粘りのディフェンスで奮闘するも、中大に逆転負け

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)もいよいよ終盤。4勝1敗1分けで3位につける早大は、7戦目で中大と対戦した。ここまで負けなしの中大に対し、早大は守備から流れをつくって互角に張り合った。前半は、早大が粘り強いディフェンスからリズム良く攻撃を展開し、11-9と2点差をつけて折り返す。しかし後半、にぎっていたはずの主導権は中大へ。着実に点差を縮めて迫る相手に対し、早大は大事な場面での1点が遠く22-24で逆転負けを喫した。

 「勝てた試合だった」と中村匠(スポ4=千葉・市川)、中惣健友(スポ3=石川・小松)が口をそろえたように、強敵相手に善戦しただけに悔しい敗戦となった。試合開始直後こそ相手に連続得点を許したものの、その後は持ち前の守備が光る。福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)、永橋優太朗(スポ3=千葉・市川)、中惣を中心とした我慢強い守備で相手に思い通りの攻撃を許さない。キーパーの中村も好セーブを見せ、要所で中大の攻撃を阻んだ。攻撃面では、ディフェンス陣に応えるように青沼健太(社4=千葉・昭和学院)、山田和直(スポ3=群馬・富岡)が得点を量産。チームで連携した攻撃も徐々に決まり始め、「堅守速攻」で流れに乗った早大が11-9と2点差をつけて折り返した。

ハードワークで早大ディフェンスを引っ張った中惣

 後半も前半の勢いそのままに試合を進めたい早大だったが、中大の追撃にあう。青沼の4連続得点や狩野直樹(スポ2=埼玉・浦和学院)の強烈なロングシュートなどで応戦するが、ここぞという場面での1点がなかなか入らない。早大が攻めあぐねる内に、相手は5連続得点。逆転を許してしまい、その後は先行される展開となる。早大守備陣は体を張ったディフェンスでチームを盛り立て、攻撃陣も左右の空間を活用した攻めで最後まで食い下がったが、2点差をつけられてタイムアップ。スター選手ぞろいの中大相手に奮闘したが、混戦の末に星を落とした。

チーム最多得点を挙げた青沼

 惜しくも敗戦となったが、ここまで1試合平均32得点と圧倒的な攻撃力を誇る中大を24得点に抑えこみ、接戦を演じた。攻撃面では速攻やパスの精度が課題として挙がったが、試合中に攻撃のかたちを見直して対応するなど、「修正力」という収穫も見られた。秋季リーグも終盤に差しかかり全日本学生選手権が近づく中で、一戦一戦をチームの進化につなげられるか。ワセダセブンのさらなる飛躍に期待がかかる。

(記事 澤崎円佳、写真 是津直子)

関東学生秋季リーグ
早大 22 11ー9
11-15
24 中大
GK 中村匠(スポ4=千葉・市川)
CP 中惣健友(スポ3=石川・小松)
CP 青沼健太(社4=千葉・昭和学院)
CP 福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)
CP 山田和直(スポ3=群馬・富岡)
CP 菅原七海(社3=東京・早実)
CP 神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)
コメント

青沼健太主将(社4=千葉・昭和学院)

――試合を振り返っていかがですか

中央大学は完成度が高いチームで特にオフェンス力が高いチームなのですが、目標失点である24点以下に抑えられたのは良かったのかなと思います。

――中大戦に向けて、どのような対策をしてきましたか

背の小さいセンターの選手がゲームメイクをして、バックプレーヤーやサイドが強力なシュートを打ってくるというチームだったので、真ん中で簡単にやられないようにという対策をしました。練習以上に真ん中の2枚や1枚目が連動してくれて、練習ではうまくはまるかなという感じだったのですが、試合ですごく体を張ってくれたので良かったと思います。

――オフェンスの総評はいかがですか

前半の最初は個人技に固執してしまうところがあって良いとは言えなかったのですが、前半の中盤から終盤にかけて、速攻がうまく出たことによってボールをまわす回数が増えて相手に的を絞らせなかったという点で、修正できたというところで評価できるかなと思います。

――今回の試合で得た課題と収穫を教えてください

課題は、春からみんなでしっかりやっていこうと言っていたのですが、速攻の精度や簡単なパスミスがどうしても他チームよりも多いかなというところです。収穫は、U19や日本代表の選手がほとんどのチームを相手に、結果的には負けてしまいましたが2点差で良い勝負をできたことに自信が持てたという部分かなと思います。また、オフェンスの最初の個人技ばかりのところからチームで連動して点をとれたというところで、この1年大事にしてきた修正力を身につけられたことも1つの収穫かなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

前2、3試合くらいは個人的な得点力としてはチームに迷惑をかけていた部分があるので、そこに関しては貢献できたかなと思います。でも2、3本パスミスがあったので、1本ミスがあったら1本修正できるというような、次を見据えて計算できるような選手になっていかないといけないなと思っています。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

明日でかなり順位が変動してしまうと思うので、2日連続の試合で厳しい戦いかもしれないのですが、しっかり走って勝っていけたらいいかなと思います。

中村匠(スポ4=千葉・市川)

――試合を振り返って、今の感想をお願いします

勝てたなというのが正直なところです。リードしている場面でシュートを外すなど、チームの甘いところが少し出てしまったかなと思います。

――今日は全体を通して良いディフェンスをしている印象があったのですが、どのようなことを意識してプレーしていましたか

個人的なことだと、今までロングシュートが全く止められていなくて、その反省からボールを見て、動かないで止めるというのをここ1週間練習してやってきました。今日はその成果が出たと思います。チーム全体としては、ロングシュートがかなり強力な相手だったので、そこでプレッシャーを与えたり、あまり打たせないようにしたりということが勝負どころではっきりとできていたので、ゴールキーパーとしてはやりやすかったなという印象です。

――明日の筑波大戦に向けて意気込みをお願いします

明日勝てばベスト4いけるかいけないかという、結構大事な試合だと思うので、明日は絶対に勝ちたいと思います。

中惣健友(スポ3=石川・小松)

――試合を振り返って、今の感想をお願いします

勝てた試合だったなという印象です。自分を含めて絶対に決めなくてはいけないところでシュートを外してしまって、ディフェンスというよりもオフェンスの部分で流れに乗れなかったかなと思います。

――チームとしてのディフェンスの総評はいかがですか

僕たちのチームの目標として、失点を24点以下にするというのを決めているのですが、日本で一番オフェンスが強い中大相手に24点以下という最低ラインはクリアできたというところに関しては、ディフェンスはすごく良かったと思います。でも、24点以下に抑えても負けているので、チームとしては良かったとはいえないのかなというのが自分の意見です。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

相手のセンターのプレイヤーがフェイントのきれる選手で、そこを孤立して守ると簡単に抜かれるという展開が練習試合などでも多かったので、そこに対しては3枚目の横の永橋(優太朗、スポ3=千葉・市川)としっかり出下がりをはっきりして、横のディフェンスとしっかりコミュニケーションを取りながらできたので良かったと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

明日勝てばまだ上位に入れると思うので、次の相手は自分たちがやりたいことをやれば絶対に勝てる相手だとは思うので、しっかり勝って来週の法大戦につなげたいと思います。