リーグ第2戦目は国士舘大に敗れる 積極的なオフェンス見せるも流れつかみ切れず

男子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月7日 東京・国士舘大学多摩体育館

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)第2戦、早大は国士舘大と対戦した。関東学生春季リーグ(春季リーグ)では1点差のゲームを早大が勝ち切っている。秋季リーグ初白星を狙う今試合、前半は終盤まで競った展開が続くも、ラスト5分から一気に攻め込まれ16―19で折り返す。3点ビハインドを追いかける後半、立ち上がりは早大ペースだったが、ミドルを中心に点差を広げられ33―38で試合終了。勝利は次戦にお預けとなった。

 先制点を挙げたのは早大。外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)が相手ディフェンスをターンでインに抜くと力強くゴールネットを揺らした。その後は一進一退の攻防が続く。相手のミドルを小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)が枝に当てて結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)の速攻につなげるなど、持ち味の堅守速攻が光る場面もあったが、相手も攻撃の手を緩めずなかなか流れを持っていけない。試合が動いたのは前半ラスト5分、国士舘大のタイムアウト明け。外種子田が「離されてはいけなかったターニングポイント」と語ったように集中を切らさずリードを奪いたい早大だったが、速攻を中心にライン際のシュートに持ち込まれると、一気に3点差をつけられ16―19で前半を折り返した。

シュートを狙う外種子田。試合開始から終了まで積極的に攻め続けた

 後半は相手ディフェンスの脇下を狙った尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)の強烈なミドルシュートで幕を開ける。その後、「得点力で見劣りしないような逆サイドになりたい」と語る増井浩介(スポ1=愛知)がサイドシュートを決め切り、出だしは早大がリズムに乗る。追いつき追い越したい早大だったが、国士舘大にミドルを中心に得点を許すと、半身ずらした瞬間を狙った外種子田のミドルなどで応戦するも、じわじわとリードを広げられる。後半15分の6点差をつけられた場面でとった早大のタイムアウト明け。1・5ディフェンスを仕掛けたり、守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)がチャージを誘って速攻につなげたりと反撃を試みたが、依然5点ビハインドの展開は続く。早大は終了間際まで、ポストインした増井の冷静なシュートや、白築琢磨主将(文構4=東京・早実)のブラインドシュートなどで粘りを見せたが、点差を縮めることができず33―38で敗戦となった。

速攻でシュートに持ち込む増井。1年生ながらスタメンに定着、大活躍を見せている

 「点差を詰めたいところやリードを奪いたいところでいけなかったのが、今日の試合展開につながった」と白築が振り返ったように、競った展開の中で流れをつかみ切ることができなかった今試合。しかし前戦で課題の残ったオフェンス面では、積極的な姿勢が多く見られた。バック陣は少しでも前が空けばゴールを狙い、サイド陣は確実なシュートと速攻を見せ、ポスト陣はバックとの連携でオフェンスに幅を持たせた。今試合のように試合終了の笛が鳴る瞬間まで積極的にゴールを狙い続けるオフェンスと、夏に強化した持ち味の堅いディフェンスで、次こそ勝利へ。負けられないワセダセブンは日大戦に臨む。

(記事 片山和香、写真 丸山勝央)

結果

関東学生秋季リーグ
早大 33―38 国士舘大

16―19
17―19

スタメン

GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園)
CP 所真大(社2=岡山・総社)
CP 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
CP 結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
CP 増井浩介(スポ1=愛知)

コメント

白築琢磨主将(文構4=東京・早実)

――試合を振り返っていかがですか

 1試合通してやっぱり点差を詰めたいところだったり、 同点から2点、3点離していきたいところでいけなかったっていうのが、今日の試合展開につながったかなと思うし、後半の5点差でズルズルそのまま時間流れていた時に、何かしらアクション起こしても良かったかなっていうふうに思う試合でした。

――相手の1・5ディフェンスに対して、チームや個人では、どんな方針で攻めようと考えていましたか

 相手1・5で寄りは早いんですけど、間が広いディフェンスではあるので、両バックに1対1強く攻めようっていうことは話してましたし、そうできるようなパス回しっていうところは意識してプレーしていました。

――ディフェンス面は振り返っていかがですか

 前半のディフェンスは、とにかくミドルシュートを簡単に打たせないっていうところと、簡単に(前に)出すぎて裏やられないっていうところは徹底しようっていう話はしてたので、それが前半の方には結構通用してはいたかなとは思うんですけど、結果的に振り返ると10何点かな、結構ミドルで取られた失点数が多かったので、そこは修正が必要かなと思います。あとは後半の1・5のところは、簡単に利き腕側をやられちゃったり、簡単に切り返されちゃったりっていうところが多かったので、もう少し運動量を持ってやれていれば、もう少し良いディフェンスのクオリティーになっていたのかなと思います。

――白築選手個人としては、終了間際まで積極的に前攻める姿勢が印象的でした。ラストはどんな意識でプレーされていましたか

 時間と点差を考えた時に、もうどんどん打って、守って速攻っていう形にしないとやっぱり点数は詰められないので、いかに短い時間の中で決めきるかっていうところは意識してましたし、ちょっとでも間が空けば前攻めるようにはしていました。

――連戦になりますが、明日の日大戦に向けて意気込みをお願いします

 明日の日大も立体(ディフェンス)が特徴的なチームではあるので、運動量は絶やさずに60分間戦っていきたいですし、やっぱりルーズボールや1本のシュートっていう細かい小さいところの積み重ねが結果的に勝利につながると思うので、そこは全員で意識して準備して戦いたいなと思います。


外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半の残り5分、国士舘大のタイムアウト明けに3連続得点ぐらいされてるかと思うんですけど、まずそこで離されちゃいけなかったです。その3連続得点で前半3点差で終わってしまったので、それなしで前半は引き分けるぐらいで終わりたかったんですけど、まずそこが1個ターニングポイントかなと思います。

――タイムアウト明けに連続で得点を奪われた原因として考えられることはありますか

 相手が5分切ったぐらいの点が欲しいところで、確実に決め切られちゃったので。その時に僕らもオフェンスで焦ってミスが出て決められて、ミスの連続でそうなったのかなと思います。

――相手はミドルを多く打ってきていた印象でしたが、ディフェンスではチームとしてどんな意識を持っていましたか

 試合前のミーティングでは守って守って、きついところで勝負っていう感じだったんですけど、それが結果的に綺麗にブロックかかったりして、気持ちいい間合いで打たれてしまいました。3枚目が頑張ってる中で、僕とか2枚目がもうちょっと寄せることで3枚目の負担を減らして、3枚目を前に出させるっていう連携ができれば良かったです。僕自身そこをまだ寄せ切れていなかったので、それが相手に気持ちよく打ち込まれた原因かなと思います。

――相手は前半1・5ディフェンスでしたが、そこに対してどう攻めようと考えていましたか

 合宿で国士とやったことからも、1・5で来るっていうことは分かっていたし、僕の前が狙い所だと個人的に思ってたので、とにかくそこをガンガン攻めようと思っていたので、結果的に出だしからウィークポイントっていうんですかね、そこをしっかり攻めきれたのはよかったです。

――春季リーグ(関東学生春季リーグ)の後、課題として挙げていたスタミナ面はどうですか

 もうついてると思います。プラン的には、前半頑張って出て、後半はちょっとディフェンス守屋とかに頑張ってもらって、オフェンスに専念するっていう形で、それは今日できていたと思います。これからもそうしてもらえると僕個人的にはありがたいかなと思っています。

――最後に明日の日大戦に向けて連戦になりますが、意気込みを聞かせてください

 この2試合、乗り切れそうで乗り切れない、守れそうで守りないみたいなのが。明日はそこまでしっかり(勢いに)乗り切るっていうところと、しっかり切り替えてもうちょっと点取ります!


増井浩介(スポ1=愛知)

――今日の試合を振り返ってください

 僕としては初戦の筑波大戦でシュートを決めることができなかったので、まずサイドシュートを決め切ること。ディフェンスよりもオフェンスで活躍しようって思って臨みました。

――ご自身のプレーを振り返ってください

 1本目にキーパーへの対策として考えていたシュートを打ったんですけど、それを止められてしまって。でも切り替えて速攻で2本連続決めることができたので、そこから波に乗れて落ち着きを取り戻せたかなって思います。

――試合後、コーチからどのようなお話をいただきましたか

 とりあえずはディフェンスの方に課題があったと思っています。チームでいえば、相手にいろいろ箇所で攻められたので、サイドシュートも多かったし、バックプレーヤーのシュートもポストシュートも多かったので。そこをチームとして絞って、もうどこで勝負するのかってことをチームで絞っていこうみたいな話がありました。あと個人的には体のケアのところで、連戦になるので、しっかりとケアをして、また明日万全の状態で臨めるように頑張ってと言われました。

――前半、相手の1・5ディフェンスに対してどのように動こうと思っていましたか

 基本的にはサイドに落ちた形で、そこから裏が広くなるので、どこかのタイミングで裏を切ってノーマークシュートを打ちたいなとは思っていました。

――ディフェンスでクロスカットを狙う場面もありましたが、ディフェンス面で夏に強化したことはありますか

 春(関東学生春季リーグ)出た時はまだチームに加わってすぐだったので完成度が低くて。その代わり、もう思いっきりやってこいみたいな話だったので、クロスアタックとかたくさん仕掛けていたんですけど、その分ミスも多かったです。なので、この夏を経てディフェンスでのミスの数は本当に減ったかなと思っています。その面で今度はもっとアグレッシブに、初心を忘れないというか、失敗してもいいみたいな雰囲気をチームは出してくださっているので、どんどんチャレンジしたディフェンスをしたいと思います。

――秋の個人的な目標を教えてください

 これはシュートに限ると思います。他の大学の逆サイドはみんな上手くて、ほとんど決め切っているので、そこに見劣りしないような逆サイドになりたいと思います。他のチームに比べると、早稲田は得点力が少し足りないと思うので、僕がそこを決め切ってチームを助けたいと思います。

――明日への意気込みをお願いします

 今日でいろいろな反省点が出たと思うので、その中で僕から声かけられることは声かけて、チームとして勝てたらいいなと思います。