秋季リーグ優勝!近づく『三冠』

男子ハンドボール

 前回の明大戦でまさかの敗戦を喫した早大。関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)の全勝優勝の夢は断たれたものの、優勝を懸けた大一番の勝負を迎えた。前回までの課題であった立ち上がりを克服したものの、序盤から一進一退の展開を繰り広げ、同点で前半を折り返す。後半は堅実な攻守のもとで着実に得点を重ね、粘りを見せ25-23で勝利。関東学生春季リーグ(春季リーグ)に続いて秋季リーグの優勝が決定した。

 試合開始直後から積極的に攻撃を仕掛ける早大。先制点こそ日体大に許したものの、内海祐輔副将(スポ4=香川中央)、川島悠太郎(スポ2=福井商)、東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)らがチャンスを活かし着実に加点。さらにGK中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)が確実に相手シュートを阻止し、早大が立ち上がりから順調に試合を運んだ。しかし、日体大がタイムアウトを獲得した直後から反撃を開始する。早大はシュートを放つもミスが続き失点。試合は振り出しに戻り、前半を10-10で終えた。

最上級生として攻守でチームを引っ張る内海副将

 後半開始30秒、日体大の速攻によって失点。連続2失点を奪われてしまったが、玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)が気迫のこもったシュートを放つと、早大が主導権を握る。ここで、堅実なディフェンスとパスプレーによって桐生正崇(人3=群馬・富岡)が活躍。さらに東江が高い位置からのシュートを放つスーパープレーをみせ、会場を沸かせた。試合が終盤に差し掛かってもなお、集中力を切らさなかった早大。ディフェンスでも隙を見せず、相手に追従を許さない。その結果、25-23で勝利し、秋季リーグの優勝が決定した。

苦しい場面でもシュートを決めエースとしての存在感を示した東江

 前回の試合で明大に負けたために、今回の日体大戦の勝敗によって優勝が左右されるという状況で戦いに挑んだ早大。背水の陣のなか、プレッシャーをはねのけ、昨年に続いて4季連続リーグ戦制覇を果たした。今季は最終戦を残しての優勝となったが、残す相手は春季リーグで敗戦した筑波大。「大差で勝って秋季リーグを終えたい」と語った玉城主将。目標である春季・秋季リーグと全日本学生選手権(インカレ)の三冠獲得に向けた道のりはたやすくはない。真の王者に近づくべく、有終の美で秋季リーグを締めくくることはできるか。次戦、早大の真価が問われる。

(記事 久良佳菜子、写真 山本葵、藤巻晴帆)

関東学生秋季リーグ
早大 25 10−10
15−13
23 日体大
スタメン
GK 中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)
CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南)
CP 内海祐輔(スポ4=香川中央)
CP 森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)
CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)
CP 桐生正崇(人3=群馬・富岡)
CP 川島悠太郎(スポ2=福井商)
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コメント

玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)

――優勝おめでとうございます。いまの率直な感想をお願いします

日体大に勝てたというのは良かったです。特にディフェンスですね。失点を25点以内に抑えられたので、これはチームで良く守れていたということだと思います。

――きょうの試合、チームでどういった意気込みで臨みましたか

先週明大に負けたということで、残りの2試合を勝たないと優勝できないというプレッシャーがありました。それでも1戦目の日体大にどう勝つか今週の練習でやってきて、その結果として2点差で勝てたというのは大きいですね。

――ディフェンスでは3枚目を守っていましたが、なにか指示があったのでしょうか

いや特にはありませんでした。自分たちは全員がどこでも守れるようにディフェンス練習をしてきているので、特別になにか指示があったというわけではないですね。

――前半は同点で折り返しましたが、ハーフタイムはどういった話し合いをしましたか

相手の得点の10点中6点が自分たちのミスからの逆速攻なので、セットプレーによる失点だけ見ると10-4、自分たちの速攻も引いたら7-4くらいでした。こういったデータからも、ディフェンスは本当に守れているからあとは簡単なミスが続いているとき、プレーが下に落ちたときにもっと早く立て直そうといった話をしました。インカレは5連戦でリーグ戦とは違って1週間空くとかいったことはないので、すぐに反省点を修正しなくてはいけません。なので、こういったことは次にもつなげなくてはなと思います。

――最後に、あすの最終戦へ向けて意気込みをお願いします

あしたの相手の筑波大は春季リーグで唯一負けた相手です。優勝は決まりましたが自分たちは春に負けているので、インカレに向けてのゲームの流れとかも考えて、あしたは1点差とかではなく大差で勝って秋季リーグを終えたいと思います。

内海祐輔副将(スポ4=香川中央)

――きょうの試合を振り返って率直な感想を

今季のリーグ戦はいつも序盤が悪かったのですが、今回は出だしが良かったです。だから、(試合運びも)うまくいくかなと思いましたが、前半の中盤から終盤にかけて追いつかれてしまいました。後半から粘って、ディフェンスから速攻で走り、相手を離して勝てたのが良かったと思います。

――前回までディフェンスが課題に挙げられていましたが、今回は順調でしたか

そうですね。当たるところは当たれて、ロング勝負というところではしっかりと打たせて取って僕らの速攻、という形を守れていたと思います。

――前回の敗戦から修正してきた課題点とは

とにかく僕らは、うちから湧いてくるものが足りないというふうに言われていたので、アップから盛り上げて、「勝つんだ!」という気持ちを前面に出して試合に臨みました。

――4年生として意識したことは

ムードをつくるとか、プレーじゃないところで(4年生として)意識をしていました。

――きょうはガッツポーズを何度もしていましたが、日体大戦に向けた気持ちはどのようなものでしたか

これで勝ったら優勝とかいうのは考えずに、僕らは「全部勝って優勝をする」という目標を立てていたので、先週は負けてしまったのですが、残りの2戦は絶対に勝つというふうに考えて試合に臨みました。

――最後に、あすに向けて意気込みを

あすも勝って優勝しないといけないと思っているので、自分たちのプレーをして、筑波大を圧倒して優勝をしたいと思います。

森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)

――優勝への率直な感想をお願いします

優勝が決まるというのは試合中に知ったのであまりよく分かりませんでした。(笑)とりあえず前の試合で負けていたので、今週の2試合はインカレにむけてしっかり勝たなきゃいけないと思って臨んだ試合だったので、勝ち切れてよかったです。

――相手に対して意識されていたことはありますか

とにかく今週の2試合は大事なだと思っていたので、チームで話し合って対策とかは練っていました。でも日体大だからこうという訳ではなくて、自分たちが今までやってきたことをしっかり出すのを意識して挑んで、それが結果として出たのでよかったです。

――ご自身の調子はいかがでしたか

調子が悪くてチームに迷惑かけている中でも自分の役割というのはあると思っています。自分の場合はディフェンスで、そこではしっかりリーダーシップをとっていこうと決めていたので、その部分では貢献できたと思います。でも攻めで足を引っ張ってしまっているので、これから個人練習とかチームでしっかり合わせていかなきゃいけないと思います。

――後半の退場について

やはり終盤で退場してはいけないと思うんですけど、してしまったのはしょうがないので戻った時にはしっかり切り替えて、次のことに集中しようと思ってやっていました。

――最終戦に向けての意気込みをお願いします

全勝優勝とはならなかったですが、インカレに繋がるよう勝ち切ることを大事にしていきたいです。あとは自分たちがやってきたこと、特にディフェンスで守ってからセットオフェンスで点数を取るというのを形にして出していければと思います。とにかくインカレにつながるよう勝ち切ることだけに集中してやっていきたいです。

東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)

――優勝した今の気持ちは

前明大に負けて、この1戦に集中していこうという意識がチームにありました。その中でチーム全員で勝ち取った優勝だと思うので、素直にうれしいです。

――今日の試合への意気込みは

特別な意気込みは無く、いつも通りのプレーをすれば勝てると思っていたので、平常心でいようと思っていました。

――何本かシュートをはずす場面もありましたが、自身のプレーを振り返ってみていかがですか

いけると思った時にいくのは良いことだと思うのですが、きょうは外す場面が多かったので、そこのシュートの精度を高めていきたいと思いますし、そこが課題として残ることだと思います。

――日体大に対してディフェンスで意識したことはありましたか

相手の特徴はやはり速攻なので、オフェンスでミスをしてもバックチェックをしっかりやろうという約束がチームにありました。その速攻のチームを23点に抑えたことは非常に評価できるのではないかと思います

――次戦への意気込みを

明日の試合が終わればインカレしかないので、インカレにつなげるためにあしたは大事な1戦になると思います。なのでまた明日もチーム一丸となって勝ちを収めたいと思います。

桐生正崇(人3=群馬・富岡)

――きょうの試合を振り返って

試合全体を通してディフェンスが安定してできたので、良いゲーム運びだったかなと思います。

――桐生選手ご自身はいかがでしたか

あまり前半シュート打てていなかったので、自分の持ち味であるカットインプレーを出していこうと思って、それが結果的に出ていたのでよかったと思います。

――先週の明大戦の敗北から、どのような点を修正されてきましたか

セットディフェンスとバックチェックが出来ていなかったので、そのディフェンスを詰めてこの一週間課題としてやってきました。

――結果はいかがでしたか

日体大相手に、23点というロースコアに抑えられたので、結果的に良かったと感じました。

――リーグ戦優勝を決められましたが、いまのお気持ちは

まだ、春に負けた筑波戦が残っていて、あしたきっちりと筑波大に勝ってこの秋リーグを締めくくりたいと思っているので、実感というのは感じていないです。

――あすに向けて、意気込みをお願いします

しっかりワセダの試合ができるように頑張ります。

中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)

――明大戦からどのような事を修正されてきょうの試合に臨まれましたか

明大の時はちょっと流れに乗れなかった部分もあったので雰囲気作りくらいです。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうはディフェンスが機能して連携が取れていたので失点を25点以下に抑えることができました。サイドとかは甘いシュートをいかれているのでそういう所を最終戦には修正していけたらなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

今まで先に動き過ぎていたのできょうは待って止めるキーピングに変えてみました。それで調子が良かったんだと思います。

――チームのディフェンスが機能されたとお話されていましたが、具体的にはどういった点が良かったのでしょうか

リスタートでやられることが今回は少なかったので、相手を遅攻にしてロング勝負っていう所でしっかりできていたと思います。

――次戦に向けての意気込みは

勝って終わるしかないので、やってきたことを全部出していきたいです。

川島悠太郎(スポ2=福井商)

――試合を振り返って

今日勝ったら優勝ということだったので、前半からいい感じで入れて、途中追いつかれたりしたんですけど最後勝ちきれたのでよかったです。

――優勝が決定しましたが、いまのお気持ちは

秋のリーグが始まるときに全勝優勝が目標だったんですけど、先週明治に負けてもう一回気持ちを切り替えて、今年の目標である三冠連覇を頑張ろうということだったので、とりあえず優勝できてよかったです。

――今回の試合にはどんな意気込みで臨みましたか

日体大は走ってくるチームだったんで、僕も走ることを得意としているので走りで負けないように一本一本いこうという感じでした。

――きょうの試合ディフェンスがよく守れていたという印象ですが

前半は10点で結果的にも23点だったので、戻りのディフェンスもセットのディフェンスも両方機能していた感じがあったのでよかったです。

――点差を離せるような場面で、得点できないところがありましたが

疲れもあって止まってのプレーが多くなっていたので、そこの時間帯にもう少し動いてプレーができたらいいなと思いました。

――次戦への意気込みは

明日は春リーグ負けている筑波が相手なので、優勝は決まったんですけどもう一回しっかり切り替えて一勝できるように頑張りたいと思います。