強敵中大に引き分け!リーグ優勝に向け前進

男子ハンドボール

 日大に惨敗して一夜明けたこの日は強敵中大との一戦。関東学生春季リーグ(春季リーグ)で28-38と大敗した屈辱を晴らすべく、選手たちは並々ならぬ思いで臨んだ。この試合、何度も攻撃力のある中大に点差をつけれたが、そのたびにワセダは点を取り返す。終始白熱した試合は30-30の引き分けで終わり、中大を相手に貴重な勝ち点1を手にした。

 ワセダは序盤こそディフェンスがうまく機能せず相手に得点を許してしまったものの、徐々に足が動き始めるとディフェンスからの速攻やLB山﨑純平(社3=岩手・不来方)のロングシュートなどで点を決め調子を取り戻していく。また、日大戦では満足にできなかった連携のとれたオフェンスも機能。一時は3点差まで離されていた得点も13-12と逆転。しかし、一気に中大を引き離したいワセダだったが前半残り5分で退場者を出してしまい、さらに大事な場面でのパスミスもあり流れに乗り切れない。結局、14-15で前半を終えた。

前半から積極的に攻撃し7得点を奪った山﨑

 シーソーゲームから一歩抜け出したい後半、開始早々RB伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)がロングシュートを決めると、その後もパスカットからの速攻などで点を重ねる。肝心のディフェンスもしっかり固め、2点差まで相手を離すことに成功した。しかしまたここでも退場者を出してしまい、相手ペースに。そして、焦りからか4連続でシュートを決められず、逆に中大に速攻を決められ3点差まで広げられた。今度こそ中大の勝利かと思われた矢先、中大選手が退場。その隙にワセダは勢いを取り戻し、山﨑のロングシュートやLW三輪颯馬(スポ3=愛知)のループシュートなどで29-30と1点差まで詰め寄る。この時点で試合は残り1分、決死の思いで相手の攻撃をしのいで速攻に持ち込み、ボールは伊舎堂へ。しかしシュートは決まったが、その前のプレーでチャージを取られてノーゴールとなってしまう。さすがのワセダもここまでかと思われた。しかし最後に意地を見せ、残り2秒でCB宮國義志(社2=沖縄・浦添)がカットインで得点し30-30で試合終了。最後の最後まであきらめなかったワセダは中大相手に土壇場で追いついて見せた。

値千金の同点弾を叩き込んだ宮國(写真中央)

 幾度の劣勢を立て直し、強敵中大と互角に戦ったワセダ。30点と大量得点できたことは、芳村優太コーチ(平27スポ卒=愛知)が就任したことで、劇的にオフェンス面が進化したことの結果であろう。しかし、同時に攻撃力のある中大とはいえ30点も取られてしまっており、ディフェンス面での課題は残った。次の相手は春季リーグで優勝している筑波大。こちらもまた強敵であることに変わりはないが、きょうの試合を自信にして、勝利を収めたいところだ。

(記事 平松史帆、写真 林大貴、脇屋樹生)


関連記事

まさかの大量失点で今季初黒星/関東学生秋季リーグ(9/02)

圧倒的勝利で2連勝!最高のスタートを切る/関東学生秋季リーグ(8/27)

春のリベンジ!開幕戦を白星で飾る/関東学生秋季リーグ(8/26)


関東学生秋季リーグ
早大 30 14−15
16−15
30 中大
GK 羽諸大雅(スポ2=千葉・市川)
LW 三輪颯馬(スポ3=愛知)
LB 山﨑純平(社3=岩手・不来方)
CB 西山尚希(社4=香川中央)
PV 松本光也(社4=神奈川・法政二)
RB 伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)
RW 小畠夕輝(スポ3=岡山・総社)
対中大 得点表
選手名 前半 後半 合計
#5 小畠夕輝
#9 山﨑純平
#2 西山尚希
#7 伊舎堂博武 4(2)
#18 三輪颯馬
#22 宮國義志
#4 松本光也
合計 14 16(2) 30

※()は7メートルスローによる得点

コメント

CB西山尚希主将(社4=香川中央)

――きのうの敗戦から、きょうの試合へと切り替えはできましたか

日大には負けてしまいましたが、優勝は消えていないのでしっかりきょう勝って優勝につなげようという話はして臨めたと思います。

――きのうはディフェンスが崩壊してしまったように思いましたが、きょうはいかがでしたか

前半の立ち上がりでアタックがしきれずに、相手に打ち込まれていたりカットインされていて、前半の最後から後半にかけては機能した部分もあったと思います。

――途中で良くなったとありましたがなにかきっかけはありましたか

一人ひとりの意識があったのかわかりませんが、アタックしてその横が連動して足が動き始めたのかと思います。やっぱりできているときは声が出ていたりというところがあったのでそこを常にやっていければと思います。

――きょうは30点とたくさん得点できましたがそちらはいかがですか

オフェンスのミスももちろんあったんですけど、結果として30点と表れているのでそこはよかったのかなと思います。それに対して失点が30と同じだったのでそれを5点減らす、相手を25以下に抑えたいので、そこを試合で修正していかなければいけないと思いました。

――ワンポイントで出ていた宮國選手が機能していたように思いますがそちらはいかがでしたか

練習のときも本人も強い気持ちでやっているので、それが結果に出たのかなと思います。

――今回の引き分けについてはどのようにとらえていますか

劣勢の状態から引き分けに持って行けたというポジティブな捉え方もありますけど、優勝を目指すうえでは勝ち切れなかったと思いますし、これからインカレを獲るのであれば勝ち切れないというのが反省点になると思います。

――来週に向けての意気込みをお願いします

筑波大も1点差で悔しい思いをしていますし、順大も2部から上がってきたチームとはいえ1部のチームと互角に戦っていたり勝利を挙げているチームなのでしっかり相手がどうこうではありませんが自分たちのハンドボールをして、応援してくれている方々がもっと応援したいと思えるような、みんなから応援される試合をしっかりとやりたいなと思います。

RW小畠夕輝(スポ3=岡山・総社)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

春負けた相手に引き分けで終われたというのはいいことですけど、勝ち切れた部分が自分たちのミスだったり、あとあと考えると勝ち切れる場面もあったのかなと思うのでちょっともったいないなというとこともありました。

――春に敗れた中大が相手でしたがどのような意気込みで臨みましたか

きのう完全に負けて雰囲気も悪かったのできょうはもう完全に切り替えて絶対に勝とうと思っていました。

――秋季リーグではオフェンスが好調のように見えますがオフェンス面はいかがですか

芳村コーチ(優太、平27スポ卒=愛知)が来て、オフェンスのいろいろなきっかけとか、サインとかも変わって、練習メニューとかもガラッと変わったので、そういう部分が結果として出て、オフェンス力の向上につながっているのだと思います。

――きのうの試合からディフェンス面はどのように修正しましたか

きのうの試合では1対1では完全に押し込まれてしまって、引いて引いて後手後手になってしまったんですけど、きょうは2枚目が45度でけっこう牽制とかいれていたので、そこでカットが何本かできたのでよかったかなと思います。

――きょうはシーソーゲームとなった中で、最後に同点に追いつきましたがその中で見えた収穫や課題はありますか

課題はディフェンスですね。3枚目の1対1からの展開で崩されたりとか、2枚目の裏ポストであったり、いろいろ課題があるかなと思います。

――来週には春の王者筑波大との試合が控えていますが、どのような準備をして臨みますか

筑波大はゴリゴリなんで、こっちもゴリゴリで(笑)押していきたいなと思います。

LB山﨑純平(社3=岩手・不来方)

――きょうの試合振り返っていかがですか

負けなかったことが一番だと思います。勝てなかったんですけど、春に大敗した相手に同点で終われたので、春からの練習の成果は出てるかなと思いました。

――前半から得点を取っていましたがオフェンスを振り返っていかがですか

相手のディフェンスの穴を狙って崩そうとは話していたので、そこをうまく攻めれたんじゃないかなと思います。

――夏に強化してきたオフェンスは機能していると思いますか

きのうは相手が変則ディフェンスだったので出せなかった部分はあるんですけど、きょうに関しては30点も取れているので、オフェンスの成果は出ていると思います。

――試合中にディフェンスの修正があったように思いましたがその部分はいかがですか

相手のキーマンがセンターとエースの北詰さん(明未、中大3年)だというのはわかっていたので、結果的に打ち込まれてはしまったんですけど、ある程度打たせたというか、間を割られてないし、ロングシュートで勝負していたのは良かったと思います。入っちゃいましたけど(笑)。もうちょっとアタックできたかなって思います。

――点差を離されたり追いついたりの繰り返しでしたが、最後まで集中力を切らさなかったポイントはどこにあると思いますか

自分たちも集中力を切らさずにしっかりやろうというのをハーフタイムに話していました。ベンチからも外からも声を出してもらっていたので、出ている人がしっかりやらないとという気持ちで最後まで集中力を切らさずにできたと思います。

――小畠夕輝選手(スポ3=岡山・総社)が逆サイドで出るようになったことで上での出場が長くなっていますが、何か変わったことはありますか

出場時間が長くなったのでちょっと疲労はたまっているんですけど(笑)。夏にも走り込んでいるので、出る分はしっかり責任を持ってやんなきゃなと思っています。

――秋季リーグ4試合のうち3試合が30得点以上ですがその結果についてどう見ていますか

芳村コーチ(優太、平27スポ卒=愛知)が来てからオフェンス力が上がっているというのは自分たちがやっていても感じています。オフェンスはまずまず点数を取れていると思いますね。ディフェンスの方が、この2試合真ん中4枚が崩されているので、そこを修正して、来週の強い相手にもしっかりやっていきたいと思います。

――来週に向けて意気込みをお願いします

優勝確率はわかんないですけど、もうどの試合も落とせないので、この一週間しっかりやって来週に臨みたいと思います。

LW三輪颯馬(スポ3=愛知)

――中大の攻撃にサインプレーが多かったと思いますが、その攻撃をディフェンスしたポイントというのは何でしょうか

練習試合を多くしていたので、サインは大体わかっていたのですが、最後の最後で守りきれなかったことが惜しかったです。

――土壇場で追いついた時の心境を教えてください

なんとか同点にしようとみんなで話し合った中で、相手が一人少なかったので、僕に来るかなと思ったんですが、2年の義志(宮國、社2=沖縄・浦添)が決めてくれたので、そこは感謝しないといけないと思います。

――春の中大との試合で負けてしまいましたが、今回引き分けに持ち直した心境を教えてください

春は高いところからロングシュートを打たされて、相手のデフェンスにハマったというのがあるんですけど、下がったところから打てていて、そこは成長したと思いますし、チームが成長したと思います。

――来週、筑波大と順天大と戦うと思いますが、意気込みを教えてください

優勝するには負けられないので、一戦一戦、今日みたいな試合が出来たらいいかなと思います。