大量得点で打ち合い制し連勝も、守備に課題

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)2戦目、前日の勝利で勢いに乗る早大は法大と対戦した。序盤から粘り強い守りを見せると、川島悠太郎副将(スポ4=福井商)を中心に攻撃を組み立て、リードを奪う。しかし遠めからのシュートに対応できず追い上げを許し、17-15で前半を折り返す。後半に入ると早大は高めの変則ディフェンスを披露し、相手の得点パターンを封じる。すると、速攻を主体に多彩な攻撃で法大を引き離す。守備面では課題を露呈し、31失点を喫したがそれを上回る得点を挙げ、39-31で白星を手にした。

 立ち上がりは早大の強さが際立った。堅い守りで相手の攻撃を食い止めると、そこから速攻につなげ、次々とゴールネットを揺らす。さらに川島が2試合連続となる相手キーパーの隙をつく超ロングシュートを決め会場を沸かせた。だが、ここから法大にディスタンスシュートをことごとく決められる。キーパーとディフェンスの連携がうまくいかず、同じような展開で失点を重ねた。「ディスタンスシュートがあれだけ入ると厳しい」(岩本岳主将、スポ4=東京・早実)。早大自慢のセットディフェンスが機能せず、わずか2点のリードを持って前半を終えた。

攻守において重要な役割を担う松本光也(社3=神奈川・法政二)

 迎えた後半、早大はミドルシュートを防ぐため、ラインを高く保つ守備陣形を敷く。このディフェンスが機能し、相手の攻撃を封じる。トップの位置に入った川島は再三パスカットを見せ、得点につなげた。また、岩本主将が「バランスよく攻められた」と振り返ったきょうの試合で特に躍動したのは三輪颯馬(スポ2=愛知)だ。得意の速攻などで計10得点。高いシュート決定率でチームに貢献した。春よりも破壊力のある攻撃を見せた一方で、守備面では早大らしさが見えなかった。当初は機能した高めのディフェンスだが、徐々に崩される場面も目立ち始める。キーパーとの連携は試合を通して修正できず、終盤は点の取り合いとなる。川島、三輪らの活躍で法大を振り切り、勝利したが、課題が多く残る試合となった。

抜群の決定力を誇る三輪

 次戦の相手は『日本一』を目指す上で強力なライバルとなるであろう強豪・筑波大。守備が堅い相手だけに、ロースコアの接戦が予想される。勝利のためには、ディスタンスシュートへの対応を修正することが不可欠だ。また、川島が「もっとクロスプレーも絡ませていかなければ」と語ったように攻撃面でも改善の余地はある。攻守ともに完成度を上げ、秋季リーグ優勝に向けて突き進みたい。

(記事 新津利征、写真 後藤あやめ、田中一光)

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関東学生秋季リーグ
早大 39 17−15
22−16

31 法大
GK 永田奈音(スポ2=宮崎・小林秀峰)
LW 三輪颯馬(スポ2=愛知)
LB 西山尚希(社3=香川中央)
CB 川島悠太郎(スポ4=福井商)
PV 松本光也(社3=神奈川・法政二)
RB 小畠夕輝(スポ2=岡山・総社)
RW 齊藤凌(スポ4=岩手・不来方)
コメント

LW岩本岳主将(スポ4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って感想をお願いします

勝ったというだけで、課題が多く残る試合になったかなと思います。

――主な課題としてはどういったことが挙げられますか

やっぱりディフェンスとキーパーの連携が悪くて、ディスタントシュートを前半から9本くらい入れられてしまいました。春からずっと言っていることだけどこうして試合中にやられてしまっているので修正していかないといけないと思います。

――セットディフェンスは早大の強みでしたがきょうは崩されてしまいました

きょうに関しては駄目でしたね。ディスタントシュートがあれだけ入ってしまうと厳しいですね。

――早大の守りを警戒してか法大はリスタートが早かったように感じましたがそこは予想外だったのでしょうか

バックチェックはいつも練習でやっているからそこは全然想定内というか、対応はできました。もったいない失点や防げる失点が多かったです。

――オフェンス面に関してはいかがでしたか

まぁ39点取ってるんでそこはいいと思います。ポストも使えていたし、走れてたし、結構バランス良く攻めれたと思います。

――今後に向けての抱負をお願いします

あくまで目標は『日本一』なのでリーグ戦の目の前の勝ちにこだわるのも大事ですけどもっと先を見据えて戦っていきたいと思います。

CB川島悠太郎副将(スポ4=福井商)

――きょうの試合はいかがでしたか

全体としては31点取られてしまっていて、目標は25点以内に抑えることなんですけど、きょうは簡単なロングシュートとかにやられてしまって、そこをもう少し修正できなければいけなかったなと。個人的には、オフェンスでミスが多くて、課題が多く残る試合になったので、次の試合までの一週間詰めていきたいと思います。

――後半からディフェンスの陣形を変えたのは、相手のミドルシュートを警戒してのことだったのでしょうか

そうですね。ハーフタイムに話し合って、ディスタンスシュートでやられているというのがあったので、あのディフェンスに変えました。

――両チーム合わせて70点の乱打戦となりました

さっきも言ったように、目標はやっぱり25点以内に抑えるってことで、オフェンスで39点取れたのは良かったんですけど、テンポが早くなってしまって31点も取られたのは、大きな課題だなと思います。

――39得点を挙げたチームオフェンスに関してはいかがでしょうか

きょうは速攻を多くすることができたんですけど、セットオフェンスはまだディスタンスシュートに頼っている部分があって、それが入っているうちはいいんですけど、もっとクロスプレーとかも絡ませていかなければと思います。

――きのう同様きょうも相手の意表を突く好プレーが見られました。ご自身のプレーはいかがでしたか

牽制カットとかは得意にしているので、それができたのは良かったんですけど、きのうきょうともっと周りを生かすプレーができれば良かったなと思いますね。

――筑波大戦に向けて意気込みをお願いします

筑波はほんとに強いチームですし、厳しい試合になると思うんですけど、相手もフィジカルを鍛えているなかで、ワセダも筋トレにはすごく力を入れているので、そこでは負けないようにしたいです。相手もディフェンスが堅いのでロースコアの試合にはなると思うんですけど、我慢して勝てるようにしたいです。

PV松本光也(社3=神奈川・法政二)

――きょうの試合を振り返って

立ち上がりはいい流れで6点連続で取れたのですが、そこから中だるみの時間になり、ディフェンスで崩され、オフェンスでミスが出て逆速攻を受けるという展開が多くなりました。後半はディフェンスのシステムを変えて突き放すことができたのですが、その後点の取り合いになってしまったので課題が多くなった試合だと思います。

――きのうの試合から勢いに乗って試合に入ることができたように見えましたが

きのうの試合から引き続いてディフェンスから速攻という展開に持っていけたのですが、途中からキーパーとの連携がうまくいかず崩された場面が多かったので、そこを修正したいと思います。

――今季初得点を決めましたがいかがでしたか

得点もしましたが大事な場面で外すこともあったので、チャンスが来たら決め切るところまで詰めていきたいと思います。

――セットディフェンスについてはいかがでしたか

同じ展開でやられることが多くて、そこをキーパーの責任なのか、ディフェンスの責任なのかがはっきりしていなくて、ズルズルと同じ展開でやられていたところが課題が残りました。

――遠めからのシュートで失点する場面が目立ちましたが

試合前に、ディスタンスで勝負してシュートを打たせてキーパーに止めてもらうと話していたのですが、そこが思った以上に相手に振り切られてシュートが入ってしまいました。そこを、キーパーが捕れるところを捕れていないのか、ディフェンスが当たれていないのかをはっきりして、修正したいと思います。

――後半からは高めの守備陣形を敷きましたがその意図は

前半はディスタンスで失点することが多かったので、一枚前に出すことで真ん中から思い切りシュートを打たれないようにという意図です。

――今までの早大にはなかった守備陣形かと思いますがいかがでしょうか

春はそういうディフェンスをしていなかったので、ディフェンスのバリエーションを秋季リーグに向けて増やすように練習してきました。

――後半途中からは崩される場面も目立ちましたが、どういったところが課題として挙げられますか

際の部分でやられていた感じがしました。一歩ディフェンスが当たるところとキーパーが約束通り打たせたところを捕るという部分がうまくいきませんでした。

――ご自身の2枚目の役割についてはいかがでしたか

トップをしている悠太郎さん(川島、スポ4=福井商)が利き腕が守れなかったときに、出るタイミングが合わなかった部分が課題です。また、打たせるところで低い位置をとってしまうことがありました。僕のポジションも逆のポジションも、思い切り振り切られてそれが入って、乗り切れないことが多かったです。

――次戦の筑波大戦に向けての意気込みをお願いします

きょうのように取って取られての展開だと厳しい試合になってしまうと思います。点を取ったらしっかり守って、一本ずつ切らさずにやっていかないと筑波大には点差をどんどん離されてしまうので、我慢の時間帯を増やしていきたいです。そのためにもう一度詰めていきたいと思います。

LW三輪颯馬(スポ2=愛知)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

出だしはすごい良かったんですが、ディフェンスとキーパーの連携ができていなくて、相手のディスタンスシュートだけに決められてしまったのが多かったです。あとこの1週間でそこは修正していきたいです。

――ご自身では10得点決められていましたが

10得点取れたので調子はいいと思います。僕はサイドの一枚目なので思いっきり走って点を取りにいこうと思ってやっていたので、それがプレーにつながって良かったです。

――きょう出た課題はディフェンス面でしょうか

そうですね。ディスタンス勝負はできているんですけど打ち込まれてキーパーが止められないで点を失ってしまうのが多かったです。ディフェンスが悪いのかキーパーが悪いのか理解しながら今後に生かしていきたいと思います。

――ご自身の今季の目標は

速攻と高いサイドシュートの決定率を目標にやっています。

――次の筑波大戦に向けて意気込みをお願いします

筑波大はがたいも大きいですし、パワーもあるので、こっちも力負けしないように全力でぶつかっていきたいと思います。