社会人チームを退け3回戦進出!

男子ハンドボール

 日本選手権の2回戦が行われ、早大は湧永製薬の待つ3回戦進出を目指し、社会人チーム・FOGと対戦した。試合序盤から堅い守りと素早いカウンター攻撃を駆使して、ゲームの流れを手繰り寄せる。東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)や川島悠太郎(スポ3=福井商)も、きのう同様安定したパフォーマンスを披露し、チームをけん引した。後半は相手の足が止まり始めたことに漬け込み、一気に点差を広げるなど攻守に圧倒。最終スコア34-26で危なげなく勝利し、3回戦進出を果たした。

 開始直後に連続失点を喫した早大だったが、その後は安定したゲーム運びで相手にペースを譲らない。東江や川島、伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)らのフローター陣が確かな技術で違いを生み出し、徐々に相手の守備網を攻略。着々と得点を重ねていった。守っては相手のエースプレーヤーにやや苦戦を強いられたが、全員が粘り強く対応し、相手の追随を許さない。18−13と5点リードを保ったまま、後半に突入した。

得点を決めハイタッチをする松本

 後半、開始早々に松本光也(社2=神奈川・法政二)のポストシュートで加点すると、その後も三輪颯馬(スポ1=愛知)のサイドシュートや、東江の連続得点などで瞬く間に相手を突き放す。この日も左45のポジションでプレーした川島は、後半も抜群の身体能力とキレのあるシュートを武器に、ポイントゲッターとしての役割をきっちりと果たし、チームを勢い付けた。ゲーム終盤からは来季を意識したメンバー交代を図るなど、終始余裕のある戦いを見せた早大。FOGを破り、日本ハンドボールリーグの強豪・湧永製薬が待つ3回戦へと駒を進めた。

1年生ながら堂々としたプレーを見せる三輪

 「僕たちは今回、湧永製薬に勝ちたいということでやっている」(岩本岳、スポ3=東京・早実)。次なる相手は、現在日本ハンドボールリーグで5位につける湧永製薬。だが、「ディフェンスを固めて、速攻で押していきたい。胸を借りるつもりで、全力でぶつかっていく」(齊藤凌、スポ3=岩手・不来方)と、選手たちの気合は十分だ。早大の真の力を発揮するには最高の舞台。一人一人の力を結集し、番狂わせを演じてほしい。

(記事 栗村智弘、写真 後藤あやめ)

日本選手権2回戦
早大 34 18−13
16−13

26 FOG
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)
CP 東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)
CP 川島悠太郎(スポ3=福井商)
CP 齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)
CP 松本光也(社2=神奈川・法政二)
CP 伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)
CP 三輪颯馬(スポ1=愛知)
コメント

東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前半20分くらいまで我慢のゲーム展開だったのですが、残り10分でうまく離すことができて、波に乗れることができたので良かったです。

――前半我慢の時間帯が続いたとおっしゃっていましたが

ディフェンスのリズムが少し取れなかったのですが、開始10まではお互い互角な感じでいいと話していたので、そこで相手を知ることでどう対応していくかという感じでした。ただフィットするまでに時間がかかってしまったのが修正点です。

――終盤には下級生が多く試合に出られていましたがベンチから見ていていかがでしたか

この大会が終わると新チームに変わってしまうので、早く試合に慣れて欲しいですし、自分たちでやらなければいけないというのを感じて欲しかったので見守っていたのですが、なかなか点が入らないので少し不安要素がありますね(笑)

――ご自身の調子はいかがですか

まとめないといけない部分もあってやることは多いですが、そこまで調子も悪くないので、あしたは実業団が相手になるので胸を借りて思いっ切りやりたいなと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

湧永製薬という実業団チームなのですが、実業団相手にどれだけできるかというのがすごく楽しみなので思いっ切り楽しみながら勝ちにいきたいと思います。

岩本岳(スポ3=東京・早実)

――きのうの試合を経てチームで話したことなどありますか

僕たちは今回湧永製薬に勝ちたいということでやっているので、次の試合も落とさないように。あとは相手にいい選手もいたので、そこはしっかりとケアをしてやっていました。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

走るところで走ったので、早大の流れの時間帯が大分長かったのかなと思います。

――チームの雰囲気としてはいかがですか

雰囲気は非常にいいと思います(笑)。

――コーチ不在ということでこれまでと違う部分もあると思います

その点は最初から分かっていましたし、僕らも信頼している進さん(荒木進監督、平5人卒=熊本商)がいるので大丈夫です。

――今回岩本選手のお父さんも浦和学院高の監督として戦っていらっしゃいますが、何かお話されたことは

一緒に勝とうねと話しました。

――湧永製薬との戦いに向けて意気込みをお願いします

失うものは何もないので、来シーズンに繋がるよういいかたちで試合に臨めたらと思います。

川島悠太郎(スポ3=福井商)

――きょうの試合を振り返って

きょうも前半は波に乗れなかったのですが、前半残り10分くらいから徐々に自分達のペースで進められました。FOGは練習試合などをしていて知っている相手だったので、焦りはありませんでした。

――ご自身の調子はいかがでしたか

たくさん点を決めることができてよかったです。ここ数試合非常に調子がいいので思い切って行けました。

――4年生が抜けて自分がという気持ちが好調につながっていますか

そうですね。フローターということでこれまでのサイドとは違いますけど、上から思い切って行こうと臨みました。

――相手エースへの対応は

最初はなかなか止めることができませんでした。ハーフで話し合ってある程度改善し、粘って守れたと思います。

――あすは湧永製薬が相手となります

実業団の選手とやれる機会はなかなかないので明日も思い切って行こうと思います。頑張ります。

齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)

――きょうの試合はいかがでしたか

きょうは3-3ディフェンスがきのうに続いてうまく機能していて、走り勝てたのではないかと思います。

――ご自身のプレーに関しては

オフェンスよりもディフェンスを頑張ろうという意識でやっているので、自分のところでは失点しないようにと、カバーを心がけてプレーしました。

――湧永製薬との対戦ではどういったプレーをしたいですか

実業団の強豪と試合ができるので、ビビってプレーせず、胸を借りるつもりで思いっきりぶつかっていきたいと思います。

――チームとしてどういった試合にしたいですか

ディフェンスをしっかり固めて、速攻で押して点を取っていきたいです。

松本光也(社2=神奈川・法政二)

――ここまで2戦連勝と順調でしょうか

そうですね。とはいえ前半はミスが全体的に多かったとは思います。

――その前半は得点が拮抗していましたが、その要因は

引いて守る一線ディフェンスのときにリズムが悪く、思うようにいきませんでした。一線ディフェンスから高い位置での3-3ディフェンスに変え、相手のリズムを崩してから速攻を狙うようにしました。そこから後半も得点が取れるようになりました。

――今大会のご自身の調子はいかがですか

普通ですね(笑)。

――攻守ともに参戦することが増えましたが、いままでとの違いは

体力的な問題ですね。オフェンスに出ると体力的にきついのですが、だいぶ慣れてきたかなとは思います。

――その中で意識していることは

いままでディフェンスだけのことしか考えていなかったのですが、オフェンスで上の選手が動きやすいようにディフェンスを撹乱するような動きをしたりブロックを張るようにと考えています。

――3-3ディフェンスに変えるに当たってチーム内での話し合いは

最初は一線ディフェンスでロング勝負としていたのですが、それがうまくキーパーと連携が取れていなく打たれてしまっていました。最近の練習で3-3ディフェンスがうまくいっていたので切り替えて、相手のパスカットを狙ったり高い位置から仕掛けることにしようとなりました。

――大部分の4年生が引退されました、その抜けはどのように捉えていますか

やっぱり大きいと思います。練習の雰囲気もそうなのですが、4年生にかなり頼っていた部分がありました。いまは雄斗さん(東江、スポ4=沖縄・興南)がいるのですが、そこに頼り過ぎている気がします。3年生や2年生が自分たちでもっとやっていかないとなと感じています。

――次戦は実業団との試合となります。意気込みをお願いします

こういった公式戦で実業団の選手と試合ができるチャンスはそうないと思うので、自分たちが成長をできるような試合にしたいと思います。