幸先よく初戦を制する

男子ホッケー

 秋季関東学生リーグ(秋季リーグ戦)が開幕した。春は1部7位と不本意な形で終わった早大が掲げる秋季リーグ戦の目標は、「優勝」。そのためにも重要な初戦の相手は春季黒星を喫した駿河台大となった。前半は攻めの時間が多い中で先制し、1-0で折り返す。しかし後半に入ると早々に追いつかれ、さらにしのぐ場面が続いた。再三のピンチがありながらも切り抜け、試合終了間際に得たペナルティーストローク(PS)をきっちり決めて勝ち越し。初戦を白星で飾った。

先制点を挙げた佐藤

 序盤は両校ともに流れをつかめない展開だったが、開始15分、ゴール前に詰めていたFW佐藤良(政経2=東京・早大学院)が強烈なシュートを放ち、先制。その後もFW田村真彬(スポ3=岩手・沼宮内)のドリブルやFW宮崎俊哉(スポ1=福井・丹生)のシュートでゴールを脅かすが、得点には至らず1-0のまま前半を終える。

 しかし、後半に入ると開始5分で追いつかれ試合が振り出しに戻ってしまう。その後も駿河台大がボールを持つ時間が長くなり、危ういシーンが目立つようになる。しかしディフェンス陣と守護神・GKコグラン・ショーン(政経4=東京・早大学院)の活躍でそれ以上の失点は許さず、耐え忍びつつチャンスを狙った。そして迎えた後半34分。相手ゴール前の混戦からファールを誘い、PSを得ることに成功。試合を決める一打となるこの場面でDF田中智大(社3=福井・丹生)が落ち着いて決めて勝ち越し。その後タイムアップとなり、2-1で秋季リーグ白星発進となった。

積極的な攻めを見せた宮崎

 春季リーグの初戦では山梨学院大相手に1点差で競り負け、リーグの出だしに失敗した早大だが、きょうの試合では見事競り勝った。競り勝てない苦しい春を終え、夏の練習の成果が表れたことに選手・監督ともに手ごたえを感じている。リーグはまだ始まったばかりだが、優勝するためには勝ち星を積み上げていくことが必須である。次戦は今季公式戦初対戦となる明大との試合である。実力が拮抗(きっこう)しているだけに、一戦一戦を大切に優勝に向かって突き進む。

(記事 加藤恵、写真 落合修平、塩澤毅志)

秋季関東学生リーグ
早大 1-0
1-1

駿河台大
【得点者】(早大) 前半15分・佐藤、後半34分・田中

結果

○早大2-1駿河台大

コメント

松本剛毅監督(平6年卒)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

春もそうだったのですが、競り合いで負ける試合が多くて1点差を落とす、そこをやっぱり改善しようと思って、夏のトレーニングや合宿で備えたんですけど、きょうはその結果が出て競り勝ったので、非常に満足しています。

――春リーグは苦戦を強いられましたが、秋に向けて取り組んできたことは何でしょうか

フィジカル面を鍛えるのはもちろんのことなのですが、やっぱり意識の切り替えと、試合中もそうですが動く姿勢の速さ、相手より早く動く、長く走る、単純なことですけど一対一で競り合いに負けない、そういう意識を持って練習はしていました。今日の試合は結果が出たんじゃないかなと思います。

――実際に、試合中はどのような指示をされましたか

我々のホッケーというのは大きくコートを使って相手を崩していくというテーマを持っていたのですが、やっぱりなかなか押し込まれてくると、だんだん小さくなってしまってスペースが使えないというところは何点かありましたので、そこは修正していきたいと思っています。

――後半は押されている感じがありました。どのように立て直しましたか

主となる人間が退場で交代してしまったりだとか、簡単な怪我、足をつったりだとか、そうするとやっぱり極端に戦力が落ちてしまう。それはチームの底上げをしていかなくてはならない、これも一つのテーマなのですが、そこが上手くできてなかったかなという反省はしています。

――今月末の次戦にむけて課題は何でしょうか

きょうの後半は差し込まれるという場面が多かったので、その辺の修正。ビデオをよく見て、なぜそのような差し込まれる場面があったのか、やっぱり走り負けた場面だとか、相手が代わった場面だとか、いろいろ理由はあると思うのですが、その辺を修正して挑みたいと思います。

――最後に秋リーグの目標をお願いします

春は散々な結果で終わってしまったのですが、今のリーグ戦というのは差がない、団子状態ですので、絶対勝つんだという意識を強く持って必ず優勝できるように頑張りたいと思います。

DF羽田康佑主将(教4=奈良・天理)

――きょうの試合を振り返って

個人的に自分が調子悪くてカードをもらったりしたんですけど、春の反省を生かしてみんなで勝ちにいこうというのが試合中に全員から感じられました。ことし始まって一番いい試合だったのではないかなと思います。

――夏の練習で重点的に取り組んだことは

走り込みを中心に秋にしっかり走れるようなチーム作りをしました。それから春の全日本大学王座決定戦で上位進出した朝日大まで合宿をして、厳しいトレーニングや練習試合をしたのでその成果が出たと思います。

――立ち上がりにうまく先制しました。立ち上がりの戦い方についてはいかがでしたか

春に駿河台大とやったときは序盤に2失点だったと思うんですけど、自陣でボールを持っていてカウンターを受けるというのが原因でした。きょうは自分たちのペースがつくれるまでは相手陣地でプレーをしようということで、スクープで前に放って自分たちのホッケーをするというプレースタイルをみんなで統一してやりました。それがイメージ通りにうまくいきました。

――後半はPCを取られるなど危ないシーンもありましたがプレーしていてどう感じましたか

試合の中でPCを取られるポイントは何度かあると思うんですけど、キーパーを中心にしっかり守ってくれて。きょうはディフェンスが一番頑張っていたと思います。

――プール戦の初戦を取れたことはチームにとって大きかったのではないでしょうか

そうですね。初戦を勝てたことでこれから秋季リーグ戦、インカレ、全日本選手権とつながっていくので、勢いに乗れるのではないかと思います。そういう意味できょう勝ったことはとても重要だったと思います。

――今後の意気込みを聞かせてください

次の試合が明大なんですけど、その試合もしっかり取ってとりあえずは上位進出、それから秋季リーグ戦で優勝して、自分らのホッケーが通用するというのを見せたいです。

FW佐藤良(政経2=東京・早大学院)

――きょうの試合にどのような心境で臨みましたか

春に良い結果を残すことができなかったので、きょうは意地でも勝ちたいと思っていました。

――試合全体を振り返っていかがですか

1点を奪い合う展開でしたが、最後には勝つことができて良かったです。

――ゴールを決めたプレーを振り返っていかがですか

あまり詳しくは覚えていないのですが、「ここは絶対に決めたい」という思いがあったので気持ちで押し込みました。

――夏にどのような練習を行いましたか

秋に向けて走り込みなどの厳しいトレーニングや練習試合を数多くこなしました。それがきょうの結果につながったのだと思います。

――秋季の目標をお願いします

リーグ戦優勝、そしてインカレ制覇です。きょうの勝利だけで満足せず、今後の試合も頑張っていきます。