堅守速攻と全員出場で東海大に快勝! 最終戦に弾みをつける

男子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月22日 日本大学八幡山体育館

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)第8戦。明大戦勝利から一夜明け、勢いに乗る早大は、同じく連勝を狙う東海大と対戦した。出だしは東海大に4点を先制されるが、相手のミスを誘発するディフェンスからリズムをつくると、中を中心に攻め込み得点を重ねて15―12で前半を折り返す。後半は序盤から持ち味の堅守速攻を発揮。10点差をつけて東海大を突き離すと、終盤からはメンバーを大きく入れ替えて戦った。ベンチ入りメンバー全員が出場を果たし32―26で快勝。29日に迫る秋季リーグ最終戦に弾みをつけた。

 立ち上がりは東海大が一気に攻め立てる。早大のパスミスや積極的なクロスカットから速攻に持ち込まれ、スコアは開始3分半で0―4に。悪い流れを断ち切りたい早大はタイムアウトを取ると、ここからワセダらしいプレーを取り戻し始める。早大の初得点は5分半、相手シュートのリバウンドからつないだ速攻を所真大(社2=岡山・総社)が冷静にゴールに押し込んだ。続けて杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)のミドルや結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)のポストシュートで得点を重ねると、ついに試合を振り出しに戻す。勢いそのまま、ポストインした外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)のシュートや積極的に裏を動く結城のポストシュート、白築琢磨主将(文構4=東京・早実)のパスフェイントを交えたカットインなどで中を攻め込む早大。その間約9分、ディフェンスでは相手のミスを誘発する守りと渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)のセービングで東海大の得点を阻んだ。ディフェンスから流れをつかんで攻め込んだ早大は15―12の3点リードで前半を終える。

シュートを放つ白築。この日10得点を挙げた

 「後半の出だしで点差を開くことができたのが勝因の1つ」と白築が振り返ったように、後半が始まると早大は速攻やバックとポストの連携プレーで連続得点、圧倒的な得点力を見せつけた。堅いディフェンスも継続し、相手に追随を許さずリードを10点にまで広げると、ここから早大はPVに黒沼大幹(教2=東京・明星)、CBに奥田理仁(人3=群馬・富岡)、RBに豊田創志(スポ2=千葉・市川)、RWに朝日俊介(創理3=神奈川・東邦大付)を投入する。シュートまで持ち込むものの得点を奪えない時間が続いていた試合終了間際、村松涼雅(商3=岩手・不来方)からパスを受けた朝日が、狭い角度から飛び込みサイドシュートをゴールに突き刺した。ゲーム中に相手GKを観察して「面上に決め打ちで打った」という朝日の初ゴールに大歓声が上がる。後半立ち上がりに大きくリードを奪った早大は、ベンチ入りメンバー全員が出場を果たし、32―26と6点差をつけて快勝した!

ゴールを決めた朝日(左)と歓喜するベンチ

 立ち上がりこそ苦しい展開になったものの、その後は積極的なオフェンスやワセダらしい「守って速攻」の形を存分に発揮し、危なげなく勝利をつかんだ今試合。熱い応援や好プレー時の盛り上がりに象徴されるように、早大は試合を経るごとにチームの一体感を高めている。次戦は29日、秋季リーグもついに最終戦を迎える。早大の相手は、7勝1敗で既に今リーグ優勝を決めている中大。昨秋・今春は早大が熱戦を制したこのカードで、最終戦を勝利で飾り全日本学生選手権(インカレ)へとつなげられるか。連勝で勢いに乗る早大は、チーム一丸となって総力戦で中大に挑む。 

(記事 片山和香、写真 丸山勝央 土橋俊介)

結果

関東学生秋季リーグ
早大 32―26 東海大

15―12
17―14

スタメン

GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園)
CP 所真大(社2=岡山・総社)
CP 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
CP 結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
CP 尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)

コメント

白築琢磨主将(文構4=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 今日の試合は出だしに4―0までいってしまって、ふわふわしていた部分があったんですけど、それを60分間かけて修正して、特に後半の出だしで点差を開くことができたっていうのが勝因の1個だと思います。あとは普段出てないメンバーも出れたっていうところでは、チームとして底上げの1個になったのかなと思います。

――中を中心に攻め込んでいた印象がありますが、ポストやバックとの連携はいかがでしたか

 ポストの移動に合わせて僕がどんどん展開しようかなと思っていたんですけど、それが成功したところもあれば、ちょっと合わなかったところもあったので、そこはポストとコミュニケーション取って、極端に言ったら60分ずっと攻められるような気持ちで完成度持っていけたらいいなと思います。

――速攻やパスフェイントからのミドルなどでご自身は10得点挙げられましたが、プレーを振り返っていかがですか

 ポストとの連携でマークチェンジを起こさせようっていうふうな意識は試合前から自分の中で持っていて、それができたっていうのが結果的に得点につながったのかなと思います。あとはやっぱり間を割っていってライン際のシュートを増やそうっていうのは自分の頭の中で考えてはいたことなので、それが体現できて良かったかなと。

――最後に中大戦への意気込みをお願いします

 中大は首位を争うチームでめちゃくちゃ強いチームなんですけど、やっぱりこの2連勝したっていうところでチームとしての自信を持っていきたいと思います。あと1週間あるので、しっかり対策して準備して、最後の1勝、最後の1戦勝ち切れるように頑張りたいなと。


結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)

――今日の試合を振り返ってください

 昨日気持ち良く勝って、疲れもあったのでちゃんとケアをして今日スタートから行こうと思ったんですけど、最初(点差が)離れてしまったところもあって。苦しい展開も結構あったんですけど、その中で自分が試合でやろうと思っていた、決めていたことをちゃんと実行できたので良かったと思います。

――出だしは1点が遠かったですが、振り返ってみていかがですか

 やっぱりオフェンスでのミスがそのまま失点につながってしまう場面で、4点差ぐらいまでいってしまったので、そこを2点差ぐらいのところでしっかり1点取って、良くない雰囲気を切りたかったんですけど、失点が重なってしまいしました。それでも何とか1点を取ろうとして同点まで持ち込めたので、そこは良かったなと思います。

――今試合7得点ですが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 今日は割とポストパスが落ちて、自分がシュートまで行ける展開が多かったんですけど、上(バック)と連携が合ってないところとか、上の要求に対してあんまり応えられていない部分もあったので、そこはちゃんとバランスを見てプレーしていきたいと思います。

――中を中心に使って攻めていましたが、真ん中との連携はどのようなことを心がけていましたか

 自分的にはきっかけが始まった時に、どっちかのサイドに入ってから中を大きく走ることをイメージしていたんですけど、やっていく中で真ん中から真ん中への移動を増やしてほしいと上(バック)から言われて。実行したかったんですけど、あまりうまくいかず合わなかったところもあったので、次戦はそこを修正していけたらなと思います。

――最終戦への意気込みをお願いします

結城 2連勝という良いかたちで首位の中央大学さんと戦えるので、しっかり勝ち切ってインカレ(全日本学生選手権)につなげられればいいなと思います。

井上元(教3=埼玉・大宮北) トレーニングパートナーとして結城颯太の試合前のイメージトレーニングをマンツーマンでやってきて、最後の中大戦も伊禮颯雅(3年)に照準を合わせていきます。彼がディフェンスリーダーなので。勝利に向かって2人で共に歩みを進めていきたいと思います。


朝日俊介(創理3=神奈川・東邦大付)

――先週から右サイドで起用される場面が増えていますが、今日はどんな気持ちでコートに入られましたか

 先週出された最初の時は結構緊張したんですけど、今日はやっぱり自分のできること、役割に徹することだけを考えてコートに入りました。

――ご自身の役割はどういうところにあると考えられていますか

 今日のチームの作戦としてサイドに打たれないっていうことがあったので、1枚目としてできるだけサイドに打たれないように、(45の)アウト割りよりサイドを守るっていう感じで守りました。2枚目に結構頼りがちなディフェンスにはなってしまったんですけど、とりあえずその約束事だけ守ることを意識しました。攻めに関してはシュートを決めるっていうのがサイドの役割だと思うので、シュート決められて良かったです。

――そのサイドシュートを振り返っていかがですか

 東海のキーパーがどういう感じで止めるか(ゲームを見ながら自分自身で)考えていたので結構決め打ちっていう感じで、面上打ってやろうって思って打ちました。

――秋季リーグも残り1試合ですが、今日の試合を終えてチームの雰囲気は

 中大はかなり強い相手なんですけど、昨日今日と連勝できたのでこのいい雰囲気のまま、自分たちの実力以上の力を出して勝てるような形で来週迎えたいと思います。

――秋季リーグ最終戦、インカレとまだまだシーズン続きます。朝日選手の目標やこんなプレーヤーになりたいといった像があれば教えてください

 今現状としては、肉離れで出られない浩介(増井浩介、スポ1=愛知)の代わりで(試合に)出させてもらっているんですけど、下位互換の代替じゃなくて、浩介がダメだった時の次の代わりとして並べる逆サイドになれるようにしたいです。