駿河台大に完勝!鉄壁のディフェンス機能

男子ハンドボール

 この日はとにかく守りが堅かった。関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も終盤に突入。前日僅差で勝利を逃した早大は、秋季リーグから1部に昇格してきた駿河台大と対戦した。序盤はスピードを持ち味とする駿河台大と競り合う展開になるが、プレスやトップを置いたディフェンスが機能し相手にリードを許さない。前半残り5分に勝ち越すと、その後は一方的にゲームを支配。早大は貴重な3勝目を勝ち取った。

 これまでここ一番で守り切れなかったディフェンスが効果的に決まった。駿河台大の素早い攻撃展開に、早大は5-1ディフェンスで対応する。「きのうのディフェンス練習の成果が出た」(田﨑裕晃、スポ4=神奈川・桐光学園)との言葉通り、相手のパスをサイドに追いやり、GK中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)がサイドシュートをシャットアウト。理想のディフェンスができたことに加え、ペナルティースローを1年生GK永田奈音(スポ1=宮崎・小林秀峰)が好セーブでチーム・会場を盛り上げる。攻撃で気を吐いたのは東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)だった。早大の1点目を豪快なミドルシュートで生み出すと、そこからカットインやサイドシュート、ステップシュートと多彩なシュートを披露。自ら導いたペナルティースローも着実に決め一挙5得点。5-1ディフェンスでもトップに入り、パスカットからゴールを決め、攻守でチームをけん引する。東江は前半だけで10得点をたたき出し、早大は19-13で前半を折り返す。

得点を決め選手とハイタッチする萩原

 後半も前半の流れをそのままに早大のペースを保った。「インカレを見据えて、主力の選手だけでなく、サブのメンバーの活躍が必要」(田﨑)という狙いのもと、オフェンスは大幅なメンバーチェンジを行い、太田翔主将(スポ4=北海道・札幌月寒)や東海大戦から復帰した戸部大悟(教3=大阪・桃山学院)を投入。途中出場の選手も得点を重ね、駿河台大を突き放す。また後半の山場もディフェンスだった。駿河台大にとってこの試合2度目のペナルティースロー、早大はリーグ戦初出場の斉藤孝佳(人1=城北埼玉)にゴールを託す。初出場の1年生には厳しい場面も、斉藤は見事にセーブを成功させる。2人の1年生GKのファインプレーは早大をさらに勢い付け、34-23で完勝する結果となった。

秋季リーグ初スタメン、初得点となった田﨑

 前日の敗戦のショックはみじんも感じられなかった。課題のディフェンスで結果を出し、オフェンスにつなげることができた。またこの試合、秋季リーグ初スタメンとなった田崎が秋季リーグ初得点を記録するなどチームに明るい話題もあった。次戦は秋季リーグ最終戦、相手は関東学生春季リーグで引き分けた日大。この難敵を撃破しインカレに弾みをつけたい。

(記事 比留田孟徳、写真 谷口武、東哲也)

関東学生秋季リーグ
早大 34 19―13
15―10
23 駿河台大
スタメン
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)
CP 桐生正崇(人4=群馬・富岡)
CP 福岡佑哉(スポ4=北海道・札幌月寒)
CP 東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)
CP 田﨑裕晃(スポ4=神奈川・桐光学園)
CP 萩原侑(文3=東京・早実)
CP 三輪颯馬(スポ1=愛知)

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コメント

田﨑裕晃(スポ4=神奈川・桐光学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

僕らは先日負けてしまってインカレ(全日本学生選手権)のシードが取れないこともありましたが、切り替えてうまく試合に入れたと思います。

――きょうはディフェンスが機能していた印象を受けましたが、取り組んだ課題などはありましたか

きのうもディフェンス練習を中心に行ったので、その成果が出たと思います。

――相手のリスタートを止めて、オフェンスに持っていく展開がありました。オフェンスに狙いはありましたか

相手が高めの3-3ディフェンスだったので、サイドの選手やいろんな選手が切ってかき乱すということが成功したと思います。

――オフェンスでは田﨑選手自身も活躍し、ベンチも盛り上がりました

僕は初得点だったので、本当にうれしかったですね。

――きょうは選手の入れ替えも多かったように思いますが、大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)の指示などもありましたか

インカレを見据えてということもあり、主力の選手だけではなくサブのメンバーがいかに活躍できるかということですね。

――特に1年生キーパーはペナルティースローも止めました

うれしいですね。彼はすごく努力しているので、その成果が出て、チームもすごく盛り上がりました。

――インカレに向けて弾みのつく試合にもなりましたが、次戦の意気込みをお願いします

僕らのチームの最初からの目標であるインカレ優勝に向かってコツコツとやっていきます。

戸部大悟(教3=大阪・桃山学院)

――きょうを振り返っていかがでしたか

出だしは競ったのですが、いままでなかなか離し切れなかったのに途中で離すことができて良かったです。

――反省点は

個人の反省点としてはやはり緊張してぐちゃぐちゃしてしまったのと、立て直すのがうまくできなかったので、そこで焦らず仕切り直せるように頑張ってやっていきたいです。

――ギリギリで負けてしまった前回からどのように切り替えましたか

みんなで声を掛け合って切り替えました。

――チーム内で話したことは

先を見据えてやろう、という話をしました。

――復帰後の調子はいかがですか

ケガも治って完全に調子は良いです。

――今後の課題は

具体的な課題としては、落ち着いてプレーをするということを意識したいと思います。

――残り一戦に向けて

絶対に勝ちたいと思います。

萩原侑(文3=東京・早実)

――スタートから出場となりましたが、どういった意気込みで試合に臨みましたか

相手が3-3ディフェンスで広い1対1をつくれる状況だったので、僕の得意な1対1でどんどん間を割っていって、シュートにいってやろうという感じです。

――狙い通りのオフェスができたのではないでしょうか

1本シュートミスはしてしまいましたが、間を割ってイエローカードをもらえたりしたのでよかったと思います。

――ディフェンス面ではいかがでしたか

自発的にハンズアップや足の動き、マークチェンジなどの声を出せたので、相手に合わせずうまくできたと思います。

――選手交代が頻繁に行われましたが連携に影響はありましたか

途中から急に入った選手でも緊張しながらも点を取れたりと、連動は上手くいきました。

――まだ早いですが、来年以降のチームのメンバーでもあったと思います

そうですね。来年は大きい軸の雄斗さん(東江副将、スポ4=沖縄・興南)や正さん(桐生正崇副将、人4=群馬・富岡)たちが抜けてしまうので、自分たちの代がもっと成長しなければいけないと思います。

――次戦はいよいよ関東学生秋季リーグラスト、日大戦です。意気込みをお願いします

日大の方が3-3ディフェンスはうまいと思うので、けん制にも焦らず自分のプレーを出せたらと思います。

GK斉藤孝佳(人1=城北埼玉)

――リーグ戦初出場でした。本日の試合を振り返っていかがですか

ペナルティースローを決めたのはよかったのですが、残り5分くらいで出場してロングシュートもサイドシュートも決められてばかりで。それは今後の課題なので、練習を積み重ねて止められるようにしていきたいと思います。

――ペナルティースローを止めたときの率直な感想は

すごくうれしかったです。

――ゴールにはどのような気持ちで立ちましたか

すごく緊張しました。

――チームメイトからはどのような言葉をかけられましたか

「ナイスキーパー」と言われました。それだけです。

――コートの外から見て、本日の試合でのチームの雰囲気はいかがでしたか

この何戦かの中でだいぶ活気があり、まとまりもあって雰囲気もよかったのですごくいい試合だと思いました。

――明日は関東学生秋季リーグ最終日です。意気込みをお願いします

あす試合に出られるかは分からないのですけど、ベンチの外からでもチームに貢献できるように努力します。