強豪・湧永製薬相手にジャイアントキリング!

男子ハンドボール

 いよいよ迎えた湧永製薬との一戦。早大は日本リーグの強豪相手にも臆することなく、堂々のプレーを見せた。この日も好調の川島悠太郎(スポ3=福井商)を中心にオフェンスを組み立て、序盤から優位に試合を進める。後半には点差を詰められるシーンもあったが、GK中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大附)が好セーブを連発しシャットアウト。早大の良さが終始存分に発揮され、38-31と快勝した。

 試合開始直後から主導権を握ったのは早大だった。東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)がディフェンスを引き付け、川島がミドルシュートで得点を挙げる。守っては、東江、松本光也(社2=神奈川・法政二)がフィジカルでひけを取らず、相手のパスリズムを完全に崩した。それでも、相手も数的有利な場面では必ずシュートを決め点差は簡単には開かない。積極的に攻め続けた早大が19-15と4点リードした状態で前半を終えた。

驚異の14得点を決めた川島

 後半に入ると、湧永製薬も意地を見せる。後半5分から約10分間、相手が連続得点で波に乗り徐々に点差を詰められてしまう。タイムアウトで落ち着きを取り戻した早大は再び東江を中心に粘り強くゲームを展開。伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)がロングシュートを決めるなど要所での得点に成功し、1度も相手にリードを許すことはなかった。また、GKの中野は相手のパワーシュートを完全に攻略。ラスト10分、相手は思い通りに得点を重ねることができなかった。早大は最後まで集中を切らすことなくベスト8に駒を進めた。

好セーブを連発したGK中野

 湧永製薬といえば言わずと知れた強豪チーム。そうした相手の胸を借り、チャレンジしようという積極性がきょうの勝利に繋がった。選手達の大きな自信となるだろう。また、「きょうは素直にすごく楽しかった」(三輪颯馬、スポ1=愛知)と語るように強い相手とのハンドボールを楽しんでいた。あすの相手は強豪・トヨタ車体。厳しい試合になると予想されるが、今大会の早大の勢いには勝利を期待せずにはいられない。

(記事 田中一光、写真 栗村智弘)

日本選手権3回戦
早大 38 19−15
19−16

31 湧永製薬
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)
CP 東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)
CP 川島悠太郎(スポ3=福井商)
CP 齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)
CP 松本光也(社2=神奈川・法政二)
CP 伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)
CP 三輪颯馬(スポ1=愛知)
コメント

東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)

――きょうの試合を振り返って

試合が始まる前から格上相手に胸を借りるつもりでどんどんチャレンジしていこうと話していたので、その思い切りのよさが結果に繋がったのかなと思います。

――川島悠太郎選手(スポ3=福井商)が14得点と大活躍でした

そうですね。きょう悠太郎(川島)は試合の入りのシュートがよかったので、自分がディフェンスを引きつけて悠太郎にうまくボールが集まるようにゲームを組み立てました。期待に応えてくれて感謝してます。

――ご自身のプレーを振り返って

自分はみんなを引っ張ってゲームをまとめないといけなかったので、色んな意味で視野を広く持とうと思っていました。他のみんなが頑張ってくれました。

――ディフェンスでは東江選手を軸に粘り強く守れたという印象です

そうですね、後半は中野(裕通、スポ4=兵庫・神戸国際大付)が好セーブを連発してくれたし、相手のリズムをうまく崩すようなディフェンスを話し合いながらできました。最後はキーパーを信じていました。

――後半は我慢の時間帯もありました

1、2点差に追い詰められた時は焦りがあったと思うんですけど、タイムを取って落ち着かせました。ミスはしてもいいから焦らず、約束事であるバックチェックをして、粘り強くやっていこうと話しました。その後は落ち着いてプレーできたと思います。

――あすの相手はトヨタ車体です

トヨタ車体にはワセダの先輩もいて、先輩には負けたくないので楽しんで頑張ろうと思います。

中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)

――実業団チームとの戦いに向け、チームで話などされていましたか

実業団の胸を借りて、勝ってやろうという気でみんなで話していました。

――今試合の勝因は何でしょうか

自分たちのいいペースで運べたことだと思います。みんながやりたいことをやれました。

――緊張などはありませんでしたか

最初からみんな思い切っていった感じでしたね。

――後半何度もセーブを決められていました

相手のフォームからのリリースが速くて、前半は位置取りなど苦労しました。後半うまく合わせていくことができたので、それで止められたのかなと思います。

――あすの試合に向けて意気込みをお願いします

あしたも手強い相手なんですけど、胸を借りていい試合ができるように頑張ります。

川島悠太郎(スポ3=福井商)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは実業団との試合だったので、前半から大学生らしく思いっ切りいこうという話はしていました。前半からオフェンスの調子が全体的に良くて、その点数で引っ張っていけた感じがありました。

――相手の印象はいかがでしたか

実業団なので、動画などで試合を何回も見ることがあって、研究はできていました。それが良かったのかもしれません。

――対策の方はしっかりできていたのですね

そうですね。対策はできていましたし、みんな思いっ切りできました。

――先制点を決められましたが、それが波に乗るきっかけになりましたか

あのようなかたちになるとは思っていませんでしたが、始めからリズムよく打てたのが良かったのではないかと思います。

――常にリードする展開になるとは思っていなかったのでしょうか

そうですね。予想はしていなかったです。

――38点中14点が川島選手の得点となりましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

きょうは自分でもびっくりするくらいシュートが入りました。前半から思いっ切り打っていけたのが良い流れにつながって良かったです。

――あすはトヨタ車体との対戦となります

練習試合もしたことがあって、すごく強いチームです。フィジカルトレーナーの方もワセダに教えに来てもらっています。僕らよりももっとフィジカルが強いと思いますが、きょうのように思い切ってやって、また勝ちにいきたいと思います。

三輪颯馬(スポ1=愛知)

――いまのお気持ちをお聞かせください

うれしいというより、びっくりって感じですね(笑)

――勝因は何だと思われますか

きょうはチームが一つになってディフェンスもできていましたし、みんなで勝ったという感じですね。

――ご自身のプレーに関しては

ここまでの2試合で結構シュートを外してしまっていたのですが、きょうはあまりシュートミスがなかったので、そこは良かったかなと思います。

――きょうのゲームプランはどういったものだったのですか

相手は実業団チームでしたし、格上と分かり切ってもいたので、思い切ってプレーしようということだけを話し合っていました。

――全員が終始笑顔を見せてプレーしていたことが印象的でした

きょうは素直にすごく楽しかったですね(笑)。

――次はトヨタ車体との対戦です。どういったプレーを披露したいですか

相手は体も大きいので、身長が小さい自分としては、動き回って相手をかき乱せればと思います。