関東学生春季リーグ(春季リーグ)も5試合目へ突入。ここまで無敗で進んできた早大は、国士舘大を対戦相手に迎えた。序盤から得点を量産し、好調な発進を見せる早大。勢いこのままに相手を突き放したいが、ディフェンスがうまく機能しなくなる。苦しい展開を強いられた中盤を逃げ切り、接戦を制することに成功。春季リーグを30-28で折り返し、開幕5連勝となった。
多彩なシュートを放つ森田
先制点こそ許すものの、出だしは順調だった。試合開始4分、福岡佑哉(スポ3=北海道・札幌月寒)が得点を決めると突破口が開く。立ちはだかる国士舘大のガードをくぐり抜け、積極的にシュートを打ちにいく早大。その上、ペナルティースローを獲得し、チャンスも逃さない。リズムをつかんだ早大は、この勢いのまま速攻を仕掛け、最上級生である森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)、内海祐輔副将(スポ4=香川中央)らを中心に追加点を奪っていく。さらに、川島悠太郎(スポ2=福井商)が相手ディフェンスを破ると、東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)、玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)へとボールが託され、加点に成功。中盤までに7連続得点をみせるなど、早大の課題である立ち上がりを克服する。しかし、国士舘大の鋭い速攻も緩むことはなく、15-12で前半終了となった。
この試合最初のゴールを決めた福岡
3点リードで迎える後半。またも国士舘大に先制点を奪われると、波乱の幕開けとなる。「バックチェックが遅かった」(桐生正崇、人3=群馬・富岡)。早大はディフェンスをうまく機能させることができず、点差を広げられない。互いに一進一退の攻守を繰り広げ一時は同点に追いつかれるが、東江のシュートで再び早大がリード。その後は、両者ともに点を奪い合う接戦となる。終盤には、国士舘大の迫りくるシュートをキーパーの中野裕通(スポ3=神戸国際大付)が確実に阻止。最後まで目が離せない展開が続いたものの、早大が30-28で逃げ切った。
いよいよ折り返し地点を通過した春季リーグ。後半戦には強豪校がひしめき合うが、目標である、完全優勝、三冠連覇に向けて負けられない戦いが続く。「一戦一戦大切に戦っている」(玉城主将)。今回の試合で得たものをいかに次へ活かすことができるか――。昨季の王者として追われる立場となったいま、勝利の質が問われている。
(記事 久良佳菜子、写真 松田萌花)
関東学生春季リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 30 | 15−12 15−16 |
28 | 国士舘大 | スタメン |
GK 中野裕通(スポ3=神戸国際大付) CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南) CP 内海祐輔(スポ4=香川中央) CP 森田啓亮(スポ4=岩手・不来方) CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南) CP 福岡佑哉(スポ3=北海道・札幌月寒) CP 川島悠太郎(スポ2=福井商) |
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コメント
玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)
――きょうの試合を振り返って
出だしはよかったと思います。ディフェンスが良かったのでオフェンスでもう少し得点がほしかったですね。後半はキーパーの中野裕通(スポ3=神戸国際大付)も頑張ってくれたし、守ったときこそ点数を取れればもっと簡単に点差を離せるじゃないかなと思います。
――対戦相手の国士舘大は背の高い選手が多かったですが、なにか対策はありましたか
背が高いので、そういった選手の上からシュートを打つのではなく、ボールを動かしながら自分たちも動いて相手ディフェンスを崩すっていうのは意識しました。
――ここまで全勝で迎えていますが、チームの雰囲気は
初戦から変わらないですね。一戦一戦大切に戦っているので。
――後半、ディフェンスが崩されたときがありました
ディフェンスの位置が高くなったことで後ろに空いたスペースを狙われて崩されたかなと思います。
――きょうの試合で春季リーグも折り返しになりました。後半戦に向けて意気込みをお願いします
来週は明大と東海大が相手で、どちらも速攻がはやいチームです。きょうはオフェンスのあとの戻りが遅くてやられた場面があったので、それを修正して試合に臨みたいです。
内海祐輔副将(スポ4=香川中央)
――きょうの試合を振り返って
良い時も悪い時もあったシーソーゲームの中、勝ち抜けたというので良かったです。
――立ち上がりの印象は
立ち上がりはいつもに比べるととてもよかったです。自分たちのペースで試合を運べたので良かったと思います。
――後半には競りましたが、相手の印象は
相手のディフェンスやオフェンスがどうこうというのではなく、こっち(ワセダ)がいつもやっているディフェンスができなかったり、バックチェックができていなかったです。オフェンスではコートを広く使って攻めたりすることができなかったです。
――印象に残ったプレーは
アウトカットインを増やしていこうとチームで話していたので、一本出たのが良かったと思います。
――次戦に向けて
きょうの国士舘大よりも明大は速攻が速いので、きょう以上に集中してバックチェックをしたいです。バックチェックをしなければ試合にならないと思うので、そこを詰めていきたいです。
森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)
――きょうの試合を振り返って
こういう競った試合は、これから強いチームと当たっていくうえで大事なことだと思うので、勝てたのは良かったと思います。
――国士舘大との対戦、どんな気持ちで臨みましたか
国士舘大は強いチームなので、自分たちがやってきたことをしっかり出して集中して、とにかく勝つことを大事にしました。それと今まではミスが多かったので、ミスを少なくしようと思いました。
――1番の勝因は
みんな良い動きをしていて、サイドシュートとかポストシュートを決めるところを決めていたところ、最後までシュートを外さなかったところは良かったと思います。
――次の試合に向けて意気込みを
明大は強いチームだと思います。きょうは速攻でやられた部分があって、明大もきょうの相手みたいに走るチームなので、そこをしっかり修正します。速攻が速いチームに対して、戻りを意識して自分たちがバックチェックをしっかりやらなきゃいけないと思うので、今週はそこを頑張っていきたいと思います。
桐生正崇(人3=群馬・富岡)
――きょうの試合を振り返って
ディフェンスがけっこう崩壊していたのでもう少し失点を抑えられたらなというゲーム展開でした。
――前半、後半それぞれ途中からの出場となりましたが、ご自身の役目として意識したことは
オフェンスで人とボールが動くということをやってきたので、それが実践できたらと思って試合に臨みました。
――連続得点もありました。ご自身のプレーを振り返って
周りが動いて空いたところで、たまたま僕のところにボールが回ってきてシュートを打つという流れだったのですが、そこをしっかり決めることができたのは良かったと思います。
――試合全体を通して速攻でやられる失点なども多かったように思えますが
相手に背の高い選手がいて、その選手に走り込まれて打たれたりしてしまいました。あとは全体的に前の試合よりもバックチェックが遅かったなと思ったので、そこが課題だと思います。
――後半には同点に追い付かれる場面もありました。チームの雰囲気振り返っていかがでしたか
悪い雰囲気のときもありましたが、そのときはベンチも一体となっていたので、良かったと思います。
――次の試合に向けて対策は
明大も東海大も速攻が強いので、しっかりバックチェックをまた1週間課題としてやっていきたいと思います。
東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)
――きょうの勝利で開幕5連勝となりました。率直な感想をお願いします
先週に続いてきょうも厳しい戦いになると思っていたんですけれども、5連勝は素直にうれしいですね。ほっとしています。
――春季リーグ戦も中盤に差し掛かっていますが、チームの仕上がり具合は
一試合一試合で相手チームに合わせたゲームの組み立て方であったり練習の内容であったりが変わるんですけれども、チーム全員で意思統一して、練習も試合を意識しながらできていると思うので、チームとしては良い状態だと思います。
――試合を振り返って
前半は点が取れないシーンもあって、またこっちのディフェンスも良かったからか相手もてこずっていて、接戦になりました。途中でワセダが一気に連取して離したのですが、また追い付かれるという場面もありました。そこは修正していかなければいけないなと思います。
――30-28という2点差でしたが、この結果についてはどのように捉えていますか
こういう試合展開もあるので、勝ったことに関してはプラスに考えていきたいと思います。
――前半は点が入らない場面もありましたね
前半ちょっとミスしがちでシュート外してしまいました。どうにか自分で決めたいという気持ちもありましたが、決まらなかったら決まらなかったで、ディフェンスなど違う役割を徹底していこうと思いました。後半は気持ちよく点を決められたので良かったです。
――後半はディフェンスが崩れてしまいました
自分たちが良いディフェンスをできている時は、足が動いていたり良いラインを作れたりしていたと思います。しかし後半、点数が詰められた時は個人個人(でのディフェンス)になっていました。個人で守ろうとして、チームとして守ろうという意思統一ができていなかったと思います。その点がやられてしまった原因だと思います。
――優勝のために負けられない試合が続きますが、今後に向けて
次の明大はいま勢いに乗っていて、スピードもあるチームです。明大だけではなく、どの相手とやるときにもワセダのハンドボールをして勝ちたいと思いますね。