日大相手に手痛い引き分け

男子ハンドボール

 関東学生春季リーグ(リーグ戦)も4戦目を迎えたが、なかなか波に乗り切れていない早大。対戦相手は昨年度全日本学生選手権2位の強豪・日大だ。今回2チーム制を止めスタートからチームを一つにまとめたことからも簡単な試合にはならないと予想はされたが、辛くもそれが的中。終盤まで取っては取られるシーソーゲームを繰り広げた。最後はGK中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)の活躍でなんとか引き分けに持ち込み試合終了。春季リーグ優勝へ足踏みする結果となった。

 この日はルーキー伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)が公式戦初出場。「硬さはあった」(伊舎堂)と振り返ったが、1年生ながら堂々としたプレーを披露しこれからに期待が持てる活躍だった。加えてこの試合では、攻撃のオプションとしてポストにバックプレイヤーを入れるということで川島悠太郎(スポ3=福井商)や伊舎堂らをポストに起用。攻撃の起点としてボールを受けてから前を振り向き相手の3-3ディフェンスを崩そうとするも、これがうまくかみ合わず。それでも途中まではリードしていたが、逆速攻でのミスが目立つとたちまち差を詰められ13-14の1点ビハインドで折り返す。

注目のルーキー伊舎堂が躍動した

 1点を追いかける後半は出だしから守りに精彩を欠き、強みでもあるセットディフェンスで守り切ることができなかった。それでも萩原侑(文3=東京・早実)や桐生正崇副将(人4=群馬・富岡)らを中心に得点を重ね、GK中野も好守でチームを後押し。そして後半20分、松本光也(社2=神奈川・法政二)が体勢を崩しつつ放った気迫のシュートで見事逆転。このまま畳み掛けたかったが、焦りから3連続失点を許し再び日大の背中を追う展開に。最後のタイムアウトで気持ちを切り替えた直後、桐生副将のポストシュートと伊舎堂のカットインで追い付くことに成功。だが試合終了間際、土壇場でペナルティスローを与えてしまう。しかしこのピンチをGK中野がこの日一番のビッグセーブで防ぎ、25-25の同点で試合終了。痛恨のドローを喫した。

チーム最多の6得点を奪った桐生副将

 試合後、桐生副将は「負けに等しい引き分けだった」と厳しい言葉を漏らした。キーパーが再三の危機をしのぎ後方から引き離すチャンスを演出するも、コートプレイヤーがそれに応えられなかったことがこうした結果につながったのだろう。この先は日体大、国士舘大、東海大との3連戦となる。春季リーグ優勝を掲げる中で次週が山場になることは間違いない。ここを全勝で乗り切れば、おのずと頂点までの道が開かれるはずだ。

(記事 佐藤凌輔、写真 尾澤琴美、藤巻晴帆)

関東学生春季リーグ
早大 25 13−14
12−11
25 日大
スタメン
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)
CP 桐生正崇(人4=群馬・富岡)
CP 福岡佑哉(スポ4=北海道・札幌月寒)
CP 川島悠太郎(スポ3=福井商)
CP 齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)
CP 西山尚希(社2=香川中央)
CP 伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)
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コメント

桐生正崇副将(人4=群馬・富岡)

――同点に終わってしまいましたが、この結果についていかがですか

引き分けですが、負けに等しい引き分けだったのかなと思っています。

――1点ビハインドで折り返した前半を振り返っていかがですか

良い流れでもなかったですが悪い流れでもなかったので、ほぼトントンで終えられたのかなと。

――前半の最後の方でリズムを崩しているような印象でしたが

交代で入ってきた選手がおどおどしていたというか合わなかったというところで、若干リズムが崩れたんだと思っています。

――相手の3-3ディフェンスを崩す時、下3人となかなかかみ合わっていなかった印象もありますが

攻めのオプションとしてポストにバックプレイヤーを入れるっていうことでやったんですけど、そこがうまく機能しませんでした。それが原因ですかね。

――桐生選手自身、相手ディフェンスの間を無理に割って厳しい体勢でのシュートも多かったと思いますが

3-3ディフェンスは間が広いので一人一人が間を狙わらないといけないんですけど、そういう面で両45がもっと積極的に強引に割っていけたらいいのかなと思います。

――後半の終盤はチーム全体、焦りを感じていたのではないでしょうか

そうですね、負けられない状況だったので。

――最後のタイムアウトではどんな話しをしましたか

チームで話したのは、点は取られちゃいけない状況だったのでとりあえずディフェンスで守るっていうこと。あとは相手のエースプレイヤーを厚く守って、他のところで勝負するっていうことですね。

――最後には自身はポストに入って、センターを伊舎堂博武選手(社1=沖縄・興南)に任せていましたが

まだ調子が上がっていなかった博武がポストに入って一対一するよりは、僕が入って1対1した方がいいのかなと思い僕の判断でポジションを変えました。1プレーだけでしたけどそれが良かったのかなと思いました。

――最後に、次の日体戦への意気込みをお願いします

GWの3連戦が山場というか、このリーグ戦(関東学生春季リーグ)で上位に上がれるかどうかが懸かる大事なところだと思うので、一戦一戦しっかり戦っていきたいと思います。

GK中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際)

――好セーブが目立った今節、いままでの積み重ねなどから考えたことはありますか

特に意識したことは無いです。ディフェンスリーダーだったので頑張りました。

――体がよく動いたと捉えてよろしいでしょうか

0

きょうは早起きしたので動きました(笑)。

――前半と後半のタイムアウトで何を話されましたか

自分は監督(荒木進監督、平5人卒=熊本商)と話していたのでチームが話したことは分かりませんが、ロングシューターに対しての枝の潰す位置をちゃんと伝えとけと言われました。

――GKから見たチームのディフェンスはいかがでしたか

やるべきことがはっきりしていなかったので、次までに練習しなければいけないと思います。

――後ろから見ていて攻撃について考えることはありますか

途中から入る選手が自分の意図を持ってプレーしていないし、4年生とかも指示を出していなかったり、気持ちを出したプレーをしていなかったのかなと思います。西山(尚希、社2=香川中央)はシュートを外してはいましたが、攻撃に対しての気持ちという面が現れていたので一緒に負けてもいいと思えるのですが、途中から入って、外から言われないとできないような選手とは一緒にやりたくないと思います。必死さが足りないように見えました。

――相手チームの印象はいかがでしたか

高い3-3ディフェンスと自分たちのペースで攻めてくるので、相手のディフェンスをいかに自分たちが崩して相手のエースと言われているプレイヤーをどう守るかがカギだったと思います。

――試合終盤には相手との1対1の場面が増えましたが、どんな気持ちで迎えていましたか

止めないといけないと思っていますが、自分と相手プレイヤーの一対一になる前に何かできることはあったのではないかと思います。自分が止めて失点しなかったからいいではこの先は勝てないと思います。

――試合終了間際の退場について

ラスト3秒だったのでここでボールを渡したらやばいと思い、わざと退場しました。

――次戦への意気込みをお願いします

次戦は親も来るので、早起きを心掛けたいと思います。

伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)

――公式戦初出場ということでしたが緊張等はありましたか

プレーが硬くなることもあったのですが、先輩たちが声を掛けてくれたりしてくれたおかげで後半になっていくにつれ自分なりのプレーができてきました。でもまだ自分の力が足りなくて結果的には良くはなかったです。

――ケガをされていたということでしたが、きょうの調子はいかがでしたか

ケガの方は完治しました。感覚の方も先週くらいから練習に参加して戻ってきているので気にすることはなかったです。

――厳しい試合運びとなりましたがプレー面で意識されたことなどはありますか

自分はまだ1年生なので、先輩たちに気を遣わずに自分ができることを精一杯やろうと思って試合に挑みました。

――最終場面ではセンターを任されていましたが何かコーチから指示などはありましたか

試合が始まる前から持ち味である強い1対1をやっていけと言われていて、ポストに入った時も1対1から始まる展開を意識していました。最後にやっとできた感じでした。

――相手のキーパーが高校の同期ということで早い時期での対戦となりましたが、実際試合をしてみていかがでしたか

そんなに相手を気にすることはなかったですが、最後にシュートにいく時にいつも自分たちのバックを守ってくれていた仲間が相手にいるので少し違和感はありました。でもそこまで意識することなく、しっかり自分のプレーをするようにしていました。

 

――次戦への意気込みをお願いします

日体大はスピードがあるチームなのですが、自分もスピードでは自信があるのでそこでは負けないように意識していきたいと思います。