開幕2連戦を快勝し、最高のスタート切った早大男子ハンドボール部。勢いそのままに強敵・日大を撃破したいワセダだったが、自慢のディフェンスがなかなか機能せず、流れをつかめない。まさかの34失点で、関東学生秋季リーグ初黒星となった。
開始直後にLB山﨑純平(社3=岩手・不来方)が一発退場となるなど、不安定な立ち上がり。1人少ない状況はなんとか無失点で切り抜けるが、すぐに速攻で先制点を奪われてしまう。早大もPV松本光也副将(社4=神奈川・法政二)の速攻で応戦するが、プレーに固さがなくなった日大は、テンポ良く攻撃を展開して得点を重ねていく。一方の早大はボールがうまく手に付いていないのか、パスミスや枠外へのシュートミスが目立ち、リズム良く試合を展開できない。そんなオフェンスでのミスはディフェンスにも悪影響を及ぼしてしまう。CB田中大介(日大4年)の巧みなゲームコントロールで自慢の一線ディフェンスが少しずつ崩れ始め、簡単にロングシュートを決められてしまう場面が増えていく。なんとか食らい付きたい早大だったが、途中から敷いてきた日大の高めのディフェンスに対して攻め手はあるものの、フィニッシュをなかなか決めることができず。点差を広げられてチームも盛り上がらないまま11-18で前半を折り返した。
チームトップの9得点を挙げた主将西山
今春に負けている日大に対し、どうにかリベンジしたい早大。意地の巻き返しに期待がかかる後半は、CB西山尚希主将(社4=香川中央)の絡まれながらのシュートで始まった。7メートルスローのピンチも何とかしのいで流れをつかみかけたが、この重要な場面でもなかなかシュートが決まらない。つかみかけた流れはすぐに相手へと移り、相手シューターに対して高い位置でアタックできないままロングシュートを決められたり、ミスからの速攻で点差はさらに大きく広がっていった。後半20分にこの試合初めての連続得点が生まれると、松本が相手を振り切りながら気迫でシュートを決めて3連続得点、ようやく反撃開始かと思われたが、この時すでに11点差。GK羽諸大雅(スポ2=千葉・市川)の好セーブや西山の連続得点で点差を9点に縮めるのが精いっぱいだった早大が、春と同じく完敗を喫した。
この日の松本副将は果敢に間を割ってシュートを狙った
オフェンスで明るい兆しが見えた先週の2試合。しかしこの試合は、いままであまり崩れることのなかったディフェンスが崩壊した。また、「しっかり守って速攻というかたちも何本かつくれたが、シュートの部分でリズムをつくれなかった」(西山)と語るように、自分たちの『堅守速攻』というスタイルを取り戻せる場面でのミスなど、かみ合わない部分が多く見られた。しかし、負けはしたがオフェンスの精度に関しては春より確実にレベルアップしている。先週の試合で、「同じ相手には負けたくないです」と語ってくれた西山。あすはその強い言葉通り、強敵・中大を破れるか。
(記事 佐藤慎太郎、写真 宅森咲子、小松純也)
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関東学生秋季リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 25 | 11−18 14−16 |
34 | 日大 |
GK 羽諸大雅(スポ2=千葉・市川) LW 三輪颯馬(スポ3=愛知) LB 山﨑純平(社3=岩手・不来方) CB 西山尚希(社4=香川中央) PV 松本光也(社4=神奈川・法政二) RB 伊舎堂博武(社3=沖縄・興南) RW 清原秀介(商2=東京・早実) |
対日大 得点表 | ||||
---|---|---|---|---|
選手名 | 前半 | 後半 | 合計 | |
#2 西山尚希 | 5(1) | 4(1) | 9 | |
#4 松本光也 | 2 | 4 | 6 | |
#5 小畠夕輝 | 1 | 2 | 3 | |
#18 三輪颯馬 | 2 | 1 | 3 | |
#7 伊舎堂博武 | 0 | 2 | 2 | |
#9 山﨑純平 | 1 | 0 | 1 | |
#17 清原秀介 | 0 | 1 | 1 | |
合計 | 11(1) | 14(1) | 25 |
※()は7メートルスローによる得点
コメント
CB西山尚希主将(社4=香川中央)
――日大戦の対策は練ってきましたか
高めのディフェンスを引いてくることはわかっていたのでしっかりそこを攻め切るというのと、相手のオフェンスは独特だったのでそこに対してしっかりアタックしようと対策していました。
――それを踏まえてきょうの試合はいかがでしたか
対策をしてきたという点からいうと全然(ダメ)だったという感じですかね。
――序盤からディフェンスがうまくいっていませんでした
相手のリズムに対して自分たちが仕掛けることができずに受け身になってしまって、相手のいいように攻められてしまいました。それに対してしっかりと対応できなかったという感じですね。
――シュートミスも目立ちました
しっかり守って速攻というかたちも何本かつくれていましたし、セット(オフェンス)のときもノーマークを作れてはいたのですが最後のシュートの部分で自分たちのリズムをつかみきれずに点差が開いていってしまいました。
――失点が多かったということで、特に日大の田中選手にやられてしまっていたと思いますが
広げられて広いスペースを攻めてきていたのですがそれに対して密集できなかったり、1人前に出てアタックしたりすることができなかったのが原因ですね。
――あすも強い相手だと思いますが、意気込みをお願いします
中大は春に負けていて悔しい思いをしているので、あしたはチーム全員でしっかりと勝ちたいです。目標は「優勝」なのでそこになんとか食い込めるように頑張りたいと思います。
PV松本光也副将(社4=神奈川・法政二)
――強豪日大との対戦でしたが、どのような対策をして臨みましたか
オフェンスに関しては高いディフェンスをやってくると分かっていたのでその対策と、ディフェンスはセンターの選手がキーマンなので、その選手に対しての守り方を統一してやってきました。
――実際に試合に臨んでみて、そういった対策はどうでしたか
ディフェンスに関しては、やられてはいけない部分で低くならないディフェンスをしていこうという話をしていたのですが、そこで相手にうまく崩されてしまって、自分たちの持ち味であるディフェンスができなかったという感じですね。オフェンスも、思っていたより3-3ディフェンスを最初してこなくて、一線ディフェンスで、いつも通り攻めればいいのですが、そこで自分たちのいつも通りの感じで攻められなかった、ミスが目立ってしまったというのが良くなかったと思います。
――攻撃面では、打たせてもらえなかったのに加え、シュートミスも目立ってしまったということですか
そうですね。簡単に自分たちのミスやシュートミスで、自分たちに流れがもっていけなかったというのはあります。
――日大の田中選手にうまくやられた部分があると思いますがその点はいかがですか
田中選手に対して厚く守ろうとしたときに他の選手にやられてしまうとか、逆に他の選手が怖くなったときに田中選手にやられてしまい、ディフェンスでターゲット絞れなくて、どこからでもやられてしまったのが良くなかったと思います。
――前回の試合よりもシュートをうちにいく姿勢が強く見られましたが何か練習をしていたのでしょうか
3-3ディフェンスや高いディフェンスの時に、得点に絡む練習をしてきて、それを終盤何プレーかできたのですが、もう少し絡めたところがあって、よかった部分とまだまだできてない部分があったので、そこは切り替えてあしたに臨みたいと思います。
――中大戦に向けて意気込みをお願いします
きょうダメだった部分は切り替えて、まだリーグ3試合目でリーグは続いていくので、あしたも落とせない試合になってくるので切り替えて勝ちにいきたいと思います。
RB伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)
――きょうは日大との対戦でしたが、対策は練っていましたか
相手のキーマンが上2人で、その2人をどう守るかというのかというのは練習したんですけど、本番になると意識していても相手の方が一枚上手になってしまって、簡単には守れずに体も上手く使えてなくて、ゴリゴリされてディフェンスが機能してなかったと思います。
――ディフェンスが崩壊してしまった具体的な理由はありますか
センターの4年生の田中さん(大介、日大)が最初にステップ踏んでシュートとかをたくさん狙ってきて、入り始めてから点差が離れてきたときに、次の3年生の小澤(基、日大)とか逆エースの選手が間に走り込んで1対1ができてたから、相手がやりたいように攻められてしまった感じでした。
――一方でシュートが決めきれない場面もあったと思います
ロングシュートが多すぎました。終わったあとに確認したんですけど20本くらいあったし、そういうゲームだと勝てないですね。相手のディフェンスがうまかったというのはあるんですけど、自分たちが練習したことを発揮できなかったというのもあるし、単発で連動したプレーというのも無かったので、反省点の多い試合になったと思います。
――あしたは中大との戦いになりますが、意気込みをお願いします
攻撃力のあるチームなので日大と同じように戦って、キーになるプレイヤーがたくさんいるチームなので、一人ひとりがコートに立ったときにきょうみたいな意識ではなく、しっかりと試合に出ているという意識を持って勝つために自分ができることをしっかりとしていかないといけないと思います。