リベンジ果たし2勝目! 怒涛の攻撃で圧勝/立大

男子ハンドボール

 早大のシュートが相手ゴールを揺らすたびに、歓声が体育館に響き渡った。多くの選手の笑顔とガッツポーズが見られた関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)第7節、立大戦。前半戦から果敢に攻撃を仕掛けていく早大は、序盤にリードを許す場面もあったが速攻をメインに点を入れ返していった。前半戦を2点リードで折り返し迎えた後半戦、早大の勢いは止まらない。オフェンス陣やディフェンス陣の活躍が一体になり、相手の姿勢を崩し一気に畳みかけていった。35-28と7点差を相手につけ圧勝し、今季2勝目を挙げた。

 LW前田理玖(スポ3=福井・高志)やCB宮國義志(社4=沖縄・浦添)のシュートが立て続けに決まり2点を先取するが、早大のパスミスやルーズボールを相手に利用されてしまう。開始10分まで逆速攻で相手に押し切られ、5連続失点となってしまった。しかし、失点の時間帯はすぐに切り替えられる。途中出場の阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)がミドルシュートを決めると一気に試合は早大ペースになった。互いに速攻を仕掛け目まぐるしく攻守が切り替わる試合展開であったが、相手のシュートはゴールに中々届かない。宮國のカットインや阿南の逆速攻が決まり同点に追いついた早大は、その後も攻撃の手を緩めることはなかった。ディフェンスを破るLB青沼健太(社2=千葉・昭和学院)の強力なロングシュートや、シュートミスを生かした前田の逆速攻などであっという間に逆転。相手も必死に食い下がってくるが、髙橋幸太(法4=東京・早大学院)のポストシュート、RW清原秀介(商4=東京・早実)や前田の速攻が着実に決まり、14-12と2点をリードし前半戦を終えた。

攻撃の起点になった阿南

 果敢に攻め込む早大の勢いは後半戦でもとどまることはなかった。PV中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)のカットインで先制点を挙げると、前田や宮國が続けて得点。特に前田は逆速攻でのシュートが際立っており、得点を重ねるたびにベンチや応援席から歓声が上がっていた。リードを広げる早大は、相手に攻撃の流れを作らせない。ディフェンス陣の働きや、GK中村匠(スポ2=千葉・市川)の好セーブによって攻撃機会は次々と生み出されていった。開始14分、遠藤瞭(スポ3=神奈川・法政二)のワンマン速攻が立て続けに決まり8点をリードしたところで、相手がたまらずタイムアウトを取ることに。試合は完全に早大一色。今まで敗北が続いたワセダセブンの本領が発揮されていた。試合が終盤に差し掛かり、得点に結びつかない時間帯が訪れても得意としないセットオフェンスやディフェンスで粘り点を伸ばす。残り試合1分を切ったところで獲得した7メートルスローを小林春慶(スポ4=長野・屋代)が決めスコアは35点に。終了間際で相手に1点を取られたものの、35-28と大差をつけて勝利。春を含めたリーグ戦で、初めて大きく相手を突き放した試合となった。

ワンマン速攻に持ち込む遠藤

 春に惜敗した相手に大きく点差を開け勝利をつかんだワセダセブン。「守りじゃなくて常に攻め続けて後半で点差がついても攻め続けようとしたことが、この結果になった」と試合後、清原が振り返るように東海大戦を踏まえた修正が効いたようだった。敗戦が続き、入れ替え戦が脳裏によぎっていたが今回の白星によって首の皮が一枚つながった。秋季リーグも終盤に差し掛かっている。最下位を脱出した早大は、そのまま順調に順位を上げることができるだろうか。残る2試合も彼らの活躍に期待したい。

(記事 栗林真子、写真 高橋さくら)

関東学生秋季リーグ
早大 35 14−12
21−16
28 立大
GK 羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)
LW 前田理玖(スポ3=福井・高志)
LB 青沼健太(社2=千葉・昭和学院)
CB 宮國義志(社4=沖縄・浦添)
PV 中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)
RB 山本慶(スポ3=長野・屋代)
RW 清原秀介(商4=東京・早実)
星取表(9月22日現在)
早大 日体大 明大 法大 中大 国士舘大 筑波大 東海大 立大 日大
7位 早大 24●31 23●24 24〇22 24●25 22●41 21●24 35〇28
1位 日体大 31〇24 32〇25 31〇26 27〇26 37〇30 37〇26 31〇19
2位 明大 25●32 22●31 24△24 26〇18 24〇20 25〇22 26〇17
3位 法大 24〇23 26●31 27〇24 27△27 32〇27 27●37 24〇17
4位 中大 22●24 26●27 31〇22 24●27 17〇14 22〇15 27〇21
5位 国士舘大 25〇24 30●37 24△24 27△27 24〇23 24●25 27〇23
6位 筑波大 41〇22 18●26 14●17 23●24 31〇23 27〇15 26●27
8位 東海大 24〇21 20●24 27●32 15●22 25〇24 23●31 20●22
9位 東海大 28●35 26●37 22●25 37〇27 23●27 15●27 28〇25
10位 日大 19●31 17●26 17●24 21●27 27〇26 22〇20 25●28
コメント

清原秀介(商4=東京・早実)

――今期2勝目となりましたきょうの試合の率直な気持ちをお聞かせ下さい

きのう、あのような試合の展開で負けてしまって、正直言ってきょう負けたらほぼ入れ替え戦に行ってしまうようなリーグの流れだったので、そこはどうにか粘って、首の皮1つつかながったじゃないですけど勝てたのはすごく大きかったと思います。

―かなりの大差をつけての勝利だったと思いますが、どういった点がその要因だと思われますか

昨日は前半で5点差がついて、後半は最初の方で速攻に行かずにディフェンスでしっかり守ってセットオフェンスで攻めようとしていて。僕たちはセットオフェンスが得意じゃなく速攻で点を取らないといけなかったので、きょうは守りじゃなくて常に攻め続けて後半で点差がついても攻め続けようとしたことが、この結果になったのかなと思います。

――前回の東海大戦での課題を今回、どのように修正されましたか

ディフェンスから速攻を春シーズンが終わってからずっとやってきたので、その練習でやってきたことを出さないとリーグでは意味がないので、その点を意識したところかなと思います。

――今回、ご自身でのプレーを振り返ってみていかがですか

すごくご自身のプレーって難しいんですけど笑。最初の2プレーぐらいが突っ込んでチャージというのが多かったのでそこは修正して、相手に触られる前にかわしてシュートで1点目を取れたというのは1番良かったことかなと思いました。

――次の試合への意気込みをお願いします

次は後2戦しかないので、2つ勝ったら4勝5敗で自分たちとしても良い結果で終われると思うのであと2つ絶対取りにいきたいと思います。

前田理玖 (スポ3=福井・高志)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

リーグ最下位争いをしている相手だったので、春みたいに入れ替え戦にはいきたくなかったし、絶対に落とせない試合だったので勝ちにこだわるということを意識していました。

――今回の試合でのオフェンス陣の動きについてはいかがですか

立教も結構運動量が多くて、小柄でもフォローの意識とかもあるので、今まではボールを持ちすぎていた部分があったのでボール離しを早くするという意識で攻めていました。

――前回の東海大戦では攻撃の時間帯を決めたプレーだったと伺いましたが

昨日は速攻を止める時間帯を作っていて。今までは相手に押される時間帯が後半の終盤であったので、そこまでに温存するために最初の方で速攻を止めていたんですけど、きょうは変えて60分間速攻をし続けるというかたちにしました。

――その点が今回勝利につながったと思われますか

そうですね。失点しても自分たちの持ち味で得点するということで、ストレスもたまらずに流れ良くできたと思います。流れがきたときには連続得点とかで、気づいたら点差が広がっていたという感じですね。

――ご自身のプレーについてはいかがですか

本来やらなければいけない得点の仕事があまりできていなかったので、これぐらいの活躍は常にできるように頑張りたいと思います。要所でやってはいけないミスとかもあったので、そこは課題として残ったので修正していきたいです。

――次戦への意気込みをお願いします

残り2戦になったんですけど、インカレに向けて大事な相手で明大も日大も強いので、ここで勝ったら自信にもなるし、インカレの組み合わせにも関わってくるので勝ちへのこだわりは常に持っていきたいです。