関東学生春季リーグ(春季リーグ)も残すところあとわずかとなり、会場の雰囲気も緊張感を増してきた。ここまで無敗の早大は対戦相手に東海大を迎えての一戦。さらに全勝優勝に弾みをつけるべく快勝したいところだったが、相手も手ごわく苦戦を強いられた。序盤から互いに激しい点の取り合いとなり、前半から21-15とハイペースな試合展開に。後半もその勢いのまま両者得点を量産するが、中盤東海大に流れをつかまれると1点差まで詰め寄られる。しかし、ここで増田翔(スポ4=神奈川・生田)が気迫のセービングでゴールを死守。早大はそのまま逃げ切り34-32で試合終了、なんとか勝利を手にすることができた。
同点に追いつかれる場面で好セーブする増田
「自分たちのプレーが全くできていなかった」(玉城慶也主将、スポ4=沖縄・興南)。東海大が高い位置でのディフェンスを敷くと、早大はなかなかこれを攻略できず立ちあがりから攻めあぐねる。しかし川島悠太郎(スポ2=福井商)は一歩も引かず積極的に速攻を走りチームを盛り上げる。この日の早大はオフェンスで点が取れても、ディフェンスで精彩を欠いた。なかなか相手の攻撃を止めることができず、守りからリズムをつくれない。前半23分、悪い流れを断ち切るように森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)がディフェンスの間に鋭く切り込み、得点を奪いにいく。少しでも有利な状態で前半を終えたい早大は、猛攻を仕掛け点差を離しにかかる。これが見事成功し、21-15と6点リードで前半を折り返す。
内海祐輔副将(スポ4=香川中央)が2連続でシュートを決め、後半の流れを決定づけたかと思われたが、東海大も必死に応戦、緊迫した試合が続く。しかし早大はここで踏みとどまれず、東海大の猛追を受ける。徐々に縮まる点差にも玉城主将は引き下がらない。相手のタイトなディフェンスにも意地を見せ、ゴールに迫る。後半24分、パスミスから東海大に逆速攻を食らい、同点に追いつかれるかと思われたこの場面。キーパーの増田が決定的なシュートを防ぎ、早大はこの試合最大のピンチを乗り超えた。このファインセーブが試合を分け、2点差で無事勝利。接戦を制し、全勝優勝へ望みをつないだ。
主将としてチームを鼓舞するプレーを見せた玉城
勝利を収め開幕7連勝と素晴らしい結果だが、ディフェンスや連携といった面で厳しい部分を見せたこの試合。春季リーグ残り2試合は、調子を上げていくことはもちろん、これまでに見つかった課題を修正して挑みたいところ。これから迎える強敵との戦いについて「ワセダらしく戦いたい」と桐生正崇(人3=群馬・富岡)が語るよう、自分たちの強みである堅守速攻を発揮し、目標である全勝優勝を果たせるか、期待が懸かる。
(記事 佐藤凌輔、写真 松田萌花)
関東学生春季リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 34 | 21−15 13−17 |
32 | 東海大 | スタメン |
GK 増田翔(スポ4=神奈川・生田) CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南) CP 内海祐輔(スポ4=香川中央) CP 森田啓亮(スポ4=岩手・不来方) CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南) CP 桐生正崇(人3=群馬・富岡) CP 川島悠太郎(スポ2=福井商) |
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コメント
玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)
――接戦をものにしました。いまの率直な感想は
後半の中盤に追いつかれたときに、そこで粘って点差を離せたのはよかったと思います。8点差をつけたときにもっと(点差を)離せれば楽に勝てたんですが、集中力が切れてしまっていてチームの甘さを感じました。
――東海大の高い位置でのディフェンスに苦しめられたという印象ですが
苦しめられたというよりは、1対1にこだわりすぎて自分たちのプレーが全くできていませんでしたね。
――課題のバックチェックは
まだまだでした。 日体大も速攻が速いチームなので全勝優勝のためにも、さらに練習して立て直したいです。
――きょうの試合で得られた収穫は
あまりなかったんですけど、やっぱり粘れたっていうのは次につながるかなと思います。キーパーの増田翔(スポ4=神奈川・生田)も止めてほしいときに止めてくれて、キーパーの活躍も大きいです。
――次の筑波大戦に向けて意気込みを
筑波大のディフェンスは高い位置というわけではなく、背が高い選手を真ん中に置いたディフェンスです。これをどう攻略するか、それをこれから研究して勝利を挙げたいです。
増田翔(スポ4=神奈川・生田)
――再び後半から出場するにあたって、何か指示はありましたか
指示は特になかったんですけれど、中野(裕通、スポ3=神戸国際大付)の調子が崩れてきていた部分があって、そこで僕を使ったのだと思いました。勝負も大事な時間帯だったので、自分が試合の流れを変えないといけないなと思いながらゲームに出ました。
――好セーブで相手の猛攻を食い止めましたが、ご自身のプレーを振り返って
苦しくて流れが変わって、同点になりそうなところで止められたっていうことは、自分自身にとっても自信になりました。またチームにとっても結果として勝利につながったと思うので、それは良かったと思います。
――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか
前半はなかなかディフェンスが機能しなくて、リズムに乗れなかったんですけれども、リズムに乗れたところで点差が離れていました。また後半は追い付かれちゃったんですけれど、それが(早大の)悪い癖かなとここ何試合かを通して思います。離したところから気を抜かずに一気にいけるようなチームに、あと2戦あるので仕上げていかなくてはいけないと思いました。
――4年生として声掛けなどで意識していることはありますか
良いプレーにはタイムアウトとかだったりで仲間を褒めることは意識しています。GKとしては中野とハーフ(タイム)でコミュニケーションをとって、自分が前半出たときにいなかった選手とかもいたので、その辺の情報を聞いたりしていました。
――残り2戦も厳しい試合が予想されますが、意気込みをお願いします
昨年もリーグ戦優勝はしていたんですけれど、全勝優勝はしていなかったので、ここから2戦気を引き締めて自分たちの代で全勝優勝を成し遂げたいと思います。
森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)
――きょうの試合を振り返って
前半は自分たちのリズムをつくれて良いゲームをやっていたと思うが、後半になると足が止まってしまい相手に走られてやられていたので課題が多く残る試合でした。
――東海大のプレーの印象は
速攻のチームだったと思います。相手に結構走られてしまったのがきょうの点差に表れていると思います。
――きょうのディフェンスについて
相手のセンターの選手に崩されて、そこからやられてしまったと思うので、同じような選手に対するディフェンスをチームで意思統一してやっていかないといけないなと思いました。
――明大戦同様、後半に追い上げられてしまう展開でしたが
どちらの試合も自分たちのミスだったと思います。後半もしっかり集中するべきであり、これから筑波大や日体大と強いチームと試合していくにあたって、同じようなミスをしていると負けてしまうかもしれないので修正していきたいです。
――優勝に着実に近づいていますが、残る課題は
きのう、きょうと後半に失速しているので、疲れたときこそ集中し直さなければならないと思います。それ以上に後半にチームとしてまとまりが無くなり、気の緩みも出てしまっているので練習から集中して、見直していきたいです。
――次の試合に向けて一言
次は優勝が決まる試合だと思います。普段通りプレーすれば良い試合になると思います。きょう駄目だった後半の中盤に追いつかれるところを、最後まで自分たちが集中力を切らさずにやれば勝てると思うので、集中して臨みたいです
桐生正崇(人3=群馬・富岡)
――きょうの試合を振り返って
ディフェンスがしっかり守れなくてワセダのリズムで戦えなかったなというのがきょうの印象です。
――きのうの試合を終えてからきょうの試合に向けて何か話し合われたことは
きのうはディフェンスが良かったというのもあって、セットディフェンスはそれを継続して、さらにもう少しバックチェックの意識を持とうということを話し合ってきょうの試合に臨みました。
――個人的にはどのような意気込みで臨まれましたか
相手が高いディフェンスだったので、その間をしっかり攻めていこうと思いました。
――出だしの試合運びはどうでしたか
前半の10分はいつも通り取って取られての展開で進んでいって、前半の最後の方に、少し離せたのは良かったですが、全体的に失点が多かったかなという印象です。
――試合全体を通してのディフェンスの出来はいかがでしたか
やっぱりセットディフェンスでも明大のセンターの選手にやられてしまって、バックチェックも思うようにいかなかったので、全体的にきょうのディフェンスは悪かったと思います。
――後半には1点差まで追われる場面もありましたが
そのあと、キーパーがしっかりと止めてくれてそれがチームに勢いを付けてくれてそのまま離せましたが、もう少しそのような追い詰められた場面で声掛けなどをして自分たちで立ち直す力が必要だなと思いました。
――個人的には得点の場面も多くありました。ご自身のプレーを振り返って
個人的には得点に絡むシーンが多かったというのもありますが、これがいい動きだなというのはあまりなかったので、またしっかり練習していきたいと思います。
――次に向けての修正点は
ワセダはディフェンスがしっかりしていないとオフェンスのリズムにもつながらないので、セットディフェンスとオフェンスからのバックチェックをしっかりやりたいと思います。
――最後に次の試合に向けての意気込みは
筑波大もいま勢いに乗っていて良いチームなので、しっかりきょうの反省を生かしてまたワセダらしく戦いたいなと思います。