【連載】インカレ直前特集『To The GLORY』第5回 伊舎堂博武×高橋拓也×山﨑純平

男子ハンドボール

 対談第5回は、日本一を目指す全日本学生選手権(インカレ)では欠かすことのできない3年生トリオ、伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)、高橋拓也(人3=群馬・富岡)、山﨑純平(社3=岩手・不来方)。インカレを目前にした三人の心境を伺った。


※この取材は10月8日に行われたものです。

「新しい風が入ってきている」(高橋)

秋季リーグを振り返る高橋

――秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)をチームとして振り返っていかがですか

伊舎堂 春季リーグに比べたら良くなっていたリーグではあったけど、勝てる試合を自分たちのミスで落としてしまったことも多かったです。流れが悪いときに立て直すことができないという秋季リーグが終わってからの課題があるし、チームワークもいいとは言えない状況なので、反省点の多いリーグだったと思います。

高橋拓 芳村さん(優太コーチ、平27スポ卒=愛知)が来て攻撃力は上がりましたね。理想としている得点差が「32-25」なんですけど、それがリーグ戦やインカレで勝てるスコアということをデータで示してもらって、目指してやっていました。何試合かは達成できた試合もあったんですけど、博武も言っていたように東海大戦(△30-30)とか順大戦(●31-35)とかリーグ優勝が見えている中で、勝たなければいけない試合を自分たちのミスで落としてしまっていたので、気持ちの面が大きな課題かなと思います。

山﨑 春に比べて全体的に良くはなっているけど勝ち切れない。それはメンタルとか自分たちでどうにかできる問題で、うまく攻撃が終われなかったり守れなかったりしたときにどう立て直すかが課題かなと思いました。

――次に個人としての振り返りをお願いします

伊舎堂 春季リーグは戻ったばかりで感覚が鈍っていたんですけど、秋季リーグは感覚が戻ってきて自分が思うようなプレーができることが多かったかなと思います。反省点はすぐ諦めるところですね。チームの中でミスが続くと気持ちが切れてしまうことが多かったですね。メンタル面が課題としては出ています。良かったところは会場を沸かせるプレーができたこと。魅せるプレーを意識してやっていたから、チームに流れを持ってくるようなプレーはできたかなと自分で思います。

高橋拓 僕は春よりも出場する機会が増えました。ワセダの流れが悪いときやバックプレーヤー3人で崩せなかったときにダブルポストに入る展開が多かったんですよ。そのときにブロックをうまく張れなかったり、余分なスライドをしてしまったりとか、思うようにいかないプレーが多くて自分自身の課題が多く残りました。ただ、もう少しシングルポストでの出場機会が欲しかったなとは思います。ダブルポストでは約束事が決められていて、自分のやりたい動きができなかったりしたので、インカレでは何とかシングルポストで出番をもらえるように頑張っていきたいと思います。

山﨑 ディフェンス面では西山さん(尚希主将、社4=香川中央)がいなかったから3枚目を守る機会があったんですけど、相手によって守れる試合と守れない試合がありましたね。筑波大戦(○27-24)とかはいいディフェンスができていた、それに対して順大戦ではもっとけん制で潰したりとか、相手のボールを止める動きとかもっとやれることがあったかなという課題がありました。オフェンス面では、バックプレーヤーでもっと崩せるかなと思いました。個で攻めきれるときはいいけど、攻めきれなかった時に弱いなと感じるから、もっと上のみんなが連動した動きがあれば勝てるかなと思います。あと一番はメンタル面ですね。

――秋季リーグで特に印象に残った試合はありますか

伊舎堂 国士舘大戦(●28-31)かな。相手は全勝優勝が懸かっていて、それを最後に防ぎたかった。勝てた試合だったと思います。大事なときに単純なミスとか連係プレーとかができてないっていうか。そこはまだチームワークが良くない。競ってるときとか、勝たないといけない試合になったときに、勝ちに対する欲が出すぎてるのか、逆に出ていないのか。勝てる試合とか勝ちたい試合も勝ち切れないし。最後の国士舘大戦もいい流れで行っていたのに、最後国士舘大の勢いに飲まれて、インカレのシードもとれなくて悪い雰囲気で終わった試合だったから。それが僕の中で印象深い試合でした。

高橋拓 僕は2つ印象に残っている試合があります。まずチームとしては東海大戦。残り3分3点差で勝っている状況だったと思うんですけど。その状況を勝ち切る練習は結構やっているのに、シュートミスとかで流れを持っていかれて、最後も引き離せずに同点で終わってしまったんですよ。勝てばシードが確定する試合で、そこ勝っていれば大きかったので、悔しくて印象に残っています。もったいない試合だったなと思います。もう一つは自分の話になっちゃうんですけど、明大戦(○24-17)。前半流れが良くなかった中で僕が入って。自分で流れを変えたくて入った部分があったんで、そこの自分の速攻とペナルティーかな。

山﨑 決まり手ドスコイ。

高橋拓 そう、ドスコイ。ペナルティーもらったやつ。こいつ(山﨑)ドスコイって言うんですよ(笑)。

一同 (笑)。

高橋拓 ちょっと僕のドスコイで結構流れを引き寄せられたかなっていうのがあって。途中から入る選手が流れを変えるべきっていう考えがあったんで、それを見事実行できたっていうのはうれしかったです。

山﨑 自画自賛。

高橋拓 まさにそれ(笑)。うれしかったなって。それで印象に残ってます(笑)。

山﨑 筑波大戦かな。入りが良かった。入りが良くて、前半も集中が途切れることなくダブルスコアぐらいまで離せたと思うんですけど、あれだけ集中してれば勝てるかなと感じました。あの試合はスタートで決まったなと思います。特にインカレは一発勝負だから、一試合一試合に臨むためのアップから試合終了までの集中力が必要になるので。いい集中ができれば結果も出てくるのかなと感じたので筑波大戦が印象的でした。

――春から秋にかけて意識的に強化したポイントはありますか

伊舎堂 春季リーグの時は自分たちだけで練習していたから、淡々と練習しているように感じてたんですけど、秋季リーグに入って芳村さんが来てからいろんな練習メニューを提供してくれたり、海外の試合とかを見せてくれるようになりましたね。その影響で秋季リーグでは自分でどうプレーするか考えるという意識付けをするようになったかなとは思います。ただ、すぐできるわけではなかったです。指摘される部分もたくさんありました。だけど、するのとしないのとではだいぶ変わってくると思うし、下級生が自ら考えてプレーするっていうのを無意識にできるようになれば底上げにもつながって、下級生からも試合に出れるような学生が出てくるんじゃないかなと思いました。

高橋拓 芳村さんが来てからセットオフェンスを力入れてやってきて、きっかけの種類も何個か増えましたし、攻めどころとかオフェンスに対する考え方っていうのもいろいろ提供してもらって、それが秋季リーグの得点力アップにつながったのかなとは思います。ディフェンスも新しいフランスとかがやってる守り方を提供してもらって、それに取り組んでいるところです。いままではボールに密集するディフェンスをやっていたんですけど、寄らないで人に対して1対1の強さが求められるディフェンスをしたりしていますね。いろんな新しい風が入ってきてる状況です。しっかり頑張ります。

山﨑 練習の質がまず上がったなと思います。段階を踏んで、これができたからあれ、あれができたからこれという風に練習メニューを考えてくださるので、練習自体の質が上がったのが一番かなと思います。オフェンスでもディフェンスでもみんなそれぞれ考えがあってやってると思うんですけど、芳村さんの考えで引き出しというかアイデアが増えたと思います。

お互いの印象、プライベート

お互いのことを語り合う三人

――お互いの第一印象を教えてください

伊舎堂・山﨑 (高橋に向かって)デブ(笑)。

高橋拓 やめろ(笑)。こいつ(山﨑)、僕が初めての練習の時に、富岡高校の先輩である当時4年生の桐生正崇さん(平28人卒=群馬・富岡)に、こいつ(山﨑)が「正さん、後輩丸いですけど。」って言ったんですよ。まだ顔もわからなくて初対面でSNSでしか会話したことないときにいきなり言われて、同期ですごいやついるなって思いました。癖が強いんですよ(笑)。

山﨑 丸かった(笑)。

高橋拓 こいつ(伊舎堂)は最初ユースで一緒だったんですけど、僕は伊舎堂のことを一方的に知っていたんで、「わぁ、あの伊舎堂博武や」ってなってました。僕らの代のスーパースターなんで(笑)。本当に、結構うらやましく思っていました。

伊舎堂 何を(笑)。

高橋拓 人気があったんで(笑)。高校生で普通3000人もTwitterでフォロワー数いないよ。もっといたっけ(笑)。 

――高橋選手の第一印象はいかがですか

山﨑 デブ。

高橋拓 それ文字に起こされたらすごいから(笑)。

山﨑 2文字しかない(笑)。

高橋拓 博武はあるでしょ、高校の時に。

伊舎堂 純平は…俺あんまり人のことなんとも思わないんだよなぁ…。

山﨑 お前そういうやつだもんな(笑)。

伊舎堂 自分にしか興味ないから。第一印象思い出せないもん。

高橋拓 まぁそんな俺が薄かったか(笑)。

山﨑 俺らいつだっけ?

伊舎堂 試験?じゃない、試合でやってるかな?

山﨑 試合やってないよ、あ、当たったけどやってないっけ?

伊舎堂 出てたんじゃない?インハイ(高校総体)のとき。あべりゅう(安倍竜之介、国士舘大4年)が退場したやつ。

山﨑 あぁ、あべりゅうレッド事件(笑)。あの時は博武サイドじゃなかった?

伊舎堂 両方やってたよ。最後の方はエースやってた。トリオだった。

山﨑 最初の印象っていうか、知ってたから。なんかすごいんだなぁって。

高橋拓 そうだよね、そうなるよね(笑)。

山﨑 噂が流れてきて、伊舎堂がやばいやつだって(笑)。会ってみたらまぁまぁ…(笑)。

伊舎堂 普通だから。

高橋拓 飛び抜けてぶっ飛んでた(笑)。

伊舎堂 普通だから。お前らがつまらなさすぎる。

高橋拓 いやいや(笑)。つまらないじゃなくて真面目って言って。お前らと同じ土俵に立たせないでくれ。

――お互いのプレーの印象を教えてください

伊舎堂 拓は悪いとこしかないからなぁ…。

高橋拓 やめて(笑)。あるじゃんドスコイとかドスコイとか。

伊舎堂 …。

高橋拓 こういう扱いなんですよ…。

伊舎堂 太くて使えない。

高橋拓 やめて(笑)。

伊舎堂 ジャパンからそうじゃん。

高橋拓 たしかにジャパンの時は全然使えなかった。それは自分でも認める。

伊舎堂 ワセダきても…。

高橋拓 いや、ワセダきてちょっとは張れるようになった。体格を生かして…。いや、なんで自分で言うの(笑)。頼む、褒めて。

伊舎堂 褒めるところある?(笑)。

高橋拓 ドスコイでしょ!

山﨑 まぁ間違いなく今のワセダのポストの中だったら1番あれじゃん、太いじゃん?

高橋拓 太いじゃんって…。

山﨑 7メートルまで持って行けるじゃん。退場付きとかイエロー付きとか。まぁワセダのポストだったらね。

高橋拓 だったらね?(笑)。何その日本全体で見たらみたいな(笑)。

――伊舎堂選手のプレーの印象は

山﨑 余裕がある。

高橋拓 派手。

伊舎堂 狙ってるもん(笑)。見られてるからね。

山﨑 プレー見ててめっちゃ余裕がある。

高橋拓 駆け引き楽しんでる。

山﨑 視野が広いし、焦ったりしないし、状況判断二重丸。

高橋拓 特殊能力みたいに言うなよ(笑)。ゲームかよ。

山﨑 キレキレだし。

高橋拓 あぁ、確かにキレキレだわ。

伊舎堂 お前(高橋)に比べたらな。

高橋拓 そうね…(笑)。

山﨑 上手。Very wellって感じ(笑)。

高橋拓 (伊舎堂を見て)博武はなぁ…。

伊舎堂 俺の顔見てもプレースタイル載ってないから。

高橋拓 そうね(笑)。純粋にハンドボールを楽しんでるって思う。リーグ戦で1点差2点差の場面でも回ってペナルティーを打ったりノーマークでスピン打ったり、なんかすごい状況に飲まれることなく魅せるプレーをやってるな、っていう印象です。さすがっていうね。

山﨑 拓のコメントつまんないわ、寝そうだった(笑)。

高橋拓 やめて(笑)。

――山﨑選手の印象を教えてください

伊舎堂 ロングシュート。

高橋拓 あと主演男優賞。

山﨑 何それ?

高橋拓 こいつシミュレーションうまいんすよ。

山﨑 シミュレーションじゃないから(笑)。

高橋拓 シミュレーションっていうかあまり触ってないけど自分から飛んで行って相手にイエローを与えるっていう。

伊舎堂 ぐにゃぐにゃしてる。

山﨑 それ去年の対談でも言われた気がする(笑)。

高橋拓 だからそれだよ(笑)。

伊舎堂 あと膝が弱い。全然プレーじゃない(笑)。

高橋拓 いつ壊れるかわからないよね。

山﨑 お前だよ一番壊れてるの。

高橋拓 うるせーよ(笑)。

伊舎堂 ロングシュートがうまいって言ったのは、純平はディフェンスとの距離とか間合いとかキーパーが取りづらいタイミングとか狙ってるし、簡単に流れた方向には打たない。肩が柔らかいからプロンジョンシュートとかいろいろな種類のロングシュートが打てる。

高橋拓 あと、パスがすごく柔らかい。ポストにいて、純平が出すパスはすごく取りやすい。

伊舎堂 ポストはなんでも取れよ。

山﨑 どんなパスでも取れ。

高橋拓 ワセダの中の誰よりもポストに優しいパスを出してくれる。

山﨑 心が出てるわ。優しい心柔らかい俺。

――プレー以外での印象を教えてください

伊舎堂 (高橋は)大食い、早食い。俺は食べるの遅いよ。いや、たぶん普通なんだけどこいつらが早い。他の人と食べると早いもん。

山﨑 早食いだけど吸収率見てみ(笑)。

高橋拓 大体同じもの食べてるのにね(笑)。吸収率が違うよね。(二人が高橋を触る)むにむにしないで。俺この絡み絶対くると思った。

伊舎堂・山﨑 拓の印象はふとっちょ、早食い、丸い。

高橋拓 マイナス面しかないじゃん。お前(伊舎堂)の印象は、ぶっ飛んでる。すごく。理解ができないよね。

山﨑 俺は理解できるけど。

高橋拓 嘘でしょ(笑)。よくそれ度胸あるよなってときない?

伊舎堂 あ、あと友達が多いとか?

高橋拓 あぁ、お前顔広いよな。

山﨑 授業来てくれと。

伊舎堂 印象じゃないじゃん。

山﨑 メッセージじゃん(笑)。

山﨑 一言になった。顔広いのはわかる。意外と繊細だよね。

伊舎堂 天才?

山﨑 繊細(笑)。

伊舎堂 繊細かぁ。何が繊細?あ、家はきれいかも。

高橋拓 そうだよね。

伊舎堂 きれい好きなわけじゃないけどきれい。たまにめっちゃ掃除したくなる。夜中に起きて。気分屋だからな。

――学年の雰囲気を教えてください

伊舎堂 最高だと思う。

高橋拓 本当に仲良いね。

――オフの日にみんなで過ごしたりはしますか

伊舎堂 いや、そこまで仲良くはない(笑)。オフの日月曜日だもん。

高橋拓 授業あったりするよね。

山﨑 俺夜勤明けで寝てるわ(笑)。

高橋拓 そうだったね(笑)。

高橋拓 皆で遊びに行ったりはあんまりないよね。

伊舎堂 皆でリーグ終わりにご飯行ったりはする。全員じゃないけど。

高橋拓 何かしらの企画はするよね。

――最初にハンドボールに出会ったきっかけは何ですか

伊舎堂 幼稚園からの友達に誘われて、小学校3年生のからやった。最初はサッカーしようと思ったけど、ハンドボールを見に行って、ペナルティ打ったんです。小学生ってドッジボール好きじゃないですか?同じ感覚だったからはまって、そこからずっとやってますね。

――では小学校のドッジボールでは大活躍ですね

伊舎堂 そうそう、エースだったから(笑)。

高橋拓 だろうな。

伊舎堂 陸上とかボール投げとかは全部やってた。それで肩壊したけど(笑)。

高橋拓 え、そうなの?

伊舎堂 うん、けどそしたらしなった(笑)。

山﨑 ドスコイは?

高橋拓 ドスコイって呼ばないで(笑)。

伊舎堂 ドスコイしてたらハンドボールに出会ったの?(笑)。

高橋拓 いや、野球。

山﨑 きっかけ相撲だもんな。

高橋拓 いや(笑)。相撲やってないから。相撲体験ゼロ。中3ぐらいまで本格的に野球やってて、中3の6月ぐらいに野球のクラブチームを引退したんです。籍はハンドボール部にも置いてたんですけど、ハンドボール部の顧問に「お前体でかいからハンドボールやってみろ」って言われてやったら意外とハンドボールはいけるなって。

山﨑 いけるな?(笑)。

高橋拓 野球よりかはうまくいきそうだなって(笑)。で、ハンドボールをやって。そして、ハンドボールやるために富岡高校に行きました。

山﨑 俺はバスケやってた。なんか人がいなくなったのかな?友達と一緒に入って、その友達がバスケやめてハンドボールを始めて。ハンドボールやろうって言ってきて一緒に行ったのが始まりです。

――ハンドボールやっていなかったら今何をしていると思いますか

山﨑 テニス!

伊舎堂 なんで?

山﨑 あ、違う、間違えた。

伊舎堂・高橋 え、どういう間違い(笑)。

高橋拓 俺は野球かな。

山﨑 部活やってない人生とかも一回送ってみたいよね。

伊舎堂 そしたら高校行けなかったかも。

高橋拓 え、本当に?

山﨑 中学は部活軽くやる、高校は部活やらない、遊ぶ、カラオケ、大学は専門学校行って。ハンドボールを全くやらない人生も送ってみたい。

高橋拓 そしたらワセダいなかったじゃん。

山﨑 いないね。

――4年生の印象を教えてください

山﨑 西山さんは責任感がある。

高橋拓 なんだろう、4年生は一言では言えない個性がすごくて。西山さんは本当に表で引っ張っていってくれて自分が先頭に立って引っ張っていってくれる感じで。光也さん(松本副将、社4=神奈川・法政二)は口数が少ないけどそれを陰から支える縁の下の力持ちって感じで、志明さん(渡邉、スポ4=東京・両国)はムードメーカーって感じで、はせさん(長谷川大耀、政経4=東京・早実)もすごい志明さんと一緒に盛り上げてくれて、4年生各々がチームでの役割を果たしてる。本当に頼りがいのある4年生だと思います。

「感謝の気持ちを持って」(伊舎堂)

インカレに向けての意気込みを語る伊舎堂

――インカレの組み合わせについての感想をお願いします

伊舎堂 国士舘大に勝てば決勝には行ける気がする。

山﨑 関学大とか。

伊舎堂 ワセダが関西のチームに弱いから、そこをどうにか乗り越えないといけないですね。横パスとか速いパス回しについていけないし、ポストの使い方も関東ではあまりないプレースタイルで上手だから。この前の定期戦でも関学大には負けてるし、体格で勝っていても、あっちはスピードとテクニックを強みにしてきて、負けてしまったから。インカレでも一回戦で当たるので。今度関大と練習試合があるんですけど、そこで関西のチームのプレースタイルを体で覚えて、インカレに臨んでいかないと危ないかなと思います。 国士舘大は秋季リーグでやっているのですが、勝てない相手ではないと思っています。残りの時間で技術とか体力が上がるわけじゃないと思うから、自分たち3年生が主体で出ているのでメンタル面を意識して鍛えるというか、自分たちでしっかり立て直せるメンタルを残りの期間でできる限り身に着けていかないといけないと思います。

――インカレでキーマンになる選手を挙げてください

伊舎堂 羽諸(大雅、スポ2=千葉・市川)。理由はやっぱり3年生二人のキーパーに比べて安定感があるし、サイズもあってなおかつ試合中にディフェンスで簡単に抜かれたときに止めてくれたりとか、流れを握るキーピング技術があるから。こっち側にいい流れを引き戻せることがリーグ中に何回もあったし助けられているから、インカレではキーマンになるかなと思います。

高橋拓 僕は光也さんを挙げたいですね。ディフェンスでも3枚目で要ですし、秋季リーグの得点力不足の課題の一つとして挙がったのがポストなので、やっぱり光也さんなり、僕なり、四十宮(実成、政経3=徳島市立)なりがしっかり機能して、得点力を上げれば勝利に近づくんじゃないかなと思います。

山﨑 颯馬(三輪、スポ3=愛知)。小さい体で溌溂(はつらつ)としたプレーとかパフォーマンスとかするじゃないですか。あれでチームが乗れるから。短期決戦では乗ったチームが勝つことが多いから、彼の活躍がチームにいい影響を与えてくれるのではないでしょうか。元気だから、ワンプレーで盛り上げてくれる。

――インカレでの目標をお願いします

伊舎堂 Twitterで1000いいねもらえるシュート。

山﨑 現代っ子かお前。

一同 (笑)。

伊舎堂 真面目に答えると、オフェンスでは自分も生きて周りも生かすプレー。ディフェンスでは相手のエースポジションを守るからしっかり押さえたいし、ディフェンス中あんまり声出さないから、一人で守れるようにしたい。そうすれば周りが苦労することないから。

高橋拓 僕はワンポイントで出場する場面が多いので、一つのプレーに全力を尽くします。博武とかみたいに魅せる派手なプレーができない分、泥臭くて熱いプレーでチームに流れを持って来れるように頑張りたいと思います。チームとしては新チーム発足当初から掲げてきた日本一を達成して、最後に笑って4年生を送り出したいなと思います。

山﨑 主演男優賞狙いますかね(笑)。僕も結構得点に波があるからそこを安定させて、自分らしいプレーでチームに貢献したいです。チームとしては、悔いが無いように戦う。ワセダらしく泥臭いプレーで優勝したい。

――今のチームの強みや特徴は何ですか

高橋拓 ベンチに入れなかったメンバーも一緒になって盛り上がってくれて、雰囲気をつくってくれるところじゃないですかね。

伊舎堂 プレー面は、ディフェンスに関してはウエイトしてるから体はそれなりにあるし、他のチームがウエイトを始めてきてはいるけど、ワセダはずっと5年くらいは継続してウエイトトレーニングを中心にやってきているから、体格的にはほかのチームと比べて劣ってないし、それを生かしたプレーができるっていうのも強みにはなるかなと思います。オフェンスは、体をつくっている分間割るのも強くいけるし、ロングシュートも打てる選手がいるし、サイドシュートうまい人もいるし、ポストはしっかり張れれば。ディフェンスの時と一緒で、ワセダは体を生かしたプレーが持ち味っていうか、それしかないので。それが中心的な強みだし。コート外は下級生が、有名な高校から来てるわけじゃないけど、必死に上に追いつこうと頑張っているから、うまいとは言えないけどそういう姿勢を見せたら上級生も頑張らないといけないって刺激もらえるし、そういうチームが今できている。チームが始まったころに比べたらかなりチームワークも良くなってるし、あと少しの期間でチームワークと試合に出れる16人が責任を自覚することが大事だと思います。

――最後にインカレの意気込みを願いします!

伊舎堂 僕は戻らせてもらった立場であるから、応援してくれる人や支えてくれる人を一回は裏切ってるわけだから、それを忘れずに感謝の気持ちをしっかり持ってインカレに臨みたいと思います。

高橋拓 1年間通してやってきたオフェンスなりディフェンスなり体づくりを、インカレでしっかり全部出し切って戦ってきたいと思います。

山﨑 勝ちます。できるだけ上に上がってその雰囲気を味わっておきたい。ことし1年を締めくくる最後の大会なので、しっかりいままでやってきたことを全部出し切って優勝したいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 佐々木一款、大山遼佳)

それぞれの目標を書いていただきました!

◆伊舎堂博武(いしゃどう・ひろむ)(※写真中央)

1996(平8)年5月16日生まれ。沖縄・興南高出身。社会科学部3年。高校3年生の時に春の選抜、高校総体、国体の3冠を達成した立役者の一人で、約半年のブランクを経て復帰した伊舎堂選手。その実力は本物で、復帰後も主力として活躍を続けています。インカレでは意識している『魅せる力』で会場を盛り上げてくれるはずです!

◆高橋拓也(たかはし・たくや)(※写真左)

1996(平8)年4月3日生まれ。群馬・富岡高出身。人間科学部3年。山﨑選手が『ドスコイ』と呼ぶ体を張ったプレーが信条の高橋選手。得点後には雄たけびを上げるなど熱い男です。インカレでもチームを熱く盛り上げてくれるでしょう!

◆山﨑純平(やまざき・じゅんぺい)(※写真右)

1996(平8)年10月12日生まれ。岩手・不来方高出身。社会科学部3年。肩の柔らかさを生かした多彩なシュートがウリの山﨑選手。西山主将が欠場していた秋季リーグでは3枚目も務めました。インカレでは伊舎堂選手も絶賛するロングシュートに注目です!