ディフェンス崩され東女体大の勢い止められず 秋季リーグ5位で閉幕 木村が敢闘賞を受賞

女子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月28日 東京・国士舘大学多摩体育館

 いよいよ迎えた秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)最終戦。この日は8戦終了時点で3位につけている東女体大との直接対決。勝てば3位という希望も残る中、早大はこのゲームに全てをかけた。試合は、相手のバック陣をうまく守り切ることができず、前半から徐々に点差が離れた。高さのあるディフェンスに苦しみ、シュートに持ち込めない時間が続く。早大はノーマークシュートの決定率に苦しみ、後半も東女体大の勢いを止められず試合終了。秋季リーグは5勝4敗で5位。今リーグ本格復帰を果たした木村が敢闘賞を受賞した。

 開始25秒、東女体大に先制を許すも堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)の好セーブから山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)がミドルシュートを打ち込み1点目を獲得。そこから石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)、江頭理沙(スポ2=東京・ICU)のパス回しからの里村采音(商2=岩手・不来方)がサイドシュートを決めるなど奮闘。さらに、開始6分で山野が3点目を挙げるなどこの日、大暴れした。しかし、これ以降セットオフェンスも速攻でも相手の攻撃を止めることができず、徐々に点差が離れた。強みとするディフェンスから速攻の形がなかなか取れない中で、粘り強くパスを回し、セットオフェンスで対応したが思うようにはならなかった。相手の連続した速攻で10点を離されると、この日途中出場の木村が仲間が外したシュートをすかさず拾い反撃。江頭がサイドシュートで11点目を入れ前半が終了。後半の巻き返しを誓った。



声をかける木村(右)に笑顔で応える大野

 後半開始直後、この日チーム最多9得点の山野が連続で得点すると、里村、江頭のサイドコンビやポスト・石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)も苦しい状況から点数を奪いにいった。作本夕莉(スポ2=福岡・明光学園)も相手の速攻を止め、井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)や大野蒔絵(スポ2=埼玉・市立浦和)らはこのリーグ戦自信をつけたディフェンスで役割を果たした。怪我人も出てしまい、限られたメンバーで体力的にも厳しい状態の中で選手それぞれがコートの中で走り続けた。しかし高さのある東女体大のパス回しに翻弄(ほんろう)され、終始流れを引き寄せることはできず。後半25分には、杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)、大野らもシュートを決めるが24ー37で試合終了の笛。秋季リーグは黒星で幕を閉じた。



好セーブを見せた作本

 試合終了後木村は「自分たちの実力発揮できるし、もっとできるのにもったいないゲームだった」と悔しさを口にした。この秋季リーグでよく見られた後半からの追い上げや点差を引き離すという展開に今試合は持ち込むことができなかった。秋季リーグ全9戦を終えて、木村、山野ら上級生が共通して称えたのは下級生の成長だ。特に後半戦のスタメンは、山野以外全員が1、2年生という中で強豪相手に堂々としたプレーで相手にぶつかった。約1ヶ月後は現チーム集大成となるインカレ(日本学生選手権)が開幕する。悲願のメダル獲得へ、昨年は見ることができなかった景色を見るためにチャレンジャーとして戦う時がいざ。

(記事 大村谷芳、写真 片山和香)

結果

早大24ー37東女体大

前半 
早大11-19東女体大

後半
早大13-18東女体大

スタメン

GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

LW里村采音(商2=岩手・不来方)

LB山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

PV石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

CB井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB大野蒔絵(スポ2=埼玉・市立浦和)

RW江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

コメント

木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)

ーー試合を振り返って

 メンバーや替えもいなくて、怪我人も多かったのでタフなゲームではありましたが、やはりもっと自分たちの実力発揮できるし、もっとできるのにもったいないゲームだったかなと思っています。

ーータイムアウトではどんな声かけを

 自分たちは、ディフェンスで守って速攻で取るみたいなスタイルなんですけど、そこがまだできていなくて。ディフェンスもなんか同じようなプレイで何回も失点していたので、まずディフェンスからという声かけをしました。

ーー自身も秋リーグで本格復帰、プレーを振り返って

 最後痛めてしまいましたが、それまでは何の痛みもなく思いっきりプレーできて、 すごく楽しかったなと。でもところどころその2年間のブランクを感じる場面がたくさんあって、 なんかもうちょっと頑張らないとなというのが正直な感想です。あとは得点ランキングにちょっと名前だけ入れたかったんですけど、入れられなくて悔しかったですね。

ーー秋リーグを通して成長した点はありますか

 自分たちのディフェンスがちゃんと上位、格上相手に対しても通用するんだなっていうことがすごく感じました。あと、下級生がすごく成長したなと思っています。思いっきりプレーできていますし、みんなそうですが、チームにとって必要不可欠な存在になってくれました。なので、下級生の成長がすごくボトムアップできてるという感じがしました。

ーーインカレに向けて強化したいことを教えてください

 ディフェンス守らないと自分たちは勝てないので、そこをしっかり連携取れるようにもう少し連携の部分を上げたいのと、あとはクロスシュート、そのサイドシュートとかポストシュートとかカットインシュートなどの決定率がすごく悪いので、そこはチームとして確率を上げないと戦えないので、シュート練習をしたいなと思います。

ーーインカレへ向けて意気込みをお願いします

 インカレはメダルを取ります。昨年ベスト8でもう1回勝てばメダルだったので、そこまでもう1度同じステージまでいって、そこで勝ち切ってメダルを取りたいと思います。頑張ります!

山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

 今日は最初から最後までずっと東女のペースに持っていかれて、自分たちはディフェンスでメンバーが誰でもちゃんと同じように守るっていうふうに思ってたんですけどそれができなかったので、悔しい試合になりました。

ーーディフェンスではどういうことをチームで意識していましたか

 キーマンのバック陣にやらせないっていう作戦だったんですけど、そこを自分たちが守りきれなくて何本もやられてしまいました。あと自分たちのオフェンスミスから相手の得点へつながってしまったので、そこは反省点です。

ーー山野選手を牽制気味に守ってきた後半の相手ディフェンスに対して、どんなことを心がけて攻め込みましたか

 牽制出てきたんですけど、自分がもっと後ろから下がって勢いよく1対1で抜いてやろうというふうに考えていました。

ーー秋リーグを終えて成長したポイントがあれば教えてください

 今季ケガで離脱するシーンが多かったんですけど、いつもと違うメンバーでも、決められた役割を(それぞれが)しっかり果たせるようになってきているので、そこは下級生がめちゃくちゃ頑張ってくれていて、すごく良い雰囲気ができていると思います。あとはキャプテンの木村さんが、今日の試合は膝を痛めて出れなかったんですけど、安定感のあるカットインとかチームを盛り上げてくれるシュートを見せてくれるので、そこもすごく頼もしいです。

ーー最後にインカレに向けてこれからの練習で強化していきたいところがあれば教えてください

 自分たちがこの1ヶ月間でできるのは、ディフェンス面を固めるところだと思うので、自分も特にディフェンスは苦手だし、どのメンバーになるかもわからないので、 全員がちゃんと自分の役割を全うできるようにレベルアップさせていきたいと思います。