3月27日、30日 東京・東伏見体育館
関東学生春季リーグ(春季リーグ)が4月19日に開幕する。女子部は順大、男子部は筑波大との初戦を迎える。昨年熱い戦いを見せてくれた早大ハンドボールに今年も期待が高まる。
2025年度女子部は春季リーグ4位以上を目標としている。「(昨年は)総力を上げられた1年だった」と杉浦亜優主将(スポ4=愛知・名経大市邨)が語るように、昨年は春季リーグ4位、秋季リーグではメンバーのけがによりスタメンを大きく入れ替えて臨んだが、粘り強いプレーで5位という成績を残した。今年は昨シーズンの成績を超えるために、早稲田の武器であるサイドシュートをさらに強化している。それに応じてディフェンスからの素早い速攻を意識して練習している。昨シーズン一際輝きを放っていたのが杉浦だ。メンバーのけがにより普段のポジションとは異なる右バックでの出場となったが強豪・筑波大との試合では試合終了残り10秒のところで逆転弾を放った。今年もどんなプレーを見せてくれるのか注目だ。そんな杉浦がキープレーヤーとして挙げたのがGKの作本夕莉(スポ3=福岡・明光学園)と堀内雪羽(スポ2=千葉・昭和学院)。シュート練習ではチームメイトの放つ厳しい球も止めるなど、安定した守りが印象的だった。ディフェンスの練習では山田梨央副将(スポ4=千葉・昭和学院)と堀内が右45とGKの連携について入念に確認している姿もあった。全体練習後には杉浦とともに大野蒔絵(スポ3=埼玉・市立浦和)がシュート練習をしていた。大野は昨シーズン、ディフェンダーとして活躍しながらもシュートを数多く決めていた。今シーズンもチームにとって重要なプレーヤーになるだろう。インタビューで杉浦が「上下関係があまりなくお互いコミュニケーションを取りながら練習できている」と語った通り、学年関係なく声を掛け合い笑顔でプレーをしている様子が終始見られ、チームの一体感が感じられた。昨シーズンから成長が止まらない選手たちの活躍に期待が高まる。まずは初戦、順大との試合で勝ち切り、弾みをつけていきたい。

ディフェンスの確認をする山田
2025年度の男子部は、昨年に引き続き全日本学生選手権(インカレ)優勝を目標に掲げた。昨年度の男子部は、春季リーグ5位、秋季リーグ7位、インカレ初戦敗退という結果だった。今年は守屋雄司主将(スポ4=神奈川・法政二)がチームを率い、まずは春季リーグで早大が上位に立つことを目指す。練習中は守屋主将を中心に全員が声を出し、コミュニケーションを積極的にとる様子が見られた。また全体練習の後半では、サーキットによるトレーニング練習を行い身体の強化に励む。一つひとつの種目に汗を流しながら全力で取り組むその姿から勝利への強い想いが見えた。「関東一部で一番熱い男になって春リーグを終えたい」と語る守屋主将を中心とする今年度の男子部に期待が高まる。さらに春リーグに向けてチームの士気が高まる中、守屋主将がキーパーソンとして挙げたのは、キーパー大武蓮(社4=神奈川・川和)だ。一般試験で早大に入学し、中高大とハンドボールを続けている大武が、チームの守護神としてどんな活躍を見せてくれるのか目が離せない。まずは初戦の筑波大。一戦一戦を勝ち切り、早大男子部の新しい歴史を築いてほしい。

自軍のゴールを守る大武
男女共に、積極的にコミュニケーションを取る姿が印象的だった早大ハンドボール部。新体制になりどんな試合が繰り広げられるのか期待が高まる。選手の成長ぶりや個性あふれるプレーから目が離せない。
(記事 林朋亜、佐野真悠子 写真 片山和香、大村谷芳)
コメント

杉浦亜優主将(スポ4=愛知・名経大市邨)
――昨シーズンを振り返っていかがでしたか
昨シーズンは怪我に苦しんだ4年生が多くて、その中でも総力を上げられた一年だと思いました。
――今年のチームの目標を教えてください
春リーグは4位以上を目標としています。
――新チームの雰囲気や特徴はどうですか
去年から下級生中心に試合に出ることが多かったのでその分みんな主体性を持ってやってくれていると思います。その中でも結構上下の関係があまりない無いチームなので、お互いコミュニケーションをとりながら練習が出来ているかなと思います。
――新チームとして強化してきたところや中心に練習してきたところはありますか
早稲田の武器は45がアウトにずらしてサイドシュートで勝負出来るところなのでみんなでサイドまで持っていこうということでサイドシュートを強化しています。また、ディフェンスから速攻というのをメインに練習しているので運動量の多いディフェンスを特に頑張っています。
――練習をしていて課題だと感じるところはありますか
サイドシュートを肝にしているのでゲームの中でサイドシュートが入らないと結構きついなと感じることがあり、プレッシャーをかけるわけでは無いのですが、そこを大事にしているのでもっと精度を上げていきたいと思っています。
――新チームの中で注目している選手はいますか
GKの堀内雪羽(スポ2=千葉・昭和学院)と作元夕莉(スポ3=福岡・明光学園)がずっと調子が良くて、私たちも苦しめられているくらいすごく上手なGKが揃っているのでそこにご注目ください!
――昨シーズンから振り返ってみてご自身の調子はどうですか
昨シーズンは右バックをやらせていただいてたのですが、今季は前にやっていたポストをやらせていただくことになって戻りがけは、かなり調子が悪かったのですが最近は徐々に掴んできたのでもっと精度を上げていきたいなと思っています。私はシュートがあまり得意ではないのでそこを春リーグでは克服して得点を量産できるようにしたいです。
――主将になってからの心境の変化はありますか
いい意味で責任感を感じられるというか、私がまずやらないとチームは着いてこないというのを実感しているので、この一年、私が1番というのを考えてやっていきたいと思います。
――個人の春リーグへの目標はなんですか
全9試合戦っていく中で一つ一つに波があってはいけないと思うので軸がぶれないようにまずは私が安定して、リーグを最初から最後まで戦い抜きたいと思います。
――最後に春季リーグの意気込みをお願いします
人数が少ない中でみんな頑張ってきたのでこの成果を出せるように、目標達成できるように頑張ります。応援よろしくお願いします。

守屋雄司主将(スポ4=神奈川・法政二)
――今年のチームの目標を教えてください
最終的にはインカレで優勝することを目標に掲げています。またここ最近、早稲田が上位に食い込んでいないという部分があるのでそこを打破することを目標にしています。
――現時点でのチームの雰囲気はいかがですか
目標やそれを達成するためにやっていくことも決まっており、春リーグに向けて少しずつ士気が高まっていると思います。あと3週間あるのであげていくだけだと思っています。
――チームの中の注目選手を教えてください
注目選手は攻守のキーマンである大武蓮(社4=神奈川・川和)です。彼は最終学年として1年生からチームを背負っており、最後の年をどうまとめあげるのかというところも注目です。また彼は、一般入学で入り、全国大会に出るようなチームではない中で、中高とハンドボールをやってきた選手です。そうした彼が現在のチームの守護神になるところが早稲田らしさであり、早稲田を象徴すると思うので注目選手になるのかなと思います。
――早大のキャプテンとなった今、なりたい主将像を教えてください
私が2年の時の主将であった田井健志(令6スポ卒)さんが私にとって理想的な主将だと思っているので、そのような男になれるようにこの1年間は取り組んでいきたいと思います。
――チームとして、個人としての春リーグの目標をお願いします
チームとしては、近年停滞している早稲田を上位までもっていって、早稲田の新しい歴史を作るということを掲げています。私個人としては関東一部で一番熱い男になって春リーグを終えようかなと思いますので注目していただけると幸いです。