第２回は、「早稲田のBIG３」の呼び声高い、福田友貴（スポ４＝神奈川・法政二）、鈴木雄大（政経４＝東京・早実）、神前怜（スポ３＝埼玉・浦和実）にお話を伺った。筋トレが大好きという共通点を持つ３人。笑いの絶えない和やかな対談となった。
※この取材は10月20日に行われたものです。
「出場機会をもらってすごくうれしかった」（鈴木）
秋季リーグを振り返る鈴木
――簡単に自己紹介をお願いします
福田 福田友貴です。ポストです。
鈴木 鈴木雄大です。ポストです。
一同 （笑）。
神前 神前怜です。逆サイドです。
――関東学生秋季リーグを振り返っていかがですか
神前 前半戦は４連勝して調子が良かったのですが、国士舘戦との引き分けから最後まで１勝もできなくて。勝ちグセがついていたので、そのまま最後までいきたかったというところはありますね。
鈴木 後半の強豪と呼ばれるチームを相手に戦ったときは全体的にいい雰囲気で臨むことができましたが、最後の法政戦はちょっと崩れてしまったかなという印象です。
福田 ４連勝で入りが良かったのは正直予想外でしたが、最後の方苦しかったことも含めて良くも悪くも自分たちの実力が出たリーグだったなと思います。ただレベルの高いチームに通用したところもあったので、そこをもう一度振り返って最後（インカレ）に臨みたいなと思います。
――ご自身のプレーに関してはいかがですか
神前 結構波があったかなと思います。特に自分はサイドシューターとしてみんながまわしてくれたボールを決めきるか否かで、１点以上の価値があるというか、流れや勝敗が決まると思っています。中大戦とか競っているところで決めきれなかった部分があって、そこはちょっと悔しかったですね。勝った試合ではいっぱい決めていた部分もあるのですが、結果的にチームが勝たないとうれしさも半減するので。インカレ５連戦では安定したプレーをできるようにがんばりたいと思います。
鈴木 僕はそもそもベンチに入るのも４年生になって初めてだったので、まず出場機会をもらってすごくうれしかったです。プレーとしては限られたプレータイムの中で結果を残すことが求められていたと思うのですが、その役割を果たせたかというとちょっと微妙かなというところですね。インカレではもうちょっと自分らしいプレーを出せたらいいかなと思います。
福田 僕の場合はオフェンスでもディフェンスでも安パイなプレーというか、挑戦できていなかったと思います。オフェンスに比べるとディフェンスには自信がある方なので、ディフェンスでめちゃめちゃやられるっていうシーンは今回のリーグ戦中なかったと思うのですが、チームを盛り上げられるようなプレーがあまりないので。そこが課題というか、悔いの残るリーグだったかなと思います。最後連敗でしたし、もう少し気持ちを上げていかないとなと思いました。
――春と比べてチームの成長を感じる点はどこですか
神前 チームとしては、コミュニケーションをとる頻度も質も上がっていると思います。ただその反面、試合中の修正力にムラがあることが課題だと思います。実際、法政戦でも最初リードしていて良い流れの中で、退場がいっぱい出てからそのままズルズルいってしまって。まだまだ良くない部分があるのかなと思いました。インカレでは初めて対戦するチームもいるので、試合中でのコミュニケーションや修正力を意識していきたいです。
鈴木 春はディフェンスシステムや速攻の策に対する理解度が低かったのかなと感じました。いろいろ策を用意していたのですが、どれも完成には至っていなかった感じで。今も完璧ではないものの、それらの精度が秋になって上がってきて、チームの中で何をすればいいのかがだんだんわかってきたのかなと感じました。
福田 春よりも速攻での得点が増えていているところがいいと思います。しっかりディフェンスで守って速攻で点をとるという場面が増えてきていると思うので、そこはチームとしてとても成長したのではないかなと思います。
――それぞれに対して、一緒にプレーする選手としてはどのような印象をお持ちですか
神前選手に対して
鈴木 彼はすごくムードメーカーですね。笑いのセンスがありますし。そんなところですかね（笑）。
一同 （笑）。
福田 彼はとても気持ちのいい男ですね。練習中に手を抜くことはないですし、特に彼のウエイトトレーニングに対する姿勢には目を見張るものがありますね。すごくデカいです、なんと言っても（笑）。プレー面でもサイドシュートを確実に決めてくれて、信頼できる男なので。体もデカいですけど、懐もデカいですね。
――では、鈴木選手に対してはいかがですか
神前 僕のはもういいんですか。（鈴木さんが）１個しか言ってない…（笑）。
鈴木 伶は…アニメが好きですね。
一同 （笑）。
神前 趣味じゃん、好きだけど（笑）。
鈴木 じゃあ何言ってほしかった？
神前 ビッグですねって（言ってほしかった）。ここだけの話、僕らBIG３って言われていて。ウエイトのモチベーションが高くて。でも最近鈴木さんがちょっと衰えているというか、そこは（記事に）大きく書いてほしいな、と。
鈴木選手に対して
福田 彼は落ち着いてる男を装っていることが多いですね（笑）。一通り何かを経験している雰囲気を出していますが、どこかから仕入れた知識を話しているだけなんですよ。
神前 １年生とか２年生のときはデカくて、練習に対する意識も高くて尊敬していたのですが、本当はがんばっている風、オーラを出すのがうまいだけなんじゃないかなと思います（笑）。
福田選手に対して
鈴木 彼は落ち着いているように装うのがうまいですね（笑）。去年の冬オフから急に体を巨大化させてきて、ちょっとどうしたのかなって。
神前 そうですよね、自粛期間終わってから体重が倍くらいになっていましたよ。トレーニングをした分だけ体が大きくなる特別な体質を持っていると思います。
鈴木 もっとハンドボールの話を…（笑）。
「男として何か鍛えられているのかな」（福田）
トレーニングについて語る福田
――今回集まっていただいた3人は筋トレが好きだと伺ったのですが、それぞれ好きなトレーニング種目とその理由を教えてください
福田 僕が徹底しているのはデッドリフトですね。好きでも嫌いでもないのですが、これをやっている時は最も苦しいですし、男として何か鍛えられているのかなっていうところがありますね。多分ですけど、デッドリフトのおかげで今季は力強いプレーができたと思っています。
鈴木 そうですね・・・僕はやっぱりデッドリフトですかね。デッドリフトは死ぬほど辛いが故にデッドリフトなので。それをやっているときは生を実感しますね（笑）。
一同 （笑）。
神前 まあわかっていると思うんですけど、デッドリフトですね（笑）。この２人の影響もあったのですが、福田さんが大きくなった時期にやろうと思いました。BIG３と言われている種目（スクワット、ベンチプレス、デッドリフト）の中では地味だけど大切だなと思います。１番ハンドボールに生きたと思うのはクリーンですね。あれを限界までやったりフォームを意識したりしてから跳躍力が上がったと感じていて、それは継続していきたいなと思います。
――憧れのマッチョがいれば教えてください
神前 YouTubeで見るのは山本義徳先生と山澤先生ですね。彼らはトレーニングだけではなく栄養学的な話も含めて知識がとても豊富で尊敬しています。あとなかやまきんに君も面白いですね。
鈴木 元UFC世界フェザー級・ライト級王者のコナー・マクレガーがすごく好きです。彼の肉体美は野生的でとても美しいと思います。
福田 僕はサディーク・ハゾビックというトップフィジーク選手ですね。
鈴木・神前 誰だよ（笑）。
福田 彼はデカいし、あとで検索してもらいたいのですが、顔もとてもかっこいいですよ。
「せっかくの大きな舞台ですし楽しんでいきたい」（神前）
インカレについて語る神前
――ハンドボールの話に戻るのですが、インカレの組み合わせをご覧になっていかがですか
神前 ３回戦の相手には恐らく筑波がいて、リーグ戦では大敗して内容も自分たちのハンドボールができなかった相手で。筑波は気持ちよく終われた一方でこっちは悔しい気持ちだったので、もちろん１回戦から全部勝たないといけないのですが、３回戦はちょっと気合いが入りますね。
鈴木 勝ち進んでいくと秋のリーグで苦戦した相手と戦う必要があって、その中でも中大は完成度が高くて（秋季リーグで）優勝したチームでもあるので、結構厳しい戦いにはなるんだろうなと思いました。でも、他の山を見てもどこにいっても強豪がいるので。個人的には筑波戦ではシュートを外してすごく悔しい思いをしたので、リベンジする機会があればいいなと思います。
福田 優勝するには必ずどこかしらで強豪校と戦うことにはなると思うので、すごく自信があるわけではないのですが、特に何も感じなかったというか。がんばるしかないなという感じですね。
――インカレでキーマンになりそうな選手はいますか
神前 個人的には、金さん（龍洙、スポ４＝兵庫・須磨学園）。同じポジションなのですが、連戦で疲労が溜まっていて調子が悪いときに信頼し合って交代できると、こちらとしても気が楽なので。一緒にがんばりたいなと思います。
鈴木 やっぱりキャプテンの青沼（青沼健太、社４＝千葉・昭和学院）、副キャプテンの福田と村井（達也、スポ４＝富山・高岡向陵）ですね。特に青沼君が中心となって、プレーだけでなくチーム作りも含めて引っ張ってくれて。福田君と村井君がそれを支えていたというところで。インカレでもやはりチームの士気、試合内容、それらに密接にかかわってくるのかな、と。まさにキーマンだと思います。
福田 ゴールキーパーの中村君（匠、スポ４＝千葉・市川）ですかね。彼はこの１年間、練習に真摯に取り組んでいまして。僕は寮が一緒なのですが、このリーグ戦期間中苦しんでいるときもあれば、爆発して止めているときもあるので。インカレでも彼が最後の砦としてシュートを止めてくれればチームの士気も上がりますし。彼はできる男なので、彼がキーマンかなと思います。
――ご自身のプレーでここを見て欲しいというところはありますか
神前 大きさ、速さ、大きさ・・・？（笑）。
一同 （笑）。
神前 １つエピソードがあって。僕の後輩に渡辺大輝（スポ２＝東京都市大付）という選手がいるのですが、彼がスポーツ施設で働いていまして。そこの常連のおばあちゃんが早稲田のハンドボールファンでよく見てくれていて。この前のリーグ戦を見て「この逆サイドの子は大きいね。」って言っていたらしくて。だから多分なのですが、僕大きいんですよね、画面上で（笑）。存在感っていうのもあるもしれませんが。
鈴木 なんのエピソードなんだそれは（笑）
神前 いや、うれしかったなあって。ガチなところで言うと、スピード感のある速攻と、サイドシュートのバリエーションの多さを見て楽しんでもらえたらなと思います。
鈴木 僕もバリエーションですね（笑）。力を抜いたシュートをすごく得意としているので、見てください。
神前 見たことない（笑）。
鈴木 全力シュートしかしない（笑）。
福田 自分はやっぱりディフェンス、特にフリースローですね。結構積極的に取りに行く方だと思うので。雄叫びをあげるくらいの勢いでプレーしたいです。
――最後にインカレに対する意気込みを教えてください
神前 チームとしては優勝を目標にしているので、自分の強みを生かして貢献したいです。自分は楽しんでいるときはいいプレーができるので、せっかくの大きな舞台ですし楽しんでいきたいなと思います。
鈴木 今まではどちらかというと外で応援している立場だったので、４年生でインカレの舞台に立てるかもしれないということで、その大きなチャンスを生かして頑張りたいなと思います。４年間ラストの試合になるので、同期のみんなや後輩のみんなと悔いのないように楽しんで試合できたらいいなと思います。
福田 最後ですし、リーグと違って短期決戦なのでその分気持ちも入りやすいかなと思います。あまりうまくはないので、気合いを入れてガムシャラにやっていきたいです。
――ありがとうございました！
（取材・編集 阿部健、澤崎円佳）
３人を表す一言を書いていただきました！
◆福田友貴（ふくだ・ゆうき）（※集合写真右）
1999（平１１）年12月11日生まれ。176センチ。神奈川・法政二高出身。スポーツ科学部４年。ディフェンス力に定評があり、下級生の頃から試合に出場している福田選手。２年生時の対談の写真と見比べると、別人のように体が大きくなっています。インカレでは、気持ちのこもった力強いプレーを見せてくれるでしょう！
◆鈴木雄大（すずき・ゆうだい）（※集合写真中央）
2000（平12）年３月29日生まれ。172センチ。東京・早実高出身。政治経済学部４年。「デッドリフトをしているときは生を実感する」と語っていた鈴木選手。４年間の集大成となるインカレでも、そのフィジカルを生かした全力シュートに期待がかかります！
◆神前怜（かみまえ・さとし）（※集合写真左）
2000（平12）年８月25日生まれ。165センチ。埼玉・浦和実高出身。スポーツ科学部３年。対談中、自身の「大きさ」をたびたび強調していた神前選手。そのトーク力で何度も笑いを誘っていました。鍛え上げられた体から放たれる鮮やかなサイドシュートに注目です！
