第3回は、佐藤法俊(スポ4=長野・屋代)、村井達也(スポ4=富山・高岡向陵)、吉田京平(政経4=東京・早稲田)にお話を伺った。プライベートでも仲が良いという4年生3人。ラストイヤーの全日本学生選手権(インカレ)に懸ける思いを語っていただいた。
※この取材は10月22日に行われたものです。
「インカレにつながる秋季リーグになった」(佐藤)
秋季リーグを振り返る佐藤
――簡単に自己紹介をお願いします
佐藤 佐藤法俊です。ポジションは右45度とサイドをやっています。
吉田 吉田京平です。ポジションはサイドです。
村井 村井達也です。センターと右45度です。
――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を振り返っていかがですか
佐藤 昨年は4試合しかできなくて、今年久しぶりに9試合やる中でいろんな課題が見えて、インカレにつながる秋季リーグになったと思います。
吉田 今年は、はじめから青沼(健太主将、社4=千葉・昭和学院)がこういう戦い方をしたいということを明確にしてくれた1年でした。そこを意識して取り組んできたことが形になって勝てた試合がいくつかあり、それは自信になりました。ただやはり自分たちの力を出しきっても及ばなかった試合がいくつかありました。インカレに向けて課題が浮き彫りになったので、これから修正していければいいかなと思います。
村井 とりあえず9試合何事もなく終われたのが1番良かったです。リーグ戦をやりきれたことがまず大きいと思います。上位校と渡り合える力もあるのかなということも実感できました。あと2週間でどれくらい突き詰めていけるかはわからないのですが、そういう意味では収穫があったリーグ戦だったのかなと思います。
――秋季リーグで見えた収穫や課題を具体的に教えてください
佐藤 収穫は、ディフェンス面では失点を24点以内に抑えることを目標としていた中で、多くの試合でそれが達成できたことかなと思います。逆に課題としては、ディフェンスのあとの速攻につなげる場面でパスミスのような簡単なミスが多くあって、流れを持っていけないという試合展開が多かったので、そこはインカレまでに修正していかないといけないなと思います。
吉田 収穫は、佐藤が言ったように今年1年間目標としてやってきたディフェンスから速攻という早稲田のかたちが発揮できた試合はすごくいいかたちで持っていけることが確認できたことです。自分たちがやってきたことが間違っていなかったとわかったので収穫でもあり自信にもなりました。一方で、そのかたちがうまくはまらなかったときに次はどういう修正をしていくのか、雰囲気を落とさないように誰が盛り上げていくのか、試合中の修正力が課題だと感じたのでその辺りは突き詰めていきたいと思います。
村井 収穫は2人と違って、リーグは16人しかメンバーに入れない中でいろんな選手がコートに出ながらやっていけたので、そういう意味で経験や試合勘を得られたことではないかと思います。その分途中出場というのは難しい部分なので、自分がどの場面で出るのかを常に想定しておけるといいのかなと思います。課題としては、前半が振るわなかった試合はそのままの点差で後半にいってしまい、後半だけで見れば同点や早稲田が勝っていても、前半のビハインドが響いてしまったというところがあるので、インカレはぶっつけ本番なので立ち上がりを大事にしないといけないなと思います。
――ご自身のプレーに関してはいかがですか
佐藤 序盤はいろいろあって自分は出られませんでした。復帰直後の数試合は活躍できませんでしたが徐々に試合に慣れてきて、自分がコートに立ったときにワンプレーごとに自分がどういうプレーをすべきなのかを冷静に考えながらできたことは次のインカレにもつながるかなと思います。
吉田 自分自身は秋季リーグに出てどうということはなかったのですが、相手校がどういうディフェンスをしてきてどういう攻めをしてくるよね、ということをAチームとやってきました。その中で早稲田のディフェンスのどこが弱くて早稲田のオフェンスのこういうところが攻めきれないということが浮き彫りになって、部内で共通認識を持てるようになったことが収穫だったと思います。それを還元していくことも自分のこれからの役割だと思いますし、自分自身が試合に出てということも頑張っていくところの1つだし、という感じです。
村井 去年までもそうでしたが途中出場が多くて、どうも途中出場が苦手でした。でも今リーグは全試合途中出場みたいなところがあって、少しずつ慣れていけたのでそこは収穫ですね。
――途中出場が多かった中での自分の役割はどう考えていましたか
村井 例えば、スタートは佐藤が出ることが多いのですが、左利きなので左利きが有利な右45というポジションで攻撃する分、ボールの持ち時間が長くなってしまいます。なので、自分が出たときはそこを早くしたり、ボールのまわりを良くしたり。サイドへの流れも自分は利き手側なのでそこの流れを作ることが自分の役割だと思っています。
――他の2人の選手に対して、それぞれどのような印象を持っていますか
吉田 すごく勝手なことを言うと、佐藤は秋季リーグ全体を通してまだ出しきっていないなというのが正直なところです。1年のときの佐藤はロングシュートが1番の取り柄で期待されていたのですが、他のところはまずまずという印象で。2,3年になってロングシュートという武器もありながら他の選択肢も広がりました。あとは自分が守っていてやりづらい選手になったと思います。ロングを見せたあとで他のプレーもできるという、相手からしたらすごくやりづらい選手なので、インカレでは1試合10点を目指して爆発してほしいなと思います。
村井 僕がセンターをやっているときはシュートがあるので複雑なことをせず、単純に攻撃してクロスでまわらせてシュートということもできるのでやりやすいっちゃやりやすいです。ただ吉田の話にもあったように選択肢が広がった分、ちょっと考えすぎかなという部分も多少あるので、そこはもう一皮むけて頑張ってほしいです(笑)。
――吉田選手に対してはどうですか
佐藤・村井 ないですね(笑)。
一同(笑)。
佐藤 まぁ吉田は大学から初心者として始めたにも関わらず、最近はディフェンスでもサイドシュートでも光るものがあると思います。あと練習内では盛り上げ役として、4年になってからは控えめですけど(笑)。試合の中でも盛り上げてくれるので、出たときは活躍してほしいなと思って見ています。
村井 僕は先日の練習で一緒にプレーしていたときに、自分のところで「1対1させてくれ」と言われて、「自我持ったなぁ」と思いました(笑)。
吉田 親目線・・・(笑)。
村井 あとはいつもそのぐらいの気持ちでいればいいのにサイドシュートとかになると、そこいかないんだ、みたいなこともあるので、最後ですし思い切りよくやってほしいなと思います。
――村井選手に対してはどうですか
佐藤・吉田 ・・・・・・。
村井 ないらしいです(笑)。
佐藤 いや、達也はプレー中、自我を出さずに淡々とやるタイプなので自分が一緒にやっているときはどうしてほしいんだろうと思うこともあるのですが、最近はこうしてほしいとアドバイスをくれるようになってきたので助かっています。自我が芽生えてきました(笑)。
吉田 リーグ通して達也が出たときの印象的なプレーってやっぱり体の強さを生かして間を割って相手のカードを誘って。ただ1点をとるのではなくそこで流れが変わる、雰囲気が変わるというところが印象的なプレーです。そこが達也の特徴、強みでもあると思います。さっき自分でも言っていましたが、途中出場が多いこともあり、チームが乗りきれてないときやここで1点ほしいぞというときに退場付きの1点をとってこられる数少ない選手だと思います。リーグ全体を通して流れが良くなかったという反省がさっき出ていましたが、それを打破できる選手の1人だと思いますし、彼が1試合で退場を3回か4回とれれば勝てるのでそこを目標にしてほしいなと思いますね。
――少しハンドボールの話から逸れますが、オフの日は何をしていますか
村井 特に何というわけでもないのですが、ゲームが好きなので最近はゲームをしています。趣味的な話だと服とかには興味がないのですが、靴には興味があって。スニーカーとかハンドで使うインシューとかにもこだわっています。
――どういったところにこだわりがありますか
村井 今はコービーブライアントのシューズを履いています。バスケットボールシューズの中でも、比較的手に入りづらいものは頑張って手に入れようとしています。
吉田 僕もパソコンでゲームをするのが休日の日は多くて、達也とかとやっています。
村井 そうかな?(笑)
吉田 誘ってきてるのはお前やからな(笑)。あとはみんなでワイワイするのが好きなので、よく法俊や達也、マネジャーの藤嶋(佑季、商4=東京・早実)を誘ってご飯行こうって言うと来てくれたり、達也は1人暮らしなので家を貸してくれたりします。なので昼はゲームしたり、夜は誰かを呼びつけてご飯行ったりという感じですかね。
村井 誰呼んで来るかわからない。家来るくせに誰が来るかはわからない(笑)。
吉田 「今日何時に行くねー」とだけ言います。
村井 何人来るかもわからない(笑)。
佐藤 自分は、オフの日は大体整骨院行って、ちょっとラーメン食べて帰るくらいです。1人で。あと暇なときはYouTubeで野球とかゲーム実況、動物を見るくらいですかね。
村井 動物(笑)。かわいいな(笑)。
「過度にビビらず向かっていける」(吉田)
自身の強みについて語る吉田
――インカレの組み合わせを見てどのように感じましたか
佐藤 1回戦、2回戦から強豪とあたると思いますが、そこで勝ちきれれば上まで上がれるという自信がチーム全体としてあるので。初戦からしっかり勢いづけられるように、インカレまで練習の中からチーム全体として上げていければいいかなと思います。
吉田 僕は大学から始めたので、中大とか明治とかめちゃくちゃスーパースターらしき選手がいるらしいのですが知らないんです(笑)。だから過度にビビらず向かっていけるというところが強みだと思います。インカレという大きな舞台で、負けられない戦いということでみんなが緊張している中で、ビビらずにチームに流れを持っていくという役割ができるといいかなと思います。
村井 組み合わせに関しては、コロナの影響でよそとの練習試合もできてないし、他地区のチームは僕らからすると得体の知れないチームです。映像とかで見るにしても限界がありますし、どういうチームかというのは正直わかりません。そういう中で勝ち上がっていく途中に関東のチームが多いということは自分たちのやることが明確になりますし悪くないのかなと思います。それこそ勝っていけば勢いが出てくると思うので、勝てるんじゃないかなと思っています。
「1番ハンドボールを楽しんでいると思います」(村井)
インカレへの思いを語る村井
――ご自身のプレーで注目してほしいプレーはありますか
佐藤 自分の持ち味は、みんなが言ってくれたようにロングシュートだと思います。それを相手に見せつつさばいたり、とロングシュートを軸に周りを使った幅広いプレーができればチーム全体も流れに乗ってくれると思うので、ロングシュートを見てほしいと思います。
吉田 1試合何点とる?10点?
佐藤 そうですね、11点で(笑)。
吉田 佐藤が毎試合11点取れば勝てるな。自分の持ち味はディフェンスの1対1や相手の流れを切るところだと思うので、そこを体現していきたいです。
村井 あまり目立たないところですが、駆け引きをするのが好きなのでそういったところを見てほしいです。あとチーム全体で1番ハンドボールを楽しんでいると思いますし、試合中もきっと笑顔なのでそこを見てほしいと思います。
――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします
佐藤 最後のインカレなので張り切りたいところではあるのですが。自分の性格的に張り切りすぎると思ったようなプレーができないので。もちろん試合に勝ちたいという思いは持ちつつも、ワンプレー、ワンプレー、自分がどういったプレーをすべきかを冷静に考えてやっていければいいかなと思います。
吉田 自分の4年間の成果を証明できるように頑張ります。
村井 4年間通して初めてインカレにちゃんと出られそうなので、初めてではありますが冷静さを保って頑張りたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 出口啓貴、澤崎円佳)
インカレに向けて意気込みを書いて頂きました!
◆佐藤法俊(さとう・ほうしゅん)(※集合写真右)
1999(平11)年6月1日生まれ。175センチ。長野・屋代高出身。スポーツ科学部4年。終始落ち着いた様子で話してくださった佐藤選手。秋季リーグでも見られたその確かな得点力で、チームに勢いをもたらしてくれるでしょう。左腕から放たれる力強いロングシュートに期待がかかります!
◆村井達也(むらい・たつや)(※集合写真左)
1998(平10)年10月29日生まれ。170センチ。富山・高岡向陵高出身。スポーツ科学部4年。「試合中もきっと笑顔なのでそこを見てほしい」と話してくださった村井選手。対談中もユーモアあふれる回答で場を和ませていました。インカレでは、誰よりも楽しんでプレーする姿に注目です!
◆吉田京平(よしだ・きょうへい)(※集合写真中央)
1999(平11)年6月28日生まれ。171センチ。東京・早稲田高出身。政治経済学部4年。大学からハンドボールを始めたという吉田選手。練習でも試合でも、チームの盛り上げ役を担っているそうです。持ち前のディフェンス力と声で早稲田に流れを呼び込みます!