関東学生秋季リーグ 9月21日 日本大学八幡山体育館
先週の戦いを2連敗で終えた早大は、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)第7戦、今年度の対戦成績1勝1敗の明大と対戦した。出だしから積極的にゴールを狙った早大。途中シュートを決め切れず逆転を許す場面はあったものの、バック陣を中心に得点を重ね19―17で前半を折り返す。突き離したい後半は、前半から修正したディフェンスとキーパー陣のセービング、そして応援の力もあり主導権を握り続けると35―31で試合終了。秋季リーグ終盤戦を白星でスタートした。
1、2枚目間を割ってシュートを放つ外種子田
先制点を挙げたのは今試合も外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)、2枚目の上からミドルを放つと鮮やかにゴールネットを揺らした。続けて杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)や尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)といった1年生バックプレーヤーが積極的に攻め込み、早大は順調に2点をリードする。点差を広げていきたい早大に対し、明大はポストやリバウンドからのシュートで反撃を開始。前半12分には逆転を、13分半にはミドルや速攻で3点のリードを許した。しかし早大はここで突き離されない。白築琢磨主将(文構4=東京・早実)から外種子田へスカイを見事に決め勢いに乗ると、続けて3連続得点を挙げ試合をすぐさま振り出しに戻した。ここからさらに貪欲にゴールを狙い続けたオフェンスは、明大に2点差をつけ19―17で前半を終える。
好セーブ後にガッツポーズで応援に応える渡辺
前半の失点パターンから「しっかり枝を上げて、ポストパスとブラインドシュートをケアしながら守っていく」(結城颯太、スポ2=千葉・昭和学院)ことを確認して臨んだという後半。早大は立ち上がりからその意識を徹底した堅いディフェンスを展開した。守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)が相手ミドルを枝に当て、小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)がポストを狙ったパスをカット。両者、後半の得点がないまま迎えた4分半には、白築がミドルを枝に当てるとそのまま速攻に走り、均衡を破るゴールを決めた。その後は白築の2連続エンプティーゴールや、体を張ってルーズボールを拾った結城からつないだ外種子田の速攻、ポストに走り込んだ所真大(社2=岡山・総社)のシュートで得点を重ね、後半11分には早大のリードは7点に。一方でこれ以上の点差を避けたい明大も、中盤からは栃尾佑(2年)の強烈なミドルなどを中心に追い上げを見せ、徐々に点差を縮めていく。耐えたい早大、ここで光ったのは前半から修正されたディフェンスに加えて、キーパー陣のセービングだった。前半からライン際のシュートや足元を狙ったシュートに対し好セーブを連発していた渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)。また途中出場で1、2枚目間を割って放たれたシュートをセーブするなど、負けじとファインセーブを見せた大武蓮(社3=神奈川・川和)。2人の守護神が素晴らしいセービングでチームを支えリードを守り切ると、35―31で試合終了。後半は常に早大リードの展開を維持し、見事勝ち星を挙げた。
大きな声援を送る部員たち
早大が主導権を握り続けた今試合。プレーはもちろん、60分間ゲームを盛り上げ続けた熱い応援も、チームを勝ちに導いたと言えるだろう。コート内外問わず総力戦で勝利を目指す早大ハンドボール部は次戦、東海大と対戦する。試合後守屋や外種子田が「まだまだできることがある」「決め切らないといけないところを外してしまった」と課題を口にしたように、現状に満足せず成長を続けるワセダセブン。さらなる躍動に期待が懸かる。
(記事 片山和香、写真 土橋俊介 早崎静)
結果
関東学生秋季リーグ | ||||
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早大 | ○ | 35―31 | 明大 | |
19―17 |
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スタメン | ||||
GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園) |
コメント
渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半の最初からセービングを出せて、自分自身落ち着くことができました。得点が入らない時間もあったのですが、それに対してみんなでディフェンスして、オフェンスもチームみんなで我慢しながら試合を運べたかなと思います。
――好セーブを連発されていましたがご自身のプレーを振り返っていかがですか
先週の3連戦で自分的には結構動けなかったなとか、思った通りのキーピングができずにやられてしまったなというところがあったので、今週はそういったところの反省を踏まえてしっかり練習しました。最初はちょっと(気持ちが)上がってしまってそのキーピングが出せなかったのですが、途中西村(悠吾、人3=千葉・市川)がベンチで「落ち着け」と言ってくれたのでその分落ち着いて、やったことを出せたかなと思います。
――特に前半はポストから得点される場面が多かったかと思いますが、後半に修正したところはありますか
ディフェンス自体は、相手チーム8番の栃尾佑(明大2年)に上から打ち込まれる方が怖いなということがあって、ああいったやられ方は許容範囲だというところで始まった試合でした。最初3連続ポストを止めて、途中相手の5番の選手に何本かやられたのですが、最後までディフェンスをぶらさずにやりました。僕も最後の最後で何本か止めたというところで、良いディフェンスができたのかなと思います。
――応援も試合を盛り上げていましたがいかがでしたか
とても良い応援だったというのを一言前提において、ちょっと僕が応援慣れしていないのでうまくレスポンスできたか不安ですが、そこを修正して明日臨みたいなと思います(笑)。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
日大の体育館自体が僕たちのことが好きというか、僕たちが(日大の体育館を)好きで。実際去年の秋から日大の体育館で5連勝できているので、明日6連勝目を決めて、最終戦に臨めたらなと思います。
守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)
――今日の試合を振り返っていかがですか
先週3分の1しか勝てなかったので入れ替えが見えている中でここ勝てたのはすごく大きいのかなと思います。
――今日のご自身のプレーを振り返っていかがですか
ちょっとまだまだできることがあるのかなとは思いますね。特にディフェンスの面で僕のところでやられた場面は多かったですし、余分なチャージ狙いに行って守れないところが多かったので。オフェンスでももっと動ける場面があったし、シュート外してしまったところ、前半1本目のパスキャッチミスも含めて、まだちょっと渋いなと思うのでもう少し詰めていきたいです。
――今日は2枚目右でも左でも守られていましたが、ディフェンスで心掛けていたことはありますか
1対1で高さを出す部分は意識していて、特に最初左で出た時の方がうまくできていたかなと思います。右に入った時はフォローを気にしすぎてライン下げちゃったので、明日もう1回そこを修正していけたらなと思います。
――試合中ベンチから枝上げてといった声も聞こえましたが、コーチ陣からはどんな声がけがありましたか
高さの部分と、(フォローに)寄る寄らないの判断の部分です。ちょっと寄りすぎたところが多かったのかなっていうところで、もっとコミュニケーション取りたかったなと思います。
――練習の時から声を出してコミュニケーションを取る姿が印象的ですが、副キャプテンとしての理想像はありますか
先週個人的にイマイチだったところから、もう一度自分と向き合うことをテーマにこの1週間は過ごしていたので、その部分では割とコンディションが上がったのかなとは思います。
――最後に東海大戦に向けて意気込みをお願いします
勝てるようにっていうところをまず第一に、あとは自分のやるべきことを1つ1つ詰めていけたらなと思います。
外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
――試合を終えて今の率直な感想を聞かせてください
先週2連敗していることもあってここは勝たないといけないところだったので、勝てて良かったです。
――今日のご自身のプレーを振り返っていかがですか
先制点は自分が決められたんですけど、サイドシュートは角度があるところ外しちゃったのでそこは決め切らないといけないです。ディフェンスがめちゃくちゃ頑張ってくれていて、自分はオフェンスで返すことしかできないので、苦しい時間帯もあったんですけど流れを奪われることなく勝ち切れたのかなと思っています。
――外種子田渓汰選手(明大3年)ともマッチアップする場面がありました。今日はどんな気持ちで明大戦に臨みましたか
ここで負けたらいじられちゃうので負けられなかったです。1本チャージ取れられたのでめっちゃイライラしてるんですけど(笑)。もうちょっとガツガツ行けたかなっていう感じはします。あっちは僕を見下してきているのでやってやんないとっていう気持ちは持っていましたし、ただそこばっかり意識してもいけないし。あいつがいるいない関係なく、今日は勝ちに行きました。
――応援もチームを盛り上げていましたが振り返っていかがですか
すごい力になりましたし、1試合60分間ずっとやり続けてくれたので。僕が食いつくまでやられたんですけどそこもすごい楽しかったです。
――最後に明日の東海大戦に向けて意気込みを聞かせてください
今日後半の方はめちゃくちゃ3枚目が頑張ってくれていたので、まずはそれに応えたいと思います。あとは得点力っていう部分にはこだわって、ここ連勝できるように頑張ります。
結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半から少し点差がついたら追いつかれてみたいな苦しい展開が何度もあったのですが、その中で最後点差を離して継続させて勝ち切れたことが良かったなと思います。
――ルーズボールを体を張って取りに行く姿が印象的だったのですが、心がけていることはありますか
自分はあまりうまいプレイヤーではないので、そういう誰でもできることをどれだけ頑張れるかっていうことを意識してやっています。
――ハーフタイムでコーチ陣からはどのようなお話がありましたか
ハーフタイムでは、前半にポストパスやセンタープレイヤーのブラインドシュートが何本か詰まっていたので、その中でしっかり枝を上げて、ポストパスとブラインドシュートをしっかりケアしながら守っていくという指示が出ました。
――最後に次戦への意気込みをお願いします
今回の試合前、この井上元さん(教育3=埼玉・大宮北)、キーパーの先輩なんですけど、3枚目の練習として選手役をやってくださってものすごく良いイメージで入れたので、次戦も同じように井上さんの力を借りてしっかり守っていけたらいいなと思います!