【連載】インカレ直前特集『PLAY ONE’S ROLE』 第5回 長谷川靖幸×金龍洙×奥村陸生

男子ハンドボール

 第5回は、長谷川靖幸(法4=東京・早実)、金龍洙(スポ4=兵庫・須磨学園)、奥村陸生(スポ4=神奈川・法政第二)にお話を伺った。ポイント起用でチームにアクセントを加える4年生3人。仲の良さが覗える、笑いがあふれた対談となった。

※この取材は10月22日に行われたものです。

「歯がゆさを感じた」(長谷川)

秋季リーグを振り返る長谷川

――簡単に自己紹介をお願いします。

4年の金龍洙です。ポジションは右サイドです。

奥村 4年の奥村陸生です。左サイドです。

長谷川 4年の長谷川靖幸です。ポジションは正45です。

――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を振り返っていかがですか

最初は良い感じだったのですが、後半になって負けが続いてしまって結果的には悪い流れのまま終わっちゃったなって感じですね。

奥村 最初は結構良い流れで入れてこのままベスト4入れるんじゃないかと思うところもあったのですが、終盤やっぱり中大や筑波大、国士館大っていう強豪の部類に入る大学と戦うってなったときに、1つのミスの差で引き離されてしまって。それが結果的に負けにつながって5位という結果だったのかなと思います。なので、インカレに向けてそういったミスを無くしていくことが勝利につながるのかなと思います。

長谷川 いろいろとうまくいかないことが多くて、個人的にも直前でケガしちゃって最初全然参加できなくて。復帰してもメンバーに入れず家で観戦することが多かったので、チームが後半勝てなくてうまくいっていないときに、それをずっと家で見ているのはしんどかったし、歯がゆさを感じたというか、悔しいことが多いリーグでした。

――長谷川さんから自身のプレーに関するがありましたが、他のお2人は、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

出た試合もそんなにないのですが、関わるプレーが少ない中でしっかり得点しなきゃいけなかったのに、あまりそういう働きができなかったので、うまくいかなかったことが多いなと感じています。

奥村 僕も龍洙と同じように、ずっと出ているというよりかはポイントで出していただいた感じなのですが、出た試合で点を取れたのは順大戦だけで。そのときは点差が結構開いていたから自分も長い時間出してもらって。でも、国士館大戦や筑波大戦でポイントで出させてもらったときは、シュートのパスが1本もこなくて。それでチームが負けてしまったときは、すごくモヤモヤした気持ちになりました。同時に、サイドだけどパスが来るのを待つだけじゃなくて、自分からもっとボールに絡みにいかないと得点をとれないのかなと反省しております。

――春と比べてチームが成長したところはどこですか

速攻の精度は絶対上がっていると思います。秋季リーグ前半戦は、それがあって点をとられてもすぐにとり返せていたので、そこが成長したところかなと思います。

奥村 メンバーを替えてもそれぞれが任せられた役割を果たせるようになったのかなと思っています。誰かがフル出場で出るというより、誰かが疲れたらフレッシュなメンバーが出てきて。それが速攻にもつながっていたので、一人一人がそれぞれの役割を果たせるというか、層が厚くなったところがいいのかなと思っています。

長谷川 2人に結構言われちゃったな・・・(笑)。でも、結構粘りが出てきたと感じています。ディフェンスが簡単にやられちゃうことが無いなと思います。龍洙が言っていた、速攻につなげるというところもディフェンスが良いからそこまでできるわけだし、春には勝てなかった相手に秋は勝てたりとか、目に見えて成長したところもあるのでそういう部分で成長を実感しますね。

――インカレ直前ですが、今の練習の雰囲気はいかがですか

奥村 先週は筑波大と中大に負けたあとで雰囲気が結構暗くて、プレーしていてもなかなか盛り上がれない感じだったのですが、リーグを終えてオフ明けで練習が始まってみると、アップのときから盛り上がっていたり声を出したりしていたので。負けが続いてチームが落ちていくんじゃないかなと心配していた部分もあったのですが、インカレに向けてチームが少しずつ前向きな感じで盛り上がっていけているのではないかなと思っています。

――それぞれお互いにどのような印象を持っていますか

金選手に対して

長谷川 もっと声出せよ!(笑)

奥村 マイナスから入る感じ(笑)

長谷川 落としてから上げようと思って(笑)。龍洙は、1年生のときからずっとサイドだったよね?

まぁそうだね。

長谷川 だから龍洙はどんどんサイドシュートがうまくなっていて。狭くてもめっちゃきれいに決めてくるから、それはすごいなという感じです。

奥村 僕は左右違うのですが同じポジションをやっていて。龍洙は身長も高いしポテンシャルもあって、相手キーパーの上から打って流しを決めたりしています。自分は身長低いので、自分には無い良い武器を持っていて、ちょっとね、悔しくなったりするところもあるので。ポジションは逆だけど、同学年だしライバル視している存在かなと思います。

ありがとうございます(笑)。

一同 (笑)。

――奥村選手に対してはどうですか

奥村はね、シュートのテクニシャンっていう(笑)。キーパーをずらす、バリエーションがめっちゃあるなって。同じポジションなので見ていて思います。

奥村 ありがとう(笑)。

長谷川 陸生がサイドに入って僕が45ということが結構練習でもあって、意識して陸生にパスをずらせるようにと考えていて。多少狭くても、あまりずれきっていなくても飛び込んでくれるし、それで決めてきてくれるから45としては本当にありがたいし、陸生がサイドのときは攻めやすいしやりやすいなと思います。

奥村 あなたが1番パスくれる(笑)。

長谷川 1番出しやすいんだよ(笑)。

――長谷川選手に関してはいかがですか

レギュラーではないのですが、他の同じポジションの選手がやらない自分だけのプレーをやろうとしているというか、そういうところがすごく考えてやっているなと感じます。

長谷川 いいね、良いこと言う(笑)。

奥村 大学に入ってから45をやり始めて最初の方は苦戦していましたが、最近だとミドルシュートを自信を持って流し上とか引っ張り下とかに決めるプレーもあるし、サイドにパスが来ないときに、攻めてよと言ったらそこはしっかりとインからアウトに切り替えてパスを出してくれたり。器用にいろんなところをできるなと思います。だから3枚目も2枚目もセンターもやらされるし・・・。

長谷川 いろいろとね(笑)。

奥村 そう、だからすごく器用な選手だなと思いますね。

長谷川 ありがとうございます(笑)。

「一人一人が良い意味で、強い」(奥村)

同期について語る奥村

――3人とも4年生ですが、自分たちの学年の色というか、特徴はありますか

奥村 色、ある?(笑)

長谷川 無色(笑)。

奥村 黒(笑)。

長谷川 黒はイメージ悪いでしょ(笑)。

村井 個性が強いとか・・・(←先に対談を終えて話を聞いていた村井選手(達也、スポ4=富山・高岡向陵))

長谷川 何か言ってる(笑)。

奥村 一人一人が良い意味で、強い。一人一人の個性が強いかなという風に思ってますね(笑)。

長谷川 人数が多いからひとくくりにするのは難しいかな。みんな結構キャラが違うからそこが面白いところかな、と。

奥村 静かな人からうるさい人まで、真面目な人からふざける人まで(笑)。

――具体的にはどなたがふざける人なのですか

長谷川 金、遠近(拓海、教4=東京・早実)、鈴木(雄大、政経4=東京・早実)、福田(友貴、スポ4=神奈川・法政二)とかね(笑)。

――それぞれ、プライベートで仲の良い選手はいますか

まず、のぶ(長谷川)は帰る方面が一緒なので、いつも一緒に帰ってますね。あとは雄大とか、福田とか中村(匠、スポ4=千葉・市川)とかは仲良いですね。

奥村 僕は、この人だって感じで仲が良い人はいなくて、自分的にはいろんな人と仲良くしていると思っているのですが、その中で特に誰と出かけるかってなると、紺碧寮に一緒に住んでる福田、中村、佐藤(法俊、スポ4=長野・屋代)あたりとよくご飯に行ったり、ドライブ行ったりとかしてます。

長谷川 同期だとやっぱり龍洙は多いかな。家が近いから、最近はあんまりだけど、オフとかも誘って遊んだりしてましたね。

「少しでもチームに貢献したい」(金)

インカレについて語る金

――インカレの組み合わせをご覧になっていかがですか

3回戦で筑波大とあたると思うのですが、1年生のときに同じような組み合わせで自分たちが逆転して勝ったということがあったので、秋季リーグでは負けているけど勝てたらまたドラマが生まれるなって思いますね(笑)。

奥村 全然メダルを狙える組み合わせじゃないかな、とパっと見は思いました。でも、狙えるんじゃね?っていう心の・・・・・・なんだっけ(笑)。

長谷川 驕り?(笑)

奥村 そう、驕りは捨てて、一戦一戦しっかりと自分たちのやりたいことをやって筑波大戦までいければ。秋季リーグの反省を生かして戦えば筑波大も全然勝てない相手じゃないと思うし、準決勝であたるであろう中大も(秋季リーグで)負けはしたけど最後の最後のミス1本で引き離されて2点差とかだったので。全然決勝まで進めるんじゃないかなと思います。

長谷川 インカレに出てくるチームはどこも強いチームだからどことあたってもきついし、そういう勝負になるので、初戦の高松大からまずしっかり準備してそこをしっかり勝って、次へ次へ、って見据えていけたらいいなと思います。

――インカレでキーマンになりそうな選手はいますか

じゃあ神前選手(伶、スポ3=埼玉・浦和実)で。

――神前選手も金選手の名前を挙げていました

一同 おー!(笑)

同じポジションなので、伶がめっちゃ入れてくれたら、勝てる、良い流れで・・・勝てる・・・ちょっと待ってください(笑)。

奥村 整理して(笑)。

伶はすごいシュートを決められる選手なんですよ。伶が決めることでチームが盛り上がるみたいなシュートがうてるので、そういうシュートをいっぱいうってくれるとうれしいです。

奥村 僕は、やっぱりキーパーの中村がカギになると思っていて。中村は僕らの代の中でもトップ3には入るような実力のあるキーパーだし、試合中にどんどん慣れていって終盤になるほど止めてくれるような選手なので。信頼度抜群のキーパーなので、中村選手にしっかりと守ってもらってそこから速攻っていう早稲田のリズムをつくれたらいいかなと期待しています。

長谷川 僕は、鈴木雄大選手ですかね。雄大は高校から一緒にやってきて、ポストですごく背が高いとかじゃないけどものすごく頭が良くて。頭を使ったプレーでディフェンスを混乱させるような動きをしたりとか。フローターの意図をすごく理解しようとしてくれていて。雄大がシュートを決めるとチームも盛り上がるので、そういうところも含めて活躍してほしいなと思っています。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします。

最後のインカレなので、自分が出るチャンスがあったら少ないチャンスの中でもしっかり決めきって、少しでもチームに貢献したいなと思います。

奥村 どうしよう・・・、(龍洙と)同じだからさ、役割が(笑)。自分もほぼ同じになってしまうのですが、サイドシュートというピンポイントのところをチームに買ってもらってちょくちょく出させてもらっているので。そういったチームの期待を裏切らないように、コートに立たせてもらう以上はしっかりとパスをもらってシュートを決めきりたいです。あとは、サイドシュートだけじゃなくて、切っていってポストシュートもうてるようなポジションなので。ただ待っているだけじゃなく、自分から積極的にバックプレーヤーのプレーに絡んでいって、サイドシュート以外でも得点をあげてチームを勢いづけられたらいいなと思います。

長谷川 僕が出るとしたら、チームとしての流れが止まっているときとかポイント起用になってくると思うので、そういう役割を与えられて出た場合はそれに応えるようなプレーを全力でやって、インカレっていう大きな舞台なので楽しめたらいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 出口啓貴、澤崎円佳)

インカレに向けて意気込みを書いていただきました!

◆長谷川靖幸(はせがわ・のぶゆき)(※集合写真右)

1999(平11)年8月5日生まれ。179センチ。東京・早実高出身。法学部4年。主務としてもチームを支える長谷川選手。軽快な語り口で場を盛り上げてくれました。持ち前の器用さで形勢逆転の突破口を開いてくれるでしょう!

◆金龍洙(キム・リョンス)(※集合写真左)

2000(平12)年3月22日生まれ。177センチ。兵庫・須磨学園高出身。スポーツ科学部4年。「ふざける人」として名前を挙げられていた金選手ですが、対談中は各質問にとてもまじめに答えてくださいました。4年間で磨きをかけたサイドシュートを武器に、チームに貢献します!

◆奥村陸生(おくむら・りくお)(※集合写真中央)

1999(平11)年6月1日生まれ。169センチ。神奈川・法政二高出身。スポーツ科学部4年。思い切りの良いサイドシュートが持ち味の奥村選手。自身の役割について丁寧に語ってくださいました。インカレでは、チームに勢いを与える積極的なプレーに期待がかかります!