勝ち星遠く、まさかのドローに/明大戦

男子ハンドボール

 まさかの開幕2連敗から1週間。是が非でも勝利を収めたいワセダは、明大との対決に臨んだ。序盤は相手を寄せ付けず、関東学生春季リーグ(春季リーグ)王者としてワセダらしいプレーを展開し得点を重ねていく。しかし後半になると一転。開始から相手に5連続シュートを与えるなど、精彩を欠き逆転を許してしまう。一進一退の攻防を繰り返し、残り15秒でドローに持ち込んだところで試合終了。なんとか3連敗は免れたが、またも白星を手に入れることはできず、チームは肩を落とした。

 先にゴールネットを揺らしたのはワセダだった。試合開始2分足らずで、 伊舎堂博武副将(社4=沖縄・興南)がディフェンスを切り込み先制点を奪うと、積極的なプレーで得点を重ねていく。負けじと明大は高さを活かしたプレーで2連続ポイントを決めるが、三輪颯馬副将(スポ4=愛知)らサイドの活躍により、相手に主導権を渡さなかった。開始から12分の時点で7-3となり、すかさずタイムが取られたが、試合再開後もワセダの勢いは変わらず。反則により相手に7メートルスローが与えられ、ヒヤリとする場面も見られたが、永田奈音(スポ4=宮崎・小林秀峰)のビッグセーブなどもあり、優位を保ったまま15-11で試合を折り返した。

永田のファインセーブが幾度となくピンチを救った

 前半終了間際には明大の焦りが見られ、このまま進めば秋季リーグ戦初の勝利は間違いない、誰もがそう思っていた。しかし後半が始まると、前半戦とは相反する試合風景が広がっていた。パスのミスや、決定力を欠いたシュート、更にはわずか10分の間に3人が退場。その間に5連続ゴールを決められ、早々と逆転されてしまった。即座に試合を振り出しに戻し、再び2点の差を広げるが、集中力を欠いたプレーが目立ち、シュートの体制をつくることはできても、なかなかゴールを奪うことができない。煮え切らない感情から、再び反則によって退場を出すと、3連続失点。泥沼にはまってしまった。後半25分、スコア20-20の場面で相手センターのジャンプシュートで均衡を破られると、続いて右サイドからも得点を決められ、致命的な2点差をつけられてしまう。それでも、なんとか意地を見せ、試合時間およそ2分半を残して22-22。この場面で、ワセダがボールを奪い、好機が到来するも得点は奪えず。残り30秒でタイムアウトを挟み、明大のボールから試合が再開されると、RBから失点。残り15秒を残し、三輪が速攻でサイドシュートを決めると相手の速攻が決まる前に試合終了。土壇場で引き分けに持ち込んだ。

カットインからのシュートが光った伊舎堂

 「また勝ち切れなかった(三輪)」。 前半の流れを維持できず、白星をまたしてもつかむことができなかった。確実に勝利を挙げたいところだが、今後の試合では春で上位となったチームとの対戦が待ち受けている。厳しい試合が予想されるが、もう黒星はいらない。強いワセダの復活へ、まずは1勝。明日の日大戦に注目だ。

(記事 秦絵里香、写真 小松純也)

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関東学生秋季リーグ男子展望/関東学生秋季リーグ(8/31)

 

関東学生秋季リーグ

早大 23 15-11
8-12
23 明大
GK 羽諸大雅(スポ3=千葉・市川)
LW 三輪颯馬(スポ4=愛知)
LB 小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)
CB 宮國義志(社3=沖縄・浦添)
PV 高橋拓也(人4=群馬・富岡)
RB 伊舎堂博武(社4=沖縄・興南)
RW 清原秀介(商3=東京・早実)
星取表(9月8日現在)
   
早大
筑波大
中大
日体大
国士館大
法大
日大
明大
東海大
立大
9位 早大
 
 
 
 
 
 
23△23

21●23

25●32

1位 筑波大
 
 
 
 
35○25
 
 
33○19
39○22
3位 中大
 
 
24○21
 
 
30○25
 
 
22●23
7位 日体大
 
 
21●24
29●30
 
 
26○25
 
 
4位 国士館大
 
 
 
30○29
28○24
 
27●31
 
 
10位 法大
 
25●35
 
 
24●28
23●32
 
 
 
2位 日大
 
 
25●30
 
 
32○23
 
35○31
 
6位 明大
23△23
 
 
25●26
31○27
 
 
 
 
8位 東海大
23○21
19●33
 
 
 
 
31●35
 
 
5位 立大
32○25
22●39
23○22
 
 
 
 
 
 
コメント

三輪颯馬副将(スポ4=愛知)

――引き分けという結果をどのように捉えていますか

間違いなく勝てた試合だったので、もったいなかったなと思います。

――前後半で明暗が分かれました。試合展開を振り返っていかがですか

前半はワセダらしいプレーが多かったんですけど、後半退場があったりシュートが入らなかったり、また負の連鎖というか悪いところが多く出たので、もうひと踏ん張りかなと思います。

――自身のプレーを振り返っていかがですか

前の試合はチームに迷惑かけて、きょう少しは得点に絡んでいこうと思ったんですけど、後半なかなか自分から積極的に動けていなくて、ボール待ちになるところもあったので、そこはまだ自分の弱さかなと思います。

――最後のタイムアウトではどのようなことをチームで話しましたか

何が何でも1点差でも勝ちは勝ちなので、泥臭く1本に集中していこうと。最後の最後まで気を緩めることなくやっていこうというのはチームみんなで話し合いました。

――試合終了後、悔しさをあらわにされるシーンもありました

前の2試合負けていて、もう負けられないというところでまた勝ち切れなかったのが、こんな悔しい思いはしたことがないというくらい悔しかったですし、言葉にできないですね。

――明日の日大戦へはどのような意識で臨みますか

絶対ワセダが弱い高めのディフェンスを敷いてくると思うので、何としてでもここ(高いディフェンス)を克服しないとインカレで同じようなことをやられてすぐ負けたでは話にならないので、なんとかここ勝ち切って、3-3への攻めの苦手意識をなくして絶対勝ちにいきたいと思います。

永田奈音(スポ4=宮崎・小林秀峰)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

先週からの改善として、勝ちにこだわって泥臭くやっていこうと話していました。前半はきちんとそれができていたけれど、後半になると手を出してしまって退場があったりして、そういう場面で甘さが出てしまったと思います。

――この試合にはどんな思いで臨まれたのでしょうか

僕自身はどんな形でも勝ちたい、という気持ちでこの1週間臨んだので、無様な形になっても絶対に1本止めようと思っていました。

――チームとしてどんな事が課題として挙げられますか

ミスする時は単調でイージーミスが多いので、そういうところを確実に減らしていくのと、ディフェンスはもっと一人一人が動いて、チーム全員で1本守る意識を持つことが大事になると思います。

――退場者が多い中でのディフェンスはチームとしてどんな事を意識していますか

勝負所まで持っていこう、という話をずっとしていて。きょうはそれが最初はできていたんですけど、後半になるとできていなかったので、それも甘さなのかなと思います。

――後半開始して9分近く点が取れない時間がありましたが、それに対してはいかがですか

自分はキーパーなので、オフェンスに関してはコートプレイヤーを信じて任せているのですが、慌てすぎているのかなと、後ろから見ていて思います。フィジカルで優位に立っているのに、慌ててパスしたりする場面が多いので、もっと自分たちの強みを活かして、攻めた方がいいのかなと思います。

――明日への意気込みをお願いします

きょうなんとか負けずに済んだので、ここで勝てるかで今後が変わってくると思うので、チーム一丸となって勝ちにいきたいと思います。