三度目の正直 攻守がかみ合い東海大に快勝!

男子ハンドボール

 秋の訪れを感じる肌寒い気候の中、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)が開幕した。早大の初戦の相手は東海大。関東学生春季リーグでは完敗し、先週行われた全日本学生選手権東地区シード権決定戦では接戦の末に敗れた手強い相手だ。序盤は強力な東海大オフェンスに連続得点を許し先行されるが、前半16分に逆転。その後も勢いは衰えず、相手のミスを誘発する見事なディフェンスから速攻を展開し、28-24で勝利した。「堅守速攻」で流れをつくった早大が、秋季リーグ優勝に向けて最高のスタートを切った。

 ワセダセブンの活気あふれる声が響きわたった初戦。「2回負けている相手に勝ったので、素直にうれしい」と青沼健太主将(社4=千葉・昭和学院)が話すように、三度目の正直で待望の勝利を手にした。前半開始直後、東海大オフェンスに先制点を献上し先手を取られる。早大も青沼を中心に積極的に攻撃を仕掛け得点を挙げるが、相手の決定力が勝り序盤は追いかける展開に。しかし前半11分、果敢に攻める姿勢が功を奏し7メートルスローを獲得すると、替わって入った1年生の白築琢磨(文構1=東京・早実)がこれを決めて1点差。早大が勢いづく。続けて菅原七海(社3=東京・早実)や山田和直(スポ3=群馬・富岡)がスピードの乗ったシュートでゴールネットを揺らし、前半16分には逆転に成功。福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)を中心とした守備陣も奮起し相手の攻撃を封じると、それに応えるように攻撃陣が次々と得点を重ねていき、15-11と4点差をつけて折り返した。

ゴールを狙う山田

 後半でも、前半の流れそのままに早大が理想的なかたちをつくる。青沼のパスカットやGK中村匠(スポ4=千葉・市川)のナイスセーブから速攻で攻め上がり、山田や神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)が確実に得点。中惣健友(スポ3=石川・小松)や永橋優太朗(スポ3=千葉・市川)らのハードワークから生み出される堅いディフェンスもチームを支え、相手に思い通りの攻撃を許さない。さらに後半12分には、白築がまたも7メートルスローを決め、直後に山田の好ディフェンスから速攻でも得点。若い力も合わさった早大は、その後も攻撃の手を緩めず。追いすがる東海大からリードを守り切り、初戦を勝利で飾った。早大のコンセプトである「堅守速攻」を全員で体現してつかんだ白星。試合終了後には選手たちの笑顔が見られた。

初出場ながら活躍を見せた白築

 敗戦から1週間、徹底した準備が実を結びリベンジを果たした今回の試合。前回の試合後に青沼が課題として挙げた、「1点を守る気持ちやマイボールにする気持ちなど、数字では表れない部分」への意識をチーム全体で高め、重要な初戦をものにした。相手ボールにさせまいと必死でリバウンドを取りに行く白築や、ルーズボールに飛びつく福田の姿が印象的であった。一つ一つのプレーに対する選手たちの強い気持ちを感じた東海大戦。長いリーグ戦となるが、これからも目の前のワンプレーに全力を尽くして、勝ち星を積み上げていってほしい。

(記事 澤崎円佳、写真 阿部健)

関東学生秋季リーグ
早大 28 15ー11
13-13
24 東海大
GK 中村匠(スポ4=千葉・市川)
CP 遠近拓海(教4=東京・早実)
CP 青沼健太(社4=千葉・昭和学院)
CP 山田和直(スポ3=群馬・富岡)
CP 福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)
CP 菅原七海(社3=東京・早実)
CP 神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)
コメント

青沼健太主将(社4=千葉・昭和学院)

――試合を終えて、今の率直な感想をお聞かせください

2回負けている相手に勝ったので、素直にうれしいです。

――先週は同じ東海大相手に惜しくも負けてしまいましたが、どのような点を意識して1週間練習をしてきましたか

僕らはディフェンスから速攻を目標に掲げていたのですが、前回の試合ではその意識が高すぎてボールをもらいに行きすぎて、中に中に集まってしまうところがありました。今回はみんなボールとの距離をしっかりとって自分の走るスペースをつくろうという話を入念にしていました。それがうまくはまったので、速攻でよく攻められたのかなと思います。

――後半は、東海大が思うように攻められていない印象がありましたが、早大ディフェンスはどのようなことを意識していましたか

相手の両エース・45度の2人がとても強力なので、9メートルラインの外まで出て、普段なら抜かれた方の人がフォローするのですが、抜かれた逆側の人がフォローに入るということを徹底できたので。2枚目の2人もそうなのですが、中惣(健友、スポ3=石川・小松)と永橋(優太朗、スポ3=千葉・市川)の2人がよく足を動かしてくれたかなと思います。

――後半では点差が広がる場面もあり、下級生も複数人出場していましたが、そこに関してはどのような意図があったのでしょうか

元々点差がつく前から白築(琢磨、文構1=東京・早実)や、田井(健志、スポ2=香川中央)を使っていきたかったのですが、ベンチの方向とかいろいろな条件が重なって、後半の方が出しやすいという結論でした。結果的には点差がついた状態での出場になったのですが、点差が無い状態でもきっちり結果を残してくれる戦力だと僕は認識して戦っています。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

もちろん勝ちます!

山田和直(スポ3=群馬・富岡)

――初戦を終えて、今の率直な感想をお聞かせください

これから勢いに乗るための大事な一戦で勝てたので、とても良かったと思います。

――積極的に攻撃を仕掛けている印象がありましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

先週の東海大戦やチーム内の練習で、自分自身の強みがあまり出せず悩みながらプレーしていることが多かったのですが、今日は振り切ってやろうと思えました。自分のシュートだったりフェイントだったり、シュートを狙うプレーを強引にでもやろうという意気込みで臨んだので、それが良かったのかなと思いました。

――具体的にはどういった悩みがあったのでしょうか

センタープレーヤーは試合をつくったり、周りの選手を生かしたりするポジションなのですが、自分はそういったプレーよりも自分で点を取りにいくプレーの方がどちらかというと得意で。ただ、それを殺して周りを生かすプレーばかりしてしまった時期がありました。そういう感じで伸び悩むというか、何をしたらいいのかなと悩む感じがあって。でも今日は、振り切って試合に臨むことができました。

――先週は、同じ東海大相手に接戦の末負けてしまったと思うのですが、今回の試合に勝つためにチーム全体で意識していたことはありますか

先週はディフェンスはよくできていたと思うのですが、そこからの速攻やセットオフェンスがうまくいきませんでした。今日は速攻でのつなぎのミスを無くすように、多少ミスはあったのですが、先週よりは減らすことができて。セットオフェンスでもシュートの本数が先週に比べてだいぶ増えたので、比例して得点も伸びたのかなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

この流れに乗って、個人としてもチームとしても、リーグ優勝できるように一戦一戦戦っていきたいと思います。

白築琢磨(文構1=東京・早実)

――今日の試合を振り返って、ご自身のプレーはどうでしたか

初めて出場機会をいただいて、自分ができる最大限のプレーをしようと意識しました。それが集中を切らさず得点することにつながったのが良かったと思います。チームメイトと上手く連携をとれていたのも良かったですね。

――今回の試合を通して、見えた課題はありますか

個人的にはシュートミスが目立ったので、練習して修正したいと思います。

――序盤には立て続けに失点してしまいましたが、その原因はどこにあると思われますか

練習をする機会が普段よりも少なく、守備の連携の部分で準備不足があったのかなと思います。

――後半に入ってからカウンターがうまく決まっていましたが、全体で守備の意識を変えたのでしょうか

前半をいい流れで終えることができた分、後半になって流れを変えてしまうのは勿体ないなと思いました。その意識が全員にあって後半の守備に集中することができました。

――次の試合に向けて意気込みをお願いします

いいスタートを切ることができたと思うので、一戦一戦集中してチーム全員で戦っていきたいなと思います。