攻撃の勢いを保てず力負け 悔しさ拭い次節へ/日体大

男子ハンドボール

 ついに幕が上がった関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)。対戦相手は関東学生春季リーグ(春季リーグ)で引き分けた、1部リーグ2位の日体大だ。前半戦、立ち上がりから積極的に攻めていく早大は速攻をメインに順調に点を刻みつけていき、競った試合を繰り広げた。14-15というスコアで折り返し、迎えた後半戦。開始15分まで一進一退の攻防を続けたが、じわじわと相手に引き離されてしまう。何とか差を埋めていきたい早大であったが24-31と敗北。秋季リーグを黒星発進とした。

 早大の立ち上がりは順調だった。開始直後に決まったRW清原秀介(商4=東京・早実)の速攻を皮切りに、着実に点数を重ねていった。日体大も負けじと点を入れ返してくるが、シュートミスやパスミスによるこぼれ球を拾い早大は相手のゴールを揺らす。LW前田理玖(スポ3=福井・高志)やCB宮國義志(社4=沖縄・浦添)は果敢に速攻を仕掛け、確実に得点。日体大はGK中村匠(スポ2=千葉・市川)が「速攻が速くて、戻らないとすぐに点を取られてしまう」と振り返るように、攻守の切り替えが早く点を決めても気が抜けない相手ではあったが、早大のディフェンス陣の好プレーで逆速攻を防ぐ場面も多く見られた。DF岡本隼(商3=滋賀・彦根東)が相手の攻撃をしっかりと止め切り、生んだチャンスを前田や宮國がつなげ、13分には9-7と早大が2点をリードする展開に。このまま試合の流れを掴めるかと思われたが、相手もリードをやすやすと許すわけではない。相手はGK羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)の隙を狙い、次々とシュートを入れてきた。4連続得点を許し劣勢に立たされた早大。しかし、タイムアウト後出場した阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)によって生まれた相手の2分間退場で、再び崩れた攻めの姿勢を取り戻す。相手のルーズボールを生かした阿南のシュートや清原のループシュートが決まり点差は1点に。残り1分を切ったところで、宮國とPV中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)が立て続けに得点し同点に追いついたが、終了間際に放った相手のボールが早大のゴールを揺らし、14-15と1点ビハインドで試合を折り返すこととなった。

速攻で攻める前田

 後半戦も前半戦同様に両者一歩も譲らない展開が続いたが、同点に追いつこうとワセダセブンは積極的にシュートを狙いにいく。前田の速攻や、RB山本慶(スポ3=長野・屋代)のサイドシュート、カットインが相手を激しく追い立てる。また、GK中村匠も好セーブを見せリードを許さない。しかし、後半戦も中盤に差し掛かると再び日体大が牙をむく。オフェンス陣の放つボールはゴールから外れ、1対1に持ち込んでも相手のGKによって弾かれ続けた。山本が「ルーズボールとかが結構とられてしまって、それを相手が確実に決めてきて、その積み重ねで点差が開いてしまった」と振り返るように、防ぎきれたボールを相手に入れ込まれることも多く、4連続得点とされてしまった。懸命に日体大の背中を追う早大。髙橋幸太(法4=東京・早大学院)が必死にシュートを入れ込むが開いた点差はやはり埋まらない。後半戦終盤になっても日体大の勢いは衰えることはなく、24-31で敗北。前半戦で接戦を繰り広げただけに悔しい結果になった。

この試合で6得点を挙げた山本

 善戦したが、後半では相手にペースを握らせてしまい初戦を勝ち切ることができなかったワセダセブン。春季リーグで引き分けた相手に敗北しやるせなさが残った試合になったが、春季リーグでの試合と比べてみると前半、後半ともに立ち上がりは良く、速攻での攻撃はしっかりと得点に絡んでいた。大敗を喫してしまったが、ワセダセブンの成長ぶりがうかがえる試合でもあっただろう。秋季リーグはまだ始まったばかりだ。気持ちを切り替え次戦の筑波大戦に臨んでほしい。

(記事 栗林真子、写真 稲葉侑也)

関東学生秋季リーグ戦
早大 24 14−15
10−16
31 日体大
GK 羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)
LW 前田理玖(スポ3=福井・高志)
LB 青沼健太(社2=千葉・昭和学院)
CB 宮國義志(社4=沖縄・浦添)
PV 中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)
RB 山本慶(スポ3=長野・屋代)
RW 清原秀介(商4=東京・早実)
コメント

山本慶 (スポ3=長野・屋代)

――きょうの試合全体を振り返ってみていかがでしょうか

相手を追いかける場面はありつつも何とか盛り返すことができたんですけど、後半の残り10分で相手の勢いに押されてしまい、そこで取り返すことができなかったのは今のチームの実力かなと思います。

――前半戦では速攻で得点を決める場面が多く見られましたが

速攻はシュートまでは行けたイメージがあったんですけど、相手のGKが一枚上手だったので、そこを決め切れれば流れを持っていけてもっと良い感じで後半に入れたかなと思います。

――後半戦では点差が開いてしまいましたが、そのことについてはどのように考えていますか

僕なりに思ったのが、ルーズボールとかが結構とられてしまって、それを相手が確実に決めてきて、その積み重ねで点差が開いてしまったのかなと思ったので、ルーズボールに飛び込みの意識を持ったり体を張ったりすることを反省として生かしていきたいと思います。

――あすの筑波大戦ではどのようなプレーをしていきたいですか

きょうよりは絶対相手はフィジカルが強いと思うんですけど、秋リーグに向けて自分たちのやってきた速攻や連係プレーを生かして勝ちたいと思います。

中村匠 (スポ2=千葉・市川)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは自分の役割を果たせたのかなと思います。

――秋季リーグ開幕戦でしたが、何か意識したことはありましたか

春が終わった後から、練習試合でも羽諸さんと前後半30分ずつで交代するみたいな感じで役割を分けて練習していて、今回の試合も後半は自分が出るということになっていたので相手の試合を見たり、しっかり準備をしていました。

――チームとしてどのような日体大対策をされましたか

日体大は速攻が速くて、戻らないとすぐに点を取られてしまうので、戻って外まで追い込んでシュートを打たせたりとか、相手のロングシューターが結構良いので、しっかり当たって打たせるなどの約束をしていました。

――きょうの出来はいかがでしたか

後半の20分まで競っていたので、結構良かったんじゃないかなと思います。ただ、相手のキーパーが良かったのもあるんですけど、もっとチャンスをモノにできていれば、最後まで競った展開になったのかなとも思います。

――次戦への意気込みをお願いします。

きょうみたいに自分が止めれば流れも変わるので、また頑張ります。