開幕戦で痛恨の黒星。気持ち切り替え次戦へ/立大戦

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)がついに開幕。ワセダの初戦は関東学生春季リーグ(春季リーグ)2部で優勝し、この秋1部に昇格してきた立大だ。春季リーグ1部で優勝していることを考えれば両者の順位上の差は大きいが、相手はのし上がってきた勢いがある上に、練習試合での戦績はこちらの分が悪い。ただでさえ大事な初戦ということもあり、選手たちはむしろいつも以上に気を引き締めて試合に臨んだ。

試合前、円陣を組み士気を高める

 序盤からサイドを切る動きやポストプレーで、立大の高いディフェンスの間を割って崩しにかかった。普段サイドを担う三輪颯馬副将(スポ4=愛知)と清原秀介(商3=東京・早実)がポストシュートやカットインからゴールを挙げていく。また、三輪がポストに入る代わりに正サイドで出場した前田理玖(スポ2=福井・高志)や高さへの対応を買われた遠藤瞭(スポ2=神奈川・法政二)も駆け引きに応戦した。前半は断続的に得点を重ねることができていたオフェンス陣。この日に向け練習してきた戦術に加え、伊舎堂博武副将(社4=沖縄・興南)と三輪による鮮やかな速攻が決まるなど良い兆しも見られた。しかし、相手も簡単に引き下がるチームではない。ワセダに退場が相次いだこともあり、立大のゴールも滞ることなく生まれた。大きな点差がなかなかつかないようなねじり合いが30分間続き、前半終了時のスコアは15-13。2点のリードをもってハーフタイムに入った。

三輪はきょう10得点。懸命に食い下がった

 試合前の予想通り、拮抗(きっこう)した展開になったが、ペースをつかんだのは立大の方だった。前半29分に中村祐貴(スポ2=北海道・札幌西)が退場を被ると、後半1分、今度は清原が退場を受けコートプレーヤーは4人に。これをきっかけにすぐさま追いつかれると、10分過ぎには速攻による3連続失点で逆転を許してしまう。嫌な雰囲気を早めに脱したかったが、ここにきてオフェンス陣がミスを連発した。いつもなら決まるはずのシュートやパスが決まらず、「苦しい時間帯を短く切れな」(山﨑純平主将、社4=岩手・不来方)い。そしてそういったミスが相手の逆速攻につながり、点差はみるみる広がった。相手を突き放すシュートを決める度に沸き上がる立大ベンチと失点を重ね表情が曇るワセダセブン。春季リーグではなかなか見られなかった構図で試合は終盤まで進んだ。20分過ぎですでに30失点を喫し、いつのまにか取り返しのつかない状態に。反撃もかなわずそのまま試合終了のブザーがなり、最終スコア25-32で敗北した。

試合後の選手たち。気持ちを持ち直したい

 きょうのワセダは後半に我慢することができず、流れを完全に持っていかれてしまった。初戦で白星を挙げ、勢いそのまま波に乗って秋季リーグを進めていきたかっただけに、きょうの敗戦は手痛いだろう。しかし、もう明日に迫っている第2節の東海大戦へ向け、気を落としている時間はない。きょうはきょうで割り切り、悪い流れを払拭(ふっしょく)できるかが重要だ。負けたときこそ、『一戦必勝』を遂行できるか――。秋季リーグ優勝への戦いはここからが本番だ。

(記事 小松純也、写真 宅森咲子、白石智奈美、林大貴)

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関東学生秋季リーグ男子展望/関東学生秋季リーグ(8/31)

関東学生秋季リーグ
早大 25 15-13
10-19
32 立大
GK 羽諸大雅(スポ3=千葉・市川)
LW 三輪颯馬(スポ4=愛知)
LB 小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)
CB 山﨑純平(社4=岩手・不来方)
PV 高橋拓也(人4=群馬・富岡)
RB 伊舎堂博武(社4=沖縄・興南)
RW 清原秀介(商3=東京・早実)
星取表(9月1日現在)
早大
筑波大
中大
日体大
国士館大
法大
日大
明大
東海大
立大
9位 早大

25●32
1位 筑波大

33○19
3位 中大
30○25
5位 日体大
26○25
4位 国士館大
28○24
7位 法大
24●28
8位 日大
25●30
6位 明大
25●26
10位 東海大
19●33
2位 立大
32○25
コメント

山﨑純平主将(社4=岩手・不来方)

――開幕戦、立大との一戦はどのように臨んでいきましたか

春の優勝チームと、あちらは2部から昇格ということで、モチベーションの面で失うものがなくチャレンジ精神で入ってくるとわかっていたので、僕らもそれに負けずに越すんだという風に臨んだのですが。(実力が)とんとんになるとは思っていたので、出だしは自分たちのペースではないですけど試合運びとしてはそんなに悪くはなかったです。でも後半の立ち上がりに、退場や相手が少しアグレッシブになったときに自分たちのボールが止まってしまってそこから逆速攻という、自分たちが一番良くない展開になってしまって、そこは反省しなければいけない点です。インカレの初戦じゃなくて良かったなと思います。

――立大の雰囲気は良かったのでしょうか

そうですね。相手の雰囲気は良かったですし、雰囲気を乗せてしまうような点数の取られ方をしてしまったので、失点の仕方が良くなかったと思います。

――後半のオフェンスはいかがでしたか

後半はいらないミス、パスカット、キャッチミスやシュートミスがすごく多くて。練習してきたことが後半はオフェンス全般で出せていないというのが一番の敗因です。

――苦しい時間帯が多かったと思いますが、タイムアウト中はどのようなことを話し合いましたか

苦しい時間帯を短く切れなかったのは、僕が率先してチームの雰囲気を変えられなかったのがあると思うんですけど、タイムアウトでは、自分たちの流れがつくれるのはディフェンスからなので、ディフェンスから速攻という声掛けをしてディフェンスを固めました。

――次戦(対東海大)は明日に迫っていますが、どのような意識で臨んでいきますか

もうきょうは負けてしまったので、そこはリーグ戦なので切り替えてやっていくしかないので、とりあえず今から試合(東海大対筑波大)を見て備えて、切り替えて1勝目指したいなと思います。

三輪颯馬(スポ4=愛知)

――きょう開幕を迎えましたが、秋リーグにはどういった意気込みで臨んでいますか

春優勝していて、他のチームがワセダをつぶしに、そういうチャレンジ精神を持ってくると思うので、それに負けずに。自分たちもまた秋に勝ってインカレにつなげていこうっていうのは、みんなで共有して取り組んできました。

――立大は練習試合などでも苦しめられていた相手でしたが、どういった対策で臨みましたか

高めのディフェンスがワセダは得意ではなくて、それでもみんなで一人一人が動いてとにかくボールをつないでシュートまでっていうのはこの夏に徹底していて。前半はうまく機能していたと思うんですけど、後半はうまくいかなかったかなと思います。

――きょうの試合、後半に逆転を許した原因は

2点3点差を付けられた場面まではまだ時間もあって、逆転のチャンスもあったんですけど、4年生が少し気を切らしてしまって雑になってしまったかなっていうのはあって。どういう時でも4年生が引っ張っていかなければならないのに、最後出ていたのは僕だけでしたし、そこは不甲斐ないかなと思います。

――後半は思うように点を重ねられませんでしたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

やっぱりディフェンスが高めということで、自分が点を取らなければいけないなということは試合が始まる前から意識していて。得点に関してはある程度絡めたかなとは思うんですけど、点差を離されて、後半雑になって、いつものシュートを打つときの冷静さが欠けていて無理に早打ちになってしまったので、もう少し落ち着いていれば決められたのかなとは思います。

――ご自身、ライン切って中央に入ることや、ポストプレーが見られましたが、練習していたことなのでしょうか

そうですね、やっぱり高めのディフェンスに対しては大型ポストっていうのはなかなか機能しづらいと思うので、もし機能しなかったときのことを考えて、俊敏性でっていう部分で僕がポストに入るっていうのは練習してきたんですけれども、なかなか、得点に絡むことはあったんですけど、どちらかというと僕はサイドの方がよかったので、あまりうまく機能したとは言えないですね。

――あすにも次戦が控えていますが、どう切り替えて臨みますか

まだ残り8戦残っていて、全勝すればまだ全然優勝も狙えるので、まずは春チャンピオンを取ったっていう自身の自覚を持って明日からもう一度頑張ろうかなと思います。

清原秀介(商3=東京・早実)

――開幕戦でしたが試合前の雰囲気はいかがでしたか

いつも初戦が大事だと思ってやっているんですけど、立大は苦手な相手だったし、そういう意味で初戦が立大ということで、めちゃくちゃ気持ちは入れていました。

――相手は2部から上がってきたチームでしたが対策はしてきましたか

ここ2週間くらいは3ー3ディフェンスに対するオフェンスの練習をずっとしていて、Bチームにも3ー3をやってもらった上でどう攻めるかずっと話し合ってきたのでそういう対策をしていました。

――きょうの敗因は何でしょうか

後半の中盤くらいのミスからの逆速攻の連続ですね。何本かはあってもいいと思うんですけど、それが連続してしまったのでそこで立て直せなかったことが敗因だと思います。

――ご自身のプレーは振り返っていかがですか

前半は、春リーグ(関東学生春季リーグ)で自分の中で課題となっていた高いディフェンスに対する1対1とかクロスまわるとかはできていたと思うんですけど、後半になって上とかとあまり絡めなかったなというのが大きいですかね。

――ポストに入るプレーも見られました

それは春リーグ終わってずっとやってきたことで、颯馬さん(三輪副将、スポ4=愛知)がそういうプレーが多いので真似してやっていました。

――きょうの敗戦はどのように受け止めていますか

これで気持ちが下がっても仕方ないので、初戦ということで負けちゃったんですけどまだ始まったばかりであと全部勝てば優勝というのはあるので切り替えていきたいと思います。

遠藤瞭(スポ2=神奈川・法政大第二)

――開幕戦への意気込みはどのようなものでしたか

やっぱり春リーグ優勝したので、それに続いて秋リーグも優勝を、先輩としてできたらなと思っていました。

―春と比べ、秋は出場の機会が増えましたが、ご自身に気持ちの変化はありますか。

高いディフェンスに対してやっぱり僕は動けると思っていて、そこは強みだと思うので、そこを意識すればいいかなと思っていました。

――ご自身の今日のプレーを振り返って、いかがでしたか。

練習不足でしたね。もうちょい、練習をたくさんやる必要があるかなと思いました。

――ご自身から見て、今日の試合展開やチームの状態はどのようなものでしたか

前半はいい感じで点が取れていたんですけど、後半にかけてやっぱり、シュートミスとか、そういうミスが重なっちゃった部分があったので、そこがちょっと、修正しなきゃいけないのかなという風に思っています。

――やはりチーム内でのベンチ入り争いは激しいと思うのですが、ご自身で、チームメンバーとの間に競争意識はございますか

はい。僕は結構ギリギリで入れているメンバーなので、他の上手い子がいっぱいいるので、そこに負けないように、自分の長所というかアピールできるところをこれからしていかなきゃいけないのかなと思います。

――明日の試合に向けての意気込みをお願いします。

次、負けられなくて、僕にできることも少ないのでそれを一個でもチームに貢献して、明日の勝利につなげられたらいいなと思います。