仕上がりは上々、危なげなく初戦突破

男子ハンドボール

 「日本一」を決める大会、全日本学生選手権(インカレ)がついに開幕。『三冠連覇』という偉業を果たすため、早大は愚直に優勝を目指す。そして迎えた1回戦、対戦相手は立命大。立ち上がりでその実力を見せ付け、試合を支配することに成功する。失点は抑えつつ得点を伸ばし、11点差を付けて前半終了。後半は、大きくメンバーを代えて臨んだ。緊張による固さも見られたが、徐々にインカレの雰囲気をつかみ思い切りを取り戻していく。その後も最後まで攻撃の手を緩めず、32-23で快勝。上出来の内容で初戦を突破した。

 これまでの関東学生春季リーグ(春季リーグ)、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を乗り越え、またトレーニングを積んで臨んだ今大会。持ち前のディフェンス力には、さらに磨きがかかっていた。堅守速攻でみるみる点差を離し、序盤から格の違いを見せつける。大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)も「レギュラーメンバーが出ていたときは完全に試合を制していた」と、コメントを残すほど圧巻の試合運びだった。川島悠太郎(スポ2=福井商)も躍動。自分からも攻撃の起点をつくり、シュートチャンスも逃さず決め、大量得点に大きく絡む活躍だった。前半20分が過ぎると、西山尚希(社1=香川中央)と齋藤凌(スポ2=岩手・不来方)を投入。雰囲気に慣れるまで少し時間を要したが、GK中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)も好守で2人をサポート。そこからはしっかりと自分の役目を果たし、積極的にゴールを狙う。一度もリードを奪われないまま、19-8終える。

チャンスを逃さず決めた川島

 後半に出場した選手たちはそれぞれ任された役割をこなすため、ベストなパフォーマンスを発揮した。プレーにムラがあり、主力と比べると連携の安定感は欠いたが、萩原侑(文2=東京・早実)や松本光也(社1=東京・法政二)らの調子を確認できたのは収穫だろう。下級生中心で試合を進めていたが、これを支えたのがGK増田翔(スポ4=神奈川・生田)だ。ディフェンスのミスを見事なキーピングで埋め、経験値の差を証明してみせた。これでコートに立った選手たちも徐々に落ち着きを取り戻すことに成功。終盤には連続得点で、より勝利を確実なものに。そのまま試合は終了し、最終的には9点差をつけて大勝。1回戦からその盤石さを示した。

好セーブの連発で勝利に大きく貢献した増田

 春季リーグ、秋季リーグ共に白星を挙げられなかった筑波大がまさかの敗退を喫するなど、波乱があったインカレ1日目。これこそまさに一発勝負の怖さだろう。さらには連戦による体力的な不安も、チームに重くのしかかる。これらを跳ね除けて、初めて頂点に立つことができるはずだ。早大もこの先、厳しい試合展開を強いられることがあるだろう。だが、これまでと同じように蹴散らすだけだ。次の福岡大戦でも確実に勝利を挙げ、さらに勢いに乗りたいところ。目の前の敵を1つずつ倒して、優勝への道を登る。

(記事、写真 佐藤凌輔)

全日本学生選手権
早大 32 19−8
13−15
23 立命大
GK 中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)
CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南)
CP 内海祐輔(スポ4=香川中央)
CP 福岡佑哉(スポ3=北海道・札幌月寒)
CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)
CP 桐生正崇(人3=群馬・富岡)
CP 川島悠太郎(スポ2=福井商)
コメント

大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)

――きょうの試合の総括をお願いします

インカレの初日なので、一番重要なのはリズムに乗るというか、インカレの雰囲気になじむところだけでした。ミスはあったんですけど、トータルで勝利できたっていうところは次につながるのでオッケーかなと思います。

――試合の出来としてはまずますといったところでしょうか

ご覧になった通り、レギュラーメンバーが出たときは完全に試合を制していたので、出だしの15分で試合は決まったのかなというところですね。

――では、立ち上がりはほぼ完璧だったということですか

そうですね、自分たちのディフェンスが機能してそこから川島、東江(雄斗、スポ3=沖縄・興南)が速攻でリズムに乗れたので、初戦にしてはまずまずといったところですかね。

――きょうはやはりチーム全体の確認の意味もありましたか

自分たちはベンチ入りの全員で戦うというのは言ってますし、やってますので、誰が出てもワセダのやることは変わりませんし、この意味で後半のスタートはいつも出ていないメンバーにしました。ちょっと固かったですよね。でもそこも含めてチーム力だと思っているので、きょうに関しては勝利できたっていうことで良いと思います。

――では、主力を休ませるといった面でもきょうは良かったということですか

インカレは5試合あるので、そこを通していかに最初の方で体力的なロス、消耗を無くすかっていうのも勝ち上がっていくには必要な要素ですよね。そういった面では、レギュラーメンバーと言われている選手を休ませることができたのは、われわれにとっては大きいです。

――連戦ということで、次戦までに修正したいところは

相手のクイックスタートですね。得点した後のバックチェックで何点か失点しているので1つはそういった部分。あとは、後半メンバーを代えたときに相手に対してプレッシャーを掛けられず、クロスプレーで真ん中からロングシュートを打たれるケースが多かったですね。そこで自分の役割、目の前のオフェンスに対してコンタクトであったり、なにか衝撃というか、そういうものを与えてから受け渡すということをやらないといけないね、とこの2点を話しました。