早慶戦で通算70回目優勝飾る 全種目で圧倒し全日本インカレへ弾み

体操

 1年ごとに早慶交互の会場で行われる早慶対抗定期戦(早慶戦)。今年は敵地慶大での開催となるも、全種目で圧倒し、男子団体総合で通算70回目の優勝を飾った。また、今年は早大応援部と慶大応援指導部による応援やエキシビションも行われ、昨年度以上の盛り上がりを見せた。

 開会式で両校主将による選手宣誓、ペナント交換によって早慶の伝統を紡いだ後、男子団体が始まった。今大会ではそれぞれの種目に各校から3人が出場し、その合計得点で優勝が争われる。第1種目のゆかでは、トップバッターの首藤匠(スポ4=三重・暁)が着地をピタリと決めて、13.450点を獲得。さらに奥田健太(スポ2=埼玉栄)も、高さのある伸びやかな演技で14.000点を記録し、1種目目から弾みをつけることに成功した。

慶大の泉颯真主将(左)とペナント交換をする田口陸斗主将(スポ4=福岡・自由ケ丘)

 第2種目のあん馬では、田口が会場を沸かせた。13.500点で笑顔を見せた田口に続き、今年NHK杯に出場した向中野蓮(スポ3=千葉・市船橋)も圧巻の演技を披露する。一息ついてから競技に臨むと、勢いもありながらなめらかな演技で観客を魅了。今大会最高得点となる14.600点をたたき出し、これには両手でのガッツポーズも飛び出した。また、つり輪では山口陽亮(スポ3=福井・鯖江)が力強い演技を見せる。早慶戦初出場となる1年生の田村優(スポ1=東京・松蔭大松蔭)は、「優頑張れ」「ラスト決めろ」といった声援を受けながら一つ一つ確実に技を決め、13.400点で見事1位に輝いた。

つり輪の演技をする田村優

 男子団体も後半戦に差し掛かる。第4種目の跳馬では今大会で唯一、出場した3人全員が13点台に乗せるなど、中だるみも見られない。小長井倫(スポ4=岡山・関西)の平行棒の演技では、観客から感嘆の声も聞かれた。ここまで、つり輪、跳馬、平行棒の3種目連続で1位から3位を独占し、最終種目まで勢いの止まらない早大。第6種目の鉄棒では、鶴木康成(スポ3=埼玉栄)がスピード感と華やかさを兼ね備えた演技でまとめると、最後は首藤の演技でフィニッシュ。演技後は悔しい表情をのぞかせた首藤だが、早慶戦を締めくくるにふさわしい、堂々とした演技を見せた。早大の総合得点は237.150点。慶大に約20点差をつけ、通算70回目となる優勝を果たした。

 男子団体の後には、慶大選手によるトランポリンエキシビション、女子選手による跳馬、ゆかでのエキシビションが行われた。跳馬には1年生の犬養愛瑠(国教1=香港国際学校)、篠原理紗(スポ1=広島・ノートルダム清心)の2人が登場。着地に乱れはあったが、1年生らしいフレッシュな演技を披露した。また、ゆかに挑んだ田村七紗(先理3=東京・錦城)は、指先まで意識された演技で観客の心をつかんだ。最後は早大応援部、慶大応援指導部による活気あふれるエキシビションで終幕となった。

観客にあいさつする慶大・森千紗(左)、田村七(中央左)、篠原(中央右)、犬養

 例年通りの選手による積極的な声掛けに加え、今年は早大応援部、慶大応援指導部の応援もあったことで、だんだんとコロナ禍前の盛り上がりが戻ってきている。この勢いそのままに、約1カ月後に迫った全日本学生選手権でも、きっと素晴らしいチームワークを発揮してくれるに違いない。

校歌を歌う早大選手ら

(記事、写真 荒井結月)

結果
男子団体
選手名 ゆか あん馬 つり輪 跳馬 平行棒 鉄棒 合計点 順位
田口陸斗主将(スポ4) 13.500(2位) 13.500(2位) 12.950(2位)
小長井倫(スポ4) 13.050(2位) 13.450(1位)
首藤匠(スポ4) 13.450(2位) 11.950
鶴木康成(スポ3) 12.800 12.200(3位) 12.700(3位)
向中野蓮(スポ3) 14.600(1位) 13.350(1位)
山口陽亮(スポ3) 12.250(3位) 12.900(3位)
奥田健太(スポ2) 14.000(1位) 13.700(1位)
田村優(スポ1) 13.400(1位) 13.400(3位)
団体総合(合計) 40.250 40.300 38.700 40.600 39.300 38.000 237.150 優勝