【連載】インカレ直前特集『To The GLORY』第3回 齊藤孝佳×宗海皓己×三輪颯馬

男子ハンドボール

 対談第3回を飾るのは、齊藤孝佳(人3=城北埼玉)、宗海皓己(スポ3=高知・土佐)、三輪颯馬(スポ3=愛知)の3年生トリオ。それぞれが役割を持つ全日本学生選手権(インカレ)を前に、現在の三人の心境を語っていただいた。

※この取材は10月8日に行われたものです。

「自分で立て直す力が必要」(齊藤孝)

秋季リーグを振り返る齊藤孝(右)とそれを見る三輪(左)

――秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)の振り返りをお願いします

齊藤孝 順位が(春より)1つ上がったことはすごい良かったんじゃないかなと思います。ただ、勝てるであろうに相手に勝ち切れなかったのが課題なのかなと思いました。

三輪 春にセットオフェンスの得点力不足っていうのが挙がっていたので、秋は春よりもオフェンスは良くなったと思います。ただその分ディフェンスが日大戦や順大戦で崩れてしまいました。それが新たな課題だと思うので、いいところも出せたし悪いところもわかったというのが感想ですね。

宗海 春の結果を踏まえていい練習ができたと個人的には思っていて、いいかたちで秋リーグには臨めました。結果だけ見ると春よりもいいんですけど、やっぱりあと一つ結果がついてこなかったというのは悔しい部分です。

――個人としてはいかがでしたか

三輪 全然ダメだったかなというのが秋リーグの評価です。やっぱり僕はサイドシュートやノーマークシュートが多いので、確実に決め切らないといけないのにシュートミスが目立ったので、そこは課題が多く残るところでした。

宗海 春よりもシュート決定率は上がったんですけど、オフェンスとディフェンスのトータルで考えると、スタートメンバーのなかで足を引っ張っていると自分では思っているので、得点は取れても勝利には貢献できていないと思います。

齊藤孝 ほとんど出ていないので、評価のしようがないと言えばそれまでなんですけど、ペナルティとかで出させてもらっていて、結局止めてはいないので点数をつけるとしたら0点…ですね。

――ペナルティで入る時に心掛けていることはありますか

齊藤孝 ある程度この選手はこのコースを打ってくるだろうなというのが何となくあるんですけど、なるべく絶対ここだと考えすぎないようにしています。でも結局それがうまくできていないのかなと思います。

――芳村優太コーチ(平27スポ卒=愛知)の加入で、練習中の変化はありましたか

三輪 やっぱり今までは学生主体でやってきて、どうしてもそれだと締まりが悪いというか。でもそこで芳村さんが来てくれて、前よりも練習が充実してきたし、一つひとつの練習メニューもチームの課題に対しての練習なので、そこは芳村さんが来てくれてプラスになった部分だと思います。

宗海 うん。プラスしかないと思いますね。マイナスな部分は思いつかないですね。練習面でもチームマネジメント的にも、ここまで尽くしてくれている人がいるっていうのは大きいと思います。

齊藤孝 右に同じくです。

――春と秋を通して、チームの一番の課題は何だと思いますか

三輪 僕としては技術面よりも雰囲気というかメンタル面が課題だと思いますね。いい試合ではチーム全体で盛り上がりますけど、崩れだすとチーム全体で沈んでいっちゃうので。インカレは一発勝負なので、最後まで盛り上げていかないといけないです。

宗海 雰囲気的な面は、一人ひとりが変わっていかないときついと思います。

齊藤孝 本当に二人と同じになるんですけど、僕もメンタルの部分が一番大きいと思います。スタッフの方からもメンタル面が課題だと常々言われているので、個人で試合のなかで調子が悪い時に自分で立て直す力が必要だと思います。特に秋リーグ始まるちょっと前からそれを痛感していて。普段の練習から思うように体が動かなくてずるずる引っ張ってしまって、普通の状態に戻すのが大変だと感じることがあるので、やっぱりメンタル強化が必要だなと思います。

――この秋季リーグでの収穫はありましたか

宗海 春に比べて(試合に)出るメンバーは増えたよね。清原(秀介、商2=東京・早実)が復活したのもあるし、理玖(前田、スポ1=福井・高志)とか義志(宮國、社2=沖縄・浦添)とか。ちょっとだけ選手層が厚くなりました。

三輪 ディフェンスで、今までは西山さん(尚希主将、社4=香川中央)光也さん(松本副将、社4=神奈川・法政二)だけが3枚目だったんですけど、四十宮(実成、政経3=徳島市立)とか拓(高橋拓也、人3=群馬・富岡)がディフェンスでの出場機会も増えたので、そこはみんなを休めさせることができるというか、いいことだなって思います。

齊藤孝 春負けた相手に秋で勝てたのは大きな進歩だと思います。ただ、東海大や順大に勝てなかったのは、秋リーグの大きな痛手というか。今までの良くなかった部分がインカレ前に出たという部分では良かったと思います。あとは日大とか順大みたいに今のワセダがあまり得意としていない相手にインカレ前に当たったことで、対応策をつくる時間ができたのはいいことだと思います。

――ことしの試合で一番印象に残っている試合はどの試合ですか

齊藤孝 秋季リーグ最終戦の国士舘大戦(●28-31)ですね。最初勝っていてイケイケだったのに、途中で流れが悪くなって、それを引きずって結局逆転負けしてしまいました。インカレではそれで終わってしまうので、勢いがいいのを継続していくっていうのと、逆に悪い流れで入ってしまった時の立て直し方を、これからの練習期間で詰めていかないといけないなと思いました。

三輪 僕は秋季リーグの筑波大戦(〇27-24)です。あの試合が僕の印象ではチームが一つになった試合じゃないかなと思います。ディフェンスもオフェンスもみんなが強気でいけていたので、あの試合ができればどのチームにも通用するんじゃないかなと思います。

宗海 被った…(笑)。じゃあ春の日大戦(●23-28)ですかね。僕の大学デビュー戦だったので、やっと試合に出れたというのと、負けたんですけど、自分は4得点できて。負けたのはもちろん悔しかったんですけど、3年目にしてようやく得点できて、自分の努力がかたちになったのでうれしかったです。個人として印象に残っているのはそれですね。チームとしては秋の筑波大戦ですね。理由は(三輪と)同じです。

「僕たちは親友です」(宗海)

お互いを見る宗海(左)と三輪(右)。二人は親友だそうだ

――初めて会った時の第一印象はいかがでしたか

三輪 僕と宗海は3月9日に同じ田無寮に入寮したんですよ。

宗海 これは話すと長くなるよな(笑)。1年の最初のグループLINEがあって。(三輪の)名前だけ知っていて、同じ寮の部屋も隣だということがわかって。こいつがどんなやつなんだろうと思って待ってたら、お母さんと二人で来て。

三輪 それはいいだろ(笑)。顔は何となくアイコンとかでわかっていたので。僕は人見知りだったので、特別しゃべることもなく(笑)。

宗海 ちょっと気まずい感じで颯馬と颯馬のお母さんと3人で寮飯を食べまして。

三輪 宗海と僕のお母さんがただしゃべっているっていう(笑)。

宗海 颯馬が全然しゃべらなくて。あんましゃべらん子なんかなと思って部屋に戻ったら、部屋行っていい?って連絡が来て。こいつめっちゃ積極的なやつやんって思って、いいよって言ったらすぐに部屋に来て。二人でベッドにちょこんって座って話してました。

三輪 ベッドに横向きに座って(笑)。

宗海 他愛もないどうでもいい話をして。それを思い出すと面白いですね。

三輪 たか(齊藤孝)は途中からだったからな。

齊藤孝 僕は4月半ばに入部して、ここ(三輪と宗海)と同じ寮だったので。

三輪 たかは…ランがめっちゃ遅かった(笑)。

一同 (笑)

齊藤孝 シャトルランっていう練習があって。みんな1分切れるんですけど僕は本気で走っても1分20秒か30秒かかったんですよ。

三輪 最初はこいつマジかって思いました(笑)。

齊藤孝 相当遅かったですね。

三輪 でもそのときだけだったよね。

齊藤孝 今は普通に走れるので大丈夫なんですけど。

三輪 たかはそのイメージが相当強い(笑)。こいつ遅いなって(笑)。あんましゃべらなかったもんな。みんな人見知りなんですよ(笑)。

齊藤孝 あと(同じ寮に)小畠(夕輝、スポ3=岡山・総社)もいて。最初はみんなあんまりしゃべらなくて。何カ月かしてようやくお互いに話すようになりましたね。

三輪 たかに関しては最初のイメージはあんまりないです(笑)。

――では今のお互いの印象はいかがですか

三輪 ちょっとなんか恥ずかしいな。

宗海 これは恥ずかしい。

三輪 よくわかんない部分はあるんですけど、たかはハンドボールの面では努力家ですね。自分でメニューを考えて、一人で黙々とやっていて、たまにこれ意味あるのかなっていうのもあるんですけどちゃんとやっていますね。チームメイトとしてはお互いに高め合える仲です。

宗海 たかは暗いですね。闇を抱えていますね。

齊藤孝 自分ではそういう風に全く思わないんだけどな。

宗海 飯に行ったりすると、暗い話をしだすんで。

齊藤孝 でも最近宗海とあんまりそういう機会がないので、僕の情報が更新されてないですね。

宗海 確かに確かに。まあ聞きたいとも思わんけど(笑)。

――ではその暗いエピソードを一つ教えてください

三輪 なんか、「俺絶対結婚できんわ」って言ってました。出家しようかなって。

齊藤孝 それは確かに言ってた(笑)。今は言わないですけど。一時期めっちゃ言ってた。

三輪 もうわかったから、したいならしてって思ってました(笑)。それをいつも言ってたね。

齊藤孝 もう俺の印象は暗いで片付けられたから。

三輪 たかから俺らの印象もちょうだいよ。

齊藤孝 今の印象か…。今の印象!?

宗海 正直に。

三輪 ここでしか言えないから。こんな話はできない。

齊藤孝 わかんないなあ。

三輪 そんな中身のない3年間だったのか…。

齊藤孝 颯馬は明るいです。いつも笑顔みたいな。宗海は真面目というか冷静です。いろんなことを客観的に見てるなあと思います。すごい頭が良くて分析力があります。

三輪 そう?(笑)。

宗海 まあその通りだよね。確かに。

齊藤孝 颯馬は下級生のときはかわいいって感じだったけど、最近そういうのないなって。

三輪 もう21歳だから。

齊藤孝 ハンドボールしているところ見てすごいたくましいなって。ギャップがすごいですね。

三輪 それはよく言われます。

齊藤孝 かっこいいなって。

――宗海選手から三輪選手は何かありますか

宗海 ここはもう親友です。

三輪 まあ一番一緒にいるからな。話せばいっぱい出てくるんですけどね(笑)。

宗海 なんでも颯馬に相談していますね。

三輪 すぐに連絡が来ますね(笑)。でも一緒にいるのは長いんですけど、いろんな価値観は合わないです(笑)。もう全く合わない(笑)。

宗海 もうお互いに頑固なので。全然合わないので、いつもけんかしていますね。さっきもけんかしましたからね。お昼ご飯どこに行くかで。

三輪 僕が勝ちましたけどね。

宗海 いつも僕が譲るんですよ。

――ちなみに何を食べるかでもめたんですか

三輪 恥ずかしいな(笑)。僕は自分が働いているとんかつ屋が良くて。同じチェーン店で、そこに行こうと言ったら…。

宗海 僕がカツを食べたい気分じゃなくて。その店がちょっとだけ駅から遠かったので、それなら近くにある定食屋に行こうって。カツしかないところじゃなくていろんな定食があるところがいいと思ったんですよ。しかもそのとんかつ屋田無にもあるのに何で青葉台まで来てそれ食べなあかんのって思って。

三輪 とりあえず(とんかつ屋を)見に行こうって言って、いつの間にか食べてました。

宗海 僕が譲りました。

三輪 まあありがとうって。いつもこんな感じです。

――お互いのプレーの印象はいかがですか

齊藤孝 二人とも速いなって思います。

三輪 (笑)。

齊藤孝 ポジション柄二人とも両サイドで速いのもあるんですけど、普通に他の選手と比べても動きにキレがあって速いなという大ざっぱな印象ですね。

宗海 僕は颯馬が日本一サイドシュートがうまいと思っています。本当にうまいです。シュートバリエーションが多いし、アジリティーに関してはもう…日本のアジリティーランキングではトップ5に入ると思います。この身長でこの瞬発力、フィジカル、本当に素晴らしいと思います。

三輪 恥ずかしいな。

宗海 たかは、なぜかノーマークにだけ強い(笑)。それと僕はたかの逆サイドシュートは苦手ですね。まあ外さないですけど。

三輪 たかは僕もあまり得意なタイプではないですけど。いつも一緒にやっているからお互いの弱点をわかっている感じで、やりづらいです。ことしはあんまり見られないけど、ペナルティで止めてくれたらチームは盛り上がると思います。インカレに期待したいです。宗海は、今までは僕だけが速攻を走るというか。ワンマン速攻は基本こっちだったんですけど、宗海も速攻が速いので、僕にマークが集まるなかで逆側で決まるのは素直にうれしいです。でもオフェンスよりかはディフェンスの方がうまいのかなと僕は思いますね。

宗海 ワンマン速攻の速さ争ってたもんね。

三輪 スピードタイプっていうところでは似てると思います。負けないようにしたいなと思います。

――3年生はどういう学年ですか

三輪 個が強いというかもう…。

宗海 まとまりがないですね。

三輪 全然まとまらないです。

齊藤孝 それぞれキャラクターが濃すぎて。

宗海 みんなが自分を持っています。不協和音ですね。

三輪 いいところでもあるんですけど悪い部分もありますね(笑)。やっぱりまとまりがないので。それが率直な意見です。

齊藤孝 その通りだと思う(笑)。

――普段はあまり一緒にいないのですか

宗海 何となく二つに分かれちゃいますね。

三輪 仲悪いわけじゃないですけど、趣味が(笑)。

宗海 行動パターンが違うというか。僕が4年生と相部屋というのもあって、いつも4年生と一緒にいるので、3年生と一緒にいれないっていう。

三輪 まあそれは(笑)。

齊藤孝 仲はいいけど自然と分かれちゃう時もありますね。

三輪 あんまり全員一緒にいることはないね。

宗海 ないね。

――仲のいい部員は誰ですか

宗海 仲いいだったらあの人だわ…志明さん(渡邉、スポ4=東京・両国)。

三輪 一緒にいる時間が一番長いのは僕も志明さん(笑)。なんか…ね(笑)。

宗海 志明さんが一番一緒にいて楽ですね。悪い意味ではなくて(笑)。

三輪 一緒にいるのだったら西山さんもじゃん。

宗海 …(笑)。でもまあ一人って言われたらそりゃ志明さんやん。

三輪 サイドでいつも一緒に自主練やっているので、僕は一番接する時間が長いですね。

齊藤孝 僕は誰だろう…。

三輪 お前はアビ(大沢アビ直美、スポ2=東京・佼成学園女)じゃん。

齊藤孝 アビ!?(笑)。

宗海 違うよ華子(伊地知、社3=宮崎学園)だろ。

齊藤孝 いやいや女子部!?(笑)。うーん誰だろう…。あんまりパッと思い浮かばないなあ。

三輪 え!?羽諸(大雅、スポ2=千葉・市川)じゃん。

齊藤孝 あー。羽諸かなあ。羽諸か春慶(小林、スポ2=長野・屋代)なんだよなあ。

三輪 よくご飯行ってるもんね。

齊藤孝 羽諸ともよく飯行ってるから、その辺ですね。どっちって言われるとどっちとも言えないですね。羽諸か春慶です。

――オフの日は何をしていますか

齊藤孝 今は教習(自動車学校)ですね。

三輪 今全員通ってるんで。

宗海 颯馬はデートしてるからね。いつも僕がオフに遊ぼうと言っても、デートだからって断られます。そっけないです。

三輪 まあ否定はしないですね(笑)。僕はその予定がないと全然行動しないですね。部屋で動かないです。基本あんまり動きたくないので。ゆっくり体を休めますね。

宗海 僕は逆で、予定がないのが嫌なので、本当に誰とも約束がなければ一人でどこか行きます。東京やったらなんかあるやん。どっか外に出る。最近一人で行ったのは、六本木ですね。なんか行きたくて。

三輪 だっさ(笑)。

宗海 なんか六本木ってださいな…ませてる感じで。

齊藤孝 いや…しゃれてると思うよ。

宗海 六本木はカットで。

三輪 ダメだよここ入れないと(笑)。カットしなくていいです(笑)。

宗海 まあどこか行きますね。自分の見たいものを。展覧会とか。めっちゃ真面目やん。

三輪 たまに(宗海と)二人で遊びに行きますね。稀に(笑)。いつも僕が断ってるんですけど、そのときはたまたま何もなくて。

宗海 僕がその日何も予定がなくて。でとりあえず颯馬を誘って。珍しく行ってくれました。何行ったっけ?映画だっけ?

三輪 まず二人でランチして。映画観ました。

宗海 面白かったよな。

三輪 絶対観ろよみたいな。

宗海 あ、あと誕プレ買ってくれたんだ。僕の誕プレを一緒に買いに行くっていう。これが欲しいって。

三輪 買わされました。まあそれくらいですかね。(齊藤孝に)お前は良く飲みに行ってるよな。

宗海 本当にね。やばいやばいやばい。

齊藤孝 これはカットでしょ…本当に。

三輪 いやいや、カットとかないよ(笑)。プライベート大事でしょ。

宗海 絶対女の子いるしね。

三輪 いるいる。絶対女の子いる。

齊藤孝 いやいや、そんなことないでしょ。ちゃんと男女均等にね。

三輪 同じ田無なのに、僕を誘わないで…。

齊藤孝 いやいや…(笑)。

三輪 みんなが田無にいた時はご飯とかも行ってたんですけどね。

宗海・齊藤孝 田無紺碧寮みんなでとか行ってたしね。

三輪 紺碧寮でゲームとかしてたんで。

齊藤孝 小畠の部屋でやっていました。

三輪 今はみんなで遊ぶとかはあんまりないですね。

齊藤孝 でもなんだかんだ結構な頻度で同期会とかは開催されるよね。

三輪 いやでも俺らが先導してとかはないじゃん(笑)。

齊藤孝 女子部の方から(誘いが)来て、男子が、じゃあって言って行ってます。

三輪 助かってます。

――齊藤孝選手は最近のオフは何をしていますか

齊藤孝 本当に教習で潰れているので…(笑)。最近は。

三輪 教習は大事だもんね。

齊藤孝 最近は本当にそれです。何やってるかな。日曜の練習後だったら月曜授業がないから…飲もうかなって。

三輪 結局(笑)。

齊藤孝 あ、買い物行く時はありますね。

三輪 主婦か(笑)。

齊藤孝 本屋とかは行くよ。いや、これは本当に。

三輪 いや別に疑ってないから(笑)。

齊藤孝 新宿行って、本屋で時間潰すとかやりますね。

――どういう本が好きなんですか

齊藤孝 買うわけでもなくて。

宗海 買えよ(笑)。

齊藤孝 買いたいんだけど…。

三輪 じゃあどんな本が好きなの?

齊藤孝 小説とか、高校の時の教科書に載ってる人とかの作品を見ながら、こんなの勉強したなと思って、買おうかなみたいな。っていうのを続けています。漫画は、部屋が小さいので買っても置く場所がないですね。というか本自体が。

三輪 さっきからお前尺取りすぎだよ(笑)。早くまとめろ(笑)。

――ハンドボールをやっていなかったら何をやっていると思いますか

三輪 難しいなあ。

宗海 面白い質問だ。

一同 …。

――ではハンドボールを始めたのはいつですか

一同 中一です。

宗海 絶対俺は何かスポーツはやってたから。バスケとかサッカーですかね。

三輪 球技かな。何だろう。僕小学生の時にドッジボールと器械運動をやっていて。器械運動はいやいややっていて、ドッジボールが主体だったので、やっぱり球技ですかね。バレーとか?

宗海 その身長で?(笑)。

三輪 リベロだよリベロ(笑)。

齊藤孝 俺はたぶん球技はやってないな。スポーツは何かしらやっていると思うけど。中学生の時、あんまりハンドボールをやろうとは考えていなくて。陸上部に入るつもりだったんです。なので陸上やっているかもしれないですね。

三輪 種目は何?

齊藤孝 んー、やり投げ?

三輪 やってそう(笑)。

宗海 やり投げか砲丸投げやろうな。

齊藤孝 そうですね。

――宗海選手は部のモチベーションビデオをつくっていますが、どういう思いでつくっていますか

宗海 僕は高校生の時からワセダのモチベーションビデオを見ていて。その時はハンドボールうまいなぐらいにしか見てなかったんですけど、ワセダに入ってモチベーションビデオつくりたい人いる?ってなった時にやりたいなと思ってやり始めました。最初試合に出られないころは何かしらで褒めてもらいたいというのがあったので、モチベを頑張って力になれればいいなと思っていました。ただ、だんだんやっていくうちに、映像編集が好きだということに気が付いて、今は自分がつくったものでモチベーションを上げるっていう部分は根底にあるんですけど、つくるのが楽しくなっちゃって。思いとしては僕の映像を見て頑張ってほしいというか…。

三輪 他人事だなおい(笑)。

宗海 みんなをやる気にさせるものをつくりたいというのは変わっていないですね。

――三輪選手と齊藤選手はそのモチベーションビデオをご覧になっての感想はありますか

三輪 僕は好きです。ね?(笑)。他の大学よりも完成度は高いと思うし。

宗海 モチベをつくってる俺の話じゃないの?(笑)。

三輪 僕はモチベーションビデオを何回も見るので、すごい才能だと思います。

宗海 颯馬はヘビーユーザーだからね。モチベの曲を颯馬が歌うんですけど、歌詞も覚えないんですよ(笑)。いい歌詞だから使ってるのに、適当に歌うので、イライラしますね。

三輪 まあしょうがない。

齊藤孝 すごいクオリティが高いし、本当に素晴らしいと思って見ています。

三輪 なんか軽いな(笑)。

宗海 薄い薄い。

齊藤孝 さっき宗海がいい歌詞があると言っていたように、すごくメッセージ性が強いなと思って、見ててモチベーションは上がりますね。歌詞と場面がすごい合っていて、これはモチベーションが上がるなという時はすごいあります。あとインカレの時に宗海がモチベーションビデオを徹夜でつくって、朝とかフラフラになっていたんです。でもみんなは宗海が徹夜で素晴らしいものをつくっているとわかっているので、みんないいよいいよって言ってて。それを見ていいチームだなと思ったし、宗海もすごいなと思いました。

――という二人の言葉を聞いていかがですか

宗海 努力を認めてもらえてうれしいですね。(おととしの)インカレの決勝前のモチベで泣かせてしまったんですよ。いいモチベすぎて。

三輪 確かに。

宗海 俺のモチベでかどうかはわからないですけど、泣いちゃったんで。

三輪 それぐらいいいものです。

宗海 曲が良かったんだよね。これは僕の持論で、昔ハセさん(長谷川大耀、政経4=東京・早実)もつくっていて言ってたんですけど、モチベは9割が曲なので。曲が大事なんですよ。これからもつくり続けたいと思います。引退してもつくります(笑)。

――期待している後輩を教えてください

齊藤孝 能力的にも僕の方が劣っているし、こう言うのも本人に失礼かなとも思うんですけど、羽諸はすごいなと思います。

三輪 あえて言うなら僕は義志(宮國、社2=沖縄・浦添)に期待したいですね。あんまりスタートでは出ないんですけど、途中で代わって決めてくれると助かるというか。代わった人が決めるというのはチームが盛り上がるので、インカレでも活躍してほしいですね。

宗海 春慶と島田(将平、社1=神奈川・鎌倉学園)。二人とも高校時代僕と同じように大した成績をあげているわけでもないですし、受験組の子なので、下級生の時は能力の差を感じていると思うのですが、頑張ってほしいですね。ワセダは伝統的に無名の人たちが頑張っているイメージなので、それを続けていってほしいです。島田は同じポジションで、最近しゃべることも多いので、頑張ってほしいと思います。

インカレでは結果を出す

インカレに向けて強い気持ちを語る三人

――インカレの組み合わせをご覧になっていかがでしたか

三輪 見た瞬間はおお、と思いましたね。

宗海 パッと見きついところに見えるよね。

齊藤孝 マジか、みたいな。

三輪 たぶんどこの1回戦よりも相手が強いので。

齊藤孝 早関戦(早関定期戦)であれだけボコボコにされているから、リベンジするぞ、という感じですね。

三輪 リベンジです。

――初戦の関学大、勝てばおそらく2回戦は国士舘大とリベンジの機会が続きます

三輪 でもやっぱり先は見ない方がいいので、まず関学に勝たないと次はないので。やっぱり関学一本で見るべきだと思いますね。

――ことしのチームの強みは何だと思いますか

宗海 技術的なうんぬんじゃなくて、さっきもメンタルが課題といったんですけど、(気持ちが)乗ったらオフェンスもディフェンスも強いチームというか、ざっくりしてますけどいい時のワセダは日本一になってもおかしくないくらいだと思っています。

三輪 技術的な面でいうとディフェンスですかね。勝つ時はだいたいディフェンスがいいので、インカレでどれだけそれを出し切れるかが大事かと思います。

齊藤孝 僕が今まで3年間部活でプレーしてきたなかで、今が一番全学年の一体感があると思っています。ベンチの外にいる選手もスタッフも含めて、すごい声を出して盛り上げてくれるし、ディフェンスについてアドバイスもしてくれるし。ベンチ、ベンチ外、コートにいる人、全員が一体感があります。それが僕の思う強みですね。

――インカレで自分の果たすべき役割は何だと思いますか

齊藤孝 僕は今どういう状況で試合に出るかが見当もつかない状態なので、かたちはどうであれ出場したら止めるということですね。止めるのが一番大事というのは痛感しているので、止めてチームに貢献することです。

三輪 僕の持ち味の速攻でチームを楽にさせるのと、盛り上げですね。一番僕が周りが見える位置なので、積極的に盛り上げていきたいです。

宗海 僕は決めるところは決める、守るところは守るという当たり前のことを徹底してやることが大事だと思います。

――インカレで勝ち上がるためのキーマンを教えてください

三輪 4年生だと思います。

宗海 西山さんですかね。

齊藤孝 義志かな。秋の中大戦(△30-30)に負けなかったのは義志が最後決めてくれたからだし。起爆剤になるというか、途中で出てきていい流れにしてくれると思うので、期待しています。

――4年生とやる最後の大会になりますが、4年生への思いは

三輪 一番過ごす時間が長かったし、お世話になっているので、優勝というかたちで終わらせてあげたいです。4年生との時間が濃かったので、何とか最後は笑顔で終わらせてあげたいと思います。

齊藤孝 1年生の時から面倒を見てもらっていて、一番お世話にもなっているし、一番苦労もかけていると思うので、勝つということで4年生の皆さんに恩返ししたいです。

宗海 去年のインカレとかで苦しい姿とか悲しい顔とかを見てきたので、感謝を伝えることは簡単ですけど、結果として残さないと申し訳ないので。結果で感謝を表したいです。

――インカレを勝ち上がるためのポイントは何だと思いますか

宗海 勝ち方が大事だと思います。1年生の時の函館インカレが印象的で、春も秋も勝てなかった東海大に、インカレで60分間終始ワセダのペースで試合を進められたんです。そこですごいいい波に乗れてそのまま決勝に行けたので。ことしもしっかり関学に勝って、2回戦の国士で秋のリベンジをして、いい勝ち方で流れに乗れればいけると思います。なので勝ち方が大事だと思いますね。

三輪 インカレは、実力を発揮するというのもあるんですけど、一番は勢いだと思うので、一発勝負のトーナメントでどれだけその試合を自分たちのものにできるかが大切です。なので、ポイントとしては雰囲気だと思います。一本入れて盛り上がって、守って盛り上がって、60分間盛り上がれれば、必ず勝てると思います。

齊藤孝 何個か前の質問で颯馬が答えたのと少し被るんですけど、次にはこの相手が来るだろうと考えるんじゃなくて、一戦一戦に集中して、その1試合に全てを懸けて勝って、というのを続けていけばいいんじゃないかなと思います。だから一戦必勝ですかね。

――インカレに向けての意気込みをお願いします

宗海 勝ちます。それだけだと思います。

三輪 去年悔しい想いをしているので、ことしはあんな思いは絶対したくないし、個人的には自分がシュートを外すのは許されないので、打つシュートは全部決めて、チームとしてもみんなで一つになって一戦一戦戦いたいと思います。

齊藤孝 何よりも結果を出すですね。個人としても、インカレに出場するためにはこの後の練習試合とかで結果を出さないとメンバーに入れてもらえないと思うので、そういう意味で結果を出すというのが一つ。もう一つはチームとして結果を出すということです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 佐藤慎太郎)

インカレへのそれぞれの思いを書いていただきました!

◆宗海皓己(そうかい・こうき)(※写真左)

1996(平8)年8月19日生まれ。高知・土佐高出身。スポーツ科学部3年。部のモチベーションビデオを製作している宗海選手。ハンドボールを全然知らないという人でもとても力をもらえます。インカレでは三輪選手とともに速攻の速さと、そしてモチベーションビデオをご覧ください!

◆三輪颯馬(みわ・さつま)(※写真中央)

1996(平8)年5月18日生まれ。愛知高出身。スポーツ科学部3年。早大の速攻マシーンとも評される素早い飛び出しと、バリエーション豊富で決定率の高いサイドシュートが武器の小さな巨人。インカレではそのプレーももちろんですが、得点後のパフォーマンスにもご注目ください!

◆齊藤孝佳(さいとう・たかよし)(※写真右)

1996(平8)年4月13日生まれ。城北埼玉高出身。人間科学部3年。去年の対談ではいじられ続けていた齊藤孝選手。ことしは暗いと言われてしまいました。そんな齊藤孝選手ですが、インカレに向けて与えられた出場機会でしっかりと『結果』を出すことを宣言してくれました!