31日、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)優勝決定戦が行われるはずだった。だが、出場校内でコロナウィルスの感染者が確認され試合は中止。得点数で自動的に早大の秋季リーグ2位が決定し、優勝は猛威をふるうコロナウィルスに悔しくも阻まれてしまう。だが、今シーズンは無敗で勝ち進めるなど昨年と比べ大きくチームとして飛躍した秋季リーグとなった。
今年の早大のプレーは『堅守速攻』の一言に尽きる。粘り強いディフェンスでシューターの動きを阻み、そこからのカウンターで得点を挙げ勝利につなげてきた。そのプレーは昨年のリーグ王者である日体大との初戦から発揮。久しぶりの公式戦となったが、遠藤遼(スポ4=神奈川・法政第二が「初戦でしっかり勝ち切れたことが今回の結果につながった」と振り返るように快進撃の起爆剤となった。その後も早大は国士舘大・東海大という強敵相手に白星を挙げ続け、そしてグループ最後の試合は明大との一戦に。ここでの勝者が優勝決定戦に駒を進められるため緊張感に包まれていた会場だったが、持ち味のディフェンスを軸にぶれない試合展開を見せ明大を見事に下した。
初戦の日体大戦でシュートを放つ阿南主将
「リーグを通して堅い守備からの速攻をフルタイムで出せてました」と中村祐貴(スポ4=北海道・札幌西)はリーグ戦全勝の要因についてこう語る。確かに全試合、後半からの追い上げが印象的な試合であったと言える。鉄壁の守備からの速攻は体力面での消耗が激しく、昨年は後半から失速してしまう試合も多々みられたが、今年は選手を積極的に交代させ最後まで早大のリズムを保ち続けられていた。こうした戦術が生きたのも、スタメンの選手のみならずベンチにいる選手も含めて全員で勝利を掴むという意識が根底にあったからだ。
明治大戦の7mスローでゴールを狙う前田
阿南遼星主将(スポ4=大阪・大体大浪商)は「自分たちでできることを考えて行動したり、全力を尽くしたことには自信を持っています」とリーグ戦についてこう総括する。コロナウィルスで大幅に練習の期間が縮小した中で、執念深く勝ちにこだわり続けた早大の姿勢は全勝という結果を引き寄せた。この1年は選手たちにとって決してやり切れたと言えない部分も数多くあっただろう。しかしこの経験や自信が来年度に必ず引き継がれることだけは確かだ。「チームのために仲良く楽しく勝つために、努力して欲しい」と前田理玖(スポ4=福井・高志)は来年度に期待を寄せる。次こそ、リーグ優勝へ―。ワセダセブンの勝利への思いが消えることはない。
(記事 高橋さくら、写真 栗林真子)
明治大戦での4年生全員の集合写真
コメント※4年生全員のコメントを掲載しています
阿南遼星(スポ4=大阪・大体大浪商)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
まだこのチームで戦って勝ちたかった。ただその想いです。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
当たり前の日常が壊れて、大会も1つしかできず、目標設定とチームのモチベーション維持が難しかったなと思います。ただその中でも自分たちでできることを考えて行動したり、全力を尽くしたことには自信を持っています。楽しかったです。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
国士舘大学との試合です。前半向こうにリードされていて、思うようにリズムがとれない時に空、遠藤、中惣といったベンチにいるメンバーから「やってることは間違ってない、自信持っていこう!」と言われて試合中に仲間の大切さを感じた瞬間があったからです。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
全試合通じて安定感のあるプレーはできたのかなと思います。タイム後のセットやゲームコントロールもうまくいったと思います。あとは試合中の声やリーダーシップに関しては西山さん(現トヨタ自動車東日本)に負けないくらいできたと思います。多分ですけど。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
気持ちを前面に出すようなプレーをしてほしいです。下の代は考えはあるけど言わない控えめな子が多いので。個人的には遠近(遠近拓海、教3=東京・早実)、じゃが(吉田春樹、スポ2=東京・浦和実業)、狩野(狩野直樹、スポ1=埼玉・浦和学院)に期待しています。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
勝つことはもちろんなんですけど今年の集大成としてみんなで戦いたいです。早稲田らしさ、僕たちにしかできないプレーを魅せます。
山本慶(スポ4=長野・屋代)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
あと一歩というところだったので、正直志半ばで倒れたって感じです。優勝したかったです。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
昨シーズンから試合に出させてもらっていたのですが、入れ替え戦など悔しい思いをしてきたので、今年こそはやってやると思っていました。しかし、中断等があり、思い描いていた通りにはならなかったです。そんな中でもできることは精一杯できたと思います。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
東海大学戦です。相手のキーマンとマッチアップだったんのですが彼を守れればチームの勝利に貢献できると思っていたのでめちゃくちゃ対策しました。ビデオを見て、分析し、Bチームに動きを真似してもらい、万全の状態で臨みました。結果としてDFもした前半には1点も取られませんでした。この試合でディフェンスに少し自信がついたので印象に残っています。あと、初めてディフェンスってこんなに疲れるんだと思いました(笑)
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
今リーグに限って言えば、今までの『山本慶』ではないプレーが出来ていたのではないかと思います。僕の去年までのイメージって「一対一」だったと思うんです。もちろん一対一は得意ですし、自分の強みだと思っています。けど去年から感じてたことなんですが、対策されちゃうとあんまチームに貢献できていないなーと。あと、今年の軸として速攻が挙げられると思うんですけど、速攻に絡みたいなと思っていました。そんな中で自分で出した答えがステップシュートとDFです。リーグまでの間結構意識して取り組んできて、リーグでは半分くらいステップシュートで得点できているし、それなりに守れていたので合格点は出せるかなと思っています。全てのリーグを通して意識してたことはルーズボールに飛び込むことです。それが僕なりの「ワセダらしさ」だったので。目の前にボールが転がってきたら飛び込むことはできていたかなと思ってます。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
そんな偉そうなことは言えないんですが、ワセダハンドボール部に入って良かったと思えたらいいなとは思います。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
まずこのような状況で早慶戦を開催できることに感謝したいです。開催に関わってくださった皆さん本当にありがとうございます。
そんな方のためにも、自分のためにも早稲田大学ハンドボール部として最後の試合全てをぶつけ、勝ちたいと思います。
原遼太(スポ4=岡山・総社)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
今は冷静に結果に向き合えています。最終戦が中止になってしまったときは、やはり悔しい感情が大きかったです。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
波瀾万丈の一言に尽きるかなと思います。良く言えば大学4年間で1番濃いシーズンでした。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
グループリーグ最後の試合だった明大戦です。勝てばグループ1位通過が確定の試合で4年生全員が会場に居ましたし、みんなで勝ちを分かち合えたのは印象に残ってます。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
不測の事態が重なってしまい去年と比べて出場数は少なかったのですが、出た試合では楽しんでプレーできました。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
いつ何が起きるか分からないので今まで積み上げてきたもの、これから積み上げて行くものを試合ではしっかりと出し切って欲しいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
大学生活最後の試合になると思うので、楽しんで、しっかりと勝ちにいきます。
芦刈太一(商4=東京・筑波大付駒場)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
最終戦を戦えず、素直に残念な気持ちです。グループリーグでチームが勝つことが嬉しい一方、プレーで貢献できない自分に歯がゆさを感じていました。その分、「最終戦は」と意気込んでいただけに残念です。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
公式戦をあるいみ全勝のまま終われたのでチームとして良い結果を残せたと思います。よく、昨年の結果を引用されて色々言われるのですが、それは詭弁だと感じていました。中途半端な成績で、入れ替え戦のチームにしては頑張ったと言われるのが嫌でした。そういう意味では最後にトラブルがあったものの満足できるシーズンだったと思います。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
初戦ですね。久しぶりの試合である上に、相手が強かったので、難しいゲームになると考えていました。そういうゲームをとれたことがその後につながったと思います。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
僕は10秒ぐらいしかでてないので…笑全体をみると四年生が多いチームということもあり、1試合1試合にかける思いの強さをプレーに感じました。そういう意識を後輩達含め全員が持てていて、プレーで表現してる様は外からみていても誇らしく感じました。今シーズンはルーズとかでラッキーな場面が多々ありましたが、そういった姿勢から生まれたものだったような気もします。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
見る人が応援したくなるような姿勢で試合に臨んでもらいたいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
目下の状況を踏まえると、中々難しいコンディションで迎えることになりそうですが、この仲間との最後のハンドボールということでめいいっぱい楽しみたいと思います。
鮎川優毅(人4=東京・学芸大附)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
さまざまな最後のリーグ戦で良い成績を収められたので嬉しいです。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
チャンスを生かせず、個人としては悔いの残るシーズンとなりました。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
一番印象に残っている試合は、国士舘大学戦です。前半点差を離されましたが後半走り勝つことができ、堅守速攻を体現できたからです。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
とにかくチームの勝利に貢献しようと意識していました。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
常に挑戦者だという気持ちを忘れずに楽しんで試合をしてほしいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
学生最後のハンドボール、楽しむことを忘れずにプレイしていきたいです。
遠藤遼(スポ4=神奈川・法政第二)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
不本意な結果で終わってしまい、悔しいところもありますが、チームのみんなとここまで来れたということは誇りに思います。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
個人としては、試合に出場する時間というのは少なく、悔しいところもありますが、リーグを通して自分がチームにできることというのは遂行できたと思います。チームとしては、全試合チーム一丸となって、同じ目標に向かって試合に臨めていたと思います。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
日体戦です。初戦でしっかり勝ち切れたことが今回の結果につながりますし、何より試合の中で1番チームカラーを出せた試合だと思うからです。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
全試合を通して、ディフェンスの連携とディフェンスからの速攻という部分にこだわって練習していた分、そこの部分が色濃く出たし、そこが上手くいったと思います。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
早稲田らしく泥臭くボールに執着する姿勢、DFの部分を今後も継続して欲しいと思います。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
これまで支えてくださった方々に感謝を忘れず、集大成として自分の全てをぶつけます。
岡本隼(商4=滋賀・彦根東)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
優勝したかったです。仕方のないことですが、悔しいです。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
たくさん勝つことができて幸せでした。感謝です。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
国士舘戦です。練習してきたワントップのディフェンスシステムで結果を出せたからです。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
アグレッシブなディフェンスです。積極的にコンタクトをして、相手のリズムを崩せたと思います。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
彼らは強いと思うので、自信もってプレーしてほしいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
ハンドボール人生最後の試合勝つしかないです!
島田将平(社4=神奈川・鎌倉学園)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
優勝したかったです。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
個人としては、憧れだった関東1部リーグの試合に出場でき、得点も決めることができて嬉しかったです。チームとしては、試合数が減ってしまった中でも良い雰囲気、良い状態を保つことができて良かったと思います。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
日体大戦です。リーグ戦初得点を決めることができたからです。また、最後の勝ち越しシュートを止められ、ヒーローになり損ねたことも印象に残っています。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
どの試合も納得のいく出来ではなく、個人的には不甲斐ないと感じていましたが、最低限の貢献はできたのではないかと思っています。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
今年は異常事態でしたが、今後も怪我などの不測の事態で、いつプレーが出来なくなるか分かりません。そうなった時に後悔しないよう、常にその試合、その練習が最後かもしれないという心意気でプレーをしてほしいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
最後の試合を楽しみたいと思います。
菅野空(教4=神奈川・川和)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
優勝を狙えただけに、順位決定戦に臨めなかったことが本当に悔しいです。しかし、このリーグ戦を通して、自分たちの準備してきたものが通用した事は良かったと思います。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
とても難しいシーズンとなりました。異例の事だらけで、4年生としてチーム作りの点でも苦労しました。大会も次々に中止となり、活動出来た期間も例年より遥かに短くなってしまいましたが、その分濃密で充実した時間を過ごせたと思います。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
9/13 の日体大戦です。最後まで勝負が分からない熱い試合で、リーグ初戦に勝利をもぎ取れたからです。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
自分に求められていたプレーは、点が欲しい場面で、確実に得点する事だったと思うので、その仕事を忠実にこなすことを意識してプレーしていました。チームとしては「堅守速攻」が、形になっていたと思います。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
ディフェンスを頑張って欲しいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
早稲田での4年間、競技人生10年間の集大成を見せられるよう、全力を尽くします。
中村祐貴(スポ4=北海道・札幌西)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
コロナによって中止となってしまい後味が悪くなってしまいましたが、このご時世の中大会を開いてくださった学連には感謝したいと思います。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
今シーズン公式戦・練習試合共に負けなしと4年間の中では一番試合後に笑顔が絶えなかったシーズンだったと思います。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
一番印象に残ったのは明治戦です。いつもはディフェンスを担うことが多いですが、自分で相手にとどめをさす速攻を決めることができ皆の歓声を受けられました。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
リーグを通して堅い守備からの速攻をフルタイムで出せたました。特にその姿勢が例年より後半に強い早稲田になった要因になっていると思います。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
私たちの代でスター選手が揃っていなくても勝てるという意識が芽生えてくれていれば、来年も泥臭くDFをして全力で速攻に行くプレーが見られると思うのでそれを期待したいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
11月の早慶戦が自分の7年というハンドボール人生の締め括りであるので悔いないように調整して本番を迎えたいです
前田理玖(スポ4=福井・高志)
――まずは、秋季リーグを2位に終えての今の率直な感想をお聞かせください
グループを全勝首位で通過できた嬉しさと優勝決定戦を行わずに順位が決定したやるせなさがあります。
―今シーズンを振り返ってみていかがでしたか
もっと試合がしたかったです。結果だけ見ると、練習試合公式戦無敗で、常勝早稲田を取り戻せたシーズンになりました。
――個人的に一番印象に残った試合はどの試合でしたか、またその理由もお聞かせください
明治戦です。10回やったら9回負けるくらい強くて刺激的だったからです。強すぎて楽しかったです。
――リーグを通してどういったプレーができていたと思われますか
特にオフェンス面で、点が欲しいときに得点することができました。エースとして、最低限のことはできたかなと思ってます。
――来年度、下級生にはどのようなプレーを期待しますか
チームのために仲良く楽しく勝つために、努力して欲しいです。
――11月の早慶定期戦に向けての意気込みをお願いいたします
前後半でシューズが変わります。ご注目ください。