三冠へ向けて順調なスタートを切る

男子ハンドボール

 全日本学生選手権(インカレ)がついに開幕した。今大会は早稲田大学ハンドボール部創部史上初となる、関東学生春季リーグ(春季リーグ)関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)併せての三冠が懸かっている、早大にとっては非常に大きな意味を持つ大会である。初の三冠のために優勝を目指して臨む早大は初戦で東海地区の中部大と対戦。相手に得点を与えながらも、早大は積極的に相手に攻め込み得点を重ねていき、危なげない試合展開で初戦を白星で飾った。

気迫のこもったシュートを放つ山田

 試合立ち上がりから早大の調子の良さは見られた。相手に先制を許すものの、前半6分に逆転した以降、相手にリードを一切与えない危なげない戦いを見せる。早大のディフェンスは強い当たりとお互いのフォローで、相手オフェンス陣にディフェンスの間に切り込む隙を与えず、得点を奪われるとしても上からのロングシュートがほとんどであり、ディフェンスが抜き去られることによる失点は少なかった。ディフェンスで作られた流れがオフェンスにも流れをもたらし、今試合絶好調だった東江雄斗(スポ2=沖縄・興南)が前半だけで7得点を挙げるなど、早大は着々と得点を重ねて前半を20―11で折り返した。

 しかし前半の流れからは一変、後半序盤に相手に5連続で得点を許してから、早大が前半保っていたペースは乱れ始め、パスやシュートのミスも目立つようになり、試合の主導権を中部大に握られかけた。だが、絶好調の東江がペナルティースローなどで3連続で得点を決めてから試合の流れは早大に戻る。その後は落ち着いたプレーを取り戻し、堅いチームディフェンスからの速いオフェンスで前半同様に得点を重ねていき、相手に詰め寄る隙を与えずに、38―31で勝利を飾った。

11得点を決め大活躍の東江

 初戦からディフェンスとオフェンス共に無駄の少ないプレーで相手を封じ込め、早大はその調子の良さを見せた。失点が多く、ディフェンスに不安が残るように見えるが、実際にはきちんと守り切ってからのロングシュートによる失点が多かったため、ディフェンスも好調であると言えるであろう。三冠が懸かった大事な大会の初戦を白星で飾り、幸先の良いスタートを見せた早大。今大会はトーナメント方式で、一敗したらそこで終わりの一発勝負が続いていく。さらに調子を上げて、一戦ずつ勝ち上がっていきたい。

(記事 芝原健輔、写真 久良佳菜子)

全日本学生選手権
早大 38 20−11
18−20
31 中部大
スタメン
GK 半澤侑紀(商4=青森)
CP 山田隼也(スポ4=沖縄・興南)
CP 桐生和紀(人4=群馬・富岡)
CP 内海祐輔(スポ3=香川中央)
CP 玉城慶也(スポ3=沖縄・興南)
CP 森田啓亮(スポ3=岩手・不来方)
CP 東江雄斗(スポ2=沖縄・興南)
コメント

岩下祐太主将(スポ4=熊本・千原台)

――きょうの試合を終えての率直な感想を

初戦なんで硬さや雰囲気に慣れていないというのもある中で、前半から自分たちのペースで試合運びができたというのがすごく良かったんですけど、試合全体を通してみると自分たちの弱さというか甘さが出た部分もありました。決勝までまだ何試合かあるので、少しずつ気持ちだったりプレー面を高めていければいいかなと思います。

――初戦に向けて意識して話し合われていた点などはありますか

初戦なので、自分たちのペースでいかないという部分もあるということを理解して臨もうという共通理解がありました。初戦という大事な試合でうまくいかなかったとしても、いかに自分たちのペースで試合運びができるかをイライラとかせず、練習してきたことを大事にしてしっかりと出していけるようにと言っていました。

――全日本学生選手権(インカレ)前にはシュートミスなどについても気を付けたいといっていましたが

大事な場面でシュートを外して波に乗れないという場面もいくつかあったので、やっぱりシュートは外すときは外してしまうんですけど、試合の中の大事な局面でシュートを外さないというのが勝利につながるカギだと思うので大事な場面でシュートを決められるように修正できればいいかなと思います。

――チームの底上げもテーマに挙げられていましたが

点差が離れて(メンバーを)変えることができた中でいいプレーもできたり合わない部分とかもたくさんあって、A(チーム)もB(チーム)もそれぞれにいいとこも悪いとこもあると思うので、(試合に)出ているメンバーも出ていないメンバーも関係なしに悪い部分はしっかりとして、全体的に(チームの質を)上げていけるように全体で意識していきたいと思います。

――あすにむけて修正していきたい点は

プレーでは全然勝てる相手たと思うんですけど、雰囲気が悪いと応援してくれる人もなかなか楽しめないと思うので、見ている人にも楽しんでもらえるような、1点入ったら盛り上げるとか、メンタル的なところも大事にしていきたいなと思います。

山田隼也(スポ4=沖縄・興南)

――試合を振り返って

初戦だったので競り合いになるかなと思ったのですが、思いの外全員集中を切らすことなくプレーできました。

――相手の中部大の印象は

シュートが強烈だったので、GKが止められないときに、その前の場面を防ぐための対応がちょっと遅れてしまったかなと思います。

――守備面ではやや失点が目立ちました

メンバーを変えたことによって、コミュニケーション不足がやや露呈してしまったと思います。この人となら大丈夫だけど、この人とはダメということはあってはならないので改善していきたいです

――その一方で得点も多く取ることができましたが、こちらはやりたいことができたということですか

そうですね。いままで練習してきたことがそのまま出せたので良かったです。

――次戦の相手である福岡大は普段のリーグ戦では対戦していない相手です。その対策なども含めて意気込みをお願いします。

初めて対戦する相手なので、何が起こるか分からないと思います。試合が決まるまで油断せずに戦い抜きたいです。

玉城慶也(スポ3=沖縄・興南)

――インカレ初戦にどのような気持ちで臨まれましたか

僕はきょねんのインカレの準々決勝で膝をケガして、ことし入ってきょうの1回戦が公式戦初めてでした。きょうは試合に慣れようかなっていう感じで出ました。

――久しぶりの出場となったきょうの自身のプレーを振り返って

別に点数をつけるっていうよりは、1年ぶりなので雰囲気に慣れるだけいいかなって思っていました。

――インカレ初戦となるきょうの試合、チームの調子とかはどうでしたか

初戦なんでこんなもんじゃないですかね。ミスも結構多かったですけど、これから徐々に直していけばいいと思います。

――次戦に向けての課題は何かありますか

ノーマークシュートが結構あったんですけど、それを外してるのでそれを決めれば(大丈夫です)。次の福岡大は、普通に自分たちのプレーができれば多分大丈夫じゃないですか。

――あす以降に向けて一言お願いします

インカレはトーナメントなので勝つしかないので、一つ一つ勝っていきたいと思います。

東江雄斗(スポ2=沖縄・興南)

――インカレの初戦、どのような意気込みで臨みましたか

やっぱり4年生が最後で、僕らの目標もインカレ優勝としてやってきて、一発勝負ということで勝たないと意味がないと思い、自分的には気持ちよく挑めました。

――自身もチームもたくさん得点を決めたが、オフェンス面はどうだと思しましたか

僕がたまたま最初調子良くて、チームの動きがちょっと固かったので、自分が調子良い分、得点をたくさん狙いにいこうと思っていました。

――ロングシュートによる失点が多かったのですが、ディフェンス面はチームとしてどうでしたか

前半は上から打たれる失点が多かったんですけど、ディフェンスとしてはオッケーなかたちで、決められても相手のシュートがすごかったということで、ベンチからも気にするなという指示があったので気にしませんでした。後半は押し込まれての失点が多くて、9メートルから打たれることができなかったので、そこは良くなかったと思います。

――後半の立ち上がりに連続失点がありましたが

点差が開いているということもあって、多分何かしらの気持ちのゆるみがみんなあったんだと思います。

――全体としてきょうの試合を振り返って

初戦ということもあったので、みんな動きが固かったんですけど、でも大会とか会場の雰囲気には慣れたと思うんで、次からも頑張っていきたいと思います。

――あすに向けての意気込みをお願いします

トーナメントで一発勝負なので、あしたも勝たないと意味がないので、あしたも全力で戦いたいと思います。