日体大に9点差での敗戦 前半のビハインド取り戻せず

男子ハンドボール

関東学生春季リーグ 5月11日 埼玉・三郷市総合体育館

 関東学生春季リーグ(春季リーグ)第7戦、先週の連勝で勢いに乗る早大が立ち向かうのは、ここまで負けなし6連勝中の日体大。前半、立ち上がりにつまずき点差を大きく離されると、序盤から追いかける展開を強いられる。堅いディフェンスとスピードに乗ったオフェンスで、一時は2点差まで詰め寄るものの、再び引き離され13―22の9点ビハインドで折り返した。後半が始まると日体大にさらにリードを広げられるが、中盤以降なんとか食い下がる。しかし前半につけられた点差をひっくり返すことはできず、30―39で敗戦、3連勝とはならなかった。

 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)が「らしくないプレーが続いた」と語ったように、早大は立ち上がりに苦しんだ。シュートを決め切れない間、日体大に強烈なミドルなどで得点を重ねられ、点差を大きく離されてしまう。前半3分の得点を最後に、ゴールから遠ざかっていた早大は、8点差をつけられた前半10分半、外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)のスピードに乗ったミドルでようやく追加点を挙げた。途中からセンターに入った河原龍成(スポ1=福井・北陸)や右サイド増井浩介(スポ1=愛知)といった1年生の活躍もあり、なんとか日体大に食らいつくと、その後の早大は巻き返しを図る。ディフェンスでは相手のミスを誘い、渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)と大武蓮(社3=神奈川・川和)のキーパー陣は好セーブを見せた。またオフェンスでは、外種子田の鋭いコースのミドルや増井の速攻などで徐々に詰め寄り、前半18分、ついに点差を2点差にまで縮める。このまま勢いに乗りたかったが、日体大の堅いディフェンスを前に、再び得点を重ねられない時間帯がやってきた。早大も簡単に攻め込ませない堅いディフェンスを見せる場面は多かったものの、前半終了間際まで日体大オフェンスにたたみ掛けられ、9点ビハインドの13―22で前半を終えた。

シュートを狙う外種子田

 点差を詰めたい後半の立ち上がりも、早大はなかなか流れをつかめずにいた。後半開始直後に白築のパスカットから守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)が速攻を決めるが、その後のオフェンスでは単発のシュートが目立ち、日体大に12点差までリードを広げられる。これ以上の点差は避けたい苦しい時間帯、早大は4年生がなんとかチームを引っ張る。主将白築が、ルーズボールに反応しての速攻や、2枚目のアウトに攻め込んで得点し日体大に食い下がると、キーパー渡辺も、相手の速攻に対してファインセーブを見せるなどチームを後ろから支えた。引き離されるまいという姿勢を4年生が見せた早大は、ここから少しずつ調子を取り戻す。「視野外から攻め込むことを意識した」という外種子田が、スピードに乗ってディフェンスの間を割り得点すると、河原のステップシュートや西村悠吾(人3=千葉・市川)の速攻などで徐々に詰め寄り、得点差を7点にまで縮めた。このまま追いつきたい場面、堅いディフェンスを続ける早大だったが、前半同様オフェンスでシュートを決め切れないシーンが続き、スコアが動かない展開となる。勢いを取り戻したい早大はタイムアウトを取ると、その後は両チーム点の取り合い、ラストで日体大に再びリードを広げられ30―39で試合終了の笛が鳴った。

シュートを放つ河原

 白築と外種子田が「出だしの雰囲気を引きずってしまった」と振り返った今試合。点差を縮める場面も見られた一方で、流れはつかみ切れないまま、前半のビハインドを埋められずに敗戦となった。苦しい場面でコート内外問わず、チームを引っ張る上級生の姿や、声を出して盛り上げる下級生の姿が、何度も見られてきたこの春季リーグ。今回の敗戦を経て、大きく点差を引き離された展開でも、チーム力を存分に発揮する必要性を再確認した早大は、再びチーム一丸となって次の戦いに臨む。次戦の相手は、早大と同じく春季リーグ2勝5敗の東海大。負けられない戦いが続く春季リーグも、残すはあと2戦。早稲田らしいプレーを見せつけ全員で勝利をつかみにいく。

(記事 片山和香、写真 伊藤菜花)

結果

関東学生春季リーグ
早大 30―39 日体大

13―22
17―17

スタメン

GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園)
LW 所真大(社2=岡山・総社)
LB 鍋島弘樹(スポ2=福井・北陸)
PV 村松涼雅(商3=岩手・不来方)
CB 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
RB 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
RW 増井浩介(スポ1=愛知)

コメント

白築琢磨主将(文構4=東京・早実)

――試合を振り返っていかがですか

 やっぱり立ち上がりのところでシュートミスだったり、上から打たれてしまったりっていうような、らしくないプレーが続いた、早稲田としてやってきたことがあまり出せなかったっていうことは非常に悔やまれることではあります。でも前半の途中で6点差、7点差、開かれた状態から2点差まで持っていけた場面もあって通用する時間もあったと感じています。負けてしまったことは負けてしまった結果として自分たちの立場を理解しないといけないのは重々承知なんですけど、やっぱりもう下向いている暇はないし、リーグはまだまだ続くので、切り替えたいなと思っています。

――前半9点差で折り返して、後半追いつけなかった要因、あるいは点差を離されなかった要因は何か考えられますか

 やっぱりディフェンスで守れている時間帯は結構多くて、相手の単発なシュートミスからキーパーが取ってくれる場面はたくさんあったことは良かった部分だと思います。でもシュートの部分で簡単に打ってしまったり、キーパーに簡単に当ててしまったりする状況があったので、シュートまでは行けているという風には捉えていいと思うんですけど、やっぱりもう決められなければ点は重ならないわけで。基本的なところが相手の方が上回っていたのかなとは思います。

――今日セットオフェンスでも得点する場面が多く見られましたが、チームではどのような話をされていましたか

 パス回して外までっていうようなことは先週から、先々週からずっとやってきて、それが先週の試合だったら結構体現できていて。今日の試合も、相手に完全に守られて攻めあぐねていたかと言われたら、僕個人としてはそうは思ってなくて。パスも回っていましたし、その中でミドルシュートも入っていて良かったと思うので、セットオフェンスの攻め方については、良いところは継続していきたいなと思います。

――最後に、次戦東海大戦に向けて意気込みをお願いします

 僕らも東海大も下位を争っているチームではあるので、もちろん負けられない気持ちがあります。今日は出だしの立ち上がりからチームの雰囲気として上げ切れなかったというような課題が挙げられたので、そこは1週間かけて良い方向に持っていって、試合で全員120パーセント出せるように頑張ります。

外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)

――まず、試合を終えて今の率直な感想を聞かせてください

 先週2連勝してその勢いのまま行きたかったんですけど、出だしでこけちゃって、それを引きずってしまっていたところが敗因として1番大きいものかなと感じています。

――今年から45でプレーすることも増えていると思いますが、何か難しさを感じる部分はありますか

 難しさというか、1番はスタミナの部分です。去年はずっとサイドで走っているだけだったんですけど、バックはやっぱりフィジカル的な要素でもスタミナが削がれていくので、その点でまだ1試合やり切れたことがないなと思っています。最後までやり切るようにしないといけないとは思うんですけど、それがまだできてないことが課題です。

――今日は45でプレーされている時に、ミドルを積極的に狙ったり、速攻でディフェンス間を割って入ったりする場面がよく見られましたが、オフェンスで意識していたことはありますか

 自分のマークが逆を見ている時に視野外から攻めることと、サイドラインの狭いところから攻め始めることを意識していました。

――最後に次戦への意気込み聞かせてください

 絶対落とせない試合だと思うので、僕が勝たせるくらいの気持ちで頑張ります!

河原龍成(スポ1=福井・北陸)

――悔しい結果になりましたが今の率直な感想は

 悔しいです。

――セットオフェンスを仕掛ける場面が多かったですが、オフェンスの連携はいかがでしたか

 コミュニケーション取れて良かったんですけど、相手のディフェンスがやっぱり強くて難しかったです。

――カットインやミドルなど積極的に狙われていましたが、ご自身でオフェンスに関して意識していたことはありますか

 フェイントをかけて、自分でいけるところはいって、味方にもアシストできるように心がけました。

――次戦への意気込みをお願いします

 今日負けてしまったんですけど、次頑張ります!