終戦の翌年から開催され、長い歴史を持つ早関定期戦(早関戦)。今年は、関学大のホームで伝統の一戦が行われた。早大は前田理玖(スポ2=福井・高志)の速攻や伊舎堂博武(社4=沖縄・興南)のカットインなどで序盤から大量得点を奪う。その後も勢いは衰えず、相手を寄せ付けない圧巻のハンドボールで勝利を収め、昨年の雪辱を果たした。
中村祐貴(スポ2=北海道・札幌西)のポストシュートで幸先よく先制すると、前田の速攻ラッシュが開始。伊舎堂がパスをカットし、早い反応で飛び出した前田が速攻を決める。「今までは逃げたりするプレーがあったんですけど、自分でいこうと決めて試合に挑んだのでそれがよかったのかなと思います」(前田)。アンダースローやスピン、股抜きのシュートなど類いまれなシュートセンスで相手キーパーを翻弄(ほんろう)し、前半13分までに5点を奪う活躍を見せた。GK永田奈音(スポ4=宮崎・小林秀峰)が7メートルスローで好セーブを見せるとさらに勢いに乗る。伊舎堂も華麗なループシュートやジャンプシュートで観客を魅了し、得点を重ねた。前半14得点のうち、前田と伊舎堂が6点ずつを挙げ、3点リードで折り返した。
計9得点を挙げ、勝利に大きく貢献した前田
後半はその勢いがさらに加速した。小畠夕輝(スポ4=岡山・総社)がディフェンスを引きずって豪快なカットインを2連続で決め、チームで練習してきたという速攻での連続得点も積み重ねていく。後半14分には伊舎堂と宮國義志(社3=沖縄・浦添)の息の合ったスカイプレーでゴールネットを揺らした。相手につけ入る隙を与えず、一気に点差を広げた早大は終盤に関東学生春季リーグ(春季リーグ)では出場機会の少なかった選手たちが出場。四十宮実成(政経4=徳島市立)のロングシュートが突き刺さると会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。最終スコア31−21。点差を10点に広げ大差で関学大に快勝した。
四十宮のシュートでベンチのボルテージは最高潮に
昨年6年ぶりに敗戦を喫し辛酸をなめた関学大に対して圧倒的なオフェンス力を見せつけた早大。全日本学生選手権(インカレ)での覇権奪回に向け、関西のプレースタイルを体感できたことは大きな収穫になっただろう。また、先週の早慶明定期戦に続き、これまで出場機会の少なかった選手たちが実戦での経験を積んだことも今後に向け大きな財産になったはずだ。早慶明定期戦、早関戦と関東学生秋季リーグに向け弾みとなる勝利を挙げたワセダセブンは三冠に向けて突き進んでいく。
(記事 宅森咲子、写真 小松純也、森田和磨)
早関定期戦 | ||||
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早大 | 31 | 14−11 17−10 |
21 | 関学大 |
GK 羽諸大雅(スポ3=千葉・市川) LW 前田理玖(スポ2=福井・高志) LB 小畠夕輝(スポ4=岡山・総社) CB 山﨑純平(社4=岩手・不来方) PV 中村祐貴(スポ2=北海道・札幌西) RB 伊舎堂博武(社4=沖縄・興南) RW 清原秀介(商3=東京・早実) |
コメント
前田理玖(スポ2=福井・高志)
――きょうの試合全体を振り返っていかがでしょうか
きょねん関学大に負けてたので、チームとしては最低条件が勝利ということで挑んだんですけど、個人としては颯馬さん(三輪副将、スポ4=愛知)がいなかったので少しでもチームの戦力になれればいいなと思って頑張りました。
――前田選手は9得点を挙げられましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
最近キーパーの羽諸さん(大雅、スポ3=千葉・市川)とハンドボールについて話したりする機会があって。今までは逃げたりするプレーがあったんですけど、自分でいこうと決めて試合に挑んだのでそれがよかったのかなと思います。
――速攻での得点がチーム全体としても多かったですが、速く攻める意識があったのでしょうか
そうですね。練習中とかも速攻練習とかをやってきて、自分の仕事も速攻で繋ぐことができるのが魅力の一つだと思っているのでその点ではいい試合ができたのかなと思っています。
――関東のチームと比べて違いを感じたところなどはありましたか
テンポが一つ遅かったり、関東とは違う部分があるのかなとやっていて思ったので、インカレ(全日本学生選手権)に向けていい経験になったかなと思います。
――きょうの勝利はどのように評価されていますか
関学大相手に大差で勝ったのは秋リーグ(関東学生秋季リーグ)やインカレにも繋がることだと思うのでプラスに考えていいと思うんですけど、試合の中でいろいろな課題も出たと思うので個人としてもチームとしてもそれを改善していけたらいいかなと思います。
――秋リーグにむけて改善したい点は具体的に挙げられますか
点は獲れたんですけど、自分はディフェンス力がまだまだなのでディフェンスから強化していきたいと思います。