筑波大の猛攻防げず、悔しい敗戦

男子ハンドボール

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)が開幕した。早大は関東学生春季リーグ6位に沈んだ雪辱を果たすべく初戦に臨んだが、筑波大の勢いある攻撃に終始苦しみ完敗。夏に積み重ねてきた厳しい練習の成果を発揮できず、悔しいリーグ戦のスタートとなった。

 前半序盤、丁寧な試合運びで流れをつかんだのは早大だった。大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)をはじめチーム全員で声を掛け合い、これまで苦手としてきた試合の立ち上がりに成功した。東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)がロングシュートにポストパスと期待通りのプレーを見せる。しかし、個々の能力が高い筑波大も司令塔を中心に派手に得点を重ねていく。一方的に5点連取されたところで早大はたまらずタイムアウトを取ったが、流れを変えることはできず、10分間無得点という苦しい展開に。エース東江がマンツーマンでマークされ打開策に欠いた。1年生の三輪颯馬(スポ1=愛知)や小畠夕輝(スポ1=岡山・総社)がシュートを決め立て直すも、ディフェンスの連携が上手くいかず12-20で前半を折り返す。筑波大は決定機のシュートをしっかり決めていただけに、背の高い相手キーパーに対しシュートミスを連発した結果が8点の差となってしまった。

途中出場し6得点を挙げた小畠

 「ラスト1分で追い付こう」(東江)と意気込んで後半を迎えたが、筑波大の勢いは止まらない。1対1のディフェンスを修正できず、走り込んでフェイント、シュートという相手の狙い通りのオフェンスを許してしまう。相手の選手たちは交代で出てきた選手を含め、全員がどん欲にゴールを狙ってきた。一方、エースを封じられた早大のオフェンスは桐生正崇副将(人4=群馬・富岡)、西山尚希(社2=香川中央)を中心とするフォーメーション。果敢にカットインを狙うもなかなか相手ディフェンスを崩すことができない。ラスト10分には西山の豪快なロングシュートが決まるなど早大本来の攻めを見せる時間帯もあったが、時すでに遅く28-40で試合終了となった。秋の躍進を目指す早大にとっては手痛い開幕戦となってしまった。

果敢にゴールに迫った福岡佑哉(スポ4=北海道・札幌月寒)

 秋季リーグに向けてチームの雰囲気を高めてきた早大。筑波戦では各々の意気込みを結果につなげることはできなかった。現在ケガで欠場している選手もいるが、10チーム総当たりのリーグ戦はまだ始まったばかり。「自分たちのフィールドで戦えば絶対に負けない」と太田翔主将(スポ4=北海道・札幌月寒)。これからチーム一丸となって巻き返しを図る。

(記事 田中一光、写真 尾澤琴美、谷口武)

関東学生秋季リーグ
早大 28 12―20
16―20
40 筑波大
スタメン
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)
CP 桐生正崇(人4=群馬・富岡)
CP 福岡佑哉(スポ4=北海道・札幌月寒)
CP 東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)
CP 齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)
CP 西山尚希(社2=香川中央)
CP 三輪颯馬(スポ1=愛知)

コメント

太田翔主将(スポ4=北海道・札幌月寒)

――秋季リーグが開幕して、いまのチームの雰囲気はいかがですか

この2週間、試合に入る前の雰囲気づくりから挑もうとチームで統一してやってきました。その成果は最初の5分で一応出せたかなと思います。

――結果的には大差が付いてしまいましたが、きょうの結果に関してはいかがですか

やってきたディフェンスが崩されたときにどう対処できるかが自分たちの悪い部分だと感じました。自信を持っているディフェンスが崩されたときに、試合に出ている選手内でいかに早く解決策を見出し立て直せるかが今後の課題だと思います。

――セットオフェンス、セットディフェンス共に機能しなかった印象もありますが

やはりどちらか一本つくらないといけなかったですね。自分たちはディフェンスは嘘つかないと思っていて、ディフェンスでしっかり守ってからオフェンスにつなげたいと思っているので、先にディフェンスを固めないといけなかったなと思います。

――この夏意識して取り組んできたことは

セットオフェンスのバリエーションを増やすことと、速攻のつなぎを増やすことの2つを主にやってきました。セットオフェンスに関しては練習試合から成果が出ていると思っているので、そこをリーグ戦でも発揮できればいいかなと思っています。

――最後に自身最後の秋季リーグに向けて意気込みをお願いします

きょうは負けてしまいましたが、自分たちのフィールドで戦えば絶対に負けないと思うので、あしたからは修正して切り替えてこれからの全部の試合で勝てるように頑張ります。

東江雄斗副将(スポ4=沖縄・興南)

――リーグ開幕戦ということでしたがチームの意気込みの方はいかがでしたか

4年生にとっては最後のリーグ戦なので、練習中の雰囲気作りも良くなっていて、リーグ戦前の雰囲気は良くなっていました。初戦落としたのは残念な気持ちがあります。

――試合を振り返っていかがでしたか

ことしのチームはいつも前半の出だしが(良くない)と言われていたので意識してやっていてすごく良かったのですが、ディフェンスでの当たれる部分で当たれずにフリーのシュートが多く、キーパーとの連携も合わなくて攻撃でもうまく噛み合わず、2次的速攻な感じで結構押されていて、トータルを振り返るとダメだったなと思います。

――シュートミスが目立ったように思われますが

ノーマークつくってのミスや、打たされて半分勝負されてのシュートでミスは多かったのですが、ノーマークをつくるまでだとか、攻撃の組み立て方などを少し修正していかないといけないかなと思いました。

――お話にも出ていたディフェンスについてですが、連携が取れなかったということでしょうか

対策は練っていたのですがそれがうまくかみ合わず、そこでうまく相手にノーマークをつくられてカットインやサイドシュートを気持ちよく打たれていた部分があったと思います。

――ハーフタイムにはどのような話をされていましたか

すごく点差が開いていたのですが「ラスト1分で追い付こう、ここから落ちることなくどんどん上がっていこう」と話し合っていました。ですが、うまく後半相手に裏をつかれたというか、マンツーマンでつかれたことでリズムが狂ってしまいやられてしまいました。

――ご自身のプレーを振り返ってはいかがですか

前半から思い切りやっていこうとしていて出だしは良かったのですが、相手にマンツーマンつかれてから少しイライラがたまってしまい、自分が引き付けてパスを出せばいいところを意地になっていったりしてしまいました。それが空回りのような感じになってしまったので、そこは反省点かなと思います。

――夏の間は他で練習などはされましたか

ユニバーシアード(競技大会)が終わってからはワセダに合流して8月はずっとワセダで練習していました。問題なくコミュニケーションも取れていていい練習はできていたのですが、それが結果に結びつかなかったので少し残念ですね。

――次戦に向けてどういったところを修正して臨まれたいですか

初戦を落としただけなので、残りの試合に向け、リーグ戦何が起こるかわからないので次の相手に切り替えてしっかり修正してやっていきたいです。

福岡佑哉(スポ4=北海道・札幌月寒)

――敗戦となりましたが、いまの福岡選手の気持ちは

関東学生春季リーグ(春季リーグ)6位ということで、その雪辱を果たすためチーム一丸となって試合に挑んだつもりでしたが、結果がこうなってしまって非常に悔しいです。

――筑波大は春季リーグで勝利した相手でしたが、日本代表を数名要する相手チームはやはりレベルアップしてきたと感じましたか

筑波大はフィジカルを強みとしていて、そういうオフェンスを許して乗らせてしまうと厄介になると考えていたのですが、やはりディスタントシュート、カットインなどでこちら側のディフェンスがごちゃごちゃになってしまい、相手の強みを生かさせてしまったなという感じでした。

――福岡さんご自身は春リーグではディフェンスを主に担当していましたが、今回はオフェンスも通じてフル出場でした。この試合を通じて得た課題はどのようなことですか

チームとしてディフェンスができないと試合に勝つことは難しいので、今回は主に一枚目を守らせてもらったなかで、チームのためにできることはたくさんあったはずだと思います。一枚目としてチームのディフェンスを支えていかなければいけないし、4年生でもあるのでチームの要となっていきたいです。

――関東学生秋季リーグへの意気込みをお願いします

リーグ戦はまだこれからなので、チームとして切り替えを意識してまずは一つの勝利を目指したいです。まだまだ長いスパンでメンタルを保ちつつ勝ちを積み重ねていきたいです。