奮闘するもハイスコアの試合制せず 春季リーグ黒星スタート

男子ハンドボール

関東学生春季リーグ 4月20日 東京・国士舘大学多摩体育館

 関東学生春季リーグ(春季リーグ)がついに開幕した。三冠を目指して春季リーグに臨む早大の初戦の相手は、昨年の秋季リーグで惜しくも逆転負けを喫した順大だ。組織的なディフェンスと積極性なオフェンスで素晴らしい立ち上がりを見せた早大。1年生の活躍もあり、主導権を握り続け前半を22―19で折り返す。一方後半は、持ち味の堅守速攻を十分には発揮できず、逆転を許してしまう。流れを引き戻したい早大だったが、逆転された後は一度もリードを奪うことができず敗戦に終わった。

シュートを放つ白築

 試合開始直後、早大のパスミスから速攻を決められ、順大に先制を許した。しかしすぐに外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)がミドルシュートを決め、同点に追いつく。追いついては取られての展開が続く中、前半8分守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)がポストシュートを決め逆転すると、続けて3連続で早大が得点し均衡を破った。その後も早大は鍋島弘樹(スポ2=福井・北陸)の力強いシュートなどで得点を重ねる。また運動量を生かし全員でカバーしあう組織的なディフェンスが、相手の攻撃を食い止めた。前半19分、増井浩介(スポ1=愛知)にパスが回ると、確実にシュートを決め公式戦初得点を記録した。勢いそのままに増井は四連続得点を挙げ、チームのリードを4点に広げる。その後前半27分のタイムアウト明け、順大に三連続で得点を取られたものの、最後は外種子田の強気なミドルシュートで前半を22―19で締めくくった。

速攻でシュートを決める増井

 リードを広げたい後半だったが、開始直後に守屋が退場となると、一気に順大が同点まで追いつく。その後も後半6分までに、早大はチームで3度の退場を言い渡され、その間に逆転を許してしまう。なんとか流れを取り戻したい早大セブンは、後半8分のタイムアウト明け、一気に反撃に出る。大武蓮(社3=神奈川・川和)がナイスセーブを見せると、白築琢磨主将(文構4=東京・早実)のロングシュートや村松涼雅(商3=岩手・不来方)の体を張ったシュートが決まり、同点に追いついた。しかし順大も簡単には流れを渡してはくれない。1、2枚目間のカットインやブラインドシュートなどで、早大は点差を引き離される。なかなか早大の得点が伸びない展開ではあったが、それでも所真大(社2=岡山・総社)や河原龍成(スポ1=福井・北陸)が、速攻から相手のファールを誘いペナルティースローを獲得する。白築が確実に押し込み、なんとか5点差まで詰め寄った。最後まで懸命に戦った早大だったが、再び点差をつけられ38−44の6点差で試合終了となった。

 攻守共にうまく機能し順調な立ち上がりでスタートした前半だったが、後半は堅いディフェンスや流れのあるオフェンスが展開できなかった。次戦の相手は日大だ。「1回切り替えて、明日の日大戦で100パーセント、120パーセントでプレーできるように」という白築の言葉通り、次戦新たな気持ちで開幕初勝利をつかみ取る。

(記事 丸山勝央、片山和香 写真 丸山勝央)

結果

関東学生春季リーグ
早大 38―44 順大

22―19
16―25

スタメン

GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園)
LW 西村悠吾(人3=千葉・市川)
LB 鍋島弘樹(スポ2=福井・北陸)
PV 守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)
CB 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
RB 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
RW 尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)

コメント

白築琢磨主将(文構4=東京・早実)

――まずは初戦お疲れ様でした。開幕黒星スタートになりましたが、今の率直な気持ちを聞かせてください

 僕らがやりたいことや、やってきたことが60分かけてできなかったっていうところで、 すごく悔いが残る試合だったとは思います。でも1回切り替えて、悪いプレーだけじゃなくて良いプレーもちょっと出ていたので、明日の試合で出せるように切り替えて頑張ります。

――やりたかったこととは何か具体的に教えてください

 そのディフェンスの部分で、密集して中寄せて、最後パスいっぱい回させるっていうところまでやりたかったです。それがちょっとできなくて、足が止まって間が広くなっちゃったっていうところが反省点です。

――前半はディフェンスがカバーしあって、さっきおっしゃっていた、やりたかったことがうまく機能していたように感じたのですが、後半にそれが少し崩れてしまった原因は何か考えられますか

 前半は結構終わりの方まで3点差リードしていて、すごく流れが良くて、ディフェンスも すごく足動いていたんですけど、後半の出だしの部分ですね。やっぱり退場が重なってしまって、ちょっと自分たちのベースに持ってくることができなかったというか。そこで割り切って切り替えて次のプレーに集中しようっていうんじゃなくて、それをずるずる引きずってしまったっていうのが、ディフェンスで足の止まった原因なのかなと思います。

――次にオフェンス面のことを伺いたいと思います。前半は、最初はバックプレイヤーが積極的に、その後ポストやサイドでのシュートまでうまくつながっていたと思うのですが、その前半のオフェンスについて具体的に意識していたことがあれば教えていただきたいです

 結構相手のディフェンスの真ん中が僕に対して厚く出てきたり、2枚目がクロスアタックで僕に対して出てきたりっていう場面が多かったので、その分エースのプレーの幅が広がって、パスも捌けました。その中で空いたポストを結構使えていたので、前半のオフェンスとしてはすごく出来の良いクオリティを保てていたのかなと思います。

――後半のオフェンス面について、少し攻めあぐねていたシーンがあったと思うのですが、相手のディフェンスで前半と変わった点や、こちらのオフェンスが少しうまくいかなかった原因などありますか

 後半にかけて相手は結構フレッシュな選手が出てきて、(相手の)ディフェンスが2枚目の運動量を中心に上がっていたように感じました。そこでもう少しパスを回せれば良かったのかなとは思うんですけど、ちょっと上(バックプレーヤー)だけで攻めてしまったっていうのが反省で、その中でポストだったりサイドだったりっていうのをもう少し絡められたら良かったなと思います。

――後半早大が得点を重ねられなかった時間帯に、白築選手が積極的に攻めて点を奪うシーンが印象的だったのですが、キャプテンとしてその時の気持ちを教えてください

 やっぱり4年生という立場で、キャプテンという立場でもあったので、こうやってチームが苦しい時に自分が行ってもぎ取れるような、プレーで引っ張る選手になりたいとは思っています。そういうのがコートで体現できたっていうのは良かったんですけど、結局負けは負けなので。そこは個人の反省としてはもう少しチームを、自分たちのやりたいことができない時に、どうやって盛り上げられるかっていう精神面でも引っ張っていきたいと思っています。そこは1回切り替えて、明日の試合に臨みたいと思います。

――最後に次戦の日大戦への意気込みを教えてください

 もう今日の負け、今日の試合は終わったことなので、1回切り替えて、明日の日大戦で100パーセント、120パーセントでプレーできるように準備して、全員でやっていきたいなと思っています。

増井浩介(スポ1=愛知)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日は途中出場だったんですけど、相手キーパーの特徴をコーチから聞いていて。自分はキーパーの腰横を狙うシュートが得意で、自分と相性のいいキーパーだったので、そこを狙って試合に臨みました。

――公式戦初得点決めた今の気持ちは

 ほっとしています(笑)。

――開幕戦ということで緊張などはありましたか

 試合に出た時は緊張していなかったので、結構リラックスして試合に臨めました。

――尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)選手も同じ右サイドを務めることがあると思いますが、今後どのようにアピールしていきますか

 シュートの確率は尾上と差はないと思うので、オフェンスだけでなくディフェンスでもチームに貢献していきたいです。

――明日の日大戦への意気込みをお願いします

 今日は大事な場面でシュートを外してしまったので、ここ1点欲しい場面で決め切れることを目標にしたいです。