし、開始早々立て続けに失点を許すと、前半は防戦一方の展開となってしまう。0-4と苦しい展開のまま前半を折り返したが、後半に入ると攻めの気持ちが前面に出たプレーで好機を生み出す。得たペナルティーコーナー(PC)のチャンスをDF田中智大(社3=福井・丹生)が着実に決め、追い上げを図ったが、力及ばず3-5で敗戦。5~8位決定戦に回ることとなった。

 「勝つしかない」という強い思いを選手全員がもって臨んだ試合だったが、試合開始2分でいきなり相手に先制を許すと、その2分後にも失点。序盤から2点のビハインドを背負うという思わぬ形でのスタートとなった。出ばなをくじかれた早大は、シュートらしいシュートも放てないまま、前半で4点を奪われた。前半残り数分に訪れた唯一ともいえるチャンスで、放たれたシュートは惜しくもゴールポストに弾かれ得点とはならず、そのまま0-4で前半を終えた。

精度の高いPCを見せた田中

 後半に入り、ボールを保持できるようになった早大は、後半開始後6分、MF小野田泰良副将(スポ4=奈良・天理)の放ったシュートが相手選手の反則を誘いPCを得る。このチャンスで田中が鮮やかに決めた。反撃体制に入ろうとした早大だったが、直後に攻め込まれ相手にPCを与えてしまう。これを確実に決められ、再び点差は4に。勝つためには得点するしかない早大は、その4分後、FW田村真彬(スポ3=岩手・沼宮内)の強気の攻めからチャンスを作り、PCを田中が落ち着いて決め3点差。守りに終始した前半とは打って変わり、相手ゴールを脅かす早大。後半27分にもPCで田中が決めて駿河台大を追う。しかし、追い上げもここまで。攻めの姿勢を崩さないものの得点には結びつかず、3-5のまま試合終了。出だしに失敗し、悔しい敗戦となった。

チームを牽引する羽田主将

 立ち上がりの大切さを思い知らされた。開始4分で2失点を喫した早大は完全にペースを握られ、反撃が遅れた。勝ちにこだわった試合だっただけに、序盤の失点が悔やまれた。これで春季リーグ戦、2戦2敗。早くも5~8位決定戦に回ることが決まってしまった。「背水の陣」(羽田康佑主将、教4=奈良・天理)というようにこの先は今度こそ負けられない。5位を死守するためにも、次の東大戦では相手を圧倒しての勝利を目指す。

(記事 加藤恵、写真 佐藤裕樹)

結果

●早大3-5駿河台大

【得点者】(早大) 後半6分、11分、27分・田中

コメント

DF羽田康佑主将(教4= 奈良・天理)
――きょうの試合を振り返って
前半の最初に2失点してしまって、そこでみんな士気も下がってしまいましたし、そこで相手に支配されてしまったかなと思います。やっぱり立ち上がりが重要ということを思い知らされましたね。ディフェンスの意識がまだまだ足りないなと感じました。
――試合前の調子はいかがでしたか
調子は良かったと思うんですけど、いろいろと言っていてもやはりできていないことが多くあるのかなと思います。
――この試合にはどのような気持ちで臨みましたか
ここで勝たないと決勝リーグに行けないので、勝つしかないという思いでみんなやっていましたね。
――後半に入って攻められていたと思いますが
相手が守りに入ってくれたというのもありましたけど、点を取らないと勝てないので、そこを攻めるしかないという共通意識があったので、みんなで攻めました。
――きょうの結果で5~8位決定戦にまわることになってしまいましたが
今度こそ本当に負けられないので、背水の陣で臨みますね。
――次の東大戦へ向けて意気込みをお願いします
他のチームが8点差で勝っているので、それ以上を取って、ワセダが強いということを見せつけたいと思います。

DF田中智大(社3=福井・丹生)
――きょうの試合を振り返って率直な感想を
負けて悔しいですね。この前、山梨学院に負けたのもあって、負けられない戦いと試合前のミーティング会でも言われていたので、負けてしまって悔しいですね。
――試合の流れについての印象はいかがでしたか
前半に4失点したのが大きかったと思いますね。監督にも言われたのですけど、前半5分に失点したのがやはり「やばいな」と思いました。
――きょうの試合で心掛けていたこととは
試合前のミーティングでは、いつも通りのミーティングをしていたのですが、自分の中では、やはりペナルティーコーナーが大事かなと思ったので1本目から決めるつもりでいました。
――シュートがなかなか決まらない試合でしたが、原因は
前半0点というのは相手に流れを持っていかれたと思ったのですが、後半に入ったら自分たちのスピードが上がって、相手が追いついてこられないところもあって、ペナルティーコーナーも見方がとってくれて、自分が決めることが出来たのかなと思います。
――チーム全体の調子はいかがですか
この試合に向けて、みんなモチベーションを上げてきたので、やはり足りないものがあるのかなと。前半で4失点するというのも技術の差とか云々ではなく、気持ちの面で負けていたのかなと思いますね。
――次の試合までに改善したいことや、目標は
きょうの4失点という反省を生かして、この前も3失点をして、監督にも「あれだけ失点したらやばいぞ」という風に言われていたので、次戦は無失点にしたいと思います。