逆転勝利で早慶明定期戦5連覇達成!/明大戦

男子ハンドボール

 57回目を迎えた、早大、慶大、明大の三校で行われる早慶明定期戦。4連覇中だったワセダは、慶大戦に27-23で勝利して明大戦を迎える。勝った方が優勝というこの試合、ワセダは前半、後半の30分をそれぞれ15分ずつの2つに分け、メンバーを大幅に入れ替えて臨んだ。前半こそ2点ビハインドで折り返したが、後半は流れを相手に渡すことなく完勝。見事早慶明定期戦5連覇を果たした。

 慶大戦ではスタートで大きく出遅れた早大。同じような展開を避けたいところであったが、最初の7メートルスローのチャンスを伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)が外してしまい、そのまま相手に先制点を許す。しかし、宮國義志(社2=沖縄・浦添)のディフェンスの真ん中をぶち抜くカットインで1点を返すと、GK羽諸大雅(スポ2=千葉・市川)の連続セーブで流れを引き込み、2連取。課題だった立ち上がりでリードすることに成功する。しかし、ここから少しずつミスが目立ち始め、あっさりと逆転を許してしまう。突き放されたくない早大は、なんとか2点ビハインドで前半15分を迎え、メンバーを大幅に入れ替える。それでも攻めあぐねる時間帯が続き、じわじわと点差を離され始めた。この悪い流れの中、齊藤由希也(商2=東京・早大学院)がリバウンド処理で気迫を見せて反撃の口火を切ると、そこからその齋藤がカットインやブラインドシュート、速攻で3得点を挙げる。喜びを爆発させた齋藤が得点後のパフォーマンスでもチームを盛り上げた。相手にリードを許していながらも終盤はディフェンスでも声が出始め、逆転体制を整えて前半を終える。

前半反撃のきっかけとなった齊藤

 後半は再びスタートのメンバーに戻った早大。2連続ミスで相手に先に得点を許すが、宮國の3連続得点で同点に追い付き、さらに速攻で松本光也副将(社4=神奈川・法政二)が逆転のシュートを決める。その後好調の宮國が相手の腕を後ろから引っ掛けてしまい、レッドカードでベンチを離れてしまうが、それでも代わりに入った山﨑純平(社3=岩手・不来方)の巧みなシュートで応戦。同点に追い付かれる場面も見られたが、西山尚希主将(社4=香川中央)や三輪颯馬(スポ3=愛知)が落ち着いてシュートを決め、勝ち越しを許さない。また後半25分には前半大活躍の齊藤からポスト高橋拓也(人3=群馬・富岡)への見事なパスが通る。それを高橋が確実に決めて3点差、ベンチのムードもマックスとなり、ここで勝負は決した。そのリードを保ったまま、早慶明定期戦5連覇を知らせるホイッスルが鳴り響いた。

多彩なシュートで得点を重ねた山﨑

 春シーズン最後の実戦となった今大会。西山を欠いた早関定期戦では苦杯を喫しただけに、負けられない戦いとなった。チームの底上げのためにメンバーを大幅に入れ替えて臨み、その中で関東学生春季リーグではあまり出場機会のなかった選手が結果を残す場ともなった。関東学生秋季リーグの開幕は8月26日、これから始まる夏の強化期間は決して長くない。『日本一』を目指すうえで、この短い期間の使い方がカギとなる。全員が見ているのは『インカレ(全日本学生選手権)優勝』。選手たちの熱い夏が、これから始まる。

(記事 佐藤慎太郎、写真 中村朋子、林大貴)

★U22日本代表男子が東アジアハンドボール選手権で優勝!

 西山尚希主将(社4=香川中央)が選出されていたU22日本代表が、東アジアの頂点に立った。しかし、世界を相手に戦った西山は、日本が世界でも戦えるという自信とともに、個人としての実力不足を痛感した。「ワセダの選手は体をつくっているが、海外の選手はそのフィジカルが標準装備だった」と、世界との体格差を感じてしまう。日本としてもそうだが、早大という視点から考えても、フィジカルを強化しただけで終わってしまっては、チームの強化とは言えない。そのフィジカルをどう生かすことが最善か、そしてそのうえでどういうテクニックを身に着けていくかが重要となるのは間違いない。個人で満足のいく結果が残せなかったからこそ、感じたものがあるはずだ。日本一を目指すと同時にワセダから世界に通用するチームづくりをする。西山はそう誓ってくれた。

(記事 佐藤慎太郎)

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慶大に逆転勝利、5連覇へ向け大きな1勝に/慶大戦/第57回早慶明定期戦(7/10)



第57回早慶明定期戦
早大 27 12−14
15−10
24 明大
GK 羽諸大雅(スポ2=千葉・市川)
LW 渡邉志明(スポ4=東京・両国)
LB 小畠夕輝(スポ3=岡山・総社)
CB 宮國義志(社2=沖縄・浦添)
PV 松本光也(社4=神奈川・法政二)
RB 伊舎堂博武(社3=沖縄・興南)
RW 宗海皓己(スポ3=高知・土佐)
得点者

山﨑:5点 西山、宮國:4点 齊藤(由)、高橋(拓):3点 伊舎堂、三輪:2点 渡邉、宗海、小畠、松本:1点

コメント

CB西山尚希主将(社4=香川中央)

――先日まで日本代表に行かれていましたが、そこでの経験はどういうものでしたか

ワセダは体をつくっているとはいえ、海外の選手はそれが基準というか、それ(フィジカル)が標準装備なので、それを持っているうえでのテクニックであったり、体を持っているうえでそれをどう生かすかというのを大事にしてレベルを高めなければ、世界では通用しないと感じました。

――日本代表での試合を振り返っていかがですか

出た試合で得点できたというのは良かったんですけど、個人的には出てない試合もありますし、満足のいく出場時間を与えられたわけでもないので、そこはまだまだ自分の実力不足が目立ったかなと思います。

――関東の大学生が中心となって編成されていましたが、刺激となりましたか

チームメイト全員が能力が高くて、ハンドボールをよく知っている選手ばかりだったので、その中に入ると目立たないであったり、自分がまだまだだなと感じることは多かったです。

――代表において、チームとして持って帰れるような部分はありましたか

韓国とか東アジアのチームに対して、日本は戦っていけるということであったり、日本人が日本人らしさを出して戦えば、世界にも通用するんじゃないか、というのは日本にとって大きなプラスになったんじゃないかなと思います。