盤石なディフェンスと堅実なオフェンスで立大に逃げ切り、見事連勝!

男子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月14日 茨城・水海道総合体育館

 14、15、16日で3連戦となる関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)。第4戦はその初戦、前戦で今季初勝利を挙げ勢いに乗りたい早大は、今秋2部リーグからの昇格を果たした立大と対戦した。前半は順調な立ち上がりを見せると、そのまま試合の主導権を握り続け18―14で折り返す。後半は中盤に、逆速攻などで点差を縮められるも、落ち着いた堅実なプレーを続けた早大がリードを守り切ると、30―28で試合終了。3連戦初戦を勝利で飾り、次戦に弾みをつけた。

 前半は早大の4連続得点で幕を開けた。スタートから相手オフェンスのミスを誘うと、外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)のサイドシュートで先制、その後は尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)の強烈なミドルなどで着実に得点を重ねる。開始から5分間、立大に得点を許さなかった堅いディフェンスは前半7分にはペナルティースローを与えるも、守護神・渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)がビッグセーブを見せ後ろからチームを支えた。クイックスタートからの速攻などで立大に点差を縮められる場面もあったが、集中して粘り強いディフェンスを展開し続けた早大。攻撃の手も緩めることなく、白築琢磨主将(文構4=東京・早実)がカットインを、外種子田や杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)、尾上はミドルを積極的に狙い、バック陣が得点を量産する。前半終了間際には、ここまでで既に9得点を挙げている外種子田から白築へのスカイが見事に決まり、18―14で折り返した。

シュートに備える渡辺。ペナルティースローにも好セーブを見せた

 勢いを維持したい後半も早大は順調な立ち上がりを見せる。「短いプレータイムで自分にできることを考えて試合に臨んだ」と語る西村悠吾(人3=千葉・市川)が冷静にサイドシュートを決め切ると、守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)の苦しい体勢からのポストシュートや白築の速攻などで早大は追加点を挙げた。後半6分半には渡辺が再びペナルティースローをセーブし、コート内はもちろんベンチや応援席も盛り上がりを見せる。この流れに乗り後半19分まで5点のリードを維持していた早大だったが、途中オフェンスのミスが続くとそのまま速攻に持ち込まれ、立大に2点差まで追い上げられた。焦りが見える場面かと思われたが、ここでも落ち着いていたワセダセブン。オフェンスでは審判の手が挙がるまで粘り、ディフェンスでは小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)を中心に立大オフェンスの勢いを食い止める。リードを守り切りたいラスト30秒、1点リードの場面で取った早大のタイムアウト明け。最後は外種子田が体を張って獲ったペナルティースローを、尾上が確実にゴールに押し込み、30―28で試合終了の笛が吹かれた。

ディフェンスに入る小柴。安定した守りでチームを支える

 渡辺が「負ける気がしなかった」と振り返った今試合。出だしから得点を重ねリズムに乗ると、最後の点差が詰まる場面では落ち着いたプレーで勝ち切った。堅実なプレーを継続した一方で、ボールを奪うことはできなかったが体を張ってルーズボールに反応したり、ガッツポーズやディフェンス時の声がけでチームを鼓舞したりと、泥臭い熱いプレーも多く見られた。日体大、順大と強豪との対戦が続く早大。小柴が語るように「圧倒されずに強気で」また早稲田らしいプレーで勝ち星を積んでいく。

(記事・写真 片山和香)

結果

関東学生秋季リーグ
早大 30―28 立大

18―14
12―14

スタメン

GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園)
CP 所真大(社2=岡山・総社)
CP 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
CP 結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
CP 尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)

コメント

渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)

――3連戦初日、どんな気持ちで臨まれましたか

 試合中もそうだったんですけど、全く負ける気はしなくて。しっかり自分たちの実力を出していつも通りプレーするように入りました。

――ペナルティーシュートにもセーブがありましたが、今日のご自身のプレー振り返っていかがですか

 前半ペナルティーも含めて、序盤は止められて点数も離れたんですけど、相手の逆速攻で1本2本、自分がやられたくないやられ方をしてしまってから、ちょっと迷走したキーピングになってしまったのかなって思っていて。それが最後まで吹っ切れなかったので、今日はすごく良かったかと言われるとそうでもないのかなとも思います。

――相手の逆速攻に対するディフェンスは、後ろから見ていていかがでしたか

 全体的にはよく守れていたし、後半よくフリースローも取れていたんですけど、やっぱり最後ここで勝負だよねというところのシュートを4本くらい入れられてしまったのが、こういったゲーム展開につながってしまったと思います。そこは反省しなきゃいけないなと個人的には思っています。

――渡辺選手はゲーム中も声を出して後ろから盛り上げる姿が印象的ですが、チームの中でご自身の役割はどんなものだと考えられていますか

 今日なんかは乗り切れなかったので、自分自身を振り立たせる意味でも大きな声出していましたし、それに連動して創(小柴創、スポ2=千葉・昭和学院)とか颯太(結城颯太、スポ2=千葉・昭和学院)や雄司(守屋雄司副将、スポ3=神奈川・法政二)が動いてくれるので、チーム一丸となって一緒にプレーしようという気持ちも含めてたくさん声出しています。

――最後に明日の日体大戦に向けて意気込みを聞かせてください

 日体大は今日中央とやって大差で負けていたと思うんですけど、本来ああいうゲームで負けるようなチームではないし春(関東学生春季リーグ)の僕たちも大差で負けているので、春と比べてどのくらい勝負できるのかってところ、勝ちに行くというよりはどれだけ勝負できるのかってところを意識して気負わず頑張っていきたいです。


西村悠吾(人3=千葉・市川)

――前戦ではスタメンでの起用、今試合も長い時間コートでプレーされていたと思いますが、どんな気持ちでこのゲームに臨みましたか

 プレータイムが短い中で自分にできることを考えて試合に臨んでいます。

――ディフェンスでは1枚目も2枚目も守られていますが、この試合ご自身で心がけていたことやチームで意識していたことはありますか

 今日は真ん中で打たれるとシュートを入れられてしまうという認識がチームの中で1つあったので、なるべく中に密集して守ろうっていうところを意識した結果、最後の方は外に外に持って行けたのかなと思います。

――終了間際のタイムアウトではどういう話をされていましたか

 1つは退場はしたらダメっていうところ、あとはラスト時間ない中で1点2点離れているところを追いつかれないために、オフェンスでどれだけ時間を使って最後シュートまで持っていくかっていうところを確認しました。

――西村選手個人やチームの秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)の目標を聞かせてください

 個人としてはやっぱりプレータイムを少しずつ伸ばしていきたいなっていうところです。チームとしては最初負けるとこからスタートしたんですけど、今やっといい流れがきているので、ここから5戦、連勝していけるように頑張っていきたいです。

――最後に明日の日体大戦に向けて意気込みをお願いします

 試合に出る時間があったら、その時間でしっかり活躍できるように頑張ります。


小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)

――連勝となりましたが今の気持ちを聞かせてください

 とりあえず一安心ですね。勝ち点ここで取れたのは大きいですし、この3連戦で1回は絶対勝ちたかったのでそこを達成できたのは良かったです。

――今日は相手の速攻も多かった印象です。ディフェンスで心がけていることはありますか

 オフェンスをやっていたメンバーがしっかり中に持ってきてくれるので、それを流れないで受け止められるように、中でどっしり構えることを意識しています。

――前半に多かった相手が中を攻め込んでくる展開が、後半は少なかったような印象を受けました。チームで共通の意識などありましたか

 3枚目は意識とりあえず変えないで、1、2枚目から中を絞ってくれたので、途中から結構(前に)出やすくなったかなと思います。

――3連戦1戦目を終えたばかりですが、2戦目日体大戦に向けて意気込みをお願いします

 日体は春リーグ優勝していてオリンピックに出てる選手もいるんですけど、そのネームに圧倒されないように強気で勝ちに行きたいです。