早慶明定期戦で優勝奪還! 昨年の悔しさを晴らす

男子ハンドボール

早慶明定期戦 7月13日 神奈川・慶應義塾大学日吉記念館

 7月13日、今年も早慶明定期戦が開催された。早大はまず関東学生リーグ1部で共に戦っている明大と対戦、その後今春に関東学生リーグ2部復帰を決めた慶大と対戦した。明大戦で接戦を勝ちきると、慶大戦では後半にリードを広げて勝利。昨年の悔しさを晴らし優勝奪還を果たした。

 初戦は、関東学生春季リーグ(春季リーグ)で惜敗を喫した明大との対戦。終始競った展開が続いたが、早大が1点を争うゲームを勝ち切った。PV村松涼雅(商3=岩手・不来方)が先制点を挙げると、相手の退場の間に外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)の速攻などでリードを広げ、早大は順調な立ち上がりを見せた。早大ペースで試合が進むかと思われたが、明大も鋭いミドルを中心に追い上げ、前半15分以降は一進一退の攻防が続く。早大は大武蓮(社3=神奈川・川和)の好セーブ、河原龍成(スポ1=福井・北陸)のステップシュートや小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)のポストシュートで応戦し、15―15で前半を折り返した。後半も競った展開が続くと、両チームが動きを見せる。早大が豊富な運動量で3・3ディフェンスを展開した一方、明大は7人オフェンスを仕掛け、両者一歩も譲らない。試合終了まで残り1分、同点の場面。早大は外種子田から白築琢磨(文構4=東京・早実)へのスカイプレーを見事に決め勝ち越し点を挙げた。これが決勝点となり31―30で接戦を物にした。

シュートを放つ白築

 スタメンを大きく変えて臨んだ慶大戦は、前半なかなか流れをつかめなかったが、後半速攻を中心にリードを広げ勝利した。先制点は相手に許したものの、その後は堅いディフェンスから速攻につなげ奥田理仁(人3=群馬・富岡)が3連続得点でスタメン起用に応える。勢いに乗りたい早大だったが、外種子田が「盛り上げ切れていない場面があった」と振り返ったように、雰囲気を自分たちのものにはできないまま前半を15―13で折り返す。突き放したい後半は、中盤まで早大が2、3点リードする形で試合が進んだが、後半15分以降、尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)の力強いミドル、所真大(社2=岡山・総社)のLW・CB両ポジションからの得点、速水駿太(文構4=東京・巣鴨)のペナルティーシュートなどで早大が一気にリードを広げた。その後も渡辺航平副将(人4=神奈川・桐光学園)の好セーブや黒沼大幹(教2=東京・明星)のポストシュートなどで、慶大に流れを渡さなかった早大。最後は白築がクロスカットから速攻につないだボールを、坂下瑞紀(スポ1=鹿児島・鶴丸)がゴールに突き刺し36―28で勝利を収めた。

奥田のゴールに喜ぶベンチ

 試合後白築主将が、秋以降を見据えて意識したいこととして語ったのは「1点への執着」と「チャレンジ」だった。1点差で接戦を勝ち切り、クロスアタックや3・3ディフェンスなどさまざまなチャレンジが見られた今回の定期戦。春季リーグ後にチームで強化してきたことが、徐々に形になってきているように見えた。今年度の定期戦を終え夏の鍛錬期に入る早大。さらなる成長に期待がかかる。

(記事 片山和香、写真 大村谷芳)

集合写真

結果(明大戦)

早大31―30明大
前半
早大15―15明大
後半
早大16―15明大

スタメン(明大戦)

GK 大武蓮(社3=神奈川・川和)
LW 所真大(社2=岡山・総社)
LB 鍋島弘樹(スポ2=福井・北陸)
PV 村松涼雅(商3=岩手・不来方)
CB 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
RB 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
RW 増井浩介(スポ1=愛知)

結果(慶大戦)

早大36―28慶大
前半
早大15―13慶大
後半
早大21―15慶大

スタメン(慶大戦)

GK 大武蓮(社3=神奈川・川和)
CP 奥田理仁(人3=群馬・富岡)
CP 杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)
CP 結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 村松涼雅(商3=岩手・不来方)
CP 豊田創志(スポ2=千葉・市川)
CP 朝日俊介(創理3=神奈川・東邦大付)

コメント

白築琢磨主将(文構4=東京・早実)

――明大戦を振り返っていかがですか

 この定期戦をやるにあたって、チームでオフェンスなりディフェンスなり速攻なり、テーマを持ってチャレンジしようということは、試合前や練習の時とかからずっと言っていたので、それがいくつか出ていいところもあったし、逆に言ったら課題点も出てきたかなっていう試合でした。

――次に慶大戦を振り返っていかがですか

 立ち上がりのメンバーがいつものメンバーとはガラッと変わったこともあって、チームとして少し雰囲気がふわふわしていた状態で、あまりよくはないスタートではあったのかなと思います。その後途中から僕がキャプテンで4年生というチームをまとめる立場、引っ張っていく存在としてコートに立ったんですけど、全体を引っ張ることができてあの結果につながったのなら、そこは良かったかなと思います。

――クロスカットを狙う場面が多かった印象がありますが、デェフェンスで意識していたことはありますか

 ミスしても大きいチャレンジをどんどんしよう、そこから何か自分の感覚や得られることはあるという話はチームでしていました。チャレンジした結果ミスしてしまっても、それは次に生かそうというスタンスでやっていたので、失敗を恐れずに、やっぱりこういう機会じゃないとチャレンジできないので、そこは積極的に行こうという風には考えていました。

――最後に、夏の期間どんなことを強化していきたいか教えていただけますか

 春リーグ(関東学生春季リーグ)を通して、ディフェンスや速攻でどこか安定感の無さがあって、そういうところで勝ち切れない場面が続いてしまったリーグではあったので、ルーズボールへの反応など1点への執着、1点の重みっていうところは意識して、チームの課題に挙げています。あとは今日の定期戦でもそうだったんですけど、チャレンジしていこうという話はチームでしているので、どんどん練習から、1個でも2個でもできることを増やして秋につなげていく夏にしたいです。


外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)

――明大戦を振り返っていかがですか

 勝ち切れたのはよかったんですけど、個人的には単発のプレーが目立ったので、1試合通してやっぱり疲れてくる時間帯は絶対にあるんですけど、そこで簡単なシュートミスや反則してターンオーバーという自分のミスから得点される場面が結構あったので、その部分は良くなかったです。

――途中からディフェンスの形を変えていたと思いますが手応えはありますか

 3・3を試したんですけど、意外と相手もプレーしづらそうにしていたので、1つのアクセントとしては良かったのかなとは思います。

――慶大戦はベンチからどのように見られていましたか

 とりあえずベンチを温めるのと、出せる声は出していく意識は持って見ていたんですけど、前半としてはあんまりよくなかったので、そこはもう少し早めに手を打ってもよかったのかなと思います。中の人間が盛り上げるべきところで雰囲気が上がり切っていない時があったので、そこはまずは中にいる人間が盛り上げないといけないのかなと思います。

――今日の試合を通して、夏の期間強化していきたいことを改めて聞かせてください

 今日の試合(明大戦)で最後つってしまったので、まずスタミナをつけるっていうこと。疲れてきた時でも1対1で抜けないといけないので、フィジカルや瞬発力は上げていきたいと思っています。あとはシュート決定率、今日単発が多くて悪かったので、決め切れるようにしないと意味ないと思うししっかり上げていきたいです。


小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)

――明大戦を振り返っていかがですか

 ずっとリードしていた形にはなったんですけど、点差を離せない状況が多くて苦しかったです。去年は同点で終わって悔しかったので、今年は最後勝ち切れてよかったなと思います。

――勝ち切れた要因について何か考えられるところはありますか

 ディフェンスでみんな足を動かせていたことで勝ちに近づけたと思います。相手に左利きで上手い選手(明大・細野聖太、3年)がいたんですけど、自分たちが足動かせていたこともあって失点を少し減らせたのかなと思っています。

――次に慶大戦を振り返っていかがですか

 僕も退場してしまったんですけど1試合で退場が5、6本あって、流れをつかめずに結構ぐだってしまったかなと思います。最終的に勝つことはできたんですけど、あまりいい終わり方ではなかったなと感じています。

――春季リーグが終わってから、ディフェンスはどんな強化をされてきましたか

 ボールに対してまずは全員しっかり前で当たって、振られたらどんどんカバーに入ること。あとはひたすら走り込んできたので、それが運動量につながってきたかなと思います。

――夏の期間で強化していきたいことはありますか

 今日試した立体の3・3(ディフェンス)の完成度を上げていきたいです。あとはオフェンスがまだ安定していないので、オフェンスをしっかり合わせていきたいです。