関東学生秋季リーグ 9月13日 東京・日大八幡山体育館
関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も折り返しを迎えた第5戦。ここまで1勝3敗の早大が迎え撃つのは、3連勝で勢いに乗る日大だ。立ち上がりこそ競ったものの、日大キーパーにゴールを阻まれると早大の得点は1桁にとどまり、前半を9―19で折り返す。なんとか食い下がりたい後半も、オフェンスでのミスが多発。逆速攻から突き離され、試合の主導権を握れないまま、20―36で敗戦を喫した。
試合開始から両者得点のないまま3分が経った時、ついに試合が動き出す。先制弾を叩き込んだのは外種子田崚汰副将(スポ4=鹿児島・国分)。スタートから2枚目に高く当たっていた外種子田は、日大オフェンスのパスをカット。ドリブルで運ぶとスピードそのままにゴールを決めた。堅守速攻を体現するようなこのプレーを皮切りに、勢いに乗りたい早大。しかしその後はシュートがなかなか決め切れなかった。ポスト、サイド、カットインとさまざまに攻め込んだものの得点が入らない。日大キーパーのセービングを前に、気づけば8分間ゴールが遠ざかっていた。

先制点を決めガッツポーズを見せる外種子田
前半10分、流れを変えようと早大はメンバーを大きくチェンジする。投入されたのは今季初ベンチの西村悠吾副将(人4=千葉・市川)、センターとしてプレータイムを伸ばす豊田創志(スポ3=千葉・市川)、強烈でテクニカルなミドルが武器の尾上悠利(スポ2=大阪・大体大浪商)だ。メンバー交代後、待ち望んだ追加点がついに飛び出る。ゴールネットを揺らしたのは、西村の「決めないともうベンチには入れないという思いで打った」サイドシュートだった。西村の得点に会場は沸き、早大は反撃を試みる。鍋島弘樹(スポ3=福井・北陸)のディフェンス2人を抜くカットイン、杉田一輝(スポ2=岩手・不来方)のブラインドシュートで日大に食らいついた。しかし得点を奪えない時間は再来。日大のフィジカルを武器としたディフェンスに縦の攻めを防がれ、シュートまで持ち込んでもキーパーに阻まれた。その間に日大は確率高く得点を挙げ、点差は広がるばかり。前半終了間際に今西央登(スポ2=奈良・郡山)のサイドシュートでなんとか後半への布石を打ったものの、前半を終えてスコアは9―19と、早大の得点は1桁に抑え込まれてしまった。

ゴールを狙う鍋島
後半の立ち上がりは「リーグが始まってから個人的に良いプレーができていない」と語った鍋島が、その悔しさを払拭するように果敢に攻め込んだ。ディフェンスの上から放ったミドル、続けて1・2枚目間を割って打ったシュートをゴールに突き刺す。鍋島の連続得点で、早大はなんとか日大に食い下がる。しかしその後、オフェンスでパスミスやハンドリングミスが多発。自らのミスをきっかけにつかみかけた流れを逃し、点差はさらに開いていく。大武蓮(社4=神奈川・川和)の要所でのセーブや、結城颯太(スポ3=千葉・昭和学院)のルーズボールへの反応など、粘り強く戦うシーンも見られたが、20―36でゲームセット。大差をつけられ、リーグ後半戦へ弾みをつけることはできなかった。
先週の試合で外種子田が指摘した「流れを左右するミス」が、16点差での敗戦につながってしまったような今試合。試合の流れを我が物にし、勝利をつかむには何が必要か。試合後の西村と鍋島からは、何度も「全員で」という言葉が聞こえた。1つ1つのプレーの大切さやシュートへの執念など、全員で意思統一し、全員で戦う。まずは翌日に控える中大戦だ。「僕たちみたいな、全員が必死にやるチームが勝つことに意味がある」(鍋島)。ワセダセブンは今一度、全員一丸となって強豪・中大に挑む。
(記事 片山和香、写真 沼澤泰平)
関東学生秋季リーグ(秋季リーグ) | ||||
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早大 | ● | 20―36 | 日大 | |
9―19 |
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スタメン | ||||
GK 大武蓮(社4=神奈川・川和) |
コメント
西村悠吾副将(人4=千葉・市川)

――今季初のベンチ入り、どんな気持ちで試合に臨みましたか
最初の2週ベンチから外れて、外から試合を見ていて感じていたことがありましたし、練習でやってきたことを最後まで出し切ることを意識して臨みました。
――コートの外から見ていて感じていたこととは
雄司(守屋雄司主将、スポ4=神奈川・法政二)がよく言っていることで、練習でやってきたことをこのコートで表現するということが大事なのですが、そこがやり切れていない部分があるなと感じていました。
――西村選手ご自身はどんな準備をされてきましたか
1番は体のコンディションを整えるということです。ケアなどをしっかりしながらパフォーマンスを落とさないように練習に取り組みました。
――得点シーンを振り返っていかがですか
真大(所真大、社3=岡山・総社)が珍しく調子を崩した中で僕が久々に試合に出るということだったので、決めないともうベンチには入れないという思いでシュートを打ちました。
――試合後のミーティングではどんなお話がありましたか
この1週間練習でやってきたことがやり切れていないというところが、試合の結果につながってしまった理由として大きいので、明日や来週に向けてはそこを全員でしっかり意識して意思統一していこうという話をしました。
――次戦への意気込みをお願いします
試合に出られたら、しっかりシュート打って点を決めたいと思います。
鍋島弘樹(スポ3=福井・北陸)

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか
秋リーグ(関東学生秋季リーグ)が始まってから個人的に良いプレーがなかなかできていない中で挑んだ5戦目でした。先週までに比べたら良いプレーはできたのですが、チームとして勝つことができなくて、自分が良くなっていてもチームの結果は変わっていないので、反省する点は多いと思います。
――1週間どんなことを準備して来られましたか
相手への対策はもちろんなのですが、個人的には自分が良いプレーをするために、これまでの自分がやってきた良いプレーを見るなどしてきました。それが形になってはいましたが、まだまだ足りなかったかなと思います。
――オフェンス面を振り返っていかがですか
オフェンス全体としてはシュートを外してしまって。結局はシュートを決めないとハンドボールは勝てないので、やはり練習からどれだけ全員がそれを意識できていたかというところが顕著に出たのかなと思います。
――秋季リーグ前半戦を振り返っていかがですか
前半戦では、自分たちがやるべきことを60分間できればこんなゲームにはならないという試合が多かったです。ですが明日もあるのでしっかり切り替えて、明日勝てるように準備したいと思います。
――明日の中大戦に向けて意気込みをお願いします
中大はチャンピオンチームという感じで強い選手が集まっている中で、そういうチーム相手だからこそ僕たちみたいな、全員が必死にやるチームが勝つことに意味があると思います。個人的には小学校の時からの幼なじみもいるので、そういった面でも負けたくないと思っています。