先週は苦しい戦いが続いた早大だがきょうは東海大に30-22で快勝。セットオフェンスが機能し、速攻を中心にバランス良く得点を重ねた。特に前半は堅守速攻が実現される理想に近い試合運びだった。
きょうは西山尚希(社3=香川中央)のロングシュートにより開始2分で初得点を挙げた早大。「ズレてきたシュートでちゃんと決められてチームを流れに乗せられたと思う」という齊藤凌副将(スポ4=岩手・不来方)のコメント通り波に乗り、前半5分で5-2と課題の立ち上がりに成功した。2連続で退場が出て、8分から12分までをコートプレーヤー5人で戦うことを強いられた。しかし、西山が豪快なロングシュートを放つと、川島悠太郎副将(スポ4=福井商)が自らのロングシュートのこぼれ球を決め、さらには三輪颯馬(スポ2=愛知)のカットからの速攻で逆にリードを広げることに成功した。その後、相手DFが高めに出てくる場面もあったが、速攻から齊藤が得点を重ね、川島・西山両選手を軸に多彩な攻撃を繰り広げ、早大が完全に流れをつかんでリードを広げた。前半20分には好調を維持するGK永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)が2連続でノーマークシュートをセーブしてOF陣の奮闘に応えた。途中投入された萩原侑(文4=東京・早実)の好ディフェンスもあり、その後も得点を重ねた早大は完全に流れを引き寄せ20-12と大量リードで前半を折り返した。
豪快なシュートでチームを勢いづけた齊藤
後半も小畠夕輝(スポ2=岡山・総社)のカットインから順調な滑り出しだったが、その後双方にミスが相次ぎ無得点の重い時間が長く続いた。それでも途中出場の山﨑純平(社2=岩手・不来方)がルーズボールなど体を張った必死のプレーで相手に流れを渡さない。早大はリードを保ったまま試合の終盤を迎えると、得点には結び付かないが川島から山﨑そしてポストパスと華麗なプレーも飛び出した。23分には斉藤孝佳(人2=城北埼玉)が7メートルスローをセーブするなど後半も随所に好プレーが見られた。終盤大幅なメンバーチェンジを行うと、長谷川大耀(政経3=東京・早実)の右サイドシュートを皮切りに普段出場機会が少ない選手たちも活躍した。
チームの大黒柱・松本光也(社3=神奈川・法政二)
後半は10-10と「もっと得点を取れればその分失点も少なかったと思う」と永田が言うように、OF・DF共にまだまだ修正できる点も多い内容だった。きょうは久々の勝利を手にした早大。30得点以上25失点以内を達成してリーグ戦後半に向けて期待が高まる試合内容だった。勝ってかぶとの緒を締めよ、次戦の順大戦も勝ち、明大・日大の上位陣との対戦に向けて勢いに乗っていく。
(記事 佐々木一款、写真 栗村智弘)
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早大 | 30 | 20−12 10−10 | 22 | 東海大 |
GK 永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰) LW 三輪颯馬(スポ2=愛知) LB 西山尚希(社3=香川中央) CB 川島悠太郎(スポ4=福井商) PB 松本光也(社3=神奈川・法政二) RB 小畠夕輝(スポ2=岡山・総社) RW 齊藤凌(スポ4=岩手・不来方) |
コメント
RW齊藤凌副将(スポ4=岩手・不来方)
――きょうの試合を振り返って感想をお願いします
先週の試合は勝ちがなかったので今週の初めは絶対に勝たないと流れに乗れないと思っていたので勝ち切れて良かったです。
――先週は立ち上がりの失敗に苦しみましたがどう修正しましたか
盛り上がり方が足りなくて、あんまり声が出てなかったと思ったので、僕自身もきょうはサイドから声を出すということを立ち上がり意識してやっていました。
――齊藤選手ご自身、最初のシュートを決めて乗っていけたのではないでしょうか
そうですね、ズレてきたシュートでちゃんと決め切れてチームを流れに乗せれたと思ってます!
――東海大対策としてはどういったことがありましたか
エースの子が結構打ってくるということでその対策もありましたし、速攻で真ん中を突っ切るシーンも前の試合で東海は多かったので、真ん中からバックチェックを固めるという意識やフローターに対する意識は持っていました。
――25失点以内に抑えるというディフェンス目標を達成しましたが、どういった点が良かったですか
キーパーも良かったですし、全体的にきょうはみんな足が動いてたんで出入りができていて、相手もそれは嫌だったんじゃないかなと思います。
――前半で大きなリードを奪いましたがハーフタイムはどういった話し合いをしましたか
結構点数が離れていると気が抜けてしまうことが多いのでそういうのをなくしていこうと話していました。
――試合終盤は普段出場機会の少ない選手たちも出場しました
点数が離れる試合が今まであまりなかったので、点数が離れたときにいつもとは違うメンバーが出てああやって点数を決めてくれるっていうことは、出た選手も自分の自信になると思いますし、すごいいいことなんじゃないかなと思います。
――最後にあすの順大戦に向けて意気込みをお願いします
もう優勝しか狙ってないのであしたも絶対に勝って来週もその波を続けられるように頑張りたいと思います!
PV松本光也(社3=神奈川・法政二)
――きょうの試合はいかがでしたか
先週2試合立ち上がりのところで離されてしまっていて、そこを課題に一週間練習してきました。きょうはその立ち上がりのところは良かったんですけど、後半は僕も含めシュートミスが多くなってしまって、リズムに乗れずにズルズルいってしまったなという感じですね。
――先週2試合は1分け1敗でしたが、チームとしてそこからの切り替えはできていましたか
終わったことはもうしょうがないので、この後の試合を落とさないということが重要ですし、課題をしっかり克服して、これからの試合勝ち続けていこうという風にチームで意思統一はできていたと思います。
――松本選手ご自身としてはこの一週間意識的に取り組んだことはありますか
ディフェンス面では僕のところで上から打たれたり、裏のポストに通されたりすることが多かったので、そこは意識的に取り組みました。あとは、ここまでシュートをかなり外してしまっていて、そこでチームの流れが止まってしまうことが多かったので、意識して練習はしてきたんですけど、そこはまだ、かなり課題が残るなという感じでした。
――試合中特に意識したことは
まずはノーマークシュートを外さないということを意識しました。前半は決めれたんですけど、後半は外してしまって、決め切るってところがまだ自分には足りないなと思いますし、きょうは点差がありましたけど、競ってる場面で僕が外してしまうとチームとしても厳しいので、そこは今後修正していきたいです。ディフェンスは横との連携をかなり意識していて、先週はそれがうまくいっていなかったので、きょうは西山(尚希、社3=香川中央)と喋ったり、2枚目を出したり、その辺はしっかりできたかなと思います。
――あすの順大戦への意気込みをお願いします
まずはディフェンスをしっかりやって、自分たちのやってきたことを出し切れれば問題ない相手だと思いますし、自分としてもシュートをしっかり決めれるよう頑張りたいです。
GK永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)
――きょうは先々週、先週と苦しい試合が続いた後の勝利でしたが、どのように気持ちを切り替えて臨まれましたか
僕自身は先週の戦いが個人的に調子が良かったので、それをキープというかより良くしていければいいと思っていたんですけど、チームとしてずっと難があった立ち上がりをああいう風に得点できて、乗り切れたのは結構デカかったなと思いますね。
――きょうの対戦相手である東海大への対策はありましたか
ロングシュート打たせていきたいねという話になっていたので、先輩たちが(相手選手に)苦し紛れで打たせて僕が止めるという約束を徹底できたのがやっぱデカかったかなと感じますね。
――きょうは、ロングシュートが守れている印象でしたが、それは今まで話し合ってきたことだったんでしょうか。
そうですね、シミュレーション通りと言えばシミュレーション通りですね(笑)。
――きょうは30得点以上25失点以内ということで、堅守速攻というワセダのコンセプトがうまく出たと思いますが
そうですね。でも後半だけで見たら10対10なので、10点で抑えられてんのはデカいと思うんですけど、もっと得点取れただろうし、逆に得点取れればその分失点も少なかったと思うんでまだまだもう一個レベル高いとこでやっていけたらなと思いますね。
――後半途中に10分前後苦しい時間帯があったと思いますが、どういう気持ちでプレーしていましたか
僕自身はとりあえずコートプレーヤーが点を取ってくれるまで辛抱していれば、きょうの調子だったらいつか点決めてくれるだろうと信頼があったので僕は僕なりにプレーしてればいいかなと思っていましたね。
――きょうは永田選手ご自身も好調でフリーで2本連続で止めた場面もありましたが、そのときはどういう気持ちでしたか。
単純に楽しかったです(笑)。その一言に尽きると思いますね。
――攻撃に関して、キーパーは速攻で攻撃に関わることが多いですが、きょうの速攻の出来はどうでしたか
前半相手が高めに来たときに消極的になってしまったというのが、僕自身の反省点だったと思います。逆に後半相手が来なかったときに出せてたけどあまりいいパスではなかったので、出せるタイミングで最高のパスを出すというのが僕の課題になってくると思いますね。
――最後に次の順大戦に向けての意気込みをお願いします
先週から続いている好調をもうちょっとレベルアップしたかたちで持っていければ自分的にはいいですし、チームとしても前半とかいい流れで出来たのでそれをもっと良くしていければいいと思うんで、あしたもディフェンスとよく喋りながら頑張っていきたいと思います。