リーグ戦の勢いそのままに完勝

男子ホッケー

 全日本学生選手権が開幕した。秋季関東学生リーグ戦ではここまで全勝と波に乗るワセダ。当然、今大会の結果にも期待がかかる。初戦の相手は関西の強豪・甲南大だ。試合は終始ワセダがボールを支配し、前半から着実に点を積み上げる。後半に入ってもワセダの優位は変わらず、最終的に6-0と完封勝利。注目の新星・FW渡辺崇仁(法1=東京・早大学院)が公式戦初出場初得点を決めるなど、チームの勢いを象徴する内容となった。

 序盤からワセダは積極的な攻めの姿勢を見せた。前半開始直後、FW佐藤良(政経2=東京・早大学院)のゴールを脅かすプレーが相手のミスを誘い、ペナルティコーナー(PC)のチャンスを手に入れる。このPCでFB田中智大(社3=福井・丹生)が放った打球に合わせ、FW川原悠雅(社2=佐賀・伊万里商)がスライディング。上手くスティックにあてて先制点を生み出した。その後ワセダはFW中村拓郎(社2=富山・石動)の左サイドからの切り込みなどで攻撃のリズムを保ちつつ、追加点の機会を伺う。そして24分、MF小野田泰良(スポ4=奈良・天理)がゴール前にこぼれた球に素早く反応し押しこむ。ワセダが2点目を奪い、そのまま前半を折り返した。

攻めの姿勢が光った小野田

 ワセダは攻撃の手を休めない。後半開始を告げるブザーの余韻が残る中、きょう絶好調の小野田が痛烈なストロークで再びゴールに叩き込んだ。続く6分のPCでは、田中からのパスにFB羽田康佑主将(教4=奈良・天理)が合わせてシュートを決める。13分には中村がサークル外からドリブルで運び、5点目を挙げた。その後は危なげない展開で試合は進み、迎えた終盤。公式戦初出場の渡辺にパスが回ってくると、思い切りの良い振りで球をヒット。ボールは相手GKの真横を走り抜け、そのままゴールネットを揺らす。次代を担うルーキーが試合を締めくくった。

初得点に喜ぶ渡辺

 6-0と完勝したものの、ワセダの目標はあくまでも「インカレ優勝」である。次戦の相手は立命大。ことし6月に行われた全日本大学王座決定戦で優勝した強敵である。「あしたが本当の山場」と渡辺が語るように、チームは初戦突破だけで満足していない。

(記事 落合修平、写真 田島光一郎、加藤千暁)

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全日本学生選手権
早大 2-0
4-0

甲南大
【得点者】(早大) 前半8分・川原、前半24分、後半3分・小野田、後半6分・羽田、後半13分中村、後半35分・渡辺
コメント

前田祐介コーチ(平19年卒)

――きょうの試合にどのような気持ちで臨みましたか

一回も対戦したことがない相手だったので、立ち上がりをしっかり入ろうと指示しました。

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

相手のセンターバックが上手いという情報が入っていたので、そこをしっかりと抑え、ワセダのペースに持ち込みました。後半は、あしたのことも考えて選手を交代したりしました。

――「あしたのことを考えて」とありましたが、具体的にはどのようなことをお考えになったのですか

ここまで厳しい試合が続いていたので、控えのメンバーを出し、チームとしてのモチベーションを高めようとしました。実際あしたの相手は立命大なので、なかなか出場することが出来ないメンバーも出てくると思います。

――きょうの試合は快勝となりましたが、この結果は予想していましたか

正直、スタッフ陣は若干苦戦するのではないかと予想していました。こういう結果が出たことは、チームの地力が付いてきた証拠だと思います。

――あしたの立命大戦に向けての意気込みをお願いします

あしたはリーグ戦とは異なる戦い方をしないと、ワンサイドゲームになってしまう可能性があります。まずはしっかりと守備を固め、その上でカウンター攻撃を決めていきたいです。

DF羽田康佑主将(教4=奈良・天理)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

――インカレに向けてチームとしてどのような意気込みで臨みましたか

チームが始まってすぐに「インカレ優勝」という目標を作ったのですが、春は残念ながら良い結果を残せなかったので、それだけにこの大会に懸ける思いはみんな大きいので、次もしっかり勝ちたいです。

――チーム全体できょうはどの部分が良かったですか

主に攻めですね。攻めの部分でしっかりやってくれたのですが、フォワードがよく前でボールをカットしたりインターセプトしてくれたので、ディフェンスとしても楽だったので自分たちのホッケーができたかな、と思います。

――ご自身も1得点を決めましたね

そこはしっかり決める場面だったので(笑)。しっかり仕事ができたかな、と。そこは満足しています。

――きょうの守備陣はいかがでしたか

フォワードが前からプレスをかけてくれたのでディフェンスとしては楽だったのですが、まあ大きなミスもなくやっていたので、しっかり相手の攻撃を防げたと思います。

――次戦の相手は立命大ですが、そこへ向けてどのような作戦を考えていますか

立命と当たるということは前々からわかっていたので、それに対していろいろミーティングを重ね対策をしたり。きょねん引き分けで同点までいっているので、きょねんのような展開ではなく70分で試合を決められるような試合をしたいと思います。

――立命大戦への意気込みをお願いします

相手はきょねんの王者ですけど自分たちも戦っていけるので、自分たちの目標はあくまで優勝なので。たまたま立命が早く当たるということなので、問題なく勝てていければと思います。

MF小野田泰良副将(スポ4=奈良・天理)

――きょうの試合を振り返って

勝てて良かったです。

――2得点されていますが

普段、公式戦では絶対に点取らないんですけど自分は。なかなかこんなに点が取れることってないんです。なぜこんなに点が取れたのかというと決めごととしてやっていたことができたからかなと思います。

――決めごととは具体的にどういうことでしょう

打ち込むということを決めごとにしていて、絶対にゴールポストに入れるという気持ちで入ったのでそれが効いたのかなと思います。

――ご自身の得点シーンを振り返ってみていかがですか

まあごちそうさんっていう感じですね(笑)。うまいこと抜けてきたのであとはもう決めるだけっていう感じでした。

――相手を無失点に抑えました

きょうの守り方としては普通のいつも公式戦でやっているやり方でやって、あしたはちょっと変えるんですけど、いつも通りやれて良かったですね。

――次戦は強豪・立命大が相手ですが

もう勝つだけなので頑張ります!

FW川原悠雅(社2=佐賀・伊万里商)

――流れを呼び込む先制点だった思いますが、あのシーンを振り返っていかがですか

けっこうあのパターンを練習していて、決めるだけっていうボールが来たので決められて良かったです。

――公式戦では久しぶりのゴールでした

そうです。この前からずっと点数にこだわって行きたいと思っていたので良かったです。

――6点取ることができました攻撃陣としてはどう思われますか

6点という点数は入りましたが、もっと点を取れる場面があったのでもっともっと取りたいと思います。

――常に相手の陣地でプレーできたと思うのですが、どんな指示が出ていたのですか

きょうは明日に備えてどんどん最初から行って、それで控えのメンバーも全部使ってうまく疲労を残さないようにという意識でどんどん前にリズム作って攻撃しろという指示でした。控えの1年生が初の公式戦で点を取ったのは良かったと思います

――明日の王者・立命大との試合だと思います。意気込みを教えてください

守りきります!そしてチームのために粘って走ります。

FW中村拓郎(社2=富山・石動)

――今日の試合を振り返っていかがですか

去年はインカレ初戦で負けてしまったので、今回は立ち上がりからしっかり挑みたいという気持ちでやっていました。

――甲南大ということでしたが試合前は何か情報などはありましたか

初めての相手だったので情報はなかったのですが、いつも通り自分たちのホッケーをすれば勝てるということでそれを心がけてやっていました。

――序盤から相手に攻め込ませなかったですね

前へ前へと最初から得点を取るつもりでやっていました。

――ご自身の得点シーンを振り返っていかがですか

シュートはあまり得意じゃないのですが、1対1の場面はいつも練習していたので、あそこは決めさせていただきました。

――無失点に押さえたことも大きかったのではないでしょうか

ディフェンス陣も落ち着いてプレーしていましたし、キーパーも2、3回も触ってないと言っていましたし、ディフェンス陣が良かったのだと思います。

――オフェンスでは6得点と良かったのではないでしょうか

彼(渡辺)とか初めて出たんですけど、それで点を取ったり、すごく良かったと思います。

――秋はずっと調子がいいですが、チームの雰囲気はいかがですか

今とても良くて、攻めもよくボールが回って、いいと思います。

――あすは立命大との試合ですが

はっきり言って格上なのですが、自分たちのやってきたことを信じてやりたいと思います。

FW渡辺崇仁(法1=東京・早大学院)

――初出場でしたが、どのような気持ちで臨みましたか?

残り時間もなくて点差もついていたので、とにかく走って思いっきりやろうということだけを考えてやりました。

――見事初ゴールを決めました。いかがですか

一回目同じようなボールでチャンスがあって決めきれなかったので、それと同じような形だったので次は入れようという気持ちで押し込みました。

――初出場ということで、試合に出るときにはチームメイトからは声をかけられましたか

思いっきり行って点を取ってこいとみんなが言ってくれていたので、それに後押しされる感じで頑張れましたね。

――緊張はありましたか

急に試合に出て、また初めての試合ということもあって、上手く体が動かない感じがありましたが、とにかく走るしかないと思って走って、試合の流れに乗ろうかなと思いました。

――次戦は立命館大ですが、試合に向けてどのような気持ちで臨みますか

チームの目標がインカレ優勝なので、やっぱりきょう勝っても、あした負けたら意味がないので。あしたが本当に山場だと思っているので、しっかり気持ちを切り替えて優勝できるように1勝ずつ積み重ねていきたいと思います。

――1年生ということで、最後に目標としている先輩を教えてください!

佐藤良(政経2=東京・早大学院)さんですね。同じ早大学院出身でFWをやっていて、境遇としては全く同じなので。佐藤さんはもう既に一年やってきて、しっかりチームに馴染めてやっていけているので、自分も同じようにならないといけないなと思います。そうですね、同じようにというか、それに近づけるように、またそれを越せるぐらいまで頑張りたいと思います。