春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)の初戦で快勝したワセダは、1週間前に慶大を破った明大との一戦に臨んだ。序盤からリズム良くパスをつないだワセダは最初のチャンスをFW宮崎俊哉(スポ2=福井・丹生)がものにし、先制。その後も追加点を入れ、3-0で前半を折り返す。しかし、後半は明大が攻勢に転じ、次々とワセダゴールに襲いかかる。それでもGK戸田翼(社2=滋賀・伊吹)のファインセーブなどで失点を最小限に留め、3-1で激闘を制した。
貴重な先制点を奪取した宮崎
前半はワセダペースだった。7分に訪れた最初のチャンスで宮崎がしっかり決め2戦連続で先取点を奪うと、ルーキーのMF宮口和樹(スポ1=滋賀・伊吹)が果敢に攻め、惜しいシーンを演出。さらには再び宮崎がゴール付近まで攻め込むなど明大を圧倒する。しかし26分、明大に2度ペナルティーコーナー(PC)の機会を与えてしまう。危ない場面だったがここを戸田のファインセーブで乗り切ると、逆にワセダは一気に相手ゴールに迫る。鮮やかなカウンターが決まり、瞬く間にFW佐藤良(政経3=東京・早大学院)が2点目を押し込んだ。相手に傾きかけた流れを変える、価値ある追加点だった。その後も前半終了間際にFB田中智大主将(社4=福井・丹生)のフリックシュートなどで得点。3-0と「思っていたような前半」(田中)で折り返した。
後半は一転、明大ペースで試合が進む。リザーブ選手が少なくほとんど交代のできないワセダと、選手層が厚く、多くの交代を使う明大とで運動量に差が出たためだ。それでも「技術よりも気持ちを大事にした」と戸田がファインセーブを連発。守護神が何度もチームの危機を救って見せた。一方、攻撃面では起点となるMF鵜飼慎之介(スポ3=福井・丹生)から次々と絶妙なパスが送られるも、点につながらず。攻めあぐむ場面が続いた。すると24分、混戦の中でついに明大に得点を決められてしまう。残り時間は約10分。点差は2点。次の点数が重要な局面を迎え、互いにプレーがヒートアップする。ダメ押し点を狙うワセダ。1点差にしたい明大。なんとしてもゴールを狙う両者の激しい攻防は試合終了間際まで続いた――。結局、試合を制したのはワセダ。追加点はならずも明大の猛攻をしのぎ、貴重な勝利を手にした。
攻守共に活躍した田中主将
前半、後半と対照的な試合運びとなったこの試合。良かった点と悪かった点が明白となり、次戦に向け収穫と課題の両方が見つかった。次の相手は秋に大敗を喫した慶大。リベンジを果たすため、早慶戦は「点差を広げ、完全に勝つ」(戸田)。
(記事 石丸諒、写真 落合修平)
春季関東学生リーグ | ||||
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早大 | 3 | 3-0 0-1 |
1 | 明大 |
【得点者】(早大) 前半6分・宮崎、27分・佐藤、32分・田中 |
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コメント
松本剛毅監督(平6卒)
――きょうの試合に際しどのような指示を出しましたか
明大は、ビデオで見る限り、あまりガツガツしたタイプではなく、引いて堅実にボールを回すようなゲームをしていましたので、その対策はしましたね。
――きょうは前半と後半で流れが変わりましたが、その点に関してはどう思われますか
我々はメンバーの制限上、あまり交代ができないので、ある程度覚悟はしていましたね。ただ、前半に3点取ることが出来たのは大きかったと思いますね。
――この結果には満足ですか
そうですね。後半に押されるのは多少しょうがないと思っていたので、その中で1失点に抑えられたのは良かったですね。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
これからどんどん暑くなっていく中、交代できない部分がネックとなるので、そこの対策をしていきたいですね。
FB田中智大主将(社4=福井・丹生)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前半は先制点を取るということをまず最初の目標としてやっていましたが、その先制点をとれて、さらに続けて点を取ることができたので、そこで試合を決められたかなと思います。でも、後半少し押されてしまったので、そこは改善していかなくてはと思います。
――前半に関してはイメージ通りの展開でしたか
前半は自分たちのやりたいことができ、相手のやりたいことをやらせないようにプレスをかけてというのができていて、思っていたような前半だったので良かったと思います。
――PCも落ち着いて決めました
決まって良かったですね。
――後半は大分明大にボールを持たれてしまいましたが
前半少し点差が開いて終わったので、気持ちに余裕ができてしまいました。そこで余裕を持たずにいこうという話はしていましたが、運動量が落ちてしまったりして、やられてしまいましたね。
――新チームに変わって日が浅いですが、チームのまとまりはでてきましたか
今回春リーグ優勝という目標をもってやっていて、そのまま王座でも優勝という目標をもっているので、こんなところでつまずいてられないということで、気持ちはみんな一丸となってやっています。
――次の慶大戦に向けての意気込みをお願いします
自分たちとしてはいつも通り今みたいな試合をやっていくだけですが、あっちはワセダに対してプライドを持っているというか、早慶戦ということで気持ちも入ってくると思うので、そこに負けないように頑張りたいと思います。
GK戸田翼(社2=滋賀・伊吹)
――きょうは後半に攻められる場面が多くありましたが、1失点でしのがれました。振り返っていかがですか
前半に3点入れて結構調子いいなって思ったんですけど、明大のほうが人数多くて、こっちはあまり交代をせずやっていたので、(後半は)攻められるということは分かっていました。でもやっぱり一番後ろの田中主将が一生懸命頑張って下さったので、1失点はしてしまいましたがしっかり勝てたと思います。
――前半はファインセーブが多くありリズムも良い印象がありました
前半はみんな自分の指示したマークなどをしっかり守ってくれて、さらにそれ以上のことをしっかりしてくれたので本当に周りに助けられました。
――逆に後半は明大に攻められる時間が長かったですが、どういうことを心がけていましたか
人数がうちの方が少なくて、リザーブメンバーも少ないなかでやっていました。それなので、技術というよりは気持ちを大事にして頑張っていました。
――ファインセーブが多くありました。ご自身のきょうの働きに点数をつけられるとしたら、何点でしょうか
自分でも良い方だなとは思っていました(笑)。75点ですかね。25点分は1失点もありましたし、試合が始まってしまうと自分はあんまり冷静になれない部分があるのでもう少し、冷静に試合を見られたらうまく試合が運べたかなと思います。
――ことしから正ゴールキーパーとして活躍されていますが、どんな気持ちで試合に臨まれていますか
前のキーパーが4年生の方で、自分はまだ2年生なので経験はあまり積められていません。もっと人より頑張ったり、たくさん試合を見ていきたいです。やっぱりキーパーが試合のキーを握ると思うので、一試合一試合大事に無失点でいくという気持ちでいます。
――次はケイオー戦ですが、意気込みをお願いします。
11月の早慶戦は大敗したので、そのリベンジをするためにスコアも点差を広げ、完全に勝つというのはイメージしていきたいです。