待望の白星!勝利への思いが結実!

男子ハンドボール

 ついにワセダがうれしい2勝目をあげた。最近3試合、勝負どころでのミスが響きもどかしい思いをしてきた早大。立大を相手に迎えた今季第6戦は前半から緊迫した展開に。取られても取り返し、徐々にペースをつかんでいった。最終スコアは31-27と立大も最後まで粘りを見せたが、運動量・団結力で上回り、明大戦以来、実に4試合ぶりの勝利を収めた。

 前半の立ち上がり、これまで早大が苦手としてきた最初の『10分間』。選手・ベンチが一体となって互いに声を掛け合う。1年生の三輪颯馬(スポ1=愛知)がこぼれ球に飛び込んで気持ちを見せれば、桐生正崇副将(人4=群馬・富岡)がきれいなカットインで得点。東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)は攻守にわたって仲間に的確な指示を出し、自らも豪快なシュートで得点を重ねる。ディフェンスでは全員が足を動かし、積極的にけん制に出た。伊舎堂博武(スポ1=沖縄・興南)が機敏な動きで相手のパスのリズムを崩す。とにかく『運動量』で負けないこと。ベンチからも「足を動かせ!」「運動量!」と指示が飛んだ。しかし、立大も早大ディフェンスの穴を突くシュートを打ち込んでくるため、なかなか点差が広がらない。前半ラスト2分で東江、桐生が得点し、13-11と2点リードの状態で前半30分を乗り切った。

チームを引っ張っていった東江副将

 後半は一層激しい点の取り合いとなった。オフェンス面でひときわ輝いたのは伊舎堂の活躍。前半はロングシュートがゴール枠内に収まらず苦しんだが、周りを生かすプレーでリズムに乗り、自身も後半だけで5得点とチームに貢献した。齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)も巻き上がりからのカットイン・強烈なシュートで大いに相手を苦しめた。また、早大優位の試合展開となった大きな要因の一つはGK中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)の好セーブだろう。ディフェンス6人が外に追いやった相手のシュートをしっかりシャットアウト。ディフェンス面でチームが意識したのは「9メートルエリア内に侵入してきた相手にしっかり当たっていくこと」(桐生)。その言葉通り、GKと連携して相手のオフェンスをしっかりと分断した。粘る相手を抑え込み、最後は東江・伊舎堂の興南コンビが見事スカイプレーを決めて魅せ、歓喜の瞬間を迎えた。

相手を追い詰めた齊藤

 この試合、オーバーステップになった東江が何度も床を叩いて悔しがるなど各選手が見せた執念が勝利に結びつき、チームにとって最高の結果となった。一方、優勝という当初の目標はいまや大きく遠ざかってしまったのも事実。3試合連続で接戦を落としたことに関して伊舎堂らが悔しげに振り返ったように、選手たちは決して今日の勝利だけでは満足していない。チームの雰囲気のよさは早大の強みの一つ。各選手の技術力向上やこれまで出番の少なかった選手・ケガから復活した選手の活躍にも期待したい。残る法大・駿河台大・日大戦でも勝利を積み重ね、チームとしてまだまだステップアップすることを目指す。

(記事 田中一光、写真 梶井夏葉、篠原希沙)

関東学生秋季リーグ
早大 31 13―11
18―16
27 立大
スタメン
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)
CP 桐生正崇(人4=群馬・富岡)
CP 東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)
CP 齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)
CP 西山尚希(社2=香川中央)
CP 三輪颯馬(スポ1=愛知)
CP 伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)

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コメント

桐生正崇副将(人4=群馬・富岡)

――きのう引き分けてからの試合となりましたが、どのような気持ちで臨まれましたか

とにかく切り替えるというのを意識して臨みました。

――4試合ぶりの勝利となりましたがいかがですか

勝てたというのは大きいと思います。

――前半は競り合っていて相手にリードを許してしまう場面もありましたが、ハーフタイムでどんな切り替えをなさいましたか

相手のバックプレイヤーの選手に押し込まれてやられている部分があったので、打たせているのはいいんですけど、最後9メートルのラインの中に侵入してくる相手にはしっかり当たるように意識しようと話し合って後半臨みました。

――今日桐生選手はチームトップの8得点を挙げていらっしゃいました

オフェンスの面ではやはり僕や雄斗(CP東江雄斗、スポ4=沖縄・興南)といった4年が引っ張っていかないとな、と思って積極的にゴールを狙っていきました。結果たまたま点数がたくさん取れたというのがこの勝ちにつながったと思います。後半はキリを多くするとか、監督から言われた抽象的な事を実践したという感じですね。

――あと残り3戦となりました

ラスト3つですね。最初はリーグ優勝とか掲げていましたが、今となってはもう厳しい戦いになってしまったので、あとは11月にあるインカレ(全日本学生選手権)に向けてどうステップアップしていくか、そういった意味で大事な3戦になると思います。変則ディフェンスであったり、0−6のピストンの速いチームが残っているので、ステップアップのいい土台にできるように3試合臨んでいきたいと思っています。

齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)

――きのうの引き分けからどのような心境で臨まれましたか

きのうは勝てる試合を引き分けてしまったので、とりあえず切り替えて臨みました。

――4試合ぶりの勝利となりましたが

素直にうれしいです。

――前半は取って取られての展開、後半はワセダのペースといった印象を受けましたが

そうですね。やはり結局ディフェンスからなので。あとはやられるところを修正しました。

――ご自身はきょう豪快なシュートを連続し、6得点という結果でした

間が割れたので、もういこうと思っていきました。

――残り3試合となりますが、次戦に向けて意気込みをお願いします

やることをちゃんとやって、インカレにつながるような試合をしていきたいです。

伊舎堂博武(スポ1=沖縄・興南)

――4試合ぶりの勝利となりましたが、いまのお気持ちはいかかですか

やっと勝利できてうれしいです。これまでの3試合も勝てた試合でしたが、自分たちの甘いミスで負け試合になっていたので、今回は際の部分でチームのみんな、先輩たちがカバーしてくれたり、チームでひとつとなってプレーできたので良かったです。

――きのうは早大が優位に進めていた試合を引き分けに持ち込まれてしまいましたが、切り替えの面ではいかがでしたか

きのうはホームということもあってみんなテンションが上がっていて、ウォーミングアップもうまくいきました。それで前半は理想としていたかたちで試合に臨めていましたが、後半になって気の緩みや簡単なミスが出てしまって相手に引き分けに持ち込まれました。コーチや監督からはこの引き分けから次勝って尻上がりに上がっていけるようにとお話があったので、その言葉通りきょう勝ててよかったです。

――伊舎堂選手自身も7得点に加えて周りを生かすプレーも多くありましたがいかかでしたか

前半はシュートの調子がよくなくて、周りをうまく使えというベンチからの指示を意識しながら強気に攻めました。周りを使うことによって、自分のシュート場面にもつながってしっかりと決めることができたのでよかったです。

――早大としてもクロスプレーから狙い通りのプレーを展開できたと思いますが

僕自身も間を強く割っていく意識でやっていたので、それがうまくいって周りも合わせてくれたので良かったです。

――相手の立大には母校・興南高校出身の選手が数多くいましたがいかかでしたか

立大とは練習試合で1、2回やっていましたが、いざリーグ戦となると全く違う雰囲気でした。高校までずっと一緒にやってきた仲間がたくさんいましたが、あまり気にせずに楽しみながらやっていこうと思って試合に入りました。早大には沖縄勢は2人しかいなくて寂しいんですけど(笑)、東江(雄斗副将、スポ4=沖縄・興南)先輩とも「自分たちで頑張っていこう」と声掛けをして、最後はスカイプレーも出て楽しめてよかったです。

――最後に来週からの連戦に向けて意気込みをお願いします

きょう調子が良かっただけと言われるのは嫌なので、また次の週もチームのために自分ができることをやって勝利に貢献できたらいいと思います。