8点差から脅威の追い上げも敗北 3位争いは最終戦で決着へ

女子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月22日 東京・国士舘大学多摩体育館

 秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)8戦目のこの日の相手は、今季未だ勝ちなしの東海大。目標の3位以上へ、勝って最終戦に持ち込みたい。試合は、前半の悪い流れから一転、後半はディフェンスの状態が上がるにつれシュート成功率も上昇した。最大8点差あったスコアも一時は逆転。最後は互角の戦いを繰り広げたが、あと一歩及ばなかった。

 開始直後から相手に3連続得点を許し、開始2分にようやく井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)がゴールネットを揺らす。そしてリバウンドボールを生かし山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)が得点を決めて以降、パスのミスが重なり、ボールをゴールまで運ぶことができなかった。こぼれ球を拾い石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)がポストシュートを決めるなど奮闘したが、開始10分ですでに5点の差がついた。その後里村采音(商2=岩手・不来方)がサイドシュートを連続して決めるものの、東海大のディフェンスの適応力の速さが目立ち、その後はサイドにマークが集中した。早大も隙を作らない密集したポジションで守備を固めたが、なかなか点差は縮まらなかった。この日スタメン出場した大野蒔絵(スポ2=埼玉・市立浦和)が10得点目を決め前半が終了。8点差という苦しい状況で前半を終えた。



シュートを決める大野

 なんとか流れを変えたい後半、この日スタメンから外れていた木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)が7メートルスローを鮮やかに決めるとそこから早大のシュートが徐々に決まり始める。井橋が持ち前のステップシュートで次々と得点を重ねると、夏に強化したというクロスアタックなどでディフェンスでも相手に全力でぶつかった。ここからは早大がゲームを完全に支配。里村のサイドシュート、石坂のポストシュート、そして山野による気迫のミドルシュートで8点差からの逆転に成功。さらに、前日も大活躍を見せたGK 作本夕莉(スポ2=福岡・明光学園)が脚元のボールを続々と止めた。この間、なんと相手に1得点も与えないという脅威のディフェンスとなった。そして後半20分には、この日シュートに苦しんだ江頭理沙(スポ2=東京・ICU)も仲間のプレーに押され得点を追加。ガッツポーズが飛び出した。ここからは東海大と一進一退の対決。点数の取り合いが続いたが、惜しくも26ー28で試合終了。今秋季リーグ初の連敗となった。


7メートルスローを決め、ハイタッチする選手たち

 前半から見事に調子を取り戻し、後半は東海大相手に互角の争いを繰り広げた早大。普段と異なるスタメンではあったものの、選手の層の厚さを見せつけた。いよいよ残り1戦となった秋季リーグ、早大はここまで5勝3敗とし4位につけている。次戦は現在3位の東女体大との対決。目標の3位以上に向けて、勝利以外の道はない。

(記事 大村谷芳、写真 片山和香)

結果

早大26ー28東海大

前半
早大10-18東海大

後半
早大16-10東海大

スタメン

GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

LW里村采音(商2=岩手・不来方)

LB山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

PV石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

CB井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB大野蒔絵(スポ2=埼玉・市立浦和)

RW江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

コメント

井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

ーー前半相手ペースになりましたが、要因などはありますか

 自分たちでちゃんとやろうと決めている、密集して密集して、とにかくアウトで打たせるというディフェンスができなくて、1人1人の間が広くて抜かれてしまったり、フォローができなかったりして、うまく速攻に結びつけられなかったのがまず1つの要因だと思います。もう1つは、シュートまでは行けても、ノーマクシュートをちゃんと決め切れなかったということが大きいかなと思います。

ーー後半ディフェンスが一変しました、どんなことを意識しましたか

 前半に全然まだディフェンスができてないということで、コーチ(夏山陽平コーチ、平21年スポ卒=神奈川・法大第二)から喝を入れられたので、ディフェンスはとにかく運動量出して、みんなで寄って寄って、クロスアタックなどを使いながら1人1人が運動量を出すことを意識しました。

ーーシュートもよく入りました、自身を振り返って

 東海大学は自分たちよりもはるかにうまい人たち、チームで、コーチからも「消極的なミスよりも、ミスをするなら挑戦しにいったミスをしろ」と言われていたので、もうとにかく自分が前を狙って、空いていたら自分がいくという気持ちでやっていました。

ーー秋季リーグ残り1戦、成長したと感じる部分はありますか

 ディエンスで運動量を結構出せたというのはすごく良かなったのかなと思います。自分は、ノーマークシュートが最近全然入り切らなくて、 打ってはいけないところで打ったり、逆に打たないといけないところで打てなかったりということがあるので、もっと前を見て状況判断できるように、来週の試合も意識して頑張りたいと思います!

石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

――試合を振り返っていかがですか

 メンバーもすごい変わっていたし、前半は結構点差つけられちゃったから正直これ無理かなとか思っていたんですけど、後半ディフェンスちゃんと固めて自分たちでやることやったら追いついていけました。良い試合はできたと監督さんたちも言っていたし自分たちでも手応えある部分はあるんですけど、やっぱり勝ち切りたかったなっていう気持ちです。

――最後惜しくも勝ち切れなかった要因は

 試合後の話でも出ていたんですけど、ノーマークシュートを外すことがすごい多かったところだと思います。今大会ずっとノーマークシュートのミスが多いって言われていて、今日もそこかなって。

――前半と比べて後半は失点が少なかったような印象です。ディフェンス面で前半から修正した部分はありますか

 2枚目が高く出て中に持ってこようって話をしました。アウトはなしで中に持ってきて、あとは打ってくるのに3枚目が対応してというふうにハーフで話してやっていました。

――パスをもらいに浮いて出たり、パスを受けたら前をしっかり狙いに行ったりと積極的なプレーが印象的でした。ご自身のオフェンスでのプレーを振り返っていかがですか

 やっぱり自分自身もノーマークシュートを外しちゃったところがあるし、あと速攻だったり(相手ディフェンスが)ファイブワン(5・1)の時に自分がボールもらってつないだりフェイントするっていうのがずっと課題で。今日もそこでドリブル止めちゃってパスミスしちゃったから、自分がポスト以外のポジションでボール持った時にバッグの人みたいにもっと動けるように練習していかなきゃなと思います。

――来週の最終戦、東女体大戦に向けて意気込みを聞かせてください

 来週勝てればもっと順位上げられる可能性もあると思うので、来週は絶対勝ちます!